SSD選びはメーカーが多く、さらに同一メーカーでもシリーズが多いためとても難解です。
SSDを購入する際にSSDのサーベイ(調査)を徹底的に行ったため、SSD選びのコツを記録しておこうと思います。
M.2規格のSSDについてはNVMe接続とSATA接続も含めてこちらで比較しています。
SSDのシリーズごとのランキングを掲載した後、容量ごとのランキングを掲載しています。
2022年時点で、8TBのSSD(QLCタイプ)が約8万円、8TBの3.5インチHDDが約1万4千円であり、価格差は約6倍もあります。ただ、16TBの3.5インチHDDが約4万円であるため、割高な16TBHDDと比較すればSSDとの容量あたり価格差は4倍程度まで縮まってきています。
しかし、8TBのSSDで多用されているQLCタイプNANDは殆どの人が想定している以上に書込み耐久性が低いです。書込みを頻繁に行う場合はTLCタイプでなければ実用性に乏しいため、HDDとの価格差は4倍よりもまだまだ大きいというのが現状です。
インデックス:
- 1位: Western Digital WD Red SA500 NAS SATA WDS 1R0A
- 2位: Samsung 870 QVO
- 3位: KIOXIA(東芝) EXCERIA SATA SSD-CK
- 16TB
- 8TB
- 4TB
- 2TB
- 1TB, 960GB, 800GB
- 512GB, 480GB, 400GB, 750GB, 640GB
- 256GB, 240GB, 275GB
- 128GB, 125GB, 120GB, 160GB
- 64GB
- 32GB
- SSD(Solid State Drive)とは何か
- ハードディスクドライブ(HDD)は速度が遅く、モーター等の駆動部品があることで故障率が高く消費電力も高く騒音も大きい
- QLC、TLC、MLC、SLCの違い
- 個人PCでQLC NANDが最適なのはRead:Write=70%:30%までのリードメイン用途
- 従来のMLCよりも「3D TLC」のほうが耐久性が高くなっている
- 全世界でNAND Flashダイメーカーは5グループしか存在しない
- NAND FlashダイとそれをパッケージングしたBGAは別物
- 耐久性と速度と容量を決定するコントローラ: 1. チャネル数は並列アクセス数を決定、 2. CE数は平行アクセス可能なダイ枚数を決定、 3. CE1つあたりで制御可能なダイ枚数は1~8枚、 4. 特にDRAMキャッシュバッファ搭載可能かどうかで価格が大きく変化する
- おすすめSSDメーカーをNAND製造元別に評価
- おすすめしないSSDメーカー
- コントローラをメーカー別に評価
- SSDの仕組み・内部構造と今後のSSD容量増加の展望
- 12TB
1位: Western Digital WD Red SA500 NAS SATA WDS 1R0A
2019年12月発売。WD Blueシリーズより書込み耐久性を大幅に向上させたWD Redシリーズです。SSDとしてWD Redシリーズが投入されるのはこの製品が初になります。型番の”WDS”はWDシリーズのSSDを指しています。WesternDigitalは元はHDDメーカなので、HDDの場合は”WD”です。”1R0A”の内、最初の”1″が第1世代を意味し、次の”R”がRedシリーズを意味しています。”0A”というのは派生を表していて、”1R0A”が本製品の第1世代Redの2.5インチSATAであり、もし”1R0B”ならM.2のSATA、”1R0C”ならM.2のPCIeを意味しています。
このSSDはWD Redという名称を使っていることから、用途が誤解されやすい製品です。このSSDはHDDのWD Redシリーズとは異なり、NASに保存するためのストレージ本体としての使用を想定したものではありません。あくまでもNASのストレージとしてはHDDを用いて、そのHDDからのリード・ライトを高速化するためのキャッシュとしてこのWD RedシリーズSSDを用います。NAS機器にはHDDの他に、キャッシュとして用いるための2.5インチSSDが挿入できるようになっているタイプが存在します。そのようなNASで用いることを想定しているのがWD RedシリーズのSSDです。
ここで今言及した「キャッシュ」とは、SSD内部でオーバープロビジョニング領域をSLCキャッシュとして用いてSSDの書込み耐久性を高めたり、書込み速度を高めるための「キャッシュ」のことではありません(一応このSSDではオーバープロビジョニングに対応しています)。
このWD RedシリーズSSDの用途として想定されている「キャッシュ」の意味は、アプリケーション(ストレージの応用例)としてのNASがSSDをキャッシュのように用いるという意味です。SSD内部でSLCキャッシュやDRAMキャッシュを搭載しているかは関係なく(透過性で感知しない)、SSD全体をNASから見たキャッシュとして用いるという意味です。
つまり、PCのOS領域としてのストレージはSSDの使用で高速化されても、大容量データ格納場所としてのNASがHDDのままでは全体としてのスループットが低下してしまうので、NASに搭載したSSDをNASのキャッシュとして用いて、NASが高速に動作しているように「見せる」ために使うのがこのWD RedシリーズSSDです。
SSDをキャッシュとして使うということは、データが格納されているHDDからデータをSSDにキャッシングするときにはSSDへのライトが発生します。キャッシュヒットのときはSSDに対するリードが発生します。NASへのライトが全く無く、SSDに十分に載るサイズの特定データに対するリードばかり(空間的局所性が高い)なら、キャッシュとして用いるSSDもリードばかりになるのでWD Blueシリーズでも十分ですが、実際のNAS用途ではリードとライトが半々ずつ発生するアプリケーションが多いため、このWD Redシリーズはリードとライトが50%ずつ発生することを前提に最適化して設計されています。
以上のことから、WD RedシリーズSSDは書込み耐久性がWD Blueシリーズより向上しています。WD Blueシリーズは「一度書込んだ後はほとんど読込みのみ」を想定したものだからです。実際、WD BlueシリーズSSDの4TBモデルでは総書込みバイト数(TBW)が600TBしかないのに対し、このWD RedシリーズSSDの4TBモデルではTBWが2,500TBに達します。書込み耐久性の高さを重視したいユーザにとってはこのWD Redシリーズはおすすめです。
採用されているコントローラはWD BlueやSandiskウルトラ3Dと同じ「Marvell 88SS1074」です。理論シーケンシャルリード・シーケンシャルライト速度についてはWD Blueと全く同じです。この4TBのWD Redのランダムリード・ランダムライト速度についてもWD Blueと全く同じです。ただし、4TB以外の容量である2TB,1TB,500GBの製品に関しては、WD RedとWD Blueで速度が異なるので注意です。
・【4TB】 WD Red SA500 NAS SATA WDS400T1R0A
メーカー | Western Digital |
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型番 | WD Red SA500 NAS SATA WDS400T1R0A |
容量 | 4TB |
フォームファクタ | 2.5インチ |
通信規格 | SATA 6Gbps |
NANDタイプ | TLC |
発売日 | 2019年11月 |
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耐久性(TBW) | 2500 TBW |
耐久性(DWPD) | 0.342 |
NAND構造 | BiCS3 64層3D TLC (256Gbit, 15nm) |
NANDメーカー | 東芝(KIOXIA) |
コントローラ | Marvell 88SS1074 |
DRAMキャッシュ | 512 MB DDR3-1600 (Nanya NT5CC256M16ER-DIB) |
MTTF:平均故障間隔 | 200万時間 |
保証期間 | 5年 |
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厚さ | 7mm |
質量 | ― |
理論シーケンシャル・リード速度 | 560 MB毎秒 |
理論シーケンシャル・ライト速度 | 530 MB毎秒 |
理論4Kランダム・リード速度 | 95,000 IOPS |
理論4Kランダム・ライト速度 | 82,000 IOPS |
この4TBモデルはWD Red SA500シリーズの他の容量と比較して理論ランダムライト速度が遅いことに注意です。TBWは最も大きく2500TBW。DRAMキャッシュサイズは共通の512MB。本来容量は4096GBなのですが、96GB分はオーバープロビジョニング用として別途確保されており、実質容量は4TBです。現時点で4TBのSSDとしてはサムスン製よりおすすめできます。
・【2TB】 WD Red SA500 NAS SATA WDS200T1R0A
メーカー | Western Digital |
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型番 | WD Red SA500 NAS SATA WDS200T1R0A |
容量 | 2TB |
フォームファクタ | 2.5インチ |
通信規格 | SATA 6Gbps |
NANDタイプ | TLC |
発売日 | 2019年11月 |
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耐久性(TBW) | 1300 TBW |
耐久性(DWPD) | 0.356 |
NAND構造 | BiCS3 64層3D TLC (256Gbit, 15nm) |
NANDメーカー | 東芝(KIOXIA) |
コントローラ | Marvell 88SS1074 |
DRAMキャッシュ | 512 MB DDR3-1600 (Nanya NT5CC256M16ER-DIB) |
MTTF:平均故障間隔 | 200万時間 |
保証期間 | 5年 |
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厚さ | 7mm |
質量 | ― |
理論シーケンシャル・リード速度 | 560 MB毎秒 |
理論シーケンシャル・ライト速度 | 530 MB毎秒 |
理論4Kランダム・リード速度 | 95,000 IOPS |
理論4Kランダム・ライト速度 | 85,000 IOPS |
4TBモデルよりも容量あたりの書込み耐久性が上です。4TBモデルの2500TBWに対し、2TBモデルでは1300TBWあるためです。結果的にDWPDが大きくなっています。理論ランダムライト性能はこちらの方が少し高くなっています。この2TB版も4TBモデルと同様にオーバープロビジョニング対応のため、2024GBのうち実際の容量は2000GBです。
