【2018年最新版】おすすめCPUの選び方とベンチマーク性能比較 Intel,AMDを横断的にランキング評価

ウェブサイト閲覧やYoutubeの視聴、プログラミング(ソフトウェア開発)、動画エンコード、Excel、Wordなどパソコンの用途は様々です。

また深層学習や金融時系列分析といったかなり本格的にコンピュータを使うハイパフォーマンスコンピューティングといった用途もあります。

そのような用途ごとの観点から、どのCPUがおすすめかというランキングを作りました。

またCPUは毎年新しいものが発売されるという非常に進歩と陳腐化が著しい分野です。

そこでどんなに年数がたって技術が進歩しても根本的に変わらない部分をこのページの後半に記載しました。

今後Intelからは毎年次々に新しい世代のCPUが出てくるでしょうが、どれだけ新しいものが出てきても変えることのできない普遍的なことを知っておけば今後新しく出てくるCPUを評価する上で役に立ちます。

インデックス:

CPUの性能比較はカタログスペックやピーク性能ではなく、実効性能(Effective Flops performance)で比較するのが重要

プロセッサ性能比較では1秒間あたりに浮動小数点演算を何回実行できるかという指標であるFlops(floating point operations per second)を使うのが一般的です。1秒間で小数の掛け算・割り算を多くできるCPUの性能が高いだろうという考え方でこの指標が使われています。

これは国際的なスパコンの性能比較でも昔から使われており、コンピュータ・アーキテクチャ分野で現在でも使われる古典的な比較方法だと言えます。

グラフィックボードの性能比較でも倍精度と単精度のFlopsで比較するのが一般的です。大学などの学術的な研究分野でもこのFlops値で性能を競い合っています。

そしてこのFlops性能には、カタログスペックをフルに活かせたと仮定した”理論的”なピーク性能Flops(peak flops)と、理論的な性能より実際使うときにどのくらい速いかという”実際的”なFlops値として、実効性能Flops(effective flops)というものがあります。当然後者の実効性能Flopsで比較すべきです。”effective flops”という用語は私が考えたものではなくIntelも使っている用語です。

また、日本の”京”や米国の”Sequoia”などの大型スパコンのように世界に1台しかないものなら1つのベンチマーク結果だけでいいでしょうが、個人が使うようなパソコン用のCPUではたった1つのベンチマークではあてにできません。CPUを購入した人の数だけパソコンがあるわけですから、それぞれの人の環境での実効性能の平均値をとるなり中央値を取るなりして、誰が使っても高い性能が引き出せるCPUなのかどうかを判断する必要があります。そのCPUの実効性能が高くなるように最適化されて組まれたパソコンでたまたま良いベンチマーク結果がでても、その結果だけでは購入の参考になりません。

CPUの性能というのは環境によって大きく差がでるものもあれば、差が出ないCPUもあります。これは統計量でいう分散とその平方根である標準偏差にあたります。

分散が小さければそのプロセッサはどんな環境でも同じ性能を叩き出すということです。分散が大きければパソコンを組むときの構成によって大きく影響を受けたり、ソフトウェア環境の影響を受けて、ユーザーそれぞれで大きくCPU性能に違いが出てしまうことになります。当然分散が小さければ散らばり具合が小さいということなので、環境によって性能が左右されないCPUということで分散が小さいほうが望ましいです。

このようにCPU選びでは、カタログスペックや理論性能ではなく実効性能を参考にすることが第一点目として必要であり、さらにその実効性能のサンプルを多数集めてその平均値(または中央値)、散らばり具合(分散)を見て、平均が高くかつ散らばり具合が小さいCPUを選ぶことが重要です。本記事では多数のサンプルの平均をとった実効性能と、その散らばり具合がわかるようにしています。

以下、3つのカテゴリに分けてランキングを掲載していきます。

第1:大多数の人におすすめな一般向けであるデスクトップPC用のCPU(Intel Core i7,i5,i3 | AMD Ryzen 7,5 | Intel Pentium | Intel Celeronなど)

第2:高性能なハイエンドデスクトップPCとエントリーワークステーション用のCPU(Intel Core i9-X, Core i7-X | AMD Ryzen 9)
深層学習(ディープラーニング)をコプロセッサではなくホストプロセッサで並列実行したい場合や、金融分析などをやる場合におすすめです。信頼性よりも性能重視用。

第3:故障検知機能がついていて金融機関・行政機関のワークステーション・サーバーでも採用されているCPU(Intel Xeon)
メモリエラーの検知・訂正機能で高い信頼性を確保したい場合におすすめです。演算結果のミスがどうしても許されないようなミッションクリティカル度が高い用途で使います。

Intel Core i7 i5 i3,Pentium,Celeron,
AMD Ryzen 7,Ryzen 5:
Web閲覧、Excel/Word、ゲーム、Youtube動画作成、プログラミングなどのデスクトップPC用CPU

いわゆるパソコンとして使うならCoreシリーズがベストです。並列性が高い非常に重い科学技術計算や、メモリエラーによる計算の誤りが許されない高い信頼性を要求される分野では記事後半で取り上げるXeonシリーズも選択肢に入ります。

2017年に発売されたKaby Lakeプロセッサが今のところベストです。ただし、2017年後半にIntel 第8世代Coffee Lakeプロセッサが発売される予定です。このCoffee Lakeは、Kaby Lakeにくらべて+30%も性能向上しています。

第5世代Broadwellから第6世代Skylake、第6世代Skylakeから第7世代Kaby Lakeへの性能向上は+15%しかありませんでした。近年は年間平均して+22%の性能向上があったので、それに比べると見劣りしていました。

しかしここにきて、第8世代Coffee Lakeプロセッサが1年で+30%の性能向上というのは過去の平均を上回っているペースです。PC購入を急いでないのなら、Coffee Lake Core i7 8700Kの発売を待つべきだと思います。ほぼ同じ価格で、Core i7 7700Kよりも+30%の性能向上が得られると見積もっておいていいでしょう。

またAMD Ryzenの第1世代であるRyzen 7 1800XなどはIntel Core i5 7600Kにも性能で負けています。しかもRyzenにはオンボードグラフィックスが付いていないので、ゲームをやらない場合はCore i7,i5を買ったほうが価格面でも優れています。

1位 Core i7 8086K Limited Edition BOX

2018年6月8日(金曜日)発売。2018年6月5日(火曜日)に発表されたCPUです。Core i7 8700K(3.7GHz~4.7GHz)の基本動作周波数と最大動作周波数を、ともに大幅に引き上げて4.0GHz~5.0GHzとしたもので、それ以外の技術的仕様はまったく同じです。オンボードグラフィクス(iGPU)であるIntel UHD Graphics 630を搭載しており、キャッシュサイズは1コアあたり2MBの合計12MBです。

マイクロアーキテクチャはそのままで、ダイから切り取ったチップの中で動作周波数を高くだせる合格品だけを8086Kとして高額価格で販売しています。8086Kも第8世代CoffeeLakeプロセッサ世代であり、マザーボードもチップセット300番台(Z390,Z370,H370,B360,H310)のもので動作します。

当初この8086Kは単なる噂程度の話としてまともに取り上げられていませんでしたが実際にリリースされました。なぜ噂扱いされていたかというと、「4.0GHzの基本動作周波数と5.0GHzの最大動作周波数という自己責任のオーバークロックレベルの動作をIntelお墨付きの定格動作として保証できるわけがない」と思われていたからです。しかもこの8086Kの動作周波数でもTDPは95Wであり、このTDP値のままで動作周波数だけを引き上げることは無理だと思われていたことも単なる噂扱いされていた要因でした。

8086Kと同じ14nmプロセスのCore i7 7700Kでは4.2GHz~4.7GHzの動作周波数を実現していましたがこれは4コアCPUでした。続くCore i7 8700Kでは6コアになりましたが、動作周波数は3.7GHz~4.7GHzに引き下げられました。コアを増やしたことで消費電力が増え発熱量も増えてしまったため動作周波数を引き下げたわけです。そして8086Kでも14nmプロセスでしかもアーキテクチャは変更されていないとなると、同じ6コアTDP95Wで4.0GHz~5.0GHzを実現できるわけがないと見られていたことになります。しかしIntelは技術的改良で実際にリリースまで持ってきました。

CPUには1コアあたりの性能を優先する考え方と、Ryzenのようにコア数をとにかく増やしてスレッドレベル並列処理を優先する考え方の2通りのコンセプトがありますが、この8086Kは1コアあたりの性能の高さを最優先するコンセプトを採用したCPUの急先鋒だと言えます。

この8086Kはゲーム用途を強く意識しています。PUBGのようなゲームでは各オブジェクトの処理をたった1つのコアでラウンドロビンスケジューリングのように切替えて実行しているため、1つのコアにだけ多大な計算負荷がかかります。このようなゲームでは1コアあたりの性能が低いRyzenのようなCPUより動作周波数が極めて高い8086Kが有利になります。

動作周波数が低い8700Kと比較すると8086Kのほうが+4%高速です。

また第2世代RyzenのフラッグシップモデルRyzen 7 2700Xと比較すると圧倒的な差がつきます。

+17%もCore i7 8086Kのほうが高速であり、コア数が2つ多いRyzen 7 2700Xはその分だけ1コアあたりの性能を犠牲にしておりここまでの性能差がついています。

2位 Core i7 8700K BOX

米国時間2017年9月24日(日曜日)にIntelの第8世代Coffee LakeプロセッサであるCore i7 8700Kが発表されました。発売は2017年10月の予定です。

半導体回路の最小単位を表すプロセスルールは14nmであり第6世代Skylake, 第7世代Kaby Lakeから変わっていません。しかし14nm++と改善がほどこされており、おそらくリーク電流を低く抑えることに成功し、より薄い絶縁でも回路を組めるようになり面積利用効率がアップしているのでしょう。

1コアあたりの動作周波数は7700Kよりダウンしています。コア数が7700Kの4コアから、7800Kでは6コアに増えたためです。

しかし動作周波数の低下がありながら、1コアあたりの性能は8700Kの方が上回っています。単コアでも8700Kの方が上回っているのに、8700Kでは2コア増えて6コアになっているわけですから全体での性能も当然7700Kを上回っています。

デメリットとしてはZ270やZ170といったSkylake、Kaby Lake世代で使用されてきたチップセットを積んだマザーボードを使いまわせないということです。普通はマザーボードを使いまわすことはせずに、CPUを買うタイミングでマザーボードも新調すると思います。

私が前回(2016年4月)作ったPCはCore i7 6700K+H170マザーボードを用いたものでした。

今年も新たにPCを組む予定で、Lian Liケース、M.2 NVMe SSD、SFX Corsair電源は全て揃えていてあとはCPU、メモリ、マザーボードを買うばかりの状態です。

7700Kを当初は狙っていたのですが、どうやら2017年内に8700Kが出るようだと2017年初から言われていたのでずっと買わずに待っていて正解でした。

既に2xx系のマザーボードを持っているなら7700Kも有りでしょうが、これから新しく3xxのマザーボードを揃えるというなら8700Kの方が明らかに得です。

Core i7 8700Kがすごいのは、Ryzen Threadripper 1950Xにたった1%しか性能で負けていないという点です。しかもRyzen Threadripper 1950Xの約1/3の価格で8700Kが買えてしまいます。

それに加えてCore i7 8700Kにはオンボードグラフィックスが搭載されています。当然Threadripperにオンボードグラフィックスはありませんので、ゲームをやらない人ならますます8700Kが費用対効果で有利になります。

3位 Core i5 8600K

2017年発売のIntel第8世代CPUです。これから第7世代Kaby LakeのCore i7 7700Kを買うくらいなら、第8世代Coffee LakeのCore i5 8600Kを買うことをおすすめします。

7700Kで用いる2xxシリーズチップセットと、8600Kで用いる3xxシリーズチップセットの間で互換性がないことも第8世代をおすすめする理由です。3xxチップセットを買っておけば後から8700Kに乗り換えることも、8700にして無音PCを作ることも可能です。

また性能面でもひょっとしたら第8世代Core i5 8600Kは第7世代の7700Kを超えるかもしれません。価格面では7700Kよりも8600Kの方が圧倒的に安くなるでしょう。

8700Kや7700Kはハイパースレッディング対応であり6コア12スレッド、4コア8スレッドのように論理コアが物理コアの2倍になりますが、8600Kはハイパースレッディング非対応なので6コア6スレッドです。またキャッシュサイズが少し小さくなり、動作周波数も8700Kより0.1GHz低くなります。絶対性能を求めるなら8700K、コスパを求めるなら8600Kといったところです。

4位 Core i7 8700

Core i7 8700KやCore i5 8600Kと比較すると、Core i7 8700は性能で完全に劣ります。8700の存在意義がどこにあるかというと消費電力です。TDP65Wしかありません。8700K,8600KのようにTDP95WもあるとLe Grand Macho+ケースファン回転でもギリギリなところで正直夏場はかなりあやういのですが、65WのCPUなら適当にケースファンを低速回転させてれば十分冷却できてしまいます。通気性のいいメッシュタイプの穴だらけのケースだったらケースファンすら回さずLe Grand Macho単品でもOKでありノイズゼロの無音PCが出来上がります。無音PCを求める人には8700は価値があります。

5位 Ryzen 7 2700X

2018年4月19日発売の第2世代Ryzenプロセッサ。第1世代Ryzen 7 1700Xと同じ8コア16スレッドですが、動作周波数が3.7GHz~4.3GHzであり上昇しています。TDPは105Wなのですべてのコアが同時に4.3GHzになるわけではありません。TDP105Wの範囲内で一部のコアの動作周波数を4.3GHzまで上げることになります。キャッシュサイズは16MBであり、第8世代Core i7の12MBより大きいですが、1コアあたりで見れば2MBで同じになります。ベンチマークのサンプル数が少ないですが現時点でのベンチマーク結果は以下の通りです。

