デスクトップパソコンやノートパソコン、超小型ベアボーンのような省スペースPCでも搭載できるM.2規格タイプのSSDを選んで買った際にサーベイした結果を掲載しています。
NVMe規格でPCIe接続のものは勿論、AHCI規格でSATA接続のM.2 SSDもあわせて掲載しています。
2.5インチタイプのSSDについてはこちらに掲載しています。
インデックス:
- M.2 SSDの外形サイズの種類
- 1位: Western Digital WD Red SA500 NAS SATA WDS 1R0B
- 16TB
- 8TB
- 4TB
- 2TB
- 1TB
- 512GB, 500GB, 480GB, 525GB
- 256GB, 240GB, 275GB, 360GB
- 128GB, 120GB
- 64GB
- 32GB
- 16GB
- NVMeとSATAはレイヤが異なり同列に比較できない
- PCIeやSATAは通信(伝送)規格
- NVMeやAHCIはコントローラ(プロトコル)規格
- SATAのM.2 SSDは基板本体にAHCIコントローラが載っていないため部品が少ない
- PCIeのM.2 SSDは基板本体にNVMeコントローラが載っているため部品が多い
- M.2規格SSDはPC内部のケーブルを減らすことができるのがメリット
- PCI Express×4スロットに直接挿すタイプのSSDも、M.2 PCIe(NVMe)SSDも全く同じ速度だが冷却性能には差がでる
- マザーボード上のM.2スロット仕様によってはSSDが動作しないことがある
- SSDコントローラの性能比較
M.2 SSDの外形サイズの種類
M.2規格というのは外形サイズと接続コネクタの端子数といった物理的形状の規格です。
ここは本当に誤解されやすい部分で、M.2規格というのはPCIeやSATAといった通信規格(伝送規格)とは別物であり、NVMeやAHCIといったコントローラ規格(プロトコル規格)とも別物なので注意です。
M.2というのはあくまでも「外形」の規格です。M.2という外形上の規格とは別に、PCI ExpressやSATAといった通信規格の種類があります。またそれらに付随してNVMeやAHCIといったコントローラ規格(プロトコル規格)の種類があります。
ここではまずM.2規格の外形サイズの種類について見ていきます。M.2規格には以下のような外形サイズの種類があります。
一番右側がType2280と呼ばれるものです。Type2280は最も一般的なM.2規格のサイズであり、世の中のほとんどのM.2 SSDはこのType2280のサイズです。
このサイズ名称は縦横の寸法で決まっています。上図のようにType2280の横は22mmで縦が80mmです。この「22」と「80」という数字をつなげて「2280」と呼称しているわけです。つまりおよそ2cm×8cmの長方形サイズということになります。
同様に、右から2番目のType2260では横が22mm、縦が60mmになります。しかしこのType2260のM.2 SSDはほとんど存在しません。
左から2番目のサイズはType2242です。これはType 2260よりも多くSSDが存在します。一番左のType2230は非常に少ないですがこのサイズのM.2 SSDもあります。
基本的にはM.2 SSDを選ぶ=一番右側のType2280のSSDを選ぶということになります。
そしてM.2規格では接続端子の端子数も規定されています。重要なことは、M.2規格で規定しているのは端子数であり、このM.2端子でどの通信手段を使うかまではM.2規格で強制していないということです。このM.2端子ではPCI Express通信規格の伝送もできるし、SATA通信規格の伝送もできるし、USB通信規格の伝送もできてしまいます。
しかしM.2規格は横幅が22mmであるため用意できる端子数にも限界があります。そこでM.2規格ではPCI Express×4レーンまでの対応が規定されました。つまりM.2規格のSSDを使う限り、PCI Express通信規格では最大でも4レーンが限界だということです。
1位: Western Digital WD Red SA500 NAS SATA WDS 1R0B
SA500はWestern Digital Redシリーズの第1世代SSDです。2.5インチ規格版も存在します。本来はSA500の4TB版も展開されるはずでしたがM.2規格では2TBまでとなりました。4TB版が欲しい場合は2.5インチサイズならあります。速度については2.5インチ版と同じです。単に2.5インチ版をそのままM.2規格版にした製品です。
・【2TB】 WD Red SA500 NAS SATA WDS200T1R0B
メーカー | Western Digital |
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型番 | WD Red SA500 NAS SATA WDS200T1R0B |
容量 | 2TB |
フォームファクタ | M.2 2280 |
通信規格 | SATA 6Gbps |
NANDタイプ | TLC |