・【1TB】 WD Red SA500 NAS SATA WDS100T1R0A
メーカー | Western Digital |
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型番 | WD Red SA500 NAS SATA WDS100T1R0A |
容量 | 1TB |
フォームファクタ | 2.5インチ |
通信規格 | SATA 6Gbps |
NANDタイプ | TLC |
発売日 | 2019年11月 |
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耐久性(TBW) | 600 TBW |
耐久性(DWPD) | 0.329 |
NAND構造 | BiCS3 64層3D TLC (256Gbit, 15nm) |
NANDメーカー | 東芝(KIOXIA) |
コントローラ | Marvell 88SS1074 |
DRAMキャッシュ | 512 MB DDR3-1600 (Nanya NT5CC256M16ER-DIB) |
MTTF:平均故障間隔 | 200万時間 |
保証期間 | 5年 |
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厚さ | 7mm |
質量 | ― |
理論シーケンシャル・リード速度 | 560 MB毎秒 |
理論シーケンシャル・ライト速度 | 530 MB毎秒 |
理論4Kランダム・リード速度 | 95,000 IOPS |
理論4Kランダム・ライト速度 | 85,000 IOPS |
WD Red SA500シリーズの1TBモデルは容量あたりの書込み耐久性が4TB,2TBモデルと比較して低めです。総書込みバイト数は600TBWあるものの容量あたりの耐久性を表すDWPDは0.329です。書込み耐久性を重視する場合は2TBモデル以上がおすすめです。DRAMキャッシュのサイズは変更ありません。1024GBのうち24GBはオーバープロビジョニング用です。
・【500GB】 WD Red SA500 NAS SATA WDS500G1R0A
メーカー | Western Digital |
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型番 | WD Red SA500 NAS SATA WDS500G1R0A |
容量 | 500GB |
フォームファクタ | 2.5インチ |
通信規格 | SATA 6Gbps |
NANDタイプ | TLC |
発売日 | 2019年11月 |
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耐久性(TBW) | 350 TBW |
耐久性(DWPD) | 0.384 |
NAND構造 | BiCS3 64層3D TLC (256Gbit, 15nm) |
NANDメーカー | 東芝(KIOXIA) |
コントローラ | Marvell 88SS1074 |
DRAMキャッシュ | 512 MB DDR3-1600 (Nanya NT5CC256M16ER-DIB) |
MTTF:平均故障間隔 | 200万時間 |
保証期間 | 5年 |
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厚さ | 7mm |
質量 | ― |
理論シーケンシャル・リード速度 | 560 MB毎秒 |
理論シーケンシャル・ライト速度 | 530 MB毎秒 |
理論4Kランダム・リード速度 | 95,000 IOPS |
理論4Kランダム・ライト速度 | 85,000 IOPS |
第1世代のWD Red SSDシリーズの中では最小容量の500GBモデルですが、容量あたりの書込み耐久性は最も高くなっています。絶対値としては書込み耐久性は350TBWしかありませんが、容量あたりでみるとDWPDは0.384もあり同シリーズの各容量ではトップです。MLCを採用した他のSSDと比べると書込み耐久性の低さは否めませんが、TLCのSATASSDの中では高い耐久性です。
2位: Samsung 870 QVO
2020年に発売されたSSDで8TBの容量がラインナップされた貴重なシリーズです。どの容量でもリード・ライト速度の理論値(カタログスペック上の速度)は同じですが実測値はかなり異なります。各容量ごとのカタログスペック上の違いは書込み耐久性とDRAMキャッシュの容量、重量、消費電力だけですが、ベンチマーク結果を見て分かる通り8TBモデルが最も優秀です。また、型番上は~/ITと~/ECがありますが、/ECはAmazon用国内正規品型番で、/ITはAmazon以外の国内正規品型番です。
また、書込み耐久性を重視する人はたとえ安くてもこの870QVOはやめておいた方がいいです。QLCタイプの中ではサムスン製は優れた方ですが所詮はQLCです。海外レビューでは「避けたほうが無難」とされています。
・【8TB】Samsung 870 QVO MZ-77Q8T0B/IT (MZ-77Q8T0B/EC)
メーカー | サムスン |
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商品名 | 870 QVO MZ-77Q8T0B (MZ-77Q8T0B/IT, MZ-77Q8T0B/EC) |
容量 | 8TB |
フォームファクタ | 2.5インチ |
通信規格 | SATA 6Gbps |
NANDタイプ | QLC |
発売日 | 2020年8月 |
耐久性(TBW) | 2,880 TB |
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耐久性(DWPD) | 0.329 |
NANDメーカー | Samsung |
NAND構造 | 92層 3D |
コントローラ | Samsung MKX |
DRAMキャッシュ | ○(LPDDR4 8GB) |
MTTF:平均故障間隔 | 150万時間 |
保証期間 | 3年 |
厚さ | 6.8mm |
質量 | 57g |
理論シーケンシャル・リード速度 | 560 MB毎秒 |
理論シーケンシャル・ライト速度 | 530 MB毎秒 |
理論4Kランダム・リード速度 | 98k IOPS |
理論4Kランダム・ライト速度 | 88k IOPS |
実測シーケンシャル・リード速度 | 480.54 MB毎秒 |
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実測シーケンシャル・ライト速度 | 404.97 MB毎秒 |
実測シーケンシャルMIX速度 | 339.27 MB毎秒 |
実測4Kランダム・リード速度 | 26.92 MB毎秒 |
実測4Kランダム・ライト速度 | 79.38 MB毎秒 |
実測4KランダムMIX速度 | 42.20 MB毎秒 |
実測並列リード速度 | 323.30 MB毎秒 |
実測並列ライト速度 | 275.01 MB毎秒 |
実測並列リードライトMIX速度 | 292.50 MB毎秒 |
AS SSD Benchmark Totalスコア | 1,002 |
AS SSD Benchmark Readスコア | 398 |
AS SSD Benchmark Writeスコア | 395 |
Userbenchmark (Effective:実効) | 287 |
PassMark Drive Benchスコア | 4,671 |
870 QVOシリーズで最大の容量8TBのモデル。DRAMキャッシュは8GBもあり総書込みバイト数(TBW)は2,880TBあります。870 QVOシリーズの中では最も高い書込み耐久性を持っていますが、シーケンシャルリードに関しては4TBよりも少し低い速度になっています。しかしそれ以外の項目は軒並み他の容量より優秀です。
・【4TB】Samsung 870 QVO MZ-77Q4T0B/IT (MZ-77Q4T0B/EC)
メーカー | サムスン |
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商品名 | 870 QVO MZ-77Q4T0B (MZ-77Q4T0B/IT, MZ-77Q4T0B/EC) |
容量 | 4TB |
フォームファクタ | 2.5インチ |
通信規格 | SATA 6Gbps |
NANDタイプ | QLC |
発売日 | 2020年8月 |
耐久性(TBW) | 1,440 TB |
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耐久性(DWPD) | 0.329 |
NANDメーカー | Samsung |
NAND構造 | 92層 3D |
コントローラ | Samsung MKX |
DRAMキャッシュ | ○(LPDDR4 4GB) |
MTTF:平均故障間隔 | 150万時間 |
保証期間 | 3年 |
厚さ | 6.8mm |
質量 | 54g |
理論シーケンシャル・リード速度 | 560 MB毎秒 |
理論シーケンシャル・ライト速度 | 530 MB毎秒 |
理論4Kランダム・リード速度 | 98k IOPS |
理論4Kランダム・ライト速度 | 88k IOPS |
実測シーケンシャル・リード速度 | 487.59 MB毎秒 |
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実測シーケンシャル・ライト速度 | 374.48 MB毎秒 |
実測シーケンシャルMIX速度 | 339.81 MB毎秒 |
実測4Kランダム・リード速度 | 25.38 MB毎秒 |
実測4Kランダム・ライト速度 | 74.12 MB毎秒 |
実測4KランダムMIX速度 | 40.45 MB毎秒 |
実測並列リード速度 | 325.38 MB毎秒 |
実測並列ライト速度 | 271.33 MB毎秒 |
実測並列リードライトMIX速度 | 287.45 MB毎秒 |
AS SSD Benchmark Totalスコア | 989 |
AS SSD Benchmark Readスコア | 400 |
AS SSD Benchmark Writeスコア | 383 |
Userbenchmark (Effective:実効) | 280 |
PassMark Drive Benchスコア | 4,208 |
これは4TBモデルなので8TBモデルと比べてTBWは半減し1,440TBです。他のカタログスペック上の違いはDRAMキャッシュが4GB、重量が8TBより若干軽くなり消費電力も少し低くなってる程度です。実測値においてはシーケンシャルリードは8TBモデルより上であるものの、ランダム速度に関してはやはり4TBモデルの方が劣ります。
・【2TB】Samsung 870 QVO MZ-77Q2T0B/IT (MZ-77Q2T0B/EC)
メーカー | サムスン |