TDP65WのCore i7 8700がRyzen 7 2700Xに+4%勝利しています。本来ならばRyzen 7 2700Xは”X”が付いていることからもわかる通りクロック周波数が高い製品でありTDP105Wもあるので、カウンターパートであるCore i7 8700Kと比較すべきなのですが、TDP95Wの8700Kを持ち出すまでもなくTDP65WのCore i7 8700無印でも十分勝てていたのでこちらと比較しました。

TDP95WのIntel Coreと比較する場合は8700Kを持ち出すまでもなく同じくTDP95WのCore i5 8600Kでも十分です。

このようにCore i5 8600KがRyzen 7 2700Xに+3%勝利しています。第一世代Ryzenのときもそうでしたが、本来Ryzen 1800Xと比較すべきはCore i7 7800Xなのですが、Core i7 7700Kでも十分勝ててしまっていました。

今回の第2世代Ryzenも同じであり、Ryzen 7 2700Xと比較すべきはCore i7 8700Kであるにもかかわらず、それよりもワンランク下であるCore i5 8600KでもRyzen 7 2700Xに勝ててしまったことになります。

このような結果になったのは6コアのCore i7 8700やCore i5 8600Kのほうが8コアのRyzen 7 2700Xよりも1コアあたりの性能が高いからです。並列性が高いアプリケーションは限られているので、多くの用途では1コアあたりの性能が高いIntel Coreプロセッサのほうが有利です。

6位 Core i5 8600 BOX

2018年4月3日発売。TDP65Wである点はCore i7 8700と同様であり、基本的な演算能力については8700と同じです。違う点はCore i5 8600は6コア6スレッドとなっている部分です。

基本動作周波数は3.1GHzでありTurboBoost時には最大4.3GHzまで動作周波数が上昇します。しかし全てのコアが同時に4.3GHzになるのではありません。TDP65Wという範囲内で、動作周波数を上げても消費電力が上がりすぎない範囲内でコアごとに最大で4.3GHzまで動作周波数を上げるという仕組みです。キャッシュサイズは8MBです。

CPUは加算器(足し算)、減算器(引き算)、乗算器(掛け算)、除算器(割り算)のような演算器を複数搭載しており、データレベルの依存性がなければ同時に演算を実行することができます。しかし全ての演算器を同時に使い切るようなアプリケーション(コンピュータプログラム)は実際問題としてほとんど存在しません。

そこで複数のスレッド(プロセス内のスレッド)のうち、除算機を使うスレッドを実行している間に余っている乗算器を他のスレッドに使わせてあげるという方式で演算器が余らないよう(暇な遊びの演算器ができるだけ減るよう)にするのがハイパースレッディングという機構であり、これを実装しているプロセッサがCore i7シリーズです。Core i5はこのハイパースレッディングを実装していません。

よってあまりスレッドレベルの並列性がなかったり、たとえスレッドが複数あっても各スレッドが必要とする演算器が強く重複している場合には、Core i7 8700とCore i5 8600の間での性能差はほとんどありません。

「大は小を兼ねる」という意味ではハイパースレッディングを実装しているCore i7 8700のほうが完全上位であることには変わりないので、予算に問題がないのならCore i7 8700を選択しておくのがいいでしょう。

7位 Core i7 7700K BOX

2017年に発売された第7世代CPUです。

当初はKabylakeは第6.5世代として、Cannonlakeが第7世代になる予定でしたが、Cannonlakeが技術的困難のためあまりにもリリース予定日が先すぎるために、第6世代プラスα程度の性能しかないものの第7世代になってしまいました。

よってこのCPUは第6世代のskylakeと同じCPUソケットであり、Z170やH170などのチップセットを積んだマザーボードも使いまわしができます。

すでに6700Kを持っている人なら7700Kを買ってきて付け替えてマザーボードのBIOSアップデートをするだけで済んでしまいます。

現時点で6700Kを持っておらず、これからCPUを買う人なら1コアあたりの性能が高い7700Kの方がいいでしょう。以下のように7700Kの方が+8%ほど性能が高いです。

サーバーではなく、デスクトップ作業PCとして使うなら7700Kのように1コアあたりの性能は重要です。

多くの人が気にしているRyzen7 1800Xとの比較をしてみます。結論から言うと、Ryzen7 1800Xの方が7700Kより数万円高いのにも関わらず、性能は7700Kの方が上回っています。

以上のように約+9%ほど7700Kの方が高いです。Ryzen7 1800Xより性能は高くて数万円も安くてさらにオンボードグラフィクスもついてくるというメリットから、私は7700Kをおすすめします。

8位 Ryzen 5 2600X

2018年4月19日発売の第2世代(Pinnacle Ridge)Ryzenプロセッサです。6コア12スレッドで、動作周波数は3.6GHz~4.2GHz。TDP95Wの範囲内で、一部のコアの動作周波数を最大で4.2GHzまで上昇させることができます。このプロセッサはRyzen 7 2700(8コア16スレッド、3.2GHz~4.1GHz)よりも、多くの用途において高性能になります。コア数はRyzen 5 2600Xのほうが少ないものの動作周波数はRyzen 5 2600Xのほうが高いので、スレッドレベルの並列化をしていないシングルスレッドのアプリケーションにおいてはRyzen 7 2700よりもRyzen 5 2600Xのほうが高速です。

TDPで比較してみてもRyzen 7 2700は65Wしかない一方で、Ryzen 5 2600Xは95Wもあります。そういった意味ではこのRyzen 5 2600XはCore i5 8600Kを意識しているプロセッサです。

しかしこのRyzen 5 2600XはCore i5 8600Kと比較するとRyzen 5 2600Xが完敗してしまいます。実はRyzen 5 2600Xに対抗するにはCore i3 8350K(TDP91W)で十分です。

+2%だけRyzen 5 2600Xのほうが性能で上回っていますが、4コア4スレッドのCore i3でもほぼ互角です。

本来はTDP95WのCore i5 8600Kと比較すべきですが、それよりも低発熱低消費電力であるCore i5 8600無印でもCore i5が勝ててしまいます。

このように+5%、Core i5 8600が勝利しています。しかもTDPは65Wです。さらに言えばCore i3 8350KにもCore i5 8600にもiGPU(オンボードグラフィックス)搭載なのでグラボを購入しなくてもトリプルディスプレイにできます。Ryzen 5 2600Xはオンボードグラフィックスを搭載していないのでグラボ購入が必須です。

カタログスペックを見るとCore i5 8600はハイパースレッディング非搭載でしかも基本動作周波数は3.1GHzであり、マルチスレッディング対応で基本動作周波数3.6GHzのRyzen 5 2600Xのほうが一見有利です。しかしCore i5 8600のほうが性能で上回ってしまったのは、アウトオブオーダー実行による命令レベル並列処理・SIMD演算拡張命令(SSE4.1,4.2,AVX2)によるデータレベル並列処理においてIntel CoreがRyzenより上だからです。

Core i5 8600もRyzen 5 2600Xもコア数が同じであるため、並列性があるアプリケーションなのか並列性がないアプリケーションなのかという並列性の有無で良し悪しを判断する必要がありません。これは単純に1コアあたりの性能がどちらのほうが優秀なのかという問題に行き着きます。動作周波数が低くTDPも低いCore i5 8600が、動作周波数が高くTDPも高いRyzen 5 2600Xに勝利したのは、ひとえに演算回路がIntelのほうが優秀だからということです。

さらに言えばCore i5 8600はiGPU(オンボードグラフィックス)のためのチップ面積を割り当てる必要があり、汎用コア(6コア)に使えるチップ面積が限られています。一方でRyzen 5 2600Xはオンボードグラフィックス非搭載なので汎用コア用に全チップ面積を割り当てることができます。そのような状況下でも、Core i5 8600にRyzen 5 2600Xが負けてしまったのは単純に技術力でIntelに追いついていないということです。

9位 Core i3 8350K

2017年発売のIntel 第8世代Coffee Lakeプロセッサです。第8世代のCore i3シリーズの中では最高峰になりますが、Core i3にもかかわらず性能がRyzen 5 1600を上回り、Ryzen 7 1700と拮抗しているのは特筆すべきことです。またRyzen 7 1700はオンボードグラフィックスが載っていないため、汎用コアとグラフィックコアを総合してCore i3 8350Kの勝利です。

10位 Core i5 8500 BOX

2018年4月3日発売。Core i5 8600から動作周波数を落としたものです。6コア6スレッドである点、ハイパースレッディングを実装していないという点、キャッシュサイズが8MBである点はCore i5 8600と同じです。

基本動作周波数は3.0GHzであり、8600の3.1GHzから0.1GHz低くなっています。TurboBoost時の最大動作周波数は4.1GHzであり8600の4.3GHzから0.2GHz低くなっています。動作周波数は低くなっていますが最大発熱量のTDPは65Wで変わっていません。

これはたとえ4.1GHzの動作周波数であってもTDP65Wには簡単に到達してしまうからです。このCore i5 8500であってもすべてのコアを同時に4.1GHzにすることはできません。8600の場合は最大動作周波数が4.3GHzだったので、1つのコアを4.3GHzにしてしまうと他のコアは動作周波数を低くせざるを得ませんでしたが、8500では最大動作周波数が4.1GHzになっているので比較的均等に各コアの動作周波数を設定することができコアごとの性能差がでにくくなっています。1コアあたりの性能が大して必要なく、複数のタスク(アプリケーションプロセス)間の負荷差が小さく、各タスクに均等に計算資源を割り当てたい場合はCore i5 8500を選択してもCore i5 8600とほとんど性能差はありません。

11位 Core i5 7600K BOX

実はCore i5 7600KはRyzenシリーズの最上位Ryzen 7 1800Xに勝っています。しかも6700Kにも勝っています。

Ryzenを買うならCore i5 7600Kの方が遥かに安いですし、さらにはIntel HD Graphicsというオンボードグラフィックスまでついてきます。Ryzenを買うならcore i5の方がおすすめです。

12位 Ryzen 7 1800X BOX

ここまできてようやくAMD Ryzenがランクインしました。Ryzen7シリーズの最高峰として発売されたフラッグシップモデルです。ですがCore i7 7700Kとのベンチマークで、Core i7 7700Kの方がRyzen7 1800Xよりも+9%性能で上回るという結果になってしまいました。これはメーカーや販売店舗のベンチマークではなく、実際に購入したユーザ達のベンチマーク結果の平均値なので信憑性があります。

実は7700Kどころか、2015年に発売された6700KにすらRyzen7 1800Xは負けています。6700Kの方が+1%性能が高いです。

さらに決定的なのが、Ryzen7 1800XはCore i5にすら負けているということです。

たった3万円程度で買えてしまうCore i5 7600Kに負けているのは致命的です。

つまりRyzen 1800XのカウンターパートはCore i7ではなくCore i5だということです。

Ryzen7が7700Kに勝てなかった理由は1コアあたりの性能が低いことです。またRyzen7はオンボードグラフィックスが付いていません。オンボードグラフィクスのためのチップ面積を削ることによって、汎用プロセッサコアを4コア増やすスペースをつくりIntel Core i7に対抗しようとしたからです。

実際にはそこまでしたのにもかかわらず、Ryzen7 1800Xの8コア16スレッドはIntel Core i7 7700Kの4コア8スレッドにベンチマークで勝つことができませんでした。

しかも価格は7700Kの方が遥かに安いです。さらにIntelにはオンボードグラフィクスもしっかり付いてくるので、あらゆる面で7700Kの方が有利だと言えます。

Core i7 7700Kは、10万円以上するCore i7 6900K相手ですらベンチマークで上回っているCPUです。当然Ryzen7 1800Xでも相手になりませんでした。私はRyzen7より数万円も安く買えてしまう7700Kをおすすめします。

13位 Core i5 8400

2017年発売。第8世代Core i5シリーズの中では最も性能が低く安いものですが6コアあります。動作周波数が2.8GHzであり低めなので1コアあたりの性能をさほど要求しない用途で低消費電力(低発熱)を狙い静音・無音PCを作るにはおすすめです。最大動作周波数は4.0GHzですが、6コアすべてが同時に4.0GHzになることはありません。TDPは65Wなので、このTDP値を超えない範囲で各コアの動作周波数を調節しながら最大で4.0GHzになるコアもでてくるということです。キャッシュサイズは9MBあります。

14位 Ryzen 7 2700

2018年4月19日発売の第2世代Ryzenプロセッサです。2700Xと動作周波数以外のスペックは同じであり、8コア16スレッドでありキャッシュ16MBです。基本動作周波数を3.2GHzまで下げて、最大動作周波数を4.1GHzまで下げたことによりTDPは65Wまで下がっており、2700Xよりも大幅に低発熱(低消費電力)になっています。

なぜ動作周波数を下げたものをラインナップするかというと、TDPを下げて低発熱にすることで静音PCや無音ファンレスPCを作るという需要があることもありますが、最も重要なのは動作周波数を下げることで歩留まりを改善し安くプロセッサを販売できるからです。動作周波数を高くすると電圧を高くしなければならず、高周波回路ゆえに正常に作動しない回路がどうしても出てきます。たとえ2700Xの3.7~4.3GHzの動作周波数で合格しなくても、2700の3.2~4.1GHzの動作周波数なら合格するチップが出てくるので、そういったものをRyzen 7 2700として売れば1製品あたりの製造原価を低く抑えることができるため安く供給できるわけです。

このRyzen 7 2700と比較すべきカウンターパートのIntelプロセッサはCore i7 8700です。しかしCore i7 8700を持ち出すまでもなくCore i3 8350Kで十分です。

Core i3 8350Kは4コア4スレッドしかありませんがCore i3が+6%勝利しています。これはCore i3 8350Kのほうが動作周波数が高く1コアあたりの性能が高いからです。実はCore i3 8350KはTDPが91Wもあるので、TDP65WのRyzen 7 2700と比較するのはフェアではないと見ることもできるので、Core i5 8400とも比較してみます。これは本来Ryzen 7 2700と比較すべきCore i7 8700よりも3ランクも低いグレードのモデルになります。