発売日 | 2019年11月 |
耐久性(TBW) | 1300 TBW |
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耐久性(DWPD) | 0.356 |
NAND構造 | BiCS3 64層3D TLC (256Gbit, 15nm) |
NANDメーカー | 東芝(KIOXIA) |
コントローラ | Marvell 88SS1074 |
DRAMキャッシュ | 512 MB DDR3-1600 (Nanya NT5CC256M16ER-DIB) |
MTTF:平均故障間隔 | 200万時間 |
保証期間 | 5年 |
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厚さ | 7mm |
質量 | ― |
理論シーケンシャル・リード速度 | 560 MB毎秒 |
理論シーケンシャル・ライト速度 | 530 MB毎秒 |
理論4Kランダム・リード速度 | 95,000 IOPS |
理論4Kランダム・ライト速度 | 85,000 IOPS |
理論速度は1TBと同じですが単位容量あたりの書込み耐久性はこちらの方が上です。ただし、500GBモデルと比較すると500GBモデルの方が容量あたりの書込み耐久性が少し高くなっています。
・【1TB】 WD Red SA500 NAS SATA WDS100T1R0B
メーカー | Western Digital |
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型番 | WD Red SA500 NAS SATA WDS100T1R0B |
容量 | 1TB |
フォームファクタ | M.2 2280 |
通信規格 | SATA 6Gbps |
NANDタイプ | TLC |
発売日 | 2019年11月 |
耐久性(TBW) | 600 TBW |
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耐久性(DWPD) | 0.329 |
NAND構造 | BiCS3 64層3D TLC (256Gbit, 15nm) |
NANDメーカー | 東芝(KIOXIA) |
コントローラ | Marvell 88SS1074 |
DRAMキャッシュ | 512 MB DDR3-1600 (Nanya NT5CC256M16ER-DIB) |
MTTF:平均故障間隔 | 200万時間 |
保証期間 | 5年 |
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厚さ | 7mm |
質量 | ― |
理論シーケンシャル・リード速度 | 560 MB毎秒 |
理論シーケンシャル・ライト速度 | 530 MB毎秒 |
理論4Kランダム・リード速度 | 95,000 IOPS |
理論4Kランダム・ライト速度 | 85,000 IOPS |
容量あたりの書込み耐久性で見るとこのSA500シリーズの中で最も低くなっています。できれば2TBモデルを選んだ方がいいです。
・【500GB】 WD Red SA500 NAS SATA WDS500G1R0B
メーカー | Western Digital |
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型番 | WD Red SA500 NAS SATA WDS500G1R0B |
容量 | 500GB |
フォームファクタ | M.2 2280 |
通信規格 | SATA 6Gbps |
NANDタイプ | TLC |
発売日 | 2019年11月 |
耐久性(TBW) | 350 TBW |
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耐久性(DWPD) | 0.384 |
NAND構造 | BiCS3 64層3D TLC (256Gbit, 15nm) |
NANDメーカー | 東芝(KIOXIA) |
コントローラ | Marvell 88SS1074 |
DRAMキャッシュ | 512 MB DDR3-1600 (Nanya NT5CC256M16ER-DIB) |
MTTF:平均故障間隔 | 200万時間 |
保証期間 | 5年 |
---|---|
厚さ | 7mm |
質量 | ― |
理論シーケンシャル・リード速度 | 560 MB毎秒 |
理論シーケンシャル・ライト速度 | 530 MB毎秒 |
理論4Kランダム・リード速度 | 95,000 IOPS |
理論4Kランダム・ライト速度 | 85,000 IOPS |
WD Red SA500シリーズの中で最も容量が少ないのがこの500GBモデルです。容量は少なくても単位容量あたりの書込み耐久性(DWPD)はシリーズ中で最も高くなっています。
16TB