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商品名 | 870 QVO MZ-77Q2T0B (MZ-77Q2T0B/IT, MZ-77Q2T0B/EC) |
容量 | 2TB |
フォームファクタ | 2.5インチ |
通信規格 | SATA 6Gbps |
NANDタイプ | QLC |
発売日 | 2020年8月 |
耐久性(TBW) | 720 TB |
---|---|
耐久性(DWPD) | 0.329 |
NANDメーカー | Samsung |
NAND構造 | 92層 3D |
コントローラ | Samsung MKX |
DRAMキャッシュ | ○(LPDDR4 2GB) |
MTTF:平均故障間隔 | 150万時間 |
保証期間 | 3年 |
厚さ | 6.8mm |
質量 | 46g |
理論シーケンシャル・リード速度 | 560 MB毎秒 |
理論シーケンシャル・ライト速度 | 530 MB毎秒 |
理論4Kランダム・リード速度 | 98k IOPS |
理論4Kランダム・ライト速度 | 88k IOPS |
実測シーケンシャル・リード速度 | 480.33 MB毎秒 |
---|---|
実測シーケンシャル・ライト速度 | 371.29 MB毎秒 |
実測シーケンシャルMIX速度 | 326.12 MB毎秒 |
実測4Kランダム・リード速度 | 24.96 MB毎秒 |
実測4Kランダム・ライト速度 | 73.84 MB毎秒 |
実測4KランダムMIX速度 | 39.59 MB毎秒 |
実測並列リード速度 | 340.21 MB毎秒 |
実測並列ライト速度 | 284.82 MB毎秒 |
実測並列リードライトMIX速度 | 299.18 MB毎秒 |
AS SSD Benchmark Totalスコア | 1,023 |
AS SSD Benchmark Readスコア | 413 |
AS SSD Benchmark Writeスコア | 396 |
Userbenchmark (Effective:実効) | 280 |
PassMark Drive Benchスコア | 4,262 |
2TBではDRAMキャッシュが2GBになります。重量は1TBモデルと同じです。この2TBモデルのカタログスペックの理論速度では1TBモデルと同じですが、実測値は1TBモデルよりも大幅に高速です。シーケンシャル、ランダム、並列アクセスいずれにおいても2TBモデルの方が圧倒的に高速なので、1TBモデルを買うくらいだったら多少予算を上積みしてこちらを選ぶべきです。また、4TBモデルの速度とは互角です。PassMarkベンチマークスコアに関しては2TBモデルの方が4TBモデルより高くなっています。
・【1TB】Samsung 870 QVO MZ-77Q1T0B/IT (MZ-77Q1T0B/EC)
メーカー | サムスン |
---|---|
商品名 | 870 QVO MZ-77Q1T0B (MZ-77Q1T0B/IT, MZ-77Q1T0B/EC) |
容量 | 1TB |
フォームファクタ | 2.5インチ |
通信規格 | SATA 6Gbps |
NANDタイプ | QLC |
発売日 | 2020年8月 |
耐久性(TBW) | 360 TB |
---|---|
耐久性(DWPD) | 0.329 |
NANDメーカー | Samsung |
NAND構造 | 92層 3D |
コントローラ | Samsung MKX |
DRAMキャッシュ | ○(LPDDR4 1GB) |
MTTF:平均故障間隔 | 150万時間 |
保証期間 | 3年 |
厚さ | 6.8mm |
質量 | 46g |
理論シーケンシャル・リード速度 | 560 MB毎秒 |
理論シーケンシャル・ライト速度 | 530 MB毎秒 |
理論4Kランダム・リード速度 | 98k IOPS |
理論4Kランダム・ライト速度 | 88k IOPS |
実測シーケンシャル・リード速度 | 473.83 MB毎秒 |
---|---|
実測シーケンシャル・ライト速度 | 341.92 MB毎秒 |
実測シーケンシャルMIX速度 | 311.57 MB毎秒 |
実測4Kランダム・リード速度 | 23.72 MB毎秒 |
実測4Kランダム・ライト速度 | 69.98 MB毎秒 |
実測4KランダムMIX速度 | 37.29 MB毎秒 |
実測並列リード速度 | 318.50 MB毎秒 |
実測並列ライト速度 | 268.24 MB毎秒 |
実測並列リードライトMIX速度 | 282.06 MB毎秒 |
AS SSD Benchmark Totalスコア | 962 |
AS SSD Benchmark Readスコア | 390 |
AS SSD Benchmark Writeスコア | 372 |
Userbenchmark (Effective:実効) | 267 |
PassMark Drive Benchスコア | 4,041 |
1TBは870 QVOの中で最も少ない容量で価格も最も安いですが、QLCタイプならではの「容量あたり低コスト」が1TBだとそこまで活きてきません。容量が少なくなると耐久性も下がるため、1TBなら他のTLCタイプのSSDをおすすめします。
しかも、870 QVOシリーズの場合1TBモデルは相当に実測速度が遅いです。4TBモデルと2TBモデルとの差の比ではありません。870 QVOシリーズは1TBモデルと2TB以上のモデルの間に大きな断絶があると言っていいでしょう。PassMarkスコアも相当低いです。1TBモデルはおすすめできず、870 QVOシリーズなら2TB以上が必要です。
3位: KIOXIA(東芝) EXCERIA SATA SSD-CK
東芝関連会社のKIOXIAホールディングス傘下のKIOXIA(旧東芝メモリ)製NANDを採用したSSDです。日本企業のNANDということで信頼性は高いのですが、このKIOXIA製SSDの各シリーズの中でも廉価なエントリーモデルとして位置づけられる製品であり、高性能路線のSSDではありません。KIOXIA製SSDの中で最も価格帯が安いシリーズになっています。実測値は低く書込み耐久性もお世辞にも高いとは言えないので、品質重視の場合は別のSSDを選んだ方がいいです。
・【960GB】 KIOXIA(東芝) EXCERIA SATA SSD-CK960S/J (SSD-CK960S/N, LTC10Z960GG8)
メーカー | KIOXIA(キオクシア):東芝関連会社 |
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型番 | EXCERIA SATA SSD SSD-CK960S/J, SSD-CK960S/N, LTC10Z960GG8 |
容量 | 960GB |
フォームファクタ | 2.5インチ |
通信規格 | SATA 6Gbps |
NANDタイプ | TLC |
発売日 | 2021年10月 |
耐久性(TBW) | 240 TB |
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耐久性(DWPD) | 0.228 |
NAND構造 | 3D |
NANDメーカー | 東芝(KIOXIA) |
コントローラ | 東芝(KIOXIA) |
DRAMキャッシュ | 非搭載 |
MTTF:平均故障間隔 | 150万時間 |
保証期間 | 3年 |
厚さ | 7.20 mm |
質量 | 45.7g |
理論シーケンシャル・リード速度 | 555MB毎秒 |
理論シーケンシャル・ライト速度 | 540MB毎秒 |
理論4Kランダム・リード速度 | 81,000 IOPS |
理論4Kランダム・ライト速度 | 88,000 IOPS |
実測シーケンシャル・リード速度 | 372.88 MB毎秒 |
---|---|
実測シーケンシャル・ライト速度 | 240.68 MB毎秒 |
実測シーケンシャルMIX速度 | 233.01 MB毎秒 |
実測4Kランダム・リード速度 | 27.60 MB毎秒 |
実測4Kランダム・ライト速度 | 61.90 MB毎秒 |
実測4KランダムMIX速度 | 31.56 MB毎秒 |
実測並列リード速度 | 226.73 MB毎秒 |
実測並列ライト速度 | 237.30 MB毎秒 |
実測並列MIX速度 | 163.92 MB毎秒 |
AS SSD Benchmark Totalスコア | 768 |
AS SSD Benchmark Readスコア | 292 |
AS SSD Benchmark Writeスコア | 323 |
Userbenchmark (Effective:実効) | 206 |
PassMark Drive Benchスコア | ― |
960GBは容量こそ上であるものの480GBモデルよりランダムアクセス性能が公称値(理論値)でも低くなっており、実際にベンチマーク結果でも低いスコアとなっています。シーケンシャルアクセスに関しても240GBモデルに負けてる状況です。
・【480GB】 KIOXIA(東芝) EXCERIA SATA SSD-CK480S/J (SSD-CK480S/N, LTC10Z480GG8)
メーカー | KIOXIA(キオクシア):東芝関連会社 |
---|---|
型番 | EXCERIA SATA SSD SSD-CK480S/J, SSD-CK480S/N, LTC10Z480GG8 |
容量 | 480GB |
フォームファクタ | 2.5インチ |
通信規格 | SATA 6Gbps |
NANDタイプ | TLC |
発売日 | 2021年10月 |
耐久性(TBW) | 120 TB |
---|---|
耐久性(DWPD) | 0.228 |
NAND構造 | 3D |
NANDメーカー | 東芝(KIOXIA) |
コントローラ | 東芝(KIOXIA) |
DRAMキャッシュ | 非搭載 |
MTTF:平均故障間隔 | 150万時間 |
保証期間 | 3年 |
厚さ | 7.20 mm |
質量 | 45.6g |
理論シーケンシャル・リード速度 | 555MB毎秒 |
理論シーケンシャル・ライト速度 | 540MB毎秒 |
理論4Kランダム・リード速度 | 82,000 IOPS |
理論4Kランダム・ライト速度 | 88,000 IOPS |
実測シーケンシャル・リード速度 | 395.55 MB毎秒 |
---|---|
実測シーケンシャル・ライト速度 | 258.47 MB毎秒 |
実測シーケンシャルMIX速度 | 254.36 MB毎秒 |
実測4Kランダム・リード速度 | 32.80 MB毎秒 |
実測4Kランダム・ライト速度 | 67.90 MB毎秒 |
実測4KランダムMIX速度 | 36.77 MB毎秒 |
実測並列リード速度 | 263.11 MB毎秒 |
実測並列ライト速度 | 266.38 MB毎秒 |
実測並列MIX速度 | 189.67 MB毎秒 |
AS SSD Benchmark Totalスコア | 873 |