このように、本来Ryzen 7 2700と比較すべきCore i7 8700よりも3ランクもグレードが低いCore i5 8400相手でもCore i5 8400が+2%勝利しています。Core i5 8400は2.8GHz~4.0GHzのCPUでありRyzen 7 2700よりも動作周波数が低いです。しかもTDPは65Wで同じです。さらにコア数はRyzen 7 2700が8コア16スレッドに対して、Core i5 8400は6コア6スレッドでありハイパースレッディングすら搭載していません。カタログスペックだけ見ればCore i5 8400が完敗しそうですが、それでもCore i5 8400がRyzen 7 2700に勝利したのはアウトオブオーダー実行による命令レベル並列性抽出の技術、パイプラインをスムーズに流すための技術、データレベル並列処理を高速化するSSE4.1,SSE4.2,AVX2命令などのSIMD拡張命令がCore i5 8400のほうが優秀だからです。

コア数が多いCPUは多くのプロセスを同時に動作させるか、1つのプロセス内で明示的にスレッドを複数生成しない限りスレッドレベル並列性が生まれないため、Ryzen 7 2700のようなコア数を使いこなせません。一方で命令レベル並列性やデータレベル並列性は1スレッドのみのアプリケーションにも存在するため、その部分を高速化するのに長けているIntel Coreが勝利したという格好です。

15位 Core i7 6700K BOX

7700Kが出るまでは最もおすすめだったCPUです。私も使っています。価格帯のわりに性能が高く、また広く使われているため情報が多く出回っており安心して使えます。

現在は6700Kと7700Kの価格がほとんど変わらないので7700Kを買ったほうがいいです。

性能は7700Kの方が+9%ほど高いです。

6700KのようにKがついているものはオーバークロック可能なものですが、私はオーバークロックして使っていません。

以前のcore i7はオーバークロックしない限り、Kがついている製品と、Kがついていない無印の製品の性能差はありませんでした。つまりKがついているものを買っておきながら、オーバークロックしないのは単なる宝の持ち腐れだったのです。

しかし第6世代のskylake core i7ではオーバークロックしなくても、Kつきのもののほうが高性能になっています。

オーバークロックしなくても定格周波数が4.0GHzもあり、さらに条件が揃えば自動的に4.2GHzに動作周波数を上げてくれます。

さらに性能のわりには消費電力が少ないのでCPUクーラーのファン回転数をかなり抑えることができます。よってほぼ無音の環境ができます。

また6700KがいいのはCPU上にグラフィックチップを搭載しており、グラフィックボードいらずのいわゆるオンボードグラフィクスを搭載していることです。

このオンボードグラフィクスがなかなか優秀で、Youtubeの1080p解像度程度ならフルスクリーンでも余裕で再生できてしまいます。オンボードのデジタル出力で3画面も余裕です。私は3画面で使っています。

ゲームについても2015年以前に発売されたものや、マインクラフト程度のものだったら余裕でスムーズに動くでしょう。

そしてVisualStudioでのプログラミングや、浮動小数点演算をひたすら行う数値計算プログラムを並列実行してもパソコンが全然重くなりません。一般的用途を超えたかなりヘビーな使い方にも向いています。

core i7はメモリチャネル数が2なので、16GB欲しかったら8GBを2枚買ったほうが速くなります。気休め程度ではなく、本当にメモリアクセスが1.8倍程度速くなるので2枚挿しにするのがおすすめです。

16位 Core i7 8700T

2018年4月3日発売。動作周波数を下げることによってTDP35Wの低発熱に抑えたCPUです。あまり知られていないことですが、Core i7 8700KもCore i7 8700も、そしてこのCore i7 8700Tも基本的に演算回路やパイプラインの深さは同じです。

スペックは6コア12スレッド、キャッシュ12MBで8700Kや8700と同じであることがわかります。それ以外にも演算器の数や、そしてアウトオブオーダー実行のための命令レベル並列性抽出の深さ(どれだけの数の命令をreservation stationに入れて並列性を検出するか)も同じです。

8700Tと8700Kや8700とは何が違うかと言うと動作周波数です。本質的な違いはここだけです。

動作周波数を上げると矩形波としてのクロック信号を生成するためにどうしても高周波成分が必要になります。この高周波成分は回路が長くなると劣化しやすく、電圧を高くしないとクロックの立ち上がりが緩やかになってしまい順序回路が正常に動作しなくなります。そのためクロック数を上げるためには同時に電圧も上げる必要があります。

そしてCPU内部の演算回路は8700Kでも8700Tでも同じなのでCPU回路の抵抗(負荷)は8700Kでも8700でも8700Tでも同じです。抵抗値が同じなら、クロック数を上げるために電圧を上げると電流も正比例して増大することになります。逆にクロック数を下げると電圧を下げることができ、同時に電流も正比例して下げることができます。

そこで今回のCore i7 8700T(基本動作周波数2.4GHz)については消費電力が以下のように計算できます。Core i7 8700は基本動作周波数が3.2GHzなので、これを8700Tの2.4GHzまで落とすとなると、2.4/3.2=0.75でつまり8700の75%まで8700Tは動作周波数が下がっていることになります。

これによって電圧も75%に下げることができます。CPU自体の中身は8700でも8700Tでも同じですから抵抗値は同じです。よって電流も75%に下げることができます。

そうすると電力は0.75×0.75=0.5625で、8700の56.25%まで8700Tの消費電力を下げることができます。Core i7 8700の消費電力の56.25%がCore i7 8700Tの消費電力になるということです。

そしてCore i7 8700のTDPは65Wですから、65W×56.25%=36.56Wとなり、Core i7 8700TのTDP35Wとほぼ一致していることがわかります。

このように動作周波数を下げると電圧も電流も下げることができ、引下げの2乗に比例して消費電力を下げることができるので動作周波数の引き下げというのはTDPを下げることに非常に大きく貢献します。

8700や8700Kにある6コアやハイパースレッディングによる論理コア12を維持しつつ、動作周波数だけを下げることでTDP35Wの低消費電力CPUを提供するというのが8700Tのコンセプトです。

17位 Ryzen 5 2600

2018年4月19日発売の6コア12スレッドのプロセッサです。2018年4月19日に発売された第2世代Ryzen Zen+アーキテクチャ採用プロセッサの中では最も低スペックであり最も廉価なものになります。

このプロセッサは純粋にRyzen 5 2600Xより動作周波数が低い版で3.4GHzの基本動作周波数を持ちます。正確に言えばRyzen 5 2600の設計が最初にあり、その2600をベースに動作周波数を上げたものがRyzen 5 2600Xです。

動作周波数を上げること自体は設定で簡単にできてしまうのですが、動作周波数を上げるとなると電圧も上げなくてはならなくなり、ウェーハから切り取った大量のチップのうち回路が正常に動作するチップと正常に動作しないチップがでてきます。高い動作周波数では正常に動作しないチップであっても、動作周波数を下げれば正常に動作するチップが存在するので、そのようなチップは動作周波数が低い版として売ることによって製造原価を引き下げることができ価格を安くできます。そのように動作周波数を低く抑えたものがRyzen 5 2600であり2600Xより安くなっているわけです。プロセッサの中身自体は一緒ですが動作周波数が異なり、動作周波数が異なるので発熱量(消費電力量)も異なります。

このプロセッサのTDPは65Wですが、同じTDP65WのIntel Coreプロセッサに比べるとどうしても性能が低くなってしまいます。消費電力あたりの性能を高めることに関してはIntelに一日の長があるためです。

本来、このRyzen 5 2600はIntelのCore i5 8600を意識してリリースされているプロセッサです。ともにTDPは65Wでありグレードは6です。しかし当然ですが、Intel CoreよりもAMD Ryzenは性能が低くなりがちなので、同じグレードのプロセッサで比較するとIntel Coreが圧倒的に勝ってしまいます。そこでグレードを2つ下げたCore i5 8400と比較します。

同じ6コアプロセッサで、Core i5 8400はハイパースレッディング(マルチスレッディング)に対応していない上に2.8GHzしか基本動作周波数がありませんが+4%、Core i5 8400が性能で勝利しています。両方ともコア数が一緒なのでこれは単純に1コアあたりの性能の違いです。動作周波数が高いほど1コアあたりの性能は高くなりますが、Intel Coreはアウトオブオーダー実行による命令レベル並列処理や、SSE・AVX2拡張命令(SIMD演算命令)によるデータレベル並列処理が優秀なので動作周波数が低くても、クロックあたりに処理する命令数が多いためIntel Core i5 8400のほうが上になります。

しかもIntel CoreプロセッサはiGPU(オンボードグラフィックス)を搭載しているためグラボ無しでも4K 60fpsのトリプルディスプレイにできます。しかしRyzen 5 2600はオンボードグラフィックスを搭載していないため別途グラボを用意しなければなりません。RyzenはiGPUを削減することにより汎用コアのチップ面積を増やしIntelになんとか太刀打ちしようとしているのがRyzenのコンセプトなので、オンボードグラフィックスで十分な用途ならIntel Coreのほうが価格あたりの性能で有利です。

またCore i3 8350Kとの比較だと、Core i5 8400よりもさらにIntel Coreプロセッサが勝利します。

Core i3 8350Kのほうが+7%性能が上回っていますが、4コアしかないのに6コアのRyzen 5 2600に勝利したのは4.0GHzという動作周波数の高さです。このCore i3 8350KはTDPが91Wもある高発熱(高消費電力)プロセッサなのでTDP65WのRyzen 5 2600と比較するのはフェアではないのですが、コア数の多さが性能の高さに直結しない実例の一つです。

18位 Ryzen 7 1700X BOX

Ryzen 7 1700Xは2017年3月に発売されたCPUです。Ryzen7 1700Xは5万程度しますが、4万円程度の7700Kに完全に負けてしまっています。

+16%も7700Kの方が高速です。しかも7700Kの方が価格が安いわけです。

また7700Kどころか、Kですらない無印のCore i5 7600にすらRyzen7 1700Xは負けています。

つまりRyzen 1700XのカウンターパートはCore i5 7600だということになります。

19位 Core i7 4790K BOX

最近人気が落ちてきました。とにかく性能を最優先したということで一時は大人気だったCPUです。2017年に第7世代のKabylakeプロセッサがでてきたことによって、このCore i7 4790Kという第4世代のHaswellプロセッサはCore i5 7600にすら負ける結果になりました。この4790Kを買うなら、新しいCore i5(しかもオーバークロック未対応の無印タイプで十分)を買ったほうが高速だということです。

このCPUの汎用プロセッサ部分の性能は6700Kと同等です。

このCPUと6700Kが異なる点は、4790Kから6700Kにする上で集積度がアップしたため、6700Kでは空き面積をオンボードグラフィクスに割り当てたことです。

CPUのチップ面積は限られているので、その半導体面積を何に使うのかという割り振りが重要になります。Intelは年を追うごとにグラフィックス性能を重視してきています。

汎用プロセッサ部分は4790Kと6700Kの性能が同じになるようになっていますが、オンボードグラフィクス性能は6700Kの方が格段に高いわけです。

さらに重要なことは、このCPUのHaswell世代のメモリはDDR3という遅いものになっています。またPCI Expressのリビジョンは2であり、6700KのSkylake世代よりも遅いものです。

ベンチマークのようにCPU単独で計測すると4790Kが速くても実際に使ってみると思うほど速くないのは、パソコンの実際的用途で発生するメモリアクセスやストレージアクセスが遅く、第6世代以上のDDR4やリビジョン3のPCI-Expressの方が圧倒的に速いからです。

しかも値段もかなり高めなので、すでに発売から時間たちすでに他に新しい良いCPUが出ている現状では積極的に購入する型番ではありません。

20位 Core i5 6600K BOX

core i7 6700Kでもまだ少し値段が高いと感じたらその次点としてこの6600Kです。

Youtube実況をやるくらいならこのくらいのスペックでも十分です。特に一度録画して編集したあとに、ゆっくりエンコードしてYoutubeにアップロードする使い方ならcore i5で全然間に合うでしょう。

またYoutubeライブ配信を行う場合でも、ブラウザを表示しながら質問に答える実況のように、ほとんど画面が静止しているライブ配信なら余裕でcore i5で間に合います。

ただし、ゲームのように描画内容が目まぐるしく変化する場合はi7にしておいたほうがいいです。画面の移り変わりが激しいほどエンコードのCPU負荷は一気に上がるからです。

そしてライブ配信で解像度を1080p以上にするならcore i7 6700Kか6800K以上にすることが必須だと言えるでしょう。

少し本格的な使い方をする場合、例えばVisualStudioでプログラミングをするという使い方をする人は、i5だとビルドやデバッグ時にストレスを感じるでしょう。

21位 Ryzen 5 1600X BOX

このRyzen 5 1600Xは2017年4月に発売されたものです。

これよりも先に発売されたRyzen 7 1700の方が高性能という位置づけになっていますが、実効性能をみてみるとRyzen 5 1600Xが勝っています。

理由は動作周波数がRyzen 5 1600Xの方が高いからです。コア数ではRyzen 5の方が劣りますが、動作周波数が高いため1コアあたりの性能はRyzen 5 1600Xの方が上です。マルチコアプロセッサを活用できるアプリケーションは一般用途ではそこまで多くないので、普通に使う分なら1コアあたりの性能が高いRyzen 6 1600Xの方が、1コアあたりの性能が低いRyzen 7 1700に勝つわけです。

Intel Coreとも比較しておきます。Ryzen 5が想定しているカウンターパートはIntel Core i5です。

このようにIntel Core i5 7600Kが+12%も実効性能で勝っています。ちなみに価格でもIntel Core i5 7600Kの方が安く、価格・性能ともにIntel Core i5の完勝です。

またRyzen 7と同じくRyzen 5にもオンボードグラフィックスは付いていないので、オンボードグラフィックスを搭載しつつも汎用コアプロセッサの性能で勝ってしまったCore i5は全面勝利と言えます。