M.2 2280規格サイズの基板にはNAND Flashを封入したBGAを片面4基ずつ両面に合計8基搭載できます。1TbitのNAND Flashダイを1BGAあたり16枚封入する技術をMicronが既に確立しているため、1Tbit(128GB)×1BGAあたり16枚×8基(両面)=16,384GBで16TBのM.2 SSDを十分実現できます。しかしエンタープライズ向けの大口は2.5インチ規格であるため、M.2 SSDで大容量を実現しても生産数のスケールメリットで劣り2.5インチの16TB SSDよりも割高になってしまいます。よって現在では価格面での理由で16TBのM.2 SSDは出回っていません。
8TB
大容量のNAND Flashダイとして主流の1Tbit NANDを使用してM.2 2280規格サイズの基板の両面を使えば8TBのM.2 SSDは現在の技術でも十分実現できます。Micronは2018年時点でも1つのBGAパッケージに8枚のNAND Flashダイを封入したSSDをリリースしているため、1Tbit(128GB)×1BGAあたりNAND8枚×基板片面あたりBGA4基×2(基板両面)=8,192GBで実現できます。
4TB
2019年現在ではまだ一般消費者(コンシューマ)向けの4TBSSDは存在しません。1枚のNAND Flashダイあたり1Tbit(128GB)を使用する場合、4096GB÷128GB=32枚のNAND Flashダイが必要です。M.2 2280規格サイズでは基板片面あたり(コントローラとDRAMのBGA以外に)4基のBGA(ball grid array)を搭載できます。BGA1基あたりNAND Flashダイを8枚封入すれば良いだけなので実現可能性は十分あります。両面を使わなくとも片面だけで実現できます。
2TB
以前は1TBのM.2規格サイズSSDといったらサムスンの独壇場でしたが、Western DigitalやPlextor等が相次いで東芝製NANDを搭載した1TBのSSDを出してきたことによって1TB帯でのサムスンの優位性が薄れてきたところで、サムスンも本気をだして2TBかつNVMe対応というハイスペックなものを投入してきました。
しかし、その後2TBモデルにおいてもWestern Digital,Corsair,CFD,Sandiskから東芝製NANDを採用した2TB M.2 SSDがリリースされ、IntelからはMicron製NANDを採用した2TB M.2 SSDがリリースされたので、2TB帯においても既にサムスンの優位性はなくなっています。
1位: CFD PG3VNF CSSD-M2B2TPG3VNF
東芝製NANDを用いて3,600TBもの総書込みバイト数を有する高品質SSDです。これだけの耐久性がありながら2TB帯のM.2 SSDとしては比較的安価に収まっており非常におすすめできるM.2 SSDです。
2位: Corsair Force Series MP600 CSSD-F2000GBMP600
2019年7月発売。東芝製BiCS4 96層 3D TLC NANDを採用したSSDです。東芝製3D TLC NANDは64層のBiCS3であっても96層のBiCSであってもNAND Flashダイ1枚あたり512Gbit(64GB)です。コントローラはPhison PS5016-E16を採用しDRAMキャッシュバッファ対応。搭載しているDRAMはSK hynix製です。
基板表面に2基、裏面に2基の合計4基、NAND Flashダイを封入したBGAを搭載しています。また2TBを実現するためにNAND Flashダイ1枚あたり512Gbit(64GB)を32枚搭載していることになります。このことからBGA1基あたり8枚のNAND Flashダイを封入していることがわかります。
基板の両面にもNAND BGAが存在する両面構成ため裏側までカバーするヒートシンクが必須です。各ユーザでそのようなヒートシンクを各自用意させる仕様にしてしまうと、放熱を怠って動作不良になるユーザが続出しかねないのでデフォルトでヒートシンクを搭載したモデルになっています。
シーケンシャル・リード速度4,950MB毎秒、シーケンシャル・ライト速度4,250MB毎秒。4KBランダム・リード速度600k IOPS、4KBランダム・ライト速度680k IOPS。総書込みバイト数(TBW)は3,600TB。
3位: CFD CSSD-M2B02TPG2VN
2019年2月発売。CFDのSSDは低品質なSK hynixを採用した安物から東芝製NANDを採用した高級品までピンキリです。そのため個別に製品を見ていく必要があり一概にはCFDをおすすめできないのですが、東芝製NANDを採用したSSDは非常にコストパフォマンスに優れ、さらに総書込バイト数も大きいので高耐久性を有しています。これは東芝製の3D TLCNANDを採用しているため高品質です。2018年に東芝が発表したBiCS3コードネームのNANDを使用しています。注目すべき点は総書込バイト数(TBW)が3,115TBもあることです。これはPlextor M8Peで採用されていたMLCタイプ東芝NANDのTBW768TB(512GBモデルの場合)と同等です。768TBのTBWを4倍すれば2TB容量相当のTBWが算出でき、それは約3,000TBだからです。今回のSSDがTLCタイプながら過去のMLCを上回る耐久性を実現しているという事実は、今となっては古いSSDのMLCにこだわる必要はなく、新しいSSDのTLCのほうが耐久性が高いことを意味しています。