AS SSD Benchmark Readスコア | 335 |
AS SSD Benchmark Writeスコア | 360 |
Userbenchmark (Effective:実効) | 223 |
PassMark Drive Benchスコア | ― |
このシリーズで一番優秀なのがこの480GBモデルです。ランダムアクセス性能は公称値(理論値)でも960GBモデルより上であり実測値でもかなり上にでています。総合的に見てこのEXCERIA SATA SSD-CKシリーズの中では速度面では最も優秀です。しかし容量が480GBしかないので書込み耐久性が低くそこまでおすすめできるモデルではありません。
・【240GB】 KIOXIA(東芝) EXCERIA SATA SSD-CK240S/J (SSD-CK240S/N, LTC10Z240GG8)
メーカー | KIOXIA(キオクシア):東芝関連会社 |
---|---|
型番 | EXCERIA SATA SSD SSD-CK240S/J, SSD-CK240S/N, LTC10Z240GG8 |
容量 | 240GB |
フォームファクタ | 2.5インチ |
通信規格 | SATA 6Gbps |
NANDタイプ | TLC |
発売日 | 2021年10月 |
耐久性(TBW) | 60 TB |
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耐久性(DWPD) | 0.228 |
NAND構造 | 3D |
NANDメーカー | 東芝(KIOXIA) |
コントローラ | 東芝(KIOXIA) |
DRAMキャッシュ | 非搭載 |
MTTF:平均故障間隔 | 150万時間 |
保証期間 | 3年 |
厚さ | 7.20 mm |
質量 | 45.5g |
理論シーケンシャル・リード速度 | 555MB毎秒 |
理論シーケンシャル・ライト速度 | 540MB毎秒 |
理論4Kランダム・リード速度 | 79,000 IOPS |
理論4Kランダム・ライト速度 | 87,000 IOPS |
実測シーケンシャル・リード速度 | 407.26 MB毎秒 |
---|---|
実測シーケンシャル・ライト速度 | 244.17 MB毎秒 |
実測シーケンシャルMIX速度 | 256.62 MB毎秒 |
実測4Kランダム・リード速度 | 30.90 MB毎秒 |
実測4Kランダム・ライト速度 | 66.90 MB毎秒 |
実測4KランダムMIX速度 | 33.74 MB毎秒 |
実測並列リード速度 | 261.96 MB毎秒 |
実測並列ライト速度 | 233.13 MB毎秒 |
実測並列MIX速度 | 143.28 MB毎秒 |
AS SSD Benchmark Totalスコア | 832 |
AS SSD Benchmark Readスコア | 334 |
AS SSD Benchmark Writeスコア | 324 |
Userbenchmark (Effective:実効) | 219 |
PassMark Drive Benchスコア | ― |
ランダムアクセス性能は480GBよりは劣りますが、シーケンシャルアクセスに関して優秀です。そのため各種ベンチマークの総合スコアではこの240GBモデルの方が480GBモデルより上になっています。項目によっては実測値が960GBモデルより上になっています。ただし容量が少ないことから書込み耐久性はかなり低いためそこだけは960GBモデルより劣っています。
16TB
2019年4月に米国Micron社から15.38TBを実現したSSD、9300シリーズがリリースされました。事実上の16TBSSDです。ただしこれはU.2コネクタ規格・PCIe通信規格・NVMeプロトコル規格であり一般的なSATA規格のSSDではありません。
実は2017年には同じくU.2規格のMicron 9200シリーズがリリースされこの9200は7.68TBを実現していました。そして翌年2018年にMicron 5200 ECO,5210 IONシリーズがリリースされて7.68TBのSSDがSATA規格でも手に入るようになりました。
つまりU.2規格の9300シリーズで15.3TBモデルが用意されたということは、今後SATA規格の5300シリーズ、5310シリーズがリリースされることを意味します。もしかしたらHDDメーカーが3.5インチ16TBを量産してスケールメリットで容量あたりの価格を下げようとしている間に、2.5インチSSDはあっけなく16TBを達成してしまうかもしれません。
1位 Micron 9300 Pro MTFDHAL15T3TDP-1AT1ZABYY 15.36TB 64層3D TLC NAND
2019年発売。SATA接続ではなく、U.2コネクタ規格でPCI Express 3.0×4レーン通信規格を採用し、NVMeプロトコルインタフェースに対応したSSDです。つまりエンタープライズ向けです。
厚みが15mm(通常は7mm)もあることからもわかる通り、2枚基板(PCB)構成です。
このSSDで採用されているのは第2世代のMicron製64層3D TLC NAND(512Gbit)であり、これは2018年発売の5200 ECOシリーズ7.68TBで採用されたのと同じNAND Flashです。
5200 ECOでは512Gbit(64GB)のNAND Flashダイ8枚を1基のBGAにパッケージングし、そのBGAを基板表面に8基、裏面に8基搭載して{1BGAあたり8枚×BGA16基=128枚}で合計128枚のNAND Flashダイを搭載して8TBを実現していました。
そしてこの16TBSSDでは、このNANDを256枚搭載して16TBを実現しています。またU.2規格対応にするためにフルサイズの2.5インチ基板×1枚ではスペースが足りずもう1枚基板を追加しています。そのため15mmの厚さをもつSSDになっています。
256枚の512Gbit(64GB)NAND Flashダイを搭載すると16.384TBになり、実容量の15.36TBを差し引くと1.024TB少ないことがわかります。この1.024TBはオーバープロビジョニング用の予備領域です。このSSDのコントローラはSLCキャッシュバッファに対応しており、この1.024TBの予備領域の一部をキャッシュとして使って耐久性を高めています。また書込みエラーとなったNANDブロックが発生した場合は、そのエラーブロックを無効化して、この1.024TBの予備領域に新しくブロックを割り当てることでSSDの寿命を伸ばしています。この1.024TBの予備領域にアクセスできるのはSSD内部に搭載されているコントローラだけなので、ユーザ領域として使えるのは15.36TBまでです。
8TB
2018年の3月にMicronから64層の3D TLCタイプSSD「Micron 5200 ECO」シリーズが発売されました。さらに2018年11月には64層のQLCタイプSSDである「Micron 5210 ION」シリーズが発売されました。私も現在このSSDを使用しています。いずれも容量は7.68TBです。8TB帯のSSD購入を考えている場合にはこの2機種をおすすめします。これらのSSDの登場は、長い間サムスンの4TB品が最大容量だった現状を変更することになりました。当然Micronからも4TB品が発売されていますが注目すべきはこの8TB品です。
単品8TBのSSDを使わない場合、SSDで8TB以上を実現しようとすると4TBの2.5インチSSDを2枚か、2TBのSSDを4枚使ってRAIDやJBODを組むことになります。
しかし2.5インチサイズ1枚で8TBのSSDでないと不便です。そのニーズに応えるのがこの8TB帯SSDです。
現在は8TB帯のSSDどころか4TB帯のSSDですら一般には普及しているとは言い難い状況です。一般的なPCパーツショップに出回って普通に買えるくらいの流通量と価格になれば世の中に8TBSSDが普及したと判断できます。
2019年には8TBのSSDが900ドルを下回りました。4TBのSSD2枚でRAIDやJBODを組むといった面倒なことをしなくても8TBのSSD1枚で十分です。
SSDがHDDに劣る点が1つあるとしたらそれは価格です。逆に言えば予算を気にしない人ならSSDにデメリットは存在しません。
少し前までは「容量はSSDよりもHDDのほうが大きい」と言われてきましたが、2.5インチサイズに限れば2.5インチHDDは4~6TB止まりです。しかしSSDは2.5インチサイズで既に8TBを達成しており、容量ベースでもSSDはHDDを追い抜きました。
容量あたりの価格の問題だけ解決すれば、性能(高速性)、省スペース性、モーターなどの駆動部品が無いことによる静音性・低消費電力性・可用性(低故障率)、全てにおいてSSDがHDDに勝ることになります。もはやHDDがSSDに勝っている点は「安さ」だけとなってしまいました。
1位 Micron 5210 ION MTFDDAK7T6QDE-2AV1ZABYY 7.68TB 64層 QLC
2018年11月に発売されたQLCタイプのSSDです。1セルに4bit詰め込む64層3D QLC NAND(1Tbit)を採用しています。QLCタイプであっても総書込バイト数(TBW)は大きめです。SLCバッファを搭載し、空き容量が大きいうちはSLCとして用いるアルゴリズムをコントローラに搭載することで耐久性を高くしています。総書込バイト数は11.213PB(1万1,213TB)もあります。しかしQLCタイプだけあって書き込み速度は360MB毎秒まで落ちます。書き込み速度を優先するのならTLC版の「Micron 5200 ECO」がおすすめです。
このSSDはシンガポール製です。Micron社のNAND事業はシンガポール工場が中心的役割を果たしているためです。
このSSDの替わりとして2019年に発売されたサムスンの860QVO(QLCタイプ)4TBを2枚でRAIDやJBODを組む選択肢もありますが、価格的にこちらのMicron製とほぼ同じです。またサムスン860QVO(4TB)の総書込みバイト数(TBW)はたった1,440TBであり、2枚合計して2,880TBあるとしても、Micron 5210 IONの11,213TBの約25%しかありません。耐久性と、SSD1枚で8TBを実現できる利便性を考慮するならこのMicron 5210がおすすめです。
私はこのSSDを実際に使用して評価していますのでレビューはこちらをご覧ください。
Micronは現在のところほぼ唯一の8TB帯SSDメーカーです。厳密に言うと7.68TBのSSDをリリースしています。8TB帯を考えている場合におすすめできるほぼ唯一のメーカーです。
2位 Micron 5200 ECO MTFDDAK7T6TDC-1AT1ZABYY 7.68TB 64層 3D TLC