7600Kは第7世代Kabylakeプロセッサですが、一世代前の第6世代Sklakeプロセッサとも比較してみます。

このように一世代前(2015年8月発売)のCore i5にすら2017年4月発売のRyzen 5は負けている状況です。私はIntel Core i5をおすすめします。

22位 Core i7 7700 BOX

オーバークロックするとしたら7700K、しないとしたら7700というイメージがありますが、このような考え方は今は昔となりつつあります。

現在はオーバークロックしなくても7700Kの方が高性能です。これは6700Kでも同じでした。

7700と7700Kはオーバークロックするかしないかにかかわらず、ベースクロックが7700Kの方が高いので普通に使っているだけでも7700Kの方が圧倒的に快適です。

このように7700Kの方が+14%も性能が高くなっています。2桁以上の性能の違いは大きな違いなので、たった数千円高いだけで7700Kが手に入るのですから私は7700Kを選んでPCを組む予定です。

23位 Core i5 7600 BOX

Core i5 7600はIntel 第7世代Kabylakeプロセッサで2017年1月に発売されたものです。

このプロセッサは2017年4月に発売されたRyzen 5 1600に勝利しています。

実効性能で+9%Intel Core i5が勝利しておきながら、CPUの価格はCore i5 7600の方が安いです。Ryzen 5よりIntel Core i5をおすすめします。

24位 Ryzen 7 1700 BOX

Ryzen7 1700は4万円程度しますが、3万円程度のCore i5に性能で負けています。

オーバークロックできないKシリーズですらないCore i5 7600にRyzen7 1700は負けているわけです。

このように見てくると、最高峰もRyzen7 1800XでさえCore i5 7600Kに負けていた事実があり、Ryzen7はCore i7どころか比較対象の対戦相手はCore i5だったということです。

また上述しましたが、Ryzen 7 1700よりもRyzen 5 1600Xの方が性能が高いです。

1コアあたりの性能が高いためにRyzen 5 1600Xの方が実効性能が高くなっています。コア数といったみかけの数字よりも、実際のパソコン操作の快適性を優先するのならRyzen 5 1600Xの方がおすすめです。

25位 Core i3 8300 BOX

2018年4月3日発売。4コア4スレッドで、基本動作周波数が3.7GHzのCPUです。TurboBoostに対応していないのでこれ以上動作周波数は上がりません。とはいっても十分高い動作周波数であり、Core i5 8400の2.8GHzより0.9GHzも高くなっています。キャッシュサイズは8MBであり、Core i3 8300より1MB少なくなっています。

時間あたりの最大発熱量であるTDPは62Wであり、これはすべての4コアが3.7GHzで動作しているときの熱熱量と言っていいです。

用途によってはCore i5 8400よりこちらの方が性能が出る場合があります。動作周波数が3.7GHzと高めであるため確実に4コアとも3.7GHz出すことができます。一方でCore i5 8400は全ての6コアを同時に3.7GHzにすることはできません。Core i5 8400のTDPは65Wであり、65Wの範囲内で6コア全てを3.7GHzで動かすことはできないからです。

動作させるプロセス数(アプリケーション数)が少なく、そのプロセスの中に複数スレッドがなく、またその1つ1つのアプリケーションが高いCPU性能を要求するものだったらCore i3 8300のほうが相性がいいです。4コア4スレッドとコア数を少なめにしているぶんだけ、1コアあたりの性能はCore i3 8300のほうが引き出しやすくなっています。

26位 Core i7 5775C BOX

2013年発売の第4世代Haswell、2014年発売の第5世代Broadwellで使われたsocket1150に対応するCPUの中では最高峰のCPUです。

2015年には第6世代Skylakeプロセッサが発売されましたがそれまでのつなぎとして、socket1150最後の全力を振り絞ったCPUとして発売されたBroadwell-Hプロセッサです。

とはいえSkylakeより下ですし、当然Kaby LakeやCoffee Lakeよりも下です。昔買ったsocket1150マザーボードを既に持っている人が、パソコンの性能をあげたいけれどもマザーボードごと取り替えるまではしたくないということでこのCPUを買うことが多いようです。

これからパソコンを組む人はsocket1151対応のマザーボードとCPUを買ったほうが安上がりですし高性能です。あえて積極的に選ぶCPUではありません。

27位 Core i5 5675C BOX

2015年6月発売。上記モデルと同じで、Socket1150マザーボードを既に持っている人ならいいですが、新しいマザーボードや新しいBTOパソコンをこれから購入する人があえて選ぶCPUではありません。

28位 Core i5 7500 BOX

Core i5 7500はRyzen 5 1600に実効性能で勝利しています。Core i5 7600ではなくその一段回下のCore i5 7500でも勝利していることは特筆すべきことです。さらにCore i5 7500にはオンボードグラフィックスが付いていて、Ryzen 5 1600には付いていません。Core i5 7500の方がおすすめです。

29位 Ryzen 5 1600 BOX

Ryzen 5 1600はクロック数が3.2GHzと低いもののコア数が6であり、空いている演算器を使って1コアあたり2スレッドをさばけるようになっています。

他方で、Ryzen 5が比較対象として意識しているCore i5 7600はコア数は4コアでしかも4スレッドまでしか対応していないものの、動作周波数が3.5GHzもありこの1コアあたりの性能の高さがCore i5の勝因になっています。

このように実効性能はCore i5 7600が+9%勝利しており、CPU価格もCore i5 7600の方が安く、Ryzen 5には付属していないオンボードグラフィックスまで搭載しているCore i5が全面勝利している格好です。

30位 Core i7 6700 BOX

Kを買うほどの予算がない人はこの無印版の6700がいいでしょう。6700Kより性能は劣りますが、リビジョン3のPCI ExpressやDDR4といった第6世代ならではの高速仕様を享受できます。

また6700Kもこの6700もそうですが、マルチスレッドに対応しており同時に8スレッド実行できます。

4つある各コアには、割り算をするための除算器、足し算をするための加算器などのハードウェアを備えています。

しかし、ソフトウェアが同時に使用するのはどれか1つの演算器だけだという事実があります。例えば割り算をやっている途中に同時に足し算もやることはないわけです。割り算をやっている間は、足し算や掛け算をするためのハードウェアは何もしてない暇な遊び状態になっています。

この使われていないハードウェアを使ってしまおうというのがマルチスレッドです。例えばWordが割り算をしている間、同時にExcelは掛け算をやってハードウェアをまんべんなく使用することで処理が速くなります。これがマルチスレッド対応でないcore i5だと、Wordが割り算を終えるまで、Excelが掛け算を開始できずずっと待たされることになります。せっかく掛け算のハードウェアは空き状態なのにもったいないわけです。

実際にはハードウェアはコア数の4つ分しかありませんが、空いている演算器は別のソフトウェアに使わせてあげることで事実上8つもコアがあるように「見える」ようになっています。これがi7シリーズのメリットです。

第7世代の7700Kと比較してみます。

7700Kの方が24%も性能が高くなっています。6700と7700Kは5千円程度しか差がありませんから、このくらい大きな性能差がでるのなら私は7700Kを選ぶことをおすすめします。

31位 Core i3 8100

2017年発売。

32位 Core i5 6600 BOX

2015年9月発売。TDP65W。第6世代Core i7 6700の1段階下のプロセッサです。Core i7 6700より1段階下位になるとCore i5になります。

33位 Core i7 7700T BOX

ファンレスパソコンを組む人には非常におすすめできるCPUです。TDPが35Wしかないので、Le Grand Machoレベルの巨大ヒートシンクを取り付ければCPUファンは勿論、ケースファンすら省いても余裕です。

もしくはPCケース側面までCヒートパイプでCPUの熱を伝搬させて冷却するというタイプのPCケースに取り付けても余裕で冷やせます。

Corsairからもケースに穴がたくさんあいている冷却重視のケースがでていますし、ThermaltakeからもCore V21のような開放的なケースがでているので、それらのケースに入れてLe Grand Machoを取り付ければCPUクーラーの干渉なしでファンレスパソコンが組めます。干渉がないので拡張カードも挿せます。Intelはオンボードグラフィクスが優秀なのでグラフィックボード無しでPCI ExpressタイプのSSDを挿してもいいでしょうし、台湾のPalit社から出ているNVIDIA GeForce GTX 1050 Tiを採用したファンレスグラフィックボードを挿せばファンレスでそれなりに高いグラフィック性能まで得ることができます。

34位 Core i5 7600T BOX

2017年1月発売。TDP35W。TDPが35Wの低消費電力CPUです。デスクトップ用CPUでTDP35Wはかなり低いレベルです。ここまで来ると大きめのヒートシンクを付ければケースファンのみで冷却できるようになります。

35位 Core i7 4790 BOX

現時点ではおすすめしません。対応ソケットが1150で古いですし

36位 Core i3 7350K BOX

37位 Ryzen 5 1500X BOX

Ryzen 5 1500Xは動作周波数は3.5GHzと高く、比較対象であるCore i5の3.4GHzよりも高いです。しかもRyzen 5 1500Xは4コア8スレッドでありマルチスレッディングに対応しています。しかしそれでも実効性能はCore i5の勝利です。

Intel Core i5がRyzen 5よりも+7%実効性能で勝利しています。Intel Coreの勝因としては、アウトオブオーダー実行の並列性抽出が優れていること、SIMD命令が充実しており少ないサイクル数で命令実効を完了させることができることなどで、パイプラインを命令が流れるスループットが上を行っていることが理由として挙げられます。つまり技術的にIntelの方が優秀だということです。しかもCore i5 7500の方が価格が安い上にIntel HD Graphicsもついてくるのですから、Intel Core i5 7500の方がお得ということになります。

38位 Core i7 6700T

2015年9月発売のTDP35Wの低消費電力CPUです。これはCore i7 6700Kや6700の動作周波数を下げて低消費電力化をはかったモデルです。~Tがついていても、違いは動作周波数と消費電力だけであり、もの自体は6700Kそのものです。

CPUにおいて消費電力を下げる手法は簡単であり、電圧を下げるだけです。電圧を下げるためには動作周波数を下げなければなりません。よってこの6700Tでは動作周波数が2.8GHz~3.6GHzと低く抑えられているわけです。

動作周波数が低くなっているだけであり、6700Kと同じでデータレベル並列性で数値計算を高速化するSIMD演算命令もしっかり装備されています。動作周波数と消費電力の違いだけになります。ファンレスPCを組む人には非常に重宝するCPUです。

39位 Core i5 6600T

40位 Core i5 6500 BOX

41位 Core i5 7400 BOX

42位 Core i3 7320 BOX

43位 Core i5 7500T BOX

44位 Core i5 6402P BOX

2016年1月発売のTDP65Wプロセッサです。このプロセッサは末尾に~Pが付いていますが、これはIntel HD Graphicsというオンボードグラフィックス用のチップ面積が削減されたモデルです。~Pが付いていない通常の第6世代Core i5はIntel HD Graphics 530を搭載していますが、この6420PはIntel HD Graphics 510という530より性能が低いオンボードグラフィックスを搭載しています。

オンボードグラフィックスというのはCPUのチップ面積のうち半分近くを占めている大規模半導体回路です。そこで、このオンボードグラフィックス用の面積をある程度けずって、その分を汎用コアに割り当てることで動作周波数を100MHz上昇させたのがこのCore i5 6420Pです。

動作周波数を上げるとリーク電流が大きくなります。同時に面積あたりの消費電力も大きくなってしまいます。そこでオンボードグラフィックスを削って、代わりに汎用プロセッサ用に大きくチップ面積をとって絶縁をしっかりさせリーク電流を減らすようにしているわけです。

このCPUを買うくらいだったら、私はCore i5 7400をおすすめします。

45位 Core i3 7300 BOX

2017年1月発売のTDP51Wプロセッサです。2コアしかありませんが第7世代Kaby Lakeだけあって、4コアの第6世代SkylakeCore i5 6400に性能で勝利しています。

Core i3シリーズと言えどRyzen 5 1400に性能と価格両面で勝利しているところも特筆すべき点です。

46位 Core i5 6400 BOX

2015年9月発売でTDPは65Wです。第6世代Skylakeプロセッサですが、第7世代Kaby LakeのCore i3 7300に実効性能で負けているので、より新しいCore i3 7300の方が高性能かつ価格が安いのでおすすめです。

47位 Ryzen 5 2400G BOX

2018年2月13日発売。オンボードグラフィクスをCPUチップ上に搭載したAMD APUです。Intel Coreと対等に比較できるようになったRyzenプロセッサです。第一世代のRyzen 7,5,3 1xxx台プロセッサはオンボードグラフィクスを搭載せずに、その空いたチップ面積を汎用コアに割り当てていたため、オンボードグラフィクスをCPU上に搭載したことによって汎用コア用のチップ面積が限られているIntel Coreの方がハンディキャップがありました。そのハンディキャップがありながらもIntel Coreは、Ryzen第一世代プロセッサに性能価格ともに勝利していたわけですが、今回の第二世代Ryzenではオンボードグラフィクス搭載モデルが発売されたので、これでようやくIntel Coreと対等に比較できるようになります。

しかし第一世代ではオンボードグラフィクス無しというRyzen側に有利だったにもかかわらず、第一世代RyzenはIntel Coreに性能でも価格でも負けていたので、今回の第2世代Ryzenはオンボードグラフィクスを搭載してしまったことにより、第一世代よりもさらに不利になっています。

このようにIntel第8世代CoffeeLake Coreプロセッサの最低スペックモデルであるCore i3 8100にすら負けています。+8%もCore i3 8100の方が上です。詳しくはこちらに掲載しています。

48位 Ryzen 5 1400 BOX

2017年4月発売のCPUです。ここまできてようやくRyzen 5の最廉価版である1400が出てきました。Core i3 7300との比較を見てもらえるとわかると思いますが、Ryzen 5はCore i5がカウンターパートであることを想定しているにもかかわらず、Core i3にすら負けているわけです。