このSSDは「Smart Data Processing」「SLCキャッシング(caching)」といった独自技術を採用していると公式に発表していますが、これらは一般的に「SLCバッファ」と呼ばれる技術を指します。SSDの空き容量が大きいときには空き部分をTLCではなくSLCとして用いて読み書きを高速化します。またSLCはNANDへの書込み回数を少なくしつつ書き込めるのでNANDの寿命が伸びます。このようにしてこのSSDは高速性と高耐久性を同時に獲得しています。しかしSLCバッファアルゴリズムでは、空き容量が少ないSSDに対しては無力です。実質単なるTLCのSSDとして動作するため、SSD総書込バイト数を早く食いつぶしつつ書込み速度も低下します。つまりこのSSDを長期間使う場合は空き容量に余裕を持たせて使うのがポイントです。同様のアルゴリズムは、Western DigitalやサムスンのSSDのコントローラにも採用され2019年に発売されています。
4位: Corsair Force Series MP510 CSSD-F1920GBMP510
2018年10月発売。CorsairのSSDは毎回東芝製NANDを使用しています。PCI Express接続かつNVMeインターフェース対応のSSD。TLCタイプですが3D構造なので耐久性は高いです。総書込みバイト数は3,120TBもあるため高耐久性を有しています。その分価格は高く、Western DigitalのBlackシリーズよりも高価です。価格の安さを考慮するならTBWが3,000TB近い同等の耐久性を持つCFDの2TBで、価格が高くてもいいのならCorsairのMP510をおすすめします。
5位: Western Digital WD Black SN750 NVMe WDS200T3X0C
2019年2月発売。PCI Express接続NVMeインターフェース対応です。これはヒートシンクなしの通常版です。東芝製NANDを使用していますが総書込バイト数は1,200TBでありCorsairやCFD製より劣ります。
型番末尾に”EC”が付いているモデルのほうが発売日は新しいですがこれは単なる型番変更であり性能は全く同じです。
6位: Western Digital WD Black SN750 NVMe WDS200T3XHC
2019年2月発売。「WD Black SN750 NVMe WDS200T3X0C」にヒートシンクを搭載したもの。厚さが増すのでマザーボードによっては入らないことがあります。
7位: Western Digital WD Blue 3D NAND SATA WDS200T2B0B
ついに2TBのSSDがWestern Digitalから出てくれました。それまではサムスン1社しか選択肢がなかった中で、米国メーカーかつNANDチップは日本で生産という好ましいSSDがようやく2TBでも誕生しました。Western Digital社は半導体ストレージの老舗である米国Sandisk社を子会社化したので、Western Digital・Sandisk・東芝のSSDは同じ日本国内の工場で作られたNANDチップを内蔵しています。
2017年8月発売のM.2接続SSDです。SATA規格なので発熱量を気にする必要はないでしょう。M.2接続だと放熱が難しくなるので、あえてNVMeではなくSATA規格のものを使うのも手です。むしろ、NVMeはそこまで実際の用途では速度を引き出せず、SATAとほとんどスループットや体感速度が変わらないことがわかってきているので、安く低発熱・低消費電力のSATAのもので十分です。PanasonicのLet’s NoteもSATAのM.2を使っているので、高給パソコンでもSATAのSSDが使われる傾向にあります。
PanasonicのLet’sNoteに入っているM.2SSDはサムスン製なのが残念ですが、今回のこのWestern DigitalのSSDは東芝製NANDチップを内蔵しているのでサムスンよりも当然高品質であり、サムスンアレルギーがある人にとっても朗報です。いままで2TBのM.2といったらサムスン製しなかった中、ようやくWestern Digital、東芝という日米企業連合がM.2の2TBSSDを出してくれたことは非常に有益です。
8位: GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 2TB(GP-ASM2NE6200TTTD)
2019年7月発売。東芝製BiCS4世代96層 3D TLC NAND(512Gbit)採用。コントローラはPhison製PS5016-E16を採用し外部DRAMキャッシュバッファ対応。DRAMはDDR4 2GB。
総書込みバイト数(TBW)は3,600TB。シーケンシャル・リード速度5,000MB毎秒、シーケンシャル・ライト速度4,400MB毎秒。4KBランダム・リード速度750kIOPS、4KBランダム・ライト速度700kIOPS。