2018年3月発売。5210 IONシリーズよりも先行品です。5210 IONシリーズよりもこちらの5200 ECOシリーズのほうが古いのですが、TLC版ということもあって少しだけ高価です。こちらは総書込バイト数(TBW)は8.4PBと5210 IONモデルに比べて少なめに見えますが、これは100%4Kバイトランダム書込みのときのTBWです。4Kバイトランダム書込みオンリーの場合のTBWは、5210 IONシリーズの場合700TBまで下がります。よって耐久性ではこちらの5200が上です。
こちらはTLCタイプであるため書き込み速度が520MB/sあります。QLC版の5210 IONでは360MB/sですから、書き込み速度も古いTLC版のほうが優れます。
ちなみに5200シリーズには5200PROや5200MAXといったものもありますが、PROやMAXシリーズに8TB帯のものはありません。5200 ECOはTBWを小さくする替わりに容量を増やしたもので、5200PROや5200MAXはTBWを大きくする替わりに容量を小さくしたものです。
この5200 ECOはMicron製64層3D TLC NANDを採用しています。Micronの64層3D TLC NAND Flashダイには256Gbitと512Gbitのものがありますがこの5200 ECOで採用されているものは512Gbit(64GB)タイプです。この512Gbitダイを8枚封入し1基のBGAとしています。このNAND BGAを基盤表面に8基、裏面に8基で合計16基搭載して7.68TBのユーザ容量を実現しています。ダイ1枚あたり64GBを128枚搭載すると8,192GBになりますが、差分の512GBはSLCキャッシュバッファのための予備領域です。また搭載コントローラは「Marvell 88SS1074」で4チャネル8CEのコントローラであるため1CEで4枚のNAND Flashダイを制御しています。
4TB
2.5インチサイズ1枚で4TBのSSDは2017年頃に出回ってきました。HDDでも人気容量帯は4~8TBなので、4TBのSSDはHDDにとっては大きな脅威です。HDDは「振動に弱い・遅い・高消費電力・騒音が大きい」というデメリットがあるからです。
SSDはまだまだ高価ですが、SSDは1年で40%程度安くなる価格低下が続いたため2019年には4TBモデルが450ドルまで安くなってきています。
当初は4TBのSSDはサムスン製しか販売されておらず、競争が働かないことで価格が高止まりしていましたがMicronが4TBを出したことで容量あたりの価格が下がってきました。Micronからは同時期に8TBもでています。MicronのSSDは2018年に1100シリーズの2TB品が日本のPCショップで出回ったことにより、大きくSSDの価格を下げることに貢献しました。この4TBの容量帯についても、以前はサムスン1社しか個人向けに販売していなかったため20万円弱していたのですが、競争が働いたことでかなり価格が下がってきました。
2TBのSSDにおいて値下げの牽引役となったMicron 1100が2019年には税込3万円を下回りました。この2TB SSDを2台でRAIDを組んでも4TBのSSDを実現できますが、今となっては4TBのMicron SSD1枚のほうが省スペースな上にRAIDを組む必要もなく容量あたりの価格も同じくらいです。その後Micronに続いてIntelやKingstonからも4TBモデルが発売されました。両方ともIntel・Micron連合の3D TLC NANDか3D QLC NANDを用いているものです。
そして2019年にはWestern Digital(Sandiskの親会社)からも4TBの2.5インチSSDがリリースされました。東芝製のBiCS3世代3D TLC NAND(512Gbit)を使用したものです。東芝製NAND採用SSDが出るまで4TBモデルを待っていた人にとっては朗報です。
3.5インチのHDDは16TBまで容量が増えていますが、2.5インチサイズのHDDでは5TBが上限であるため、2.5インチサイズに関してはSSDがHDDの絶対容量に既に追いついています。既に8TBのSSDが存在するためです。容積(体積)あたりの容量ではなく絶対容量でも追いついています。
いままで2.5インチサイズのポータブルHDDを使っていたユーザにとっては、4TBのSSDに乗り換える時期になってきています。
1位: Sandisk ウルトラ 3D SSD SDSSDH3-4T00-J25
2019年9月発売。個人向けの4TBSSDはサムスン製しか当初は存在しなかった中、その後個人向けでもWestern Digitalといったまともなメーカーから4TBモデルが存在し、ようやくSandiskの個人向けモデルにも4TBがラインナップされました。これでサムスン製を選ぶ理由は何も無くなったことになります。4TB帯のSSDの中ではこのSandisk Ultra 3DシリーズまたはWD Blueシリーズが無難な選択になります。実はこのSandisk Ultra 3DはWestern Digital WD Blueと全く同じスペックになります。
使用されているNAND FlashダイはWestern Digital製の4TBモデルと同じで、東芝製BiCS3世代64層3D TLC NAND 512Gbitです。
コントローラについてもWD Blueと全く同じ「Marvell 88SS1074」。シーケンシャルリード速度560MB毎秒、シーケンシャルライト速度530MB毎秒も同じであり、ランダムリード速度95k IOPS、ランダムライト速度82k IOPSも同じです。
Sandisk Ultra 3Dを選ぶか、WD Blueを選ぶかはその時々の価格・入手のし易さ・小売店のサポート体制(Amazon販売発送の正規品として手に入るかどうか)で決めればいいでしょう。
2位: Western Digital WD Blue 3D NAND SATA WDS400T2B0A
2019年6月発売。2016年に発売された第1世代WD Blue(2D TLC NAND採用で1TB以下のみ)に続いて、2017年には第2世代WD Blue(64層3D TLC NAND採用で2TB以下のみ)が発売されていました。それからしばらく時間が開いて、2019年6月には第2世代WD Blueと同じ仕様で4TBモデルが追加されました。
コントローラはMarvell 88SS1074を搭載しており従来の2TBモデルと同じです。NAND Flashダイについては東芝製BiCS3世代64層3D TLC NAND 512Gbit(64GB)が使われておりこれも2017年発売の2TBモデルと同じです。
これまでは4TBのSSDはMicron製,Intel製,Kingston製といったMicron NAND採用モデルかサムスン製NAND採用モデルしかありませんでしたが、東芝・Western Digital連合のNAND Flashダイを採用した4TBSSDが登場したことになります。
コントローラは4チャネル8CEなので、1CEあたりで2枚のNAND Flashダイを制御して合計64枚の512Gbitダイを搭載しています。
Micron製の4TB SSDはエンタープライズ向けとあって日本国内で正規品として入手するのは難しい一方でWestern Digital製は国内正規品としての入手性が高いです。しかも東芝製NANDのほうが高品質なので、4TBのSSDを選ぶとしたらMicronやサムスンよりもWD Blue 4TBがおすすめです。また、このWD Blue 4TBはSandisk Ultra 3D 4TBと中身が全く同じなので、Sandisk製のほうが安かったらそちらを購入しても問題ありません。
ただし、このWD Blue 4TBは耐久性は容量の割に大きくありません。4TBにもかかわらず総書込みバイト数(TBW)は600TBです。WD Blue容量1TBモデルのTBWが400TB、容量2TBモデルのTBWが500TBであることと比較すると容量4TBなのにTBW600TBはかなり小さいです。書込み耐久性を重視する人はWD RedシリーズのSSDがおすすめです。
リードライト性能についてはSandisk Ultra 3Dと全く同じです。
3位: Kingston Data Center DC500M SEDC500M/3840G
KingstonのDC500シリーズの中ではフラッグシップモデル。読書が混在した用途で使うDC500Mシリーズの3.84TB版。
DC500Mシリーズの”M”は読書混在を意味したmixed-workloadのことで、リードとライトが両方とも頻繁に発生する用途を想定したものです。リードに特化したDC500Rシリーズより書込耐久性が大幅に高くなっています。
採用コントローラはPhisonのS12でDRAMキャッシュ対応。数あるコントローラの中でも高級品です。
4位: Kingston Data Center DC500R SEDC500R/3840G
KingstonのDC500シリーズの中でリード用途に特化したDC500Rシリーズの3.84TB版。
DC500Rシリーズの”R”はread-intensiveを意味しており、Staticなウェブサイトを扱うサーバーのように一度データを書き込んだらあとは読込しか発生しないような用途で使います。読書がともに発生するECサイト用途には向きませんが、官報公示のように一度書き込んで公開したらあとは閲覧者がひたすら読み込むだけの用途に向いています。
読書混在(Mixed-workload)用途を想定したDC500Mより書込耐久性が低くなっています。ランダム書込性能も低いです。全体的にみればDC500Mの廉価版がDC500Rです。
5位: Intel D3-S4510 SSDSC2KB038T801
2018年8月発売。3.84TBの大容量SSDで第2世代Intel(Micron)製64層 3D TLC NANDを採用しています。データセンター向けといってもSATA接続であり、U.2コネクタ規格ではありません。2017年発売DC S4500シリーズの後継シリーズに該当します。
耐久性は非常に高いです。データセンター向けのSSDなので耐久性が重視されています。総書き込みバイト数は13.1PB(=13,000TB)もあります。個人のPCで使うのならまったく耐久性については心配ありません。デメリットは価格の高さです
6位: Intel DC S4500 SSDSC2KB038T701
2017年8月発売。3.84TBの大容量SSDで、第1世代Intel(Micron)製32層 3D TLC NAND(384Gbit)を採用しています。「S4500」のSはSATAを指しておりこれのPCIe通信規格版(U.2コネクタ規格)としてP4500シリーズが存在します。
S4500シリーズは240GB~3.84TBまでラインナップされておりS4500シリーズの中でも最も大容量なのがこの3.84TBモデルです。
しかし平均故障間隔はサムスンが150万時間なのに対して、このIntelの製品は200万時間あります。データセンター用として出されているSSDは200万時間確保しているものが多いのでこDC S4500シリーズもそういった意味でデータセンター向けです。
使用しているのは米Micron社のNANDであり耐久性が非常に高いので価格も高くなっています。