当然性能だけでなく価格の安さでも負けています。しかもCore i3はオンボードグラフィックスがついてくるのにRyzen 5はついてきません。どうみてもCore i3が全てにおいて勝っておりCore i3の方がおすすめです。

一応Core i5で一番下のCore i5 7400とも比較しておきます。

このようにCore i5 7400がRyzen 5 1400よりも+9%実効性能で勝っています。このようにRyzenが想定している競合相手のIntel Coreとの比較においては、ほとんどでIntel側が+10%ほど勝っていることになります。

49位 Core i3 6320 BOX

50位 Core i3 7100 BOX

51位 Core i3 6300 BOX

52位 Core i5 4460 BOX

第4世代Haswellプロセッサです。Haswell向けのsocket1150マザーボードを持っている人が、換装用として購入しているため今でも一定数の需要があるようです。

これからマザーボードからすべて一新してパソコンを組んだり購入しようと思っている人が買うCPUではありません。

今買うならsocket1151のマザーボードとCPUを買うべきです。1151を買っておけば、Skylake、Kaby Lakeプロセッサ全てに対応します。

古いCPUを買う必要のある特殊な事情のある人が買うCPUだと言えます。

53位 Core i5 7400T BOX

54位 Pentium Gold G5600 BOX

2018年4月3日発売。まずはこのPentium GoldとCore(i7,i5,i3)との違いはどこにあるかというところから説明します。他サイトでよくありがちな解説は、Core>Pentiumの順で技術が高度だから、価格も性能もCore>Pentiumだという説明です。しかしこれは全く説明なっていないのがわかります。なぜなら「どの部分に違いがあって価格が異なるのか、それによってなぜ性能が変わるのか」といった部分に言及していないからです。

まずIntel Coreプロセッサは命令セットの拡張としてIntel AVX2に対応しています。命令セットというのは加算を行うAddやメモリからレジスタへのロードを行うLoadのような命令の集合であり、この命令セットがそのプロセッサのアーキテクチャを外側からみた仕様を決定づけます。AddやLoadなどは基本的なので必ずプロセッサなら搭載している命令ですが、これに特殊な命令を追加してプロセッサの高速化を行う手法があります。これがSingle Instruction Multiple Data(SIMD)演算命令というもので、1つの命令で複数のデータを一括で演算して結果をレジスタに格納する命令です。Intel AVX2もこのSIMD演算命令の一つです。

このSIMD演算命令をどの程度追加するかどうかでそのプロセッサの性能が変わってきます。当然半導体ダイ(チップ)上の論理回路が複雑化するので、チップ面積の増加、回路中の絶縁の失敗などで歩留まりが悪くなり価格が高くなります。

Intel CoreにはAVX2拡張命令が搭載されていますが、Pentium GoldではSSE4.1,SSE4.2までしか対応していません。AVX2は動画エンコード処理をSIMD演算命令によって、たった1命令で多数のデータを同時に計算処理します。そのため1クロックあたりに処理する命令数が増加し、動画エンコード処理速度が向上します。

逆に言えばAVX2命令を使わないようなアプリケーション(応用)を使う場合はPentium Goldでも十分だということになります。

このプロセッサは2コア4スレッドでありハイパースレッディングに対応しており、その点はCoreシリーズよりも引けを取りません。しかしキャッシュサイズが4MBであり、Coreシリーズで最も低性能なCore i3 8100の6MBよりも少ないです。メモリアクセスが多く、そのメモリアクセスに空間的局所性と時間的局所性がある場合はCore i3のほうが有利です。動作周波数は3.9GHzもあり、Core i3 8100の3.6GHzよりも高いため、AVX命令を使わずスレッドレベルの並列性がないアプリケーションならこのPentium Gold G5600のほうが高速になります。

55位 Pentium Gold G5500 BOX

2018年4月3日発売。このプロセッサより上位の「Pentium Gold G5600」において、Intel CoreとPentiumの違いを記載したので、次はこの「Pentium Gold G5500」と「G5600」の違いを説明します。

両者のスペックを比較してみると両方とも2コア4スレッドでキャッシュサイズも4MBで同じですが動作周波数だけが異なります。G5500は3.8GHzでG5600は3.9GHzです。違いはそこだけです。

クロック数を上げるのは簡単でありプロセッサの論理回路(ワイヤードロジック)を変更する必要はありません。しかしそれだけの差なのに価格では大きく差がでています。

動作周波数を上げるためには電圧を上げる必要があります。そうすると絶縁が不十分になり正常に動作しないプロセッサが出てきます。要は不良品です。

半導体のチップを作る際はダイに露光処理によって回路パターンを焼き付けますが、その際に回路の絶縁が不十分になる箇所がどうしてもでてきてしまいます。そのようなチップで電圧を上げると導通してしまい正常に論理回路が動作しません。しかしそんなプロセッサでも、電圧を下げて使えば絶縁でき「適合品」として販売できます。電圧を下げるためには動作周波数も下げなければならないので必然的に、電圧を下げる=動作周波数を下げることになります。

このように動作周波数を下げて電圧を下げると動作するチップ数が増えるため歩留まりが良くなり、販売できるチップ数が増えることによって1プロセッサあたりの価格を下げることができます。

このように、G5600としては合格しなかったチップがG5500の動作周波数なら合格することがあるため、それをG5500として販売することで価格が安くなっているわけです。

56位 Pentium Gold G5400 BOX

2018年4月3日発売。G5500に記載したのと同様の理由で、G5500よりも動作周波数を下げることにより電圧を下げて、さらに歩留まりを良くすることで価格を更に下げたプロセッサです。G5500では動作周波数が3.8GHzでしたが、さらに0.1GHz下げてG5400では3.7GHzになっています。それ以外のスペックは全く同じです。動作周波数は低くてもいいから、安いプロセッサが欲しいという場合の選択肢になります。

57位 Pentium Dual-Core G4620 BOX

58位 Core i3 7300T BOX

2017年1月発売。

59位 Core i3 6100 BOX

60位 Pentium Dual-Core G4600 BOX

61位 Core i3 7100T BOX

2017年1月発売。

62位 Core i3 6098P BOX

2016年1月発売。

63位 Pentium Dual-Core G4560 BOX

Core i3より下位と位置づけられているPentiumプロセッサですが、動画エンコードをやらない限りはPentiumで十分です。通常使用ならWord,ExcelもこのPentiumで十分です。

しかし、Excel VBAで株価を使って回帰分析やオプションプライシングのためのモンテカルロシミュレーションをやってみようと思ったら、たとえExcel使用であってもCore i3どころかCore i7レベルが必要です。

また私の経験上、Firefoxなどのブラウザである程度アドインを入れて、タブを数十個開くレベルで本格的にウェブから情報収集する際はたとえウェブ閲覧程度であってもCore i7 6700Kが必要になります。6700K+SSDでもブラウザを酷使すると重くなるので、要はどの程度本格的にPCを使い込むかどうかでPentiumかCoreかを決めればいいでしょう。

このPentium G4560は第7世代のプロセッサですが、第6世代のCore i3とまず比較してみます。

Coreプロセッサだけあって一世代前でもCore i3が+6%勝っています。

Pentium G4560は第7世代Kabylakeなので、第7世代のCore i3とも比較しておきます。

Core i3の方が+11%上回っています。実効性能としてはゲーム用途は+7ポイントであるものの、一般事務としてのデスクトップ用途では+8ポイントとなっているため、事務目的で使うからといってPentiumが最適というわけではなくCore i3でも十分快適になるということです。事務用途だからこそ私はCoreシリーズの方をおすすめします。

64位 Ryzen 3 2200G BOX

2018年2月13日発売。動作周波数は3.5GHzで4コアであり、多コア化がアイデンティティのRyzenにしては大人しいコア数です。これはAPUというオンボードグラフィクスを搭載したCPUであり、汎用コアに割り当てることのできるチップ面積が減ったためです。

PUBGというゲームではRyzenのコア数を使いこなすだけの並列性がなく、Ryzenはゲーム用途にもかかわらず各PCメーカーのPUBGモデルはIntel Core i7を採用するという憂き目にあっていました。

そのためか第2世代のRyzenは1コアあたりの性能を重視しているようです。第1世代のRyzenは高々3.7GHzの動作周波数しかありませんでしたが、第2世代ではRyzen 3ですら3.5GHzになっています。しかし1コアあたりの性能ではIntelに勝つのは難しいでしょう。ソフトウェア(アプリケーション)の並列性を前提として、1コアあたりの性能でまけてもコア数では負けないという方向性だったRyzenは第2世代ではIntel Coreと同じコア数になってしまったため差異を出せず苦戦しています。

このようにCore i3 8100に負けています。Ryzen 3 2200Gよりも+8%もCore i3 8100が勝利しています。本来ならばRyzen 3 2200Gと比較すべきはCore i3 8200ですが、Core i3 8200は発売予定がないため、より低スペックなCore i3 8100と比較する分にはRyzen 3 2200Gが有利になるだけなので問題ないでしょう。

このようにRyzen 3 2200Gにとって有利な条件で比較してもこの結果ですし、実際に2018年2月13日の発売日から一週間程度は注目されていましたが2018年3月になってからRyzen G熱は相当下火になってきています。

65位 Ryzen 3 1300X BOX

2017年7月発売。Ryzen 5 1400より一つ下位のCPUであり、Intel Core i3 7300をカウンターパートとして意識して投入されたCPUです。

これは意外と優秀なCPUです。Ryzen 5 1600を買うならこちらのほうがいいでしょう。なぜならこのRyzen 3 1300の動作周波数は3.5GHz~3.7GHzもあり、2017年に発売された第1世代Ryzenシリーズの中でもトップクラスの高さです。コア数は4コア4スレッドであり決してコア数は多くありませんが、このことが逆に功を奏しています。コア数を4コアに抑えて動作周波数を上げたことにより、1コアあたりの性能が重要であるほとんどのアプリケーションが恩恵を受けることができるため実効性能はCore i5レベルで高くなっています。

下手にRyzen 5を買うよりこちらの方が望ましいと言えます。1300Xのように”X”が付いていることからもわかるようにオーバークロックモデルとして出されているため動作周波数が高く、動画エンコードのような並列性の高い用途以外でも性能が出るようになっているCPUです。

66位 Ryzen 3 1200 BOX

2017年7月発売。これはIntel Core i3 7100の対抗馬として投入されたCPUだと考えられます。

上記のRyzen 3 1300Xと同様、Ryzen 3 1200も動作周波数が比較的高めです。4コア4スレッドですが3.1GHz~3.4GHzもあるため、6コア12スレッドのRyzen 5 1600よりも若干実効性能が劣る程度で済んでいます。

そうなるとRyzenシリーズは住み分けがはっきりします。コア数重視動作周波数軽視のRyzen 7か、コア数軽視動作周波数重視のRyzen 3です。Ryzen 5は中途半端でありあまりおすすめしません。Ryzen 7はCore i7よりも性能でも価格でも劣っているため魅力はありませんでしたが、Ryzen 3は安い上に性能はIntel Core i5と互角なのでこちらは買う価値があるCPUだと言えます。

67位 Core i5 6400T

2015年9月発売。

68位 Core i3 6300T BOX

2015年10月発売。

69位 Core i3 6100T BOX

70位 Pentium Dual-Core G4520 BOX

71位 A10-7890K BOX

72位 Pentium Dual-Core G4500 BOX

2015年10月発売。

73位 Pentium Dual-Core G4400 BOX

2015年10月発売。

74位 AMD A8-7670K BOX

2016年3月発売。

75位 AMD A10-7860K BOX

2016年3月発売のCPUです。IntelでいうところのCore i3やPentiumに相当するものですが、性能は圧倒的にPentiumの方が上です。

AMD A10-7870Kよりも+31%という圧倒的大差でIntel Pentium G4560が勝利しています。

ただしPentiumより下位のCeleronにはA10-7860Kが勝っています。

Pentiumが圧勝した理由は、Intel第7世代からPentiumプロセッサもハイバースレッディング(スーパースレッディング)に対応したからです。これによってスレッドレベル並列性を取り出しやすくなりました。

発売日に9ヶ月ほど差があるとはいえ、ほぼA10の半額で手に入るPentiumでここまで性能差がでるのならPentium一択だと言えます。またオンボードグラフィックスはA10もPentiumも搭載していますが、Pentiumの方が高性能です。

76位 Celeron G4920 BOX

2018年4月3日発売。このCeleronプロセッサはPentium Gold 5400の下位品ですが、異なる点は動作周波数がPentiumより低いことと、Celeronのほうがキャッシュサイズが小さい(2MB)であることと、Celeronはハイパースレッディングに対応していないということです。またCeleronプロセッサには、CoreアーキテクチャのCeleronと、AtomアーキテクチャのCeleron2つ存在します。このCeleron G4920はCoreアーキテクチャ(Coffee Lake世代)のCeleronであり、AtomアーキテクチャのCeleronよりも大幅に高性能です。

昔はPentiumプロセッサはアウトオブオーダー実行(投機的実行も同じカテゴリの技術)に対応し、Celeronはインオーダー実行であるという違いがありましたが、現在はCeleronプロセッサでもアウトオブオーダー実行で命令レベル並列処理をしています。この点はPentiumでもCeleronでも共通です。

動作周波数についてはPentiumの項目でも解説しましたが、動作周波数が低くしたほうが電圧を下げることができ、検査で正常作動するチップが増えるため歩留まりが良くなり製品の価格を安くできます。これが動作周波数が低いプロセッサほど価格が安くなる理由です。よってCeleron G4920は3.2GHzまで下げることによって、Pentium Gold 5400の3.7GHzよりも歩留まりを改善し価格を安くしています。しかし動作周波数が低いと、ゲームなどの1コアあたりの性能が要求される用途では難しくなります。