2019年時点でも東芝製NANDは64層のBiCS3世代が多い中、比較的早期に96層BiCS4世代が採用されたSSDです。96層NANDは64層と比較して若干耐久性が向上しているので総書込みバイト数が増えています。コントローラも申し分なくDRAMキャッシュバッファ搭載なのでGigabyteにしては高価格路線の製品です。
9位: Sandisk X600 SD9SN8W-2T00-1122
2018年発売。SATA接続です。X600シリーズは法人向けであり、高価格であるものの高品質であることが重視されています。Ultraシリーズは個人向けの廉価品ですがXシリーズは高級品です。公称総書込バイト数はたった500TBしかありませんが、Sandiskは厳し目にTBWを設定しているので実際はさらに書き込んでも大丈夫です。
10位: Intel SSD 660p SSDPEKNW020T8X1
2018年9月発売。M.2 SSDでQLCが投入された最初の製品です。1素子に4bit詰め込んでいるためTLCよりも信頼性で劣りますが価格競争力では勝っています。Micronの2TB2.5インチSSDよりも割高ですが、この660pはNVMeインタフェース対応でM.2規格であるため割高になっています。
11位: Intel SSD 760p SSDPEKKW020T8X1
2018年8月発売。少し遅れて760pシリーズにも2TBが出ました。Intel-Micron製NANDを用いたNVMeインターフェース対応のSSDです。
12位: サムスン 970 EVO Plus MZ-V7S2T0B/IT
2019年4月発売。「970 EVO MZ-V7E2T0B/IT」とNANDチップは全く同じですが、コントローラ回路が変更されています。2018年後半から相次いで各メーカーが導入しているSLCバッファ・アルゴリズムをコントローラに搭載したものです。総書込みバイト数(TBW)は「970 EVO MZ-V7E2T0B/IT」から変更なく1,200TBのままです。そのかわり読書の速度が上昇しており、それがこの「Plus」の売りです。通常TLCNANDは書込みを行う際に複数回書き込む必要がありますが、SLCバッファを用いると書込みが1回で済みます。それによって書込み速度を向上させていますが、SLCバッファは空き容量が大きいときには書込み速度が向上するものの、空き容量が少なくなると「970 EVO MZ-V7E2T0B/IT」と同じレベルまで低下します。またSLCバッファはシーケンシャル書込みには効果的に速度を向上させますが、ランダム書込みには効果を発揮しません。
13位: サムスン 970 EVO MZ-V7E2T0B/IT
2018年5月発売。PCIe接続でNVMeインターフェース対応でM.2規格コネクタのSSDです。960 EVOシリーズの後継品です。2016年発売の960 EVOでは2TB品がありませんでしたが970 EVOでは2TBもラインナップされています。これはTLCタイプのSSDです。EVOシリーズはMLCではなくTLCです。サムスンは”3bit MLC”と表記していますが、これは「1素子に3bitをMultipleに詰め込むという意味のMLC」なので、一般的に言うTLCのことを指しています。
14位: サムスン 860 EVO M.2 MZ-N6E2T0B/IT
2018年2月発売。M.2規格SATA接続TLCタイプのSSDです。”860”のように8xx台のSSDはSATA接続であり、”EVO”はTLCです。サムスン公式には”3bit MLC”と書いてありますが、これは1素子に3ビットをMultiple(多重)に詰め込んだMLCという意味なので、1素子に3ビット詰め込んでいることからこれはいわゆるTLCのことを指しています。
以前はM.2かつ2TBといったらサムスン製しかありませんでしたが、今となってはWesternDigitalの2TBがあり、しかもTLCという点でも同じなのでWesternDigitalの方がおすすめです。WesternDigitalで採用されているNANDの生産拠点は日本の三重県四日市市なので、サムスン製よりも品質は上です。
15位: サムスン 960 PRO M.2 MZ-V6P2T0B/IT
このSSDは2TB帯でM.2接続かつNVMeタイプで最初に登場したSSDです。IntelからPCI Express直挿しのデータセンター向け製品が出ていましたがありえないほど高価で法人向けであり、現実的な価格で手に入る個人向けとしてはまたもやサムスンが一番乗りです。今後後追いでWestern DigitalやPlextorからも出て来るでしょうが、毎回先陣を切って投入するところはさすがです。この調子で4TBのM.2 NVMe SSDの投入も期待しています。
2TB帯はPROシリーズのみでありEVOシリーズはありません。このPROシリーズはTBW(総書き込みバイト数)が1,200TBと圧倒的に大きく、DRAMキャッシュは2GBもあります。保証期間はPROは5年、EVOは3年です。
書き込み性能はシーケンシャルで2,100GB毎秒もあり、ランダム書き込みも1秒間に36万回も行うことが出来ます。