7位: サムスン 860 QVO MZ-76Q4T0B/IT
2019年2月発売。1セルに4ビット詰め込むQLCタイプのSSDです。ほぼ同時期にCrucial(Micron)等からもQLCタイプが発売されました。以前はサムスンの4TBSSDといったら10万円を大きく超えて20万円弱していましたが、いまとなっては競合のMicronが4TBを投入してきたため価格を下げざるをえず、サムスンの4TB品は10万円を大きく割り込むくらいまで安くなりました。総書込バイト数は720TBです。
8位: サムスン 860 PRO MZ-76P4T0B/IT
2018年2月2日発売の予定でしたが、日本国内ではこの4TBかつMLCタイプの860 PROだけ発売が遅れているようです。米国Amazon.comでは「MZ-76P4T0BW」として販売されています。2.5インチ規格SATA接続MLCタイプのSSDです。サムスンはTLCのことを”3bit MLC”、MLCのことを”2bit MLC”と独自の呼称を使っているので要注意ですが、このSSDは”いわゆるMLC”の方です。1セルに2ビット詰め込むタイプです。
サムスンのシリーズ名称としては、MLCタイプのSATA接続が「860 PRO」、TLCタイプのSATA接続が「860 EVO」となっています。当然前者のほうが高く、後者のほうが安くなります。
またMLCタイプのPCIe接続(NVMe)が「960 PRO」、TLCタイプのPCIe接続(NVMe)が「960 EVO」となっています。
今回のこの4TBSSDはSATA接続かつMLCなので860 PROとなります。これのTLC版(サムスン独自呼称では3bit MLC)も出ており、860 EVOとして同時発売されています。
9位: サムスン 860 EVO MZ-76E4T0B/IT
2018年2月2日発売。860 PROの廉価版です。2.5インチ規格SATA接続です。860 PRO比較してこちらはTLCであり、860 PROはMLCです。
大変紛らわしいのですが、サムスン製品はTLCのことを「3bit MLC」と呼んで表記しています。1セルに3bitをMultiple(多重)に詰め込むという意味でMLCという呼称を使っているのだと推察しますが、これは一般においてはミスリード(誤解)を生みやすいものとなっています。
普通はMLCといったらTLCと対比して「MLCの方がTLCよりも信頼性が高い」と認識されています。その理由は一般的にはMLCのことを1セルに2bit詰め込むMultipleの意味で使っており、Multipleは”2つ”という意味でMLCが使われているからです。そしてTLCは1セルに3bit詰め込むというTripleの意味でTLCが使われており、TLCと聞けばだれでもこの3bitタイプだと認識しています。
一方でサムスンの場合は、本来ならばTLCと表記すべきものを、1セルに3bitを詰め込むという意味で「3bit MLC」と表記しています。これは「MLC=信頼性が高い、TLC=信頼性が低い」と一般に認識されていることを利用し「MLC」の3文字の好印象にあやかって、「TLC」というマイナスイメージの3文字をあえて避けているためです。
このような「あえてTLCと書かない」表記の仕方はさすがサムスンらしいと言えます。基本的にサムスンの「EVO」シリーズはTLC、「PRO」シリーズはMLCと見ておけば間違いありません。
また相変わらずサムスンのSSDは日本市場では他国と比較して非常に高値で販売しており、為替レート換算をすると1ドル150円程度になっています。この製品は米国Amazonだと140ドル未満で買えてしまいます。
そのうちCrucialやSandiskからサムスン製よりも信頼性が高くしかも米国本国とほぼ同じ価格で4TBのSSDが出て来るでしょうから、それまで待つのが得策だと思います。
2TB
2TBで現実的な価格で提供されているものは2016年上期まではサムスンしかありませんでしたが、2016年上期の終わり頃の9月にCrucialから2TBのSSDが出ました。
さらに続いてWestern Digitalから東芝製NANDを搭載したSSDが発売されました。
2017年後半にはようやくSandiskからも2TBのSSDが発売されました。これで2TB帯は大手メーカー品が揃ったことになります。
2018年時点で既に容量あたりの価格が最も安いのは2TB帯です。2017年前半までは1TBが最も容量あたりの価格が安かったのですが、2017年後半から最も割安な容量帯は2TBに移りました。
特に2018年下期において、Micron 1100シリーズが税込3万円を割ったことにより2TB以下の容量帯のSSDが全面安となる好ましい流れができています。
実は3.5インチHDDにおいて最も容量あたりの価格が安いのは6TB帯です。つまりSSDがHDDにかなり追いついてきていることになります。ただし、絶対価格でみるとまだまだ7倍程度SSDの方が割高です。
2TBのSSDは事実上SandiskとCrucialが頂上争いをしており、次がWestern Digitalとサムスンが追いかける格好です。USB3.0接続の外付けSSDでもいいという場合は、SandiskのExtreme900シリーズに2TB帯の製品があります。
1位: Western Digital(東芝製NAND採用) WD Blue 3D NAND SATA WDS200T2B0A
2017年6月に発売された2.5インチ、SATA規格のSSDです。最近はNVMe規格の注目度が落ち始めており、SATAの通信速度でも十分ではというコンセンサスが出来つつあります。価格が同じで発熱量も同じならNVMeでもいいと思います。しかしNVMeは消費電力と発熱量が大きく、また価格が若干高い傾向にあるので、それならばWD BlueシリーズのようなSATA規格でも十分だと言えます。
WD Blueシリーズは1TBまでしかでていませんでしたが、ようやく2TBのものが出てきてくれました。NANDチップは東芝製なので米Micron社以上の高品質です。当然サムスン製やSK hynix製よりも上です。
このSSDは全く同じ性能でM.2接続版のSSDも出ています。マザーボードのM.2スロットが空いているのならM.2版でもいいでしょう。
このWD Blue 2TBのリード・ライト速度、総書込みバイト数(TBW)等のスペックはSandisk Ultra 3D 2TBと全く同じです。
2位: Sandisk ウルトラ 3D SSD SDSSDH3-2T00-J25
2017年発売。ようやくSandiskから2TBのSSDが出てくれました。非常に歓迎できる製品です。このSSDを4枚接続すれば8TBのSSDができますが大容量SSDがほしいならMicronから8TBのものが存在します。このSandisk Ultra 3Dの2TBモデルは、WD Blue 2TBモデルと全く同じスペックです。採用コントローラは「Marvell 88SS1074」。総書込みバイト数(TBW)は500TBであり、シーケンシャルリード速度560MB毎秒、シーケンシャルライト速度530MB毎秒。ランダムリード速度95k IOPS、ランダムライト速度84k IOPS。
3位: Corsair(東芝製NAND採用) Neutron Series XTi CSSD-N1920GBXTI
Phisonコントローラと、東芝製NANDを搭載した2.5インチSATA接続のSSDです。TLCではなくMLCであることがポイントです。SATA2.5インチのSSDの中では最高級の部類だと言えます。NANDが東芝製というのみならず、外箱を作っているのは米国のCorsair社というのもプラスポイントです。
4位: キングストン SSDNow DC400 SEDC400S37/1600G
2017年4月発売。2.5インチかつSATA。東芝製NANDを採用しています。NANDチップにはKingstonと刻印されていますが、Kingstonは自社でNANDチップを生産しておらず(生産する技術を持っていない)、東芝に製造してもらったときにKingstonと刻印してもらっているのでしょう。さらにMLCです。この製品はDCとあることからもデータセンター用途であり、平均故障間隔がKC400シリーズの2倍の200万時間になっています。保証期間5年は同じですが、こちらの方がKC400よりも上位品です。KC400と同じく誤り検出・誤り訂正機能も付いています
残念な点は容量が1.6TBと中途半端なところです。
5位: Crucial(米国マイクロン社) MX500 CT2000MX500SSD1/JP
Micron純正ブランドのCrucialから発売される2TB SSDとしては2作目になります。Crucialの2TBSSD1作目は、それまで2TB帯SSDといったらサムスン製しか無かった中で、Crucialが2TBを出してくれたおかけで一気に2TBのSSDが手頃な価格で手に入るようになった画期的なものでした。CrucialのSSDは米国Amazon.comでの価格をみるとわかりますが、日本国内での価格は単にドル円の為替レート分の差だけで良心的です。サムスンのように日本市場でボッタクリのようなことはしていません。サムスン製SSDは米国Amazon.comの価格を見ればわかりますが、日本市場の価格を比べると為替レートでいえば1ドル180円~100円くらいのレートで売られています。つまりサムスンから日本市場は足元を見られているわけですが、CrucialやSandisk製ではそのようなことがないのがメリットです。
この2TBCrucial SSDは、2.5インチ規格でTLCタイプSATA接続であり現在のスタンダードとも言えるスペックです。Sandiskのウルトラシリーズのシーケンシャル書込速度530MB毎秒と比べて、このCrucialSSDは510MB毎秒と若干遅いですが、価格分で十分吸収できる差でしょう。読込速度がSandiskの2TBウルトラシリーズとCrucialの2TBが出揃ったことによって、容量あたりの価格は2TB帯が最も安くなってきました。
6位: Micron 5210 ION MTFDDAK1T9QDE-2AV1ZABYY
2018年11月発売。有名な1100シリーズよりだいぶ後に発売された製品で、64層QLC NAND搭載です。この5210 IONシリーズの存在意義は8TBや4TBと大容量にもかかわらず2.5インチかつ低価格を実現した部分にあります。2TB帯だと他の2TBSSDと比較して大して優位性がありません。ものすごく安くなってきたらこの5210 IONでもいいでしょうが、まずはSandisk、WD、Crucialの2TBSSDを見てみてそちらのほうが安かったらわざわざこの5210 IONを買うメリットはそこまでありません。
7位: Kingston Data Center DC500M SEDC500M/1920G
KingstonのDC500シリーズの中でリード・ライトが混在した用途で使うDC500Mシリーズの1.92TB版
DC500Mシリーズの”M”はmixed workloadを意味しており、リードとライトが混在する用途を想定しているものです。リードが多い用途を想定したDC500Rより書込耐久性が高くなっています。またランダム書込性能がDC500Rより大きく向上しているのもDC500Mの特徴です。