キャッシュサイズが2MBと小さいこともCeleronの特徴であり、Pentium Gold 5400の4MBの半分しかありません。ただしキャッシュが大きいからといって高速化できるとは限りません。キャッシュというのは、「最近使ったデータはすぐ再びアクセスする」という時間的局所性ババアと、「使ったデータと同じ配列(データ構造)にあるデータは再びアクセスされやすい」という空間的局所性がある場合に高速化できる機構です。この2つの局所性がない場合はキャッシュがあってもなくても変わらないどころか、キャッシュミスの判定のためにむしろキャッシュがあるほうが遅くなります。このようなキャッシュはExcelなどの計算処理では大きな効果を発揮しますが、ウェブブラウジングのような次から次へと別のページを読込み用途では不向きです。さらに言えばウェブサイトのデータは2MBのキャッシュサイズに収まるほど小さくありません。またゲームのようにマップデータを次から次へとストレージ(SSD)からメモリへ読み込み続けるような用途でもキャッシュは意味をなしません。キャッシュが効果を発揮するのは、メモリ上にある特定のデータを何度も読書する場合です。

またCeleronにはなく、Pentiumプロセッサに搭載されているハイパースレッディングという技術は、余った演算器を他のスレッド(大雑把に言えばアプリケーション)に使わせてあげることによって、ハードウェア的には2コアしかなくてもOSから見れば4コアあるように見せることができるものです。ハイパースレッディングを搭載することによるデメリットは、回路が複雑化して歩留まりが悪くなり価格が高くなることくらいです。ハイパースレッディングは無いよりかは有る方がいいです。

そのためこのCeleronはスレッドレベルの並列性が大きい用途(アプリケーション)ではあまり高速化ができません。スレッドレベルの並列性が大きい用途としては、ゲーム、動画エンコード、Excelの数値計算(全セルの再計算のときに有利)、大量にタブを開くウェブブラウジングです。特に多くの人にとって使うだろう用途はウェブブラウジングです。最近のブラウザなら複数のタブを同時に開くような操作をすると、ハイパースレッディングによる論理コアにスレッドを割り当てて、自動的にスレッドを並列化してくれます。

また拡張命令(SIMD演算命令)はSSE4.1,SSE4.2を搭載しており、この点はPentiumと同じです。

77位 Celeron G4900 BOX

2018年4月3日発売。Celeron G4920と動作周波数以外の部分について全く同じものです。このCeleron G4900の動作周波数は3.1GHzであり、G4920の3.2GHzよりも0.1GHz低くなっています。動作周波数を低くすることで、生産したダイチップのうち正常動作するチップの率を増やし、製造コストを回収しやすくなることでプロセッサの販売価格を下げたものがこのG4900です。動作周波数が低いぶんだけ性能も落ちますが、価格の安さが必要な場合はこちらでもいいでしょう。

78位 Celeron Dual-Core G3950 BOX

2017年1月発売。

79位 Pentium Dual-Core G4500T

80位 Pentium Dual-Core G3260 BOX

81位 Pentium Dual-Core G3258 BOX

82位 Celeron Dual-Core G3930 BOX

83位 Celeron Dual-Core G3920 BOX

84位 Celeron Dual-Core G3900 BOX

Intel Core i9-X、Core i7-X、AMD Ryzen 9:
デスクトップとワークステーションの中間であるハイエンドデスクトップ・エントリーワークステーション用モデル
故障検知は不要だがとにかく高い性能が必要な場合
Xeonより動作周波数が高く、コア数はデスクトップ用より多い

Skylake-XやKaby Lake-Xなどの-Xがついたプロセッサが該当します。普通のデスクトップ用はSkylake-SやKaby Lake-Sのように-Sが付いたモデルですが、-Xはそれよりも高性能です。

位置づけとしては、故障検知が付いていて企業や行政機関が業務用として使うような高信頼性を確保できるXeonほどまでは必要ないけれども、普通のデスクトッププロセッサよりは高性能なものが欲しいときに選択します。

AMDだとRyzen 9が該当します。

普通のデスクトップ向けのCore i7,i5,i3と比較して、このハイエンド向けCore i9-X,i7-Xのデメリットとしてはオンボードグラフィックスが付いていないことです。画面を映すには別途グラフィックボードを購入して用意することが必須です。

深層学習(ディープラーニング)や金融分析などの非常に高い性能を要求する用途でおすすめです。

深層学習をコプロセッサ(GPUなど)を用いて並列化するのはプログラミングが面倒になります。できればホストプロセッサ(普通のCPU)で並列化できるにこしたことはありません。そういったときにこのハイエンドデスクトップ向けCPUは便利です。故障検知などの信頼性よりもとにかく性能重視のときにおすすめです。

1位 Core i9 7980XE Extreme Edition BOX

2017年発売のIntel Skylake-Xプロセッサです。18コアも搭載しているフラッグシップモデルです。

2位 Core i9 7960X BOX

16コア搭載した2017年発売のIntel Skylake-Xプロセッサです。

3位 Core i9 7940X BOX

14コア搭載した2017年発売のIntel Skylake-Xプロセッサです。

4位 Core i9 7920X BOX

12コアの第7世代Skylake-Xプロセッサです。当初、Skylake-Xプロセッサはこれが最高峰のフラッグシップモデルになるはずでした。しかし、AMDがRyzen 9の早期リリースを発表したことから、シェアを奪われまいとIntelは12コアを超えるモデルを発表したので、この7920Xは最高峰ではなくなってしまいました。

第6世代のBroadwell-Eでは最大でも10コアの6950Xまでだったので、その壁をこのCore i9 7920Xが突き破ったことになります。

このCPUはRyzen Threadripper 1950Xよりも高価になっています。ワンランク下げてCore i9 7900XにするとThreadripper 1950Xよりも安くなる上に、性能は7900Xでも十分Threadripper 1950Xを超えているため、Ryzen Threadripperより割安かつ高性能なものが欲しい場合は7900Xか7820Xがいいでしょう。

5位 Ryzen Threadripper 2990WX BOX

2018年8月13日発売。第2世代Ryzen Treadripperのフラッグシップモデルです。フラッグシップモデルが一番最初に発売されました。8月31日発売です。

さらにコア数を削減した24コアor12コアモデルは2018年10月発売であり、低性能なCPUほど後に出ます。

この2990WXは2950Xと本質的に同じチップです。2990WXも2950Xも4枚のダイ(ウェーハから切り取ったチップ)を搭載しています。半導体ダイ上に少しでもエラーがあるとそのダイ上の半導体回路はすべて不合格品となるためダイ全体を無効化して電子回路として使えないようにします。

4枚のダイのうち2枚のみを有効化したものが2950Xです。さらに4枚すべてが合格品となり4枚すべてを有効化したものが2990WXです。

つまり2990WXとしては不合格だけど、2950Xとしては販売できるものはダイの有効化無効化操作によって製品化しています。

半導体チップ製造においては歩留まりの低さは価格の高さに直結するため、このようにダイが不合格品であっても無効化して性能を下げて販売することによって、不合格品の製造原価全てを合格品の製造原価に転嫁しなくても良いようにし、全体的な価格を下げています。

チップ上の4ダイのうち正常に動作しないダイが1~2あった場合は、そのうち2つを無効化してRyzen TR 2950X(2018年8月31日発売)として販売しています。不良のダイが1のみで3つ正常に動作するダイがあっても2つ無効化してあります。つまり正常に動作するダイも無効化している可能性があるのが2950Xです。

6位 Core i9 7900X

第7世代Skylake-Xの10コア版です。2017年6月発売です。動作周波数は3.3GHz~4.3GHz~4.5GHzとなっており、10コアの割には動作周波数が高くなっています。TDPも140Wと高めです。

比較対象は、2016年5月に発売された同じく10コアである第6世代Core i7 6950Xです。

6950Xの動作周波数は3.0GHz~3.5GHz~4.0GHzであることから、動作周波数が大幅に向上しています。

この7900XはRyzen Threadripper 1950Xの性能を大幅に超えています。

たった+6%と思うかもしれませんが、近年のCPU性能向上率が年率22%を下回っていることからするとほぼ同時の発売時期でこの差は大きいです。しかも価格は7900Xの方が安いので、Threadripper 1950Xより高性能かつ安いCPUを狙っているのなら7900Xはおすすめです。Threadripper 1950Xと同性能かつ安いものでいいなら7820Xで十分です。Threadripper 1950Xの半額程度で買えてしまいます。

7位 Core i7 7820X

第7世代Skylake-Eの8コアCPUです。3.6GHz~4.3GHz~4.5GHzです。

第6世代Broadwell-Eで同じく8コアのCore i7 6900Kが比較対象です。6900Kの動作周波数は3.2GHz~3.7GHz~4.0GHzなので、7820Xの方が遥かに動作周波数が高くなっています。8コアになると1コアあたりの性能が低くなりがちですが、動作周波数を上げることによってそれを補っています。その分だけTDP140Wと消費電力が大きくなっています。

実はこのCPUは8コアでありながら、16コアのRyzen Threadripper 1950Xよりも+1%性能が高いです。

しかも価格はRyzen Threadripper 1950Xの約半額。Ryzen Threadripper 1950Xを超えるにはCore i9 7900XどころかCore i7 7820Xでも十分であることが判明したわけです。

8位 Ryzen Threadripper 1950X BOX

2017年8月発売。16コア32スレッドのCPUです。TDPは180Wであり1920Xと同じです。

この1950Xの動作周波数が3.4GHz~4.0GHzであり、1920Xの動作周波数3.5GHz~4.0GHzよりもベースクロックが0.1GHz低くなっています。最大動作周波数は4.0GHzで同じ点は注意しておくべきところです。これは後述します。

これはコア数を12コアから16コアに増やす上でコア一つあたりの動作周波数を下げないと電圧が下げられず消費電力を下げられないからです。

1920Xよりもコア数が増えていて最大動作周波数が4.0GHzのままでは普通なら消費電力が増えていしまいます。しかしTDPは180Wで同じです。

これが意味するところは、16コアのうち同時に4.0GHzの動作周波数で動かすことのできるコア数はそこまで多くないということです。12コア版の1920Xでさえも12コアすべてを4.0GHzで動かすことはできません。これは16コア版の1950Xも同じだということです。

さらに言えば、最大の4.0GHz動作周波数で動かせるコア数は12コア版の方が多いと考えられます。1コアあたりの動作周波数の高さに期待するなら12コア版の方が良さそうです。

第2点目として1950Xと1920Xの大きな違いがあります。キャッシュサイズです。

最もペナルティコストが大きいL3キャッシュは32MBで1950Xでも1920Xでも同じです。

違うのはL1とL2キャッシュであり、コア数が16コアと多い1950XのL1キャッシュは1.125MBであり、12コアの1920Xの1.5MBよりも少ないことです。逆にL2キャッシュは1950Xは8MB、1920Xが6MBになっており1950Xの方が大きくなっています。

L1キャッシュは下位モデルの1920Xの方が大きく、L2キャッシュは上位モデルの1950Xの方が大きいということです。

普通に考えればL1キャッシュは上位モデルほど大きくしていいものです。L1キャッシュのヒット率はCPU性能に直結します。最近のCPUのボトルネックはメモリアクセスコストにあるため、L1キャッシュを手厚くしてL1キャッシュヒット率を高めることがキャッシュミスペナルティを下げるために重要だからです。

上位モデルの1950Xで逆にL1キャッシュが少なくなってしまったのはコア数を増やすためにコアに近い部分のL1キャッシュ用チップ面積を減らさざるを得なかったためでしょう。その代わりにコアから遠いL2キャッシュを大きくしたわけです。

メモリアクセスが頻繁になく、一度レジスタにデータを持ってきたらレジスタに対する演算操作で完結するようなアプリケーション(アルゴリズム)なら1950Xの方が速いでしょうが、メモリアクセスを頻繁にするような用途ではL1キャッシュが大きい1920Xの方が性能が高くなることが考えられます。L3キャッシュサイズが1950Xでも1920Xでも同じなので、メモリアクセスが多いアプリケーションだとなおさらL1キャッシュの容量が性能に効いてきます。

Intelプロセッサとのベンチマーク比較ですが、7820Xとほぼ同性能です。少しIntel Core i7 7820Xの方が性能が高いですが、価格は半分程度Intelの方が安く圧倒的です。

さらに1950Xに差をつけたいならCore i9 7900Xがおすすめです。性能はRyzen 1950Xよりも+6%高く、しかも価格も安いときています。

動作周波数がAMD RyzenとIntel Coreで同じなら当然Intelの方が高性能になることが多いですが、動作周波数の時点でもIntel Coreの方が上回っているのでIntel Coreが勝つのも当然だったというところでしょう。

9位 Core i7 6950X Extreme Edition BOX

Broadwell-Eシリーズで最高峰と位置づけられるものです。10コアCPUであり2016年5月発売です。とはいっても何をもって最高峰かは使い手によって異なります。

動作周波数は3.0GHz~3.5GHz~4.0GHzです。

このCPUは第6世代ですが、第6世代の中で唯一Core i7 7700Kを打ち負かしているCPUです。逆に言えばこの6950K以外の第6世代(例えば6900Kなど)を買うなら7700Kを買ったほうがいいです。

このように6950Kは7700Kよりも+3%ほど性能が高いです。しかし20万円程もする6950Kが4万円程度の7700Kよりたった3%性能が高いだけです。私は7700Kの方が賢い選択だと思います。

第2世代のXeon Phi(Knights Landing)やXeon E5 v4などを除けば、この6950Kは現在最も高速なCPUです。そして7700Kはその次で第2位と言えます。

しかし2017年5,6月頃にはSkylake-EというSkylake世代のExtremeバージョンが出ると予想されます。そうすると7700Kは勿論、6950KもSkylake-Eに完全に追い抜かれて大きく順位を下げることになるでしょう。