この960PROシリーズは950 PROシリーズの後継です。2015年発売だった950PROシリーズでは512GBまでしかありませんでしたが、2016年12月発売の960PROシリーズSSDで一気に2TBまで容量を上げてきました。
しかもSATAではなくPCIe接続NVMeプロトコル対応です。これが発売された当初2TBのM.2接続SSDでは最高峰でしたが現在ではCorsair,WesternDigital,CFD,Sandiskから東芝製NAND採用の2TBモデルが既に出ているので今となってはサムスン製の2TBを選択するメリットは何もありません。
1TB
M.2 SSDは2.5インチSSDより容量の伸びが遅いです。2.5インチタイプのSSDは既に2TB帯が主流になってきており、2.5インチサイズなら2TBのSSDが現実的な価格で手に入る用になっています。しかしM.2 SSDはいまだに1TBが主流です。
それらを鑑みるとM.2 512GB帯では2.5インチSSDと張り合えず役不足と感じるので、M.2接続では1TB以上を選びたいところです。
1位: CFD PG3VNF CSSD-M2B1TPG3VNF
1,800TBものTBW(総書込みバイト数)を有する上に東芝製のNAND採用で、しかもDRAMキャッシュも大容量という非の打ち所がないSSDです。欠点が無いのにここまで価格の安さを実現しており1TB帯のM.2 SSDとしてはおすすめできます。
2位: Sandisk エクストリーム プロ SDSSDXPM2-1T00-J25
2018年5月発売。2014年に発売されていたExtreme Proシリーズ(MLC)の後継品のように見えますが実際はかなり異なります。容量1TBでたった600TBの総書き込みバイト数(TBW)であることからもわかる通りTLCタイプのNANDを採用したSSDです。SandiskのNANDは東芝WD連合のものですから、同じNANDを採用し2016年に発売されたPlextorのM8PeがMLCタイプで768TBのTBWを持つことからしても2018年発売のこのExtreme ProがMLCだとしたらたった600TBのTBWであることと整合性が取れません。さらに保証期間についても2014年発売のExtreme Proは10年でしたが、今回のExtreme Proは5年です。
このExtreme ProはPCI Express接続NVMeインターフェースを採用していることから「Extreme Pro」と命名しているのだと思われます。2014年発売のExtreme ProはSATA接続でしたが、今回はPCI Express接続となっているので、なにをもってExtreme Proシリーズなのかという部分が変わっているため単純に後継品と捉えてはいけません。
3位: Corsair Force Series MP600 CSSD-F1000GBMP600
2019年7月発売。東芝製BiCS4 96層 3D TLC NAND(512Gbit)を採用したSSDです。コントローラは8チャネル4CEでPCIe接続規格NVMeプロトコルに対応したPhison PS5016-E16。外部DRAMキャッシュバッファ対応。搭載しているDRAMはSK hynix製1GB。シーケンシャル・リード速度4,950MB毎秒、シーケンシャル・ライト速度4,250MB毎秒。4KBランダム・リード速度600k IOPS、4KBランダム・ライト速度680k IOPS。
総書込みバイト数(TBW)は1,800TBであり1TBのSSDにしては相当大きい。
4位: Sandisk X600 SD9SN8W-1T00-1122
2018年発売。「X400 SD8SN8U-1T00-1122」の後継品です。3D TLC NANDを採用しているのが新しくなった点です。3D構造になったぶんだけ閾値の余裕が増え書込み耐久性が向上しています。x400シリーズと同様こちらも法人向けです。
5位: Sandisk X400 SD8SN8U-1T00-1122
この製品はX4001TBのM.2接続版です。東芝製2D TLC採用。これは個人向けではなく法人向けとして売られています。速度や保証期間は変わらないので、2.5インチのものが良いのか、M.2接続のほうが良いのかで判断して選べばOKです。M.2接続のスロットがないのならあえて別売りの拡張キットを買ってきてまで付ける必要はありません。マザーボードにM.2スロット標準装備なら選択肢に入ります。またこれはNVMe接続ではないのでその点も注意です。X400はSandiskの法人向けモデルです。個人向けだと通常は保証期間3年ですが、このX400は5年もあります。2016年2月発売です。
M.2スロットがマザーボードにない場合は変換ボードを別途買うことになります。その変換ボードは2.5インチサイズであるため、それなら最初からX400シリーズの2.5インチを購入した方が安上がりです。
6位: CFD CSSD-M2B01TPG2VN
2019年2月発売。東芝製3D TLC NANDを採用したもの。コントローラはPhison製。総書込バイト数(TBW)は1,665TBでかなり大きめで耐久性が高い。NVMe接続でシーケンシャル書込みが3000MB毎秒もあるのが特徴。