8位: Kingston Data Center DC500R SEDC500R/1920G
KingstonのDC500シリーズでリードに特化したDC500Rシリーズの1.92TB版
DC500Rシリーズの”R”はread intensiveを意味しており、一度データを書き込んだらあとはリード処理ばかりの用途を想定しているものです。読書混在(Mixed)用途を想定したDC500Mより書込耐久性が低くなっています。ランダム書込性能が低いのもDC500Rの特徴です。
9位: Micron 1100 MTFDDAK2T0TBN-1AR1ZABYY
日本国内では2018年2月頃から出回り始めた2TBにしてはとても安いSSDです。海外では2016年8月には発売されていました。採用されているのは32層3D TLC NANDであり、既に64層3D TLC NANDが登場していた2018年にしては既に古かったので価格が安くなっていました。
単に安いだけならSK hynixあたりのを選べばいいですが、Micron製NANDを使用してかつここまで安いということで人気になっています。国内正規品ではないバルク品としての扱いです。パチモンではなくしっかりMicron社が製造しているものなので中身は確かですが、容量が2TBもあるのに総書き込みバイト数(TBW)が400TBしかないのは十分に注意が必要です。400TBというTBWは、容量が512GBのSSDで見られるTBWです。
64層3D TLC NANDを搭載したCrucial等を選ぶことが本来望ましいですが価格の安さを優先するならこちらが良いでしょう。
この2TB SSDの価値は当時高止まりしていた日本国内のSSD価格を一気に引き下げる起爆剤となったことです。2TB帯のみならず他の容量帯のSSDもこの1100シリーズに引っ張られる形で容量単価が暴落しました。
Micron製のはエンタープライズ向けということもあって型番が難解ですが以下のようなルールになっています。
384GbitのTLC NAND Flashダイを搭載していることから古い32層3D TLC NANDだとわかります。64層のMicron製3D TLC NANDは256Gbitまたは512Gbitであるためです。2018年は既に64層のMicron製NANDが出回った時期なので、この2TBSSDが安かったのは型落ち品であることが理由です。
そしてこの384Gbit(48GB)のNAND Flashダイを6枚封入して1つのBGAパッケージにしています。つまりBGAあたり288GBです。このBGAを基盤の表面に4基、裏面に4基搭載しています。これだと288GB×8基=2304GBになり2048GBとの差分が256GBも存在しますがこの差分はoverprovisioning用の予備領域です。
コントローラはMicron製SSDで毎回採用されているMavell 88SS1074でDRAMキャッシュ対応です。
10位: Intel D3-S4510 SSDSC2KB019T801
2018年8月発売。TLCタイプですが耐久性は非常に高く、総書き込みバイト数(TBW)は7.1PB(=7100TB)もあります。データセンター用ながらSATA接続なのもメリットです
Intelは個人向けの2TB帯SSD提供で出遅れており、今のところ法人で使うようなものしかありません。
11位: Seagate Nytro SATA SSD XF1230-1A1920
信頼性が要求される業務用を想定したSeagateのエンタープライズモデルです。SeagateはHDDメーカーですがNytroシリーズはSSDになっています。
Seagateのエンタープライズ向けSSDの中でもこのXF1230シリーズは最も下位に位置するものであり耐久性が他のシリーズより低めです。それでもエンタープライズ向けというだけあって
価格が高いため人気がありません。eMLCはEnterprise MLCを意味しており通常のMLCよりも高信頼性で、SLCよりも信頼性が低いという位置づけです。SLCのSSDがほぼ発売されなくなった現状ではかなりの高信頼性を有した製品です。NANDはMicron製でありコントローラはMarvell製です。HDDとしてのSeagateの信頼性は業界最下位といってもいいほど壊れやすいですが、このSSDに関しては全く逆でSSD業界内でも東芝製よりは下ですがIntelと比肩するレベルで高品質です。
12位: ADATA Ultimate SU800 ASU800SS-2TT-C
2018年8月発売。Micron製のTLCNANDを採用したSSD。「Ultimate SU900 ASU900SS-2TM-C」はMLCですが、このSU800シリーズはTLCです。
13位: サムスン 860 QVO MZ-76Q2T0B/IT
2019年1月発売。サムスンの中では初となるQLCタイプのNANDを採用したSSDです。他に4TB品と1TB品が発売されています。総書込バイト数は720TBであり、競合製品のMicron製5210 ION 3.84TBの総書込バイト数5,600TBと比較してかなり少ないです。耐久性を重視するならMicronがおすすめです。
14位: サムスン 860 PRO MZ-76P2T0B/IT
2018年2月2日発売。2.5インチSATA接続MLCタイプのSSDです。”2bit MLC”と書いてあるのでいわゆるMLCのことです。
15位: サムスン 860 EVO MZ-76E2T0B/IT
2018年2月2日発売。2.5インチSATA接続TLCタイプのSSD。サムスン公式には”3bit MLC”と書いてあるので紛らわしいのですが、これはいわゆるTLCのSSDです。
1TB, 960GB, 800GB
1位: Western Digital WD Blue 3D NAND SATA WDS100T2B0A
2017年版のWD Blueシリーズです。SATAタイプかつ2.5インチサイズです。2017年発売の世代から3D NAND採用になり、従来の2D TLCと比べて書込み耐久性が向上しています。
NANDチップには東芝製のTLC NANDを使っています。WD子会社のSandiskが東芝の工場で生産しており、事実上東芝製SSDとみて構いません。
このWD Blue 1TBモデルはSandisk Ultra 3Dの1TBモデルと速度・総書込みバイト数ともに全く同じスペックです。1TB容量の割には書込み耐久性がそこまで高くありません。書込み耐久性を重視する人はWD Redシリーズがおすすめです。
2位: Sandisk(東芝と共同出資した三重県四日市工場を持つ) ウルトラ 3D SSD SDSSDH3-1T00-J25
1TBSSDにおいて「これを買っておけばハズレがなく正解だろう」と判断できる終着地点のようなSSDがようやく発売されました。2017年発売の3D TLCタイプ、2.5インチ規格、SATA接続のSSDです。
Extreme Proに比べるとカタログスペックは見劣りしますが、2D構造から3D構造のNANDになったことによって閾値に余裕ができ、MLCでなくても十分信頼性が高くなっており対費用効果で有利です。このSandiskのSSDが1TB帯で無難に支持されるスタンダードなSSDになっていくことは間違いないでしょう。選択に迷ったら下手なメーカーの安物を買うよりこれを選んでおくのがおすすめです。
このSandisk Ultra 3Dの1TBモデルは、Western Digital WD Blue 1TBと全く同じスペックです。入手しやすいほうを選択すれば問題ありません。性能はシーケンシャルリード速度560MB毎秒、シーケンシャルライト速度530MB毎秒。ランダムリード速度95k IOPS、ランダムライト速度84k IOPS。耐久性を表す総書込みバイト数(TBW)は400TBでWD Blue 1TBと同じです。
3位: CFD CSSD-S6T960NMG3V
2017年9月発売。東芝製TLC NANDを採用した製品です。同じくTLCのSandisk 3Dウルトラシリーズと価格を比較して買いやすいほうを選択していいと思います。NAND自体は同じ工場で作られているものです。
CFDは1Qシリーズと4Qシリーズは東芝製です。CFD=東芝製というわけではないことに注意です。
4位: Plextor PX-1TM6Pro
2014年発売。このPlextorのものは東芝製NANDチップが採用されています。よってPlextorのSSDは他社より高めです。
コントローラはMarvell製88SS9187、 NANDは東芝製19nm Toggle MLCです。発売から時間が経過しているものの、東芝製かつMLCということで未だに人気が根強くプレミア価格が付いてしまっている製品です。
5位: Corsair Force Series LE200 CSSD-F960GBLE200B
2018年5月発売。国内正規品としては480GBまでが展開されていますが、海外では960GBまで出ています。主に出回っているのは並行輸入品です。東芝製のTLCタイプNANDを採用しているため高品質ですが価格が高止まりしているため他のSSDのほうがいいでしょう。
6位: LITEON(ライトン) PH6-CE960-L1
2018年発売。東芝製TLC NAND+Phison製コントローラ搭載。高品質なSSDですがライトン製にしては価格が高いです。東芝製NANDを採用した他のSSDのほうがいいでしょう。
7位: グリーンハウス GH-SSDR2SA960
2018年8月発売。東芝製TLCNANDとPhison製コントローラ搭載。
8位: Kingston Data Center DC500M SEDC500M/960G
KingstonのDC500Mシリーズは読書混在のmixed workloadを想定したSSDです。一度書き込んだらリードばかりの用途ではより安いDC500Rシリーズが向いています。搭載コントローラはDC500MでもDC500Rでも同じPhison S12でDRAMキャッシュ搭載です。
9位: Kingston Data Center DC500R SEDC500R/960G
KingstonのDC500Rシリーズは一度書き込んだらその後の処理はほぼ読み込みだけの用途に最適なSSDです。読み込み用途に特化しているので書き込み耐久性(TBW)は低くそのかわり安くなっています。価格を気にしないのならDC500Mがおすすめです。
10位: Crucial(クルーシャル) BX500 CT960BX500SSD1JP