重いソフトウェアを同時に何十個と動かしたり、動画エンコードをひたすらやる場合にはこの6950Kは最適です。

ですがVisualStudioでプログラミングをするときにこのCPUはあまりいいとは言えません。やはり1コアあたりの性能が高いほうがプログラミング+ビルド(コンパイル)+デバッグをするストレスが無いので、そういったときは1コアあたりの性能が高い7700Kの方がいいです。

Wordを単独でいじったり、ブラウザでネットを見るためだけに使うなど、なにか1つの作業に集中する使い方ならcore i7 7700Kの方が快適に感じるでしょう。

このCPUはキャッシュが25MBと非常に大きいので、キャッシュに載るようなデータサイズの行列に対してひたすら数値計算をするような使い方、たとえば収束するまで繰り返し演算が必要な一般化最小二乗法や、グラフ探索、モンテカルロシミュレーションをやるときには高い効果を発揮します。

Xeonのようにメモリエラー検知・訂正機能が不要なら、10コアのXeonE5を買うよりもこのCore i7を買ったほうがコストパフォマンスが高いと言えます。ただし、最大メモリサイズはこのCPUが128GBなのに対して、XeonE5v4は1.54TBと圧倒的に大容量なので、非常に大きな行列を扱う用途ではXeonのほうが優秀です。

Youtubeの動画投稿のために一時的にキャプチャした非圧縮動画をメモリ上に置いておくくらいなら128GBもあれば十分なのでcore i7でOKでしょう。

10位 Core i7 7740X

第7世代Kaby Lake-Xプロセッサです。基本的には7700Kに毛が生えた程度の性能です。

CPUとメモリ間の接続は2チャネルですし、キャッシュは8MB、PCI-Expressレーン数は16と、7700Kとスペックはほとんど同じです。

違いは、7740Xの動作周波数が4.3GHz~4.5GHzとなっており、7700Kの4.2GHz~4.5GHzよりも若干上がっているということです。

また7740Xのデメリットとしてオンボードグラフィックスが付いていません。

7740XはTDP112Wであり、TDP91Wである7700Kよりも消費電力が大幅に上昇しています。これは全コアを同時に4.5GHzにできることから消費電力が上昇しています。

7700Kは全てのコアが同時に4.5GHzになることはありません。TDP91Wではそのようなことはできず、一部のコアは4.2GHzのままで動かすしかないのです。

そこが7740Xとの違いです。

しかし、7740Xは中途半端な位置づけのプロセッサだと言えます。私はこのCPUをおすすめしません。

私としてはこれを買うくらいなら、価格が手頃なKaby Lake-S Core i7 7700Kか、次の世代のCoffee Lake-S Core i7 8700Kを買います。

オンボードグラフィックスが不要でさらに高性能をということだったら、6コアのSkylake-X Core i7 7800Xを購入します。

11位 Ryzen Threadripper 1920X BOX

2017年8月発売。12コア24スレッドでTDP180Wという最近あまりみなくなった高消費電力CPUです。高消費電力の理由は高い動作周波数にあり、ベースクロックが3.5GHzで最大4.0GHzまで高くなります。しかし12コアすべてが同時に4.0GHzになるわけではありません。12コア全てを4.0GHzで動作させるとTDP180Wを余裕で超えてしまうのでできないわけです。

8コア16スレッドのRyzen 7 1800Xが、4コア8スレッドのCore i7 7700Kどころか4コア4スレッドのCore i5 7600Kにも負けていたことを考慮すると、12コア24スレッドのRyzen Threadripper 1920Xが10コア20スレッドのIntel Core i9 7900Xを超えるとは非常に考えにくいでしょう。

また当サイトのCPU記事で何度もしつこく記載していますが、マルチコアというのはアプリケーションに並列性がない限り全く高速化に貢献しません。並列性が少ないアプリケーションならコア数を少なくし1コアあたりの動作周波数を向上させたほうが実効性能が高くなり体感速度も上がります。使うアプリケーションの並列性の高さに自信があるのなら活躍するCPUだと言えるでしょう。

1950Xの項目で記載していますが、この1920Xの方がL1キャッシュサイズが大きいです。1.5MBあります。対して1950Xは1.125MBです。L1キャッシュサイズが大きい1920Xの方がL1キャッシュミス率を下げることができ、平均的なペナルティコストを下げることができます。L3キャッシュサイズは1950Xと同じなので、キャッシュという観点からみれば1950Xよりも1920Xのほうが優秀だと言えるでしょう。メモリアクセスが多いアプリケーションではこちらのほうが性能が出ると思われます。

12位 Core i7 7800X

Skylake-Xシリーズで一番下のスペックであるCPUです。とはいってもこれは7700Kなどとは一線を画しています。

まずコア数は6コアあり、第6世代のCore i7 6850Kが比較対象になります。

7700Kのメモリ接続は2チャネルですが、この7800Xは4チャネルもあります。これはつまり、メモリのレイテンシは変わりませんがスループットは2倍になっていることを意味します。CPUメモリ間の遅さがボトルネックになっている現在のコンピュータ事情を勘案するとかなり大きなメリットです。

13位 Core i7 6900K BOX

このCPUは第6世代のCPUであり2016年5月発売のものです。8コアプロセッサであり、動作周波数は3.2GHz~3.7GHz~4.0GHzです。

第6世代の6700Kが主流だった頃はこの6900Kが6700Kを大きく引き離して勝っていましたが、第7世代の7700Kが出ると6900Kは勝てなくなりました。

このようにたった1%ですが7700Kの方が性能が高くなっています。CPU価格に2倍以上の開きがあるのにもかかわらずです。

つまり7700Kが手に入る以上、今となっては7700Kを買ったほうが価格的にも性能的にも完全に得することになります。6900Kは10万円以上するのに対し7700Kは4万円前後です。この6900Kを買うくらいなら私は7700Kをおすすめします。

14位 Ryzen Threadripper 1900X BOX

15位 Core i7 6850K BOX

2016年5月に発売されたCPUです。このBroadwell-EシリーズはSkylakeより1世代前のBroadwellアーキテクチャながら、PCI Expressはリビジョン3,メモリはDDR4、半導体製造プロセスは14ナノメートルとSkylakeと同等の技術で造られており、Core i7 6700Kより上位と位置づけられるCPUです。

なぜSkylakeではなくBroadwellかというと、第6世代以上のアーキテクチャで6コア以上のCPUを作るのが技術的にまだまだ困難だからです。

このCPUは第7世代の7700Kが出てきたことによって絶対性能でも価格あたりの性能でも負けることになってしまいました。

6700Kでは64GBまでだったメモリがこのCPUでは128GBまで対応しています。そのかわり128GBにするには1枚で32GBあるメモリを4枚買ってこなければなりません。

ですがメモリを4枚に分けるのにはメリットがあります。6700Kではメモリを4枚挿しても同時に並列アクセスできるのは2枚までであり、メモリアクセス速度は高々2倍になる程度でした。

一方でこのBroadwell-Eは4チャネルアクセスに対応しているので、メモリモジュールを4枚差しすることによって4つのメモリモジュールに同時にアクセスすることができます。これは6700Kよりメモリアクセスが2倍になることを意味しておりかなり大きなメリットです。

後述しますが、メモリアクセス速度というのは年数とともに全く進歩していません。そこでこのように同時アクセスでなんとか体感速度を速めているわけです。

デメリットとしては、このCPUはオンボードグラフィクスがついていないので、必ずグラフィックボードを別に購入してくる必要があります。そうしないとディスプレイが映りません。

よってこの6850Kを使いこなすにはそれなりの出費が必要です。

また最大消費電力を意味するTDPは140Wと大きいのでCPUクーラーはファンレスにはできず、ファンを回すことが必須です。ファンを付けた上で、ある程度高速でファンを回す必要があるので静音化は難しいでしょう。

16位 Core i5 7640X

2017年6月発売のKaby Lake-X4コア4スレッドのCPUです。動作周波数は4.0GHz~4.2GHzでありCore i5 7600Kの3.8GHz~4.2GHzよりも上昇しています。7600Kに毛が生えた程度のCPUと言えます。

しかし、消費電力がTDP112W相当になっており、7600Kの91Wよりも上です。4コアすべてを4.2GHzで動作させることができると言えます。

一方でオンボードグラフィックスが付いていないのはデメリットです。

17位 Core i7 6800K BOX

6800Kは2016年5月に発売されたBroadwell-Eで最も低い性能のCPUですが、一応6700Kは上回っていたものの、第7世代の7700Kには追い抜かれることになりました。

このように+10%も7700Kの方が勝っています。

しかも価格は7700Kの方が安いので、絶対性能をとっても価格あたりの性能をみても7700Kの圧勝です。

18位 AMD FX-8370 BOX

19位 AMD FX-8350 BOX

2012年に発売されたCPUです。今のAMDで言えばRyzen 9に相当するCPUです。IntelだとBroadwell-EやSkylake-Xなどの、ハイエンド向けCPUに相当します。

しかしこのFX-8350は8コアもありながら、Intel Core i7,i5,i3どころかそれよりも下のPentiumシリーズにすら勝てていません。

Intel Pentium G4560がAMD FX-8350に+5%実効性能で勝利しています。しかもPentiumはIntel HD Graphics 610というオンボードグラフィックスがCPUチップに載っています。Excel操作やYoutube再生は勿論、マインクラフトレベルのゲームだったら余裕でできるほどの性能を持っているものです。価格面でもPentiumの方が圧倒的に安い上に、消費電力もFX-8350はTDP125Wに対して、Pentium G4560はたった54Wです。合理的に判断するならばすべての点においてPentiumの圧勝です。

20位 AMD Athlon X4 880K BOX

2016年3月発売。

Intel Xeonシリーズ:
メモリ故障のせいでデータが壊れると業務上かなり困るなど、故障検知が必要な場合
深層学習や金融分析などの並列性の高い科学技術計算をする場合

Xeonが企業などの業務用として採用されるのはよく知られていると思います。なぜXeonが業務用で採用されるかと言えば、それはXeonはメモリが故障したときに故障したことが検知できるからです。ビットの誤りを検出することができる誤り訂正・誤り検出に対応しているのがXeonプロセッサの大きな特徴です。

Core i7などのCoreシリーズのCPUでは、メモリが壊れるとブルースクリーンになったりそのまま画面が停止するなど、何が原因でブルースクリーンになったのかがわかりません。またメモリが故障するとデータを壊すことになりますが、そのデータが壊れてること自体にも気づくことができないのがCoreシリーズのCPUです。一方でXeonは誤り検出によってメモリが故障したことをしっかりログとして記録してくれます。さらにメモリがデータを破壊しながら動き続けることもありません。

よって万が一Xeonマシンが故障したら、その故障を検知して自動的に別のコンピュータに切り替えるといったことがXeonなら技術的に簡単に実現できます。このようにミッションクリティカル度が高く失敗が許されない業務ではXeonの使用が好まれます。

また故障検知以外のXeonのメリットとして、コア数が多いので並列性が高いソフトウェアの実況に有利だという点があります。

例えば動画エンコードをする人なら、動画のエンコード処理は並列性が高いためコア数が多いXeonのメリットを受けることができます。ただし並列実行に対応しているエンコードソフトを使うことが必須です。Youtubeで高画質のままライブ配信したいときには、1080pくらいならCore i7で十分でしょうが、4K解像度かつHDR対応でライブ配信をやりたいとしたらXeonも選択肢に入ってくるでしょう。

また深層学習や金融分析など、最適なパラメータを探す必要があるようなタスクを実行するときにも有利です。金融機関におけるデリバティブ(金融派生商品)の時価とリスク量を各金融商品の数(保有している金融商品数)の分だけ計算処理するといった用途にも向いています。個々の金融商品の計算自体は完全に独立しており簡単にスレッドレベルで並列化できるからです。

注意すべき点は、Xeonプロセッサは1つ1つの各コアの性能は高くないということです。並列性が全くないソフトウェアを動かすときはCore i7よりも遅く感じます。Webサーバーのように1つ1つのタスクの処理自体は大したことはないが、そのタスク量が膨大に発生するといった用途にはいいでしょう。

Xeonプロセッサは2017年に発売されたSkylake SPから非常に扱いやすくなりました。

それまで(2016年のBroadwell-EP,Broadwell-EX以前)はXeon E3・Xeon E5・Xeon E7と区分され、ソケットはLGA1151・LGA2011-3・LGA2011が混在しておりチップセットもマザーボードも仕様がバラバラでした。 特にXeon E7を個人で扱うのは現実的ではありませんでした。SocketこそLGA2011ですがXeon E7対応のチップセットを搭載したマザーボードが出回っていないため自作に不向きであり、サーバーラックをベンダーに発注してXeon E7搭載済みの製品を納入してもらうという法人を想定した相対の入手方法しかありませんでした。

しかしXeon E7の後継はXeon Platinumとなり、予算さえあれば個人でも十分に自作が可能になりました。非常に大きな改善点です。早速Xeonシリーズで最高峰のXeon Platinum 8180(28コア56スレッド)という120万円近くするプロセッサをASUSのマザーボードに2つ搭載してベンチマークしている個人のYoutube動画が上がっています。

以下、2016年以前のBroadwell-EP,Broadwell-EXのXeonと、2017年以降のSkylake-SPのXeonの対応をまとめておきます。

Xeon E7 & Xeon E5(2ソケット以上マルチCPU対応版)→Xeon Platinum,Gold,Silver,Bronze ソケットはLGA3647(複数のダイチップを基盤に搭載可能なタイプ、General Purpose Processor+Special Purpose Discrete GPUの2チップ構成など) これはXeonプロセッサScalableファミリと呼ばれ、2CPUのみならず4も8も可
Xeon E5(1ソケットのシングルCPUのみ対応)。→Xeon W(iMac Proで採用) ソケットはLGA2066(Core i7 7900~i9 7980XEなどのCore-Xシリーズのソケットと同じ) 。以前のXeon E5-1600 v4の後継品。
Xeon E3→Xeon E(EはEntryの意、1ソケットのシングルCPUのみ対応)として、ソケットはLGA1151であり。これは単純にLGA1151のIntel Coreプロセッサシリーズ(8700Kなど)にメモリエラー検出・訂正機能を追加したもので、Intel UHD GraphicsなどのiGPU(オンボードグラフィックス)搭載