7位: GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TB(GP-ASM2NE6100TTTD)
2019年7月発売。東芝製BiCS4世代96層 3D TLC NAND(512Gbit)採用。コントローラはPhison製PS5016-E16を採用し外部DRAMキャッシュバッファ対応。DRAMはDDR4 1GB。
総書込みバイト数(TBW)は1,800TB。シーケンシャル・リード速度5,000MB毎秒、シーケンシャル・ライト速度4,400MB毎秒。4KBランダム・リード速度750kIOPS、4KBランダム・ライト速度700kIOPS。
8位: Plextor M9Pe(G) PX-1TM9PeG
2018年3月発売。2016年発売のM8Peシリーズの後継品。
NANDは東芝製BiCS3世代64層3D TLC NANDです。コントローラはMarvell 88SS1093でDRAMキャッシュバッファ対応。DRAMはNanya製LPDDR3 1,024MB。総書込みバイト数(TBW)は640TB。
シーケンシャル・リード速度3,200MB毎秒、シーケンシャル・ライト速度2100MB毎秒。4KBランダム・リード速度400k IOPS、4KBランダム・ライト速度300k IOPS。5年保証。
先行モデルのM8PeはMLCタイプだったので総書き込みバイト数(TBW)が768TBもありましたが今回のM9Peシリーズは640TBまで落ちています。
このモデルはヒートシンク付属品ですが、自分で別途購入したヒートシンクを取り付けたい場合は以下のM9PeGNのほうを購入することをおすすめします。標準装備のヒートシンクを自分で剥がしてしまうと保証対象外になります。
ヒートシンク付きのこのモデルの欠点は基板裏面までヒートシンクが届いていないことです。基板表面と裏面に2基ずつ、NAND Flashダイを封入したBGAが搭載されています。つまり基板裏面のBGA2基についてはヒートシンクで冷却できません。マザーボードとの間にサーマルパッドを挟み込んでマザーボードに熱を逃がすしか方法がなくなります。それならヒートシンク無しモデルを購入して、基板裏面も冷却できるタイプのヒートシンクを購入するのがおすすめです。
9位: Plextor M9PeGN PX-1TM9PeGN
2018年3月発売。2016年発売のM8PeGNの後継品です。「M9Pe PX-1TM9PeG」のヒートシンク無し版です。基板裏面は以下のようになっています。
このSSDはヒートシンク有りモデルであっても無しモデルであってもチップ(BGA)の配置は同じです。つまりヒートシンク有りモデルを選んでしまうと基板裏面のBGAを冷却できなくなります。そのためこのヒートシンク無しモデルを選んだ上で基板裏面もカバーできるタイプのヒートシンクを別途購入することをおすすめします。
10位: Plextor M8SeGN PX-1TM8SeGN
2017年6月発売のM.2接続NVMe規格SSD。「M8Pe PX-1TM8PeG」の廉価版です。「M8Pe PX-1TM8PeG」ではMLCでしたが本モデルではTLCとなっており、耐久性を下げる代わりに価格が安くなっています。
11位: Plextor M8Pe PX-1TM8PeG
2016年8発売のNVMe規格のSSDです。東芝製NAND使用のものです。SSDは熱を逃がすことができないと性能が落ちるので、このモデルはヒートシンクカバーが付いています。当然ファンはついていないのでケースファンをしっかり回すなどしてケース内の熱気を外に出してあげることは必須です。
このヒートシンクカバーで注意すべきことは、SSD基盤の裏面からヒートシンクの縁が飛び出していることです。これがマザーボードの基盤にあたると、はんだ付けしてある電子部品の足と足がショートしてしまう可能性があります。このヒートシンクはアルミ製ですがしっかり塗装されているので直ちにそのような問題は起こらないでしょうが、塗装がはげてしまっているような事態になったら心配です。
そのため最初からヒートシンク無しの方のSSDを買うのも一つの手かと思います。BGAチップがついていない方の面は完全に絶縁されているので、ヒートシンクさえなければ導体がそもそもないので以上のような心配が起こりません。
ただ最近はM8Peヒートシンク有りモデルの方がヒートシンク無しモデルより価格が安くなっていることが多いためヒートシンクモデルを使いたいこともあるでしょう。
その場合はSilverStoneから発売された放熱パッドを貼るのがおすすめです。
0.5mm厚と1.5mm厚の放熱パッドの合計2枚が入っているので、M8Peシリーズの場合は1.5mmのものをマザーボードとSSDの間に貼ります。
このパッドは完全に絶縁体でありしかも厚みが1.5mmもあるのでヒートシンクのアルミ部分がマザーボードに接触してしまうという懸念も払拭されます。
12位: Plextor M8Pe PX-1TM8PeGN