2019年1月発売。このBX500 960GB版は他の容量(480GB以下)と異なる点が多いです。採用されているNANDはMicron製96層3D TLC NANDでNAND Flashダイ1枚あたり512Gbitです。480GB以下のモデルの64層3D TLC NAND(256Gbit)より積層数が多くなっています。64層から96層になっただけで容量が2倍なのは一見計算が合いませんが、64層から96層では面積も増やしているため容量は2倍になっています。実は積層数を増やしたことで容量が増えるとは限らず、例えば32層3D TLC NANDは384Gbitありましたが64層3D TLC NANDでは256Gbitに容量が減りました。これは32層→64層で面積が縮小されているためです。これは全てのNAND Flashダイ共通ではなく、Micron 5200ECOといったエンタープライズ向けの64層3D TLC NANDでは面積が縮小されていないため1ダイあたり768Gbitあります。
積層数が増えても面積が減れば容量は減り、積層数が1.5倍にしかなっていなくても面積が増えれば容量は2倍になります。
コントローラにも違いがあり、960GBモデルは「Silicon Motion SM2259XT」を採用しています。480GB以下のモデルのコントローラは「Silicon Motion SM2258XT」です。両方ともDRAMキャッシュ非対応という点では共通しています。しかし960GBモデルのSM2259XTはSM2258XTより新しいコントローラでSLCキャッシュバッファに対応しており(DRAM-less)と呼ばれています。DRAMは搭載していないけれどもNANDをSLCとして使ってキャッシュとしての機能は有しているという意味です。ただDRAMを用いたキャッシュのほうが望ましいことには変わりないので、たとえ960GBモデルであってもMX500シリーズと比較すれば廉価版です。
NANDとコントローラの違いを除けばシーケンシャル読込速度540MB毎秒、シーケンシャル書込速度500MB毎秒は480GB以下のモデルと同じ。
耐久性(TBW)は240TBです。
このSSDは512Gbit(64GB)の96層3D TLC NANDのNAND Flashダイを16枚搭載して実現されています。ダイ4枚を1つのBGAに封入しているため合計4基のBGAが基盤に搭載されています。基盤はハーフサイズで表面と裏面に2基ずつ、NANDを4枚封入したBGAが搭載されています。
11位: Crucial MX500 CT1000MX500SSD1/JP
2018年に発売されたCrucialのメインストリームSSDとも言えるフラッグシップモデルです。Sandiskのウルトラ3Dシリーズに相当するものです。2.5インチ規格のTLCタイプです。
Sandiskのウルトラシリーズ1TBと比較すると、シーケンシャル読込速度は560MB毎秒で同等です。これはSATA接続の転送速度の限界点です。
しかし書き込み速度では差が付きました。Sandiskウルトラシリーズ1TBはシーケンシャル書込速度が530MB毎秒あるのに対し、このCrucial1TBSSDは510MB毎秒です。
Sandiskの方が高級モデルということになりそうですが、Crucialブランドは業界2番手の品質を持っていることは確かです。
MicronNANDを搭載した中国製などのSSDを買うより、Micron社純正ブランドのCrucialを買ったほうが明らかに対費用効果は優れています。
12位: Crucial MX500 CT1000MX500SSD1
「MX500 CT1000MX500SSD1/JP」のインターナショナル版です。
13位: Intel SSD 545s SSDSC2KW010T8X1
2018年4月発売。540sシリーズの後継である545sシリーズの1TB版は少し遅れて発売されました。540sシリーズは低品質なSK hynix製NANDを使っていましたが、この545sシリーズではIntel-Micron連合のTLCタイプNANDを採用しているので高品質です。
14位: Micron 1100 MTFDDAK1T0TBN-1AR1ZABYY
日本国内では2018年2月頃から市場に出回り始めたSSDです。海外では有名な製品でしたが日本国内ではだいぶ遅れて流通しました。
15位: Colorful SL500 960G V2
Intel-Micron製のNANDを採用していますがパッケージングしたのはその他のメーカであるため公式に「Intel-Micron製NAND」と謳われていません。V2ではない先行品は「Intel製NAND」と公式に謳われていたのでV2はそれより廉価になっています。コントローラは先行品と全く同じSiliconMotionの”XT”でDRAMキャッシュ非搭載。
16位: ADATA(エーデータ) XPG SX950U ASX950USS-960GT-C
2018年発売。「XPG SX950 ASX950SS-960GM-C」のTLC版です。信頼性を優先するならMLCモデルの「XPG SX950 ASX950SS-960GM-C」が上です。こちらは廉価版とみていいでしょう。SMI社コントローラとIntel-MicronのNAND採用です。
17位: 旭東エレクトロニクス SUNEAST SE800-960GB
2017年11月発売。SMI製コントローラとIntel-Micron製NANDを採用した廉価なSSD。価格の安さから一定の人気があります。私ならこれを買うくらいならCrucialを買います。
18位: Colorful SL500 1TB Boost
2018年7月発売。Intel・Micron製の第2世代3D MLC NAND(256Gbit)を採用したSSDです。Nanya製の512MB DDR3 RAM×2を搭載し1GBのDRAMキャシュバッファ対応。”Boost”という型番末尾文字は単にMLCタイプを表すための独自表記でありそれ以上それ以下でもありません。
19位: Patriot Memory Blast PBT960GS25SSDR
Patriot製のSSDは毎回Phison製のコントローラ+Micron製NANDです。このBlastシリーズはPhison PS3110-S10コントローラ+Micron TLC NANDです。
20位: サムスン 860 QVO MZ-76Q1T0B/IT
2019年1月発売。いままでのEVOシリーズはTLCタイプのNANDでしたが、これはQLCタイプです。4TBのように他メーカーの選択肢が少ないならサムスンのこのSSDもありかもしれませんが、1TB帯では他にもQLCタイプを含めて多数のSSDがリリースされているのであれてサムスン製にこだわる必要もないでしょう。
21位: サムスン 860 PRO MZ-76P1T0B/IT
2018年2月2日発売。2.5インチ規格SATA接続MLCタイプのSSDです。850 PROシリーズの後継品です。”PRO”はMLCであることを表し、860の”8″はSATA接続であることを表しています。”2bit MLC”とサムスン独特の表記法で記載されていますが、つまりは2ビットを1セルに多重(Multiple)に詰め込むタイプということで、いわゆるMLCのことを指しています。MLCなのにあまりシーケンシャル書込速度が速くなく、Sandiskの3Dウルトラシリーズ(TLC)と同じ読込・書込速度です。Sandiskの3DウルトラシリーズはTLCにもかかわらずシーケンシャル読込560MB毎秒、シーケンシャル書込530MB毎秒を実現しています。サムスンのTLC版である860 EVOでは、それよりも10MB毎秒も読み書きそれぞれで遅くなっています。読み書き速度がSandiskのTLC=サムスンのMLCになっていることからして、860 PROはあまり優秀なSSDではありません。
22位: サムスン 860 EVO MZ-76E1T0B/IT
2018年2月2日発売。2.5インチ規格SATA接続TLCタイプのSSD。850 EVOの後継品であり、EVOはTLCであることを表し、860の”8″はSATAであることを表しています。
860 PROはMLCでしたがこちらはTLCです。”3bit MLC”とサムスン公式では表記されていますがこれはいわゆるTLCのことです。MLCだと勘違いしないようにしましょう。
860 PROとの違いとしては、こちらの860 EVOのほうがシーケンシャル読込・書込ともに10MB毎秒速度が遅くなっており、シーケンシャル読込速度550MB毎秒、シーケンシャル書込速度520MB毎秒です。Sandiskの3D Ultraシリーズよりも10M毎秒遅いです。Sandiskの3D Ultraシリーズは、860 EVOと同じTLCにもかかわらず860 EVOよりも安いです。しかもSandiskのNANDチップは日本製なので、海外製のこのSSDよりも読書速度、価格、信頼性すべてにおいてSandiskの3D Ultraシリーズの方がおすすめです。
512GB, 480GB, 400GB, 750GB, 640GB
1位: Western Digital WD Blue 3D NAND SATA WDS500G2B0A
2017年発売のWD Blueシリーズです。2.5インチかつSATA規格であり、東芝製の3D TLC NANDを採用しています。このSSDのスペックはSandisk Ultra 3Dの500GBモデルと全く同じです。採用しているコントローラが「Marvell 88SS1074」である点も同じです。シーケンシャルリード速度560MB毎秒、シーケンシャルライト速度530MB毎秒。ランダムリード速度95k IOPS、ランダムライト速度84k IOPS。書込み耐久性を表す総書込みバイト数(TBW)は200TB。TBWが小さいので、書込み耐久性の高さを重視する人はWD Redシリーズがおすすめです。WD Redシリーズのラインナップでは500GBモデルが設定されています。
2位: Sandisk ウルトラ 3D SSD SDSSDH3-500G-J25
2017年発売。500GB帯SSDのスタンダードと言っても良いほどの代表的なSSDです。2.5インチ規格SATA接続TLCタイプ。WD Blueと同じく東芝製3D TLC NANDを採用しています。このSSDは「WD Blue 3D NAND SATA WDS500G2B0A」と全く同じスペックです。使用しているコントローラも「Marvell 88SS1074」で同じです。リード・ライト速度も同じですし、書込み耐久性を表す総書込みバイト数(TBW)も同じです。
3位: CFD
・CSSD-S6O480CG3VP
2018年4月発売。たった2ヶ月の差で発売された「CSSD-S6O480NCG3V」と当製品で何が違うかと言うと、こちらは台湾Phison社製のコントローラ「Phison PS3110-S10」を採用しています。また当製品はDDR3キャッシュを搭載しておりランダムアクセスの性能向上に貢献しています。
Phison製コントローラは東芝製NANDを搭載したSSDとセットで採用されることが多く、東芝はPhisonにも取締役を派遣しているほど協業関係にある2社です。
このSSDはいわゆる「自封片」品であり、Phison社が東芝から仕入れたダイをPhison社がパッケージングしたものです。東芝が自らパッケージングしたものはTOSHIBAの刻印がされていますが、当製品はPhison社がパッケージングしたものなのでTOSHIBA刻印は入っていません。ダイ自体は東芝製なので、他よりも安く東芝製NAND採用のSSDを入手したい場合はこの製品でもいいでしょう。