このように大雑把には3つに分けることができます。一番上のランクが、Xeon Scalableプロセッサであり、以前のXeon E7と、2CPUに対応したXeon E5の後継です。ScalableというのはCPUを2つ接続したらCPUの数に比例して性能も2倍になるといった特性のことを指します。逆にCPUをいくら増やしても性能が向上しないことを「スケールしない」と言います。

日本語では「スケールする」と言うこともありますが学術的にはScalableと言います。これは重要な性質で、CPUを単純に並列接続していくだけで、スレッドレベルの並列性がある限り性能も2倍3倍とスケールするので、スパコンを組む上で非常に有用なプロセッサです。

次のランク帯は、1CPUに制限された「Xeon W」というシリーズです。これは2018年に「160万円の最高スペックカスタマイズでiMac Proを買ってみた」というレビューが大量発生したことで有名なiMac Proに搭載されたCPUです。iMac Proの中では最高スペックでも、上の表で見ればXeon Platinum,Gold,Silver,Bronzeに続きXeon Wは第5番目のCPUなのでそこまで高性能ではありません。Xeon WはBroadwell-EP以前のXeon E5 1400 v4の後継品であり、2CPUを搭載して1つのOSで認識するといったマルチプロセッシングに対応していません。1CPUのみです。つまりScalableプロセッサではないということです。その分だけXeon Processor Scalable Familyより安くなっています。

そして更に下のランク帯がXeon Eです。これはXeon E3の後継にあたります。これも1CPUのみであり2CPUや4CPUにはできません。このXeon Eはシンプルであり、単にCore i7 8700KやCore i5 8600Kのような個人向け一般プロセッサにエラー訂正・エラー検出機能を搭載して信頼性を高めたものです。決してCore i7 8700Kより高性能という位置づけではないので注意。Coreプロセッサの性能をそのままに信頼性を高める機能を追加したものがXeon Eです。基本的に中身はCoreプロセッサなので、Intel UHD GraphicsというiGPU(オンボードグラフィックス)を搭載しています。上記のXeon-WやXeon Platinum,Gold,Silver,Bronzeはオンボードグラフィックス非搭載なので別途グラボが必要です。

重要なことは、Xeonは1コアあたりの性能の高さを求めるものではなく、スレッドレベルの並列性が高いアプリケーションの並列処理の高速化信頼性の高さを追求するのがコンセプトだということです。単純にゲーム用の高性能なプロセッサが欲しいなら、Core i7やi9を買ったほうが性能が高い上に安上がりです。

1位 Xeon Platinum 8180

28コア56スレッドのCPUです。Skylake-SP世代では最も上位に位置するフラッグシップモデルです。マルチプロセッシング可能なため、マザーボードに2つ搭載すれば56コア112スレッドにできます。1CPUあたりおよそ120万円ほどするのでCPUだけで240万円ほどになりますが、マザーボードは以前のXeon E7と比べたら非常に安く入手できるので300万円もせずに論理コア100のPCを組むことができます。

1コアの動作周波数は2.5GHzしかありませんが、24時間以上かかる数千回レベルのループを並列化すれば非常に短時間で処理が完了します。

2位 Xeon W-2195

18コア36スレッドであり、2017年発売のXeon Wシリーズの中では最も高性能です。2018年に発売されたiMac Proで選択可能な18コアXeon Wプロセッサはこれのカスタマイズ版です。Xeon Wの欠点はマルチCPUに対応しておらずCPUを1つしか搭載できないシングルCPUのみ対応ということです。複数のCPUを搭載してスケールさせるといったことができません。スケールさせたい場合はXeon Bronze以上を選択する必要があります。

3位 Xeon W-2135

 コア数を2倍にすると性能を維持したまま動作周波数を半分にできる

Xeon E5シリーズの最大消費電力が160Wであるように、だいたいCPUの消費電力はこのあたりが限界です。これ以上いくと発熱でチップが焼ききれてしまいます。

現在のCPUは「消費電力を抑えた上で高速化する」という方向性で作られています。

そのためにとられている手段がマルチコア化です。マルチコア化はIntelが好きでやってるのではなくて、集積度が上がりすぎて電力密度の限界がきてしまっているので、消費電力を下げるために仕方なくマルチコアを採用せざるを得ないという切実な背景があります。

CPUには4GHzなどの動作周波数がありますが、実は動作周波数を上げるには電圧も上げなければなりません。

そして電圧を上げると電流も強くなるので、消費電力は電圧上昇の2乗に比例して大きくなってしまいます。これが最近のCPUが4GHzから動作周波数がいっこうに上がらない理由です。

そこでマルチコア化するわけです。

2つのコアに分ければ極端な話、動作周波数を2GHzに下げてもいいわけです。そうすると電圧が下げられ、それは電流も下がることを意味するので消費電力は激減します。そのような方法で現在IntelはCPUを高速化しています。

ただし、これはソフトウェア内に十分な並列性がある場合に限ります。まったく並列性が無い場合は、コア数を2倍にして動作周波数を1/2にしたCPUを使うと速度は1/2になってしまいます。並列実行するように作られているソフトウェアは動画エンコードを行うものなど非常に限られています。よってExcelやWordやブラウザや数値計算など、複数のアプリケーションを同時稼働させることがマルチコアCPUを活用する最も簡単な方法です。

よってコア数が増えるほど動作周波数(~GHz)が低くなる

動作周波数を4GHzのままコア数を2倍にすると消費電力は単純に2倍になってしまいます。

だから必然的に動作周波数を下げざるを得ません。

それと同時に複数のコアを用意したのだから、動作周波数を下げても2つもCPUがあるわけですから全体としては速度は落ちていません。つまり性能を維持したまま動作周波数を下げてることができるわけです。

このように、動作周波数は下げることもできるし、逆に下げざるを得ないという状況にもあると言えます。

実際にXeonの上位モデルで20コア以上のものは、動作周波数が2GHz程度しかなく遅く感じるでしょう。でもこれは消費電力を160W以内に収めるために仕方ないことだということです。

2ソケット以上のマルチプロセッサと、マルチ「コア」プロセッサの違いは何か

マルチプロセッサは別のソケットに複数のCPUを挿すことで、マルチコアプロセッサは1つのCPUチップ状に複数のコアを実現することですが、この2つには明確な性能上の違いがあります。

OSからみるとどちらも複数のCPUとして見えますが、実際はかなり違うわけです。

理想から言うと、複数のソケットに分けずに複数のコアとして1チップ上にすべて押し込んでしまうのがベストです。

なぜなら、物理的に距離の離れたCPU同士で通信しようとすると数百クロックレベルの多大な時間を要するからです。これは普通のCPUで並列化するときの待ち合わせ時に非常に不利になります。一方でマルチコアならコア同士は同じチップ上に載っておりすぐとなりにあります。だから数クロックレベルで他のコアと通信して連携できるわけです。これが全てのコアを1チップ上に押し込むマルチコアの大きなメリットです。

ですが技術的にそれは難くなります。コア数を増やそうとするとチップ面積が増えるので、面積が増えると不良品になってしまう確率が一気に高くなり、販売価格が高騰してしまうからです。

このように技術的な限界から1チップあたりは20コア程度に抑えて、そのCPUを4つマザーボードに挿すことで80コアにするといったことが行われています。理想からいうとマルチコアの方が各コア同士の通信速度が速いし、コンパクトだし、消費電力の面でも有利だと言えます。

CPUよりも高速化の方法に乏しく頭打ちのメモリ

CPUは集積度を上げてコア数を増やすことでまだまだ性能を向上できる余地があります。

一方で速度の頭打ちが深刻なのがメモリです。メモリの「容量」は年月が経つにつれて劇的にアップし続けていますが、読み書きの速度は10年前どころか20年くらい大して速くなっていません。

メモリはチャネル数を増やすことで並列アクセスを可能にして高速化しています。

ですがXeonE5でさえメモリチャネル数は4つです。16枚メモリを使っても並列にアクセスできるのは4つまでです。

さらに速度というのはCPUとメモリまでの物理的距離が大きく影響します。メモリを16枚も挿せるようにしてしまうと、どうしてもCPUから距離の離れたメモリスロットが出てきてしまいます。

CPUからメモリまでは数百クロックもかかってしまい、キャッシュより10倍もの時間がかかります。この数百クロックが改善することはないでしょう。数十から数百GBもあるメモリをCPUチップ上に内蔵するなど、物理的に近距離に設置しないかぎり無理です。

現在のCPU上のキャッシュはせいぜい数十MBですし、それより1000倍以上も大きい現在のメモリをCPUチップに押し込むのはかなり難しいと言えます。

CPU性能の頭打ちはSSDでカバーする

このようにCPUの1コアあたりの動作周波数は4GHz台で頭打ちになっています。

そしたらどのようにしてさらに体感速度を上げていくかというと、Core i7やXeonのようにマルチコア化していくわけです。

ですがこのマルチコア化は1つのソフトウェア実行を高速化するのではなく、ブラウザやExcelなど複数のソフトウェアを動かしているときに速くなるというものでした。

そこで1つのソフトウェアだけでも高速化する方法としてSSDの採用が現在はオーソドックスになっています。

特に個人のパソコン用途ではSSDやHDDなどストレージへのアクセスが多いのが特徴であり、このストレージアクセスを高速化するだけで体感速度がかなり速くなるわけです。

そして幸いなことに、このストレージはSSDの発展によって劇的に高速化されています。ストレージはハードディスクドライブ(HDD)の時代が終わりを告げようとしており、近い将来完全にSSDに取って代わるでしょう。

このSSDの速度はまだまだ改善の余地があり、SSDの高速化がパソコン全体の高速化につながる状況は今後も続きます。

なぜならSSD自体は現在でも相当高速なのですが、それをCPUと接続するバスの部分が低速であり、SSDの本来の速度を十分に発揮できないというSSDが「手持ち無沙汰」の状態にあるのが現状なのです。そのような「手持ち無沙汰」の状態である現在のSSDでも高速に感じるのですから、そのボトルネックが解消されたあとのSSDはとてつもなく速くなるでしょう。

よってまだまだSSDはさらに高速になる潜在能力があり、今後のさらなる発展が期待できる分野です。

Intel CPUもPCI ExpressのリビジョンをSkylakeで3に上げるなど、バスの高速化に力を入れています。そのPCI Express接続を使ったSSDがNVMe対応のSSDです。IntelはCPUだけでなくSSD開発にもかなり投資しているので、パソコンを購入する側もSSDの性能にお金をかけることによって高速なパソコンを手に入れることができます。

目安としてはCPUと同じ金額くらいのSSDを使うことです。CPUが4万円ならNVMe対応SSDにも4万円かけるくらいの投資をすると十分にCPUの性能を活かすことができます。

CPUは業界第一位の設備投資額が最も大きいメーカーのものを買う:現状はIntel

CPUというのは半導体であり、メモリもSSDも半導体ですが、これら半導体産業に共通する法則(経験則)があります。

それは、金額で他の企業を上回る第1位の巨額投資をしないかぎり、良い製品ができないという法則です。

例えばCPUを作るために1兆1千億円の投資をしたA企業と1兆円の投資をしたB企業があるとします。

投資額からみると、A企業はB企業より10%大きい金額を投資しているので、CPUの性能もA企業はB企業よりも10%速いものを作ると思うでしょう。

ですが現実はまったく違って、A企業はB企業よりも2,3倍(100~200%)も速いCPUを作ってしまいます。

これが半導体産業の特殊なところで、半導体は一番大きい巨額の投資を一度にやった企業が圧倒的勝利を納めます。それが現状Intelです。

つまりIntelが投資額で最も大きい業界第一位を走ってる以上、IntelにはCPU分野で勝てません。投資額が少なくても工夫すればなんとかなる他の業界とは根本的に異なると言えます。

よって重要なことは、そのときどきで業界第一位の企業が出すCPUを買うことです。それは現状Intelなので、多少高くてもIntel製を買うことがあとあと後悔せずに済むということです。

IntelはMath Kernel Libraryで数値計算を高精度で高速化できる 機械学習や金融分析をするならIntel一択

Intel製プロセッサはParallel Studioに含まれているMath Kernel Library(MKL)を使うことでSIMD演算命令やコア間の並列化を自動化してくれます。

行列演算はまさに並列性が高くSIMD演算命令が得意とするところですが、そのような命令を意識せずにMKLを使うことで自動的にSIMD演算器に命令を割り当てたり、コアにスレッドを割り当てて並列化してくれます。

Visual StudioではNugetでMath.NETライブラリをインストールすることができますが、このMath.NETはMKLを内部的に使用したバージョンも配布されています。これはC#のマネージドなメモリから、アンマネージドなメモリへマーシャルコピーをしてMKLを呼び出し演算をさせるというものです。いちいち自分でマーシャルコピーをせずにMKLの恩恵を受けることができるのでおすすめです。

このようなMKLは深層学習や金融分析において大きなメリットがあります。金融時系列分析では行列の固有値を求めたり逆行列を求めることが多々発生しますが、そのようなときに倍精度浮動小数点演算で高速に演算結果を叩き出してくれるIntel Coreプロセッサは使い勝手がいいです。

Ryzenはコア自体の性能は高くなく、コア数を多くして高性能に見せかけているプロセッサなので、スレッドレベルの並列性がないアプリケーションの場合逆に遅くなります。スレッドレベルの並列性が高いアプリケーションというのはあまり存在しません。ゲームや動画エンコードくらいです。

Intel Coreのほうがオールラウンドなプロセッサであり、Ryzenは極一部のニーズにマッチするspecial purposeなプロセッサに近いので、様々な用途に使う予定ならIntel Coreのほうが間違いない選択です。