「M8Pe PX-1TM8PeG」のヒートシンクカバ無しバージョンです。同じく2016年8月発売です。
私はこのM8Peのヒートシンク無し版を購入して実装済みです。
日本では転売屋でしか買えない状態だったのでAmazon.comで買いました。送料関税込みでクレジットカードの為替換算レートで5万円未満で買えました。
放熱のためのヒートシンクが付いていなくても高温時に読み書き速度が落ちたり、読み書きが停止されるだけでデータが壊れるわけではありません。別に速度低下を気にしないのならヒートシンクカバーなしのこのモデルでもOKです。温度はDiskInfo64でみると45℃で安定していて、Eset Smart Securityの詳細スキャンをすると50℃を超える程度です。以前はヒートシンク無しモデルのほうが安かったのですが、最近は品薄のためかヒートシンク有りモデルより高くなってきています。
このヒートシンク無しバージョンでもSilverStoneの放熱パッドを貼ることによって熱をマザーボード側に逃がすことができます。
これはM.2規格サイズのSSDなので、マザーボードにM.2スロットがないとあまりメリットがありません。PCI Exressスロットを変換して接続できますが、変換ボードを購入するとその分だけ貴重なPCIeスロットを潰しまいます。
PCIe接続NVMeプロトコル規格なのでSATAより速いだけあって高価です。さらには東芝製NAND Flashを搭載しているのも安心要素です。M.2規格サイズのMVMe SSDなら現状これがベストでしょう。冷却を重視したい場合はヒートシンク付きモデルよりもあえてこのヒートシンク無しモデルを購入して、別途購入したヒートシンクを搭載したほうが冷却できます。ヒートシンク付きモデルのヒートシンクを取外してしまうと保証対象外になってしまうデメリットもあるので、別途用意したヒートシンクを取り付けるなら最初からヒートシンク非搭載のモデルを選択しておくのが賢明です。
13位: Western Digital WD Black SN750 NVMe WDS100T3X0C
2019年発売。Blackシリーズの後継品です。基本的なハードウェア仕様は変わってないのですが、コントローラのアルゴリズムが更新されてSLCバッファ領域のダイナミック制御に対応しています。総書込バイト数は600TBで変更ありません。サムスンの「Plus」シリーズを始めとして2019年初にSSDの「焼き直し」が相次いでいます。それはSSDの空き容量が大きいうちはそのNANDをSLCとして用いてバッファとし、高速な読み書きを行うようにするものです。容量が増えてくるとSLC領域を小さくするため低速になります。このSSDも空き容量が大きいうちは先代より高速ですが、空き容量が少なくなってくると先代品と同じ速度まで落ちます。
Western DigitalのSSDの中身は東芝製NANDです。そのため比較するときは他の東芝製NAND採用製品を比較すればOKです。実際に価格も似たり寄ったりです。Western Digitalは米国企業なので、日本製と同レベルで品質は高いです。
このSSDはヒートシンク無しバージョンです。ASUSのROG StrixマザーボードのようにM.2スロットにヒートシンクが標準搭載されていたり、自前でさらに冷えるヒートシンクを使いたい場合は最初から付いているヒートシンクは邪魔になります。そういったニーズに応えるためにこのヒートシンク無しバージョンがあります。
14位: Western Digital WD Black SN750 NVMe WDS100T3XHC
「WD Black SN750 1TB」のヒートシンク有りバージョンです。各自で取り付けたいヒートシンクを用意している場合はヒートシンク非搭載のモデルを買ったほうがいいです。
15位: Western Digital WD Black NVMe WDS100T2X0C
2018年5月発売。東芝製NANDを採用したNVMeインターフェース対応のM.2規格SSDです。TLCタイプなので総書き込みバイト数(TBW)が600TBしかないのが欠点ですが、価格が安い割には信頼性が高いためおすすめです。
16位: Western Digital WD Blue 3D NAND SATA WDS100T2B0B
2017年6月発売のSSDです。Blueシリーズの2017年版と言えるでしょう。TLCである点は2016年版の「WD Blue WDS100T1B0B」と同じですが、NAND回路が何層にも重なる3Dタイプになった点が異なります。総書き込みバイト数がアップしており耐久性が上がっています。今買うならこちらの方がおすすめです。
17位: Western Digital WD Blue WDS100T1B0B
東芝製NANDを採用したSATA規格のSSDです。2016年10月発売です。この1TB帯では廉価なGreenシリーズは出ておらずBlueシリーズのみになっています。総書き込みバイト数(TBW)が400TBほどあるのでTLCにしては十分でしょう。CrucialのMX300の総書き込みバイト数は360TBなので、それよりも耐久性が高いことになります。
18位: Silicon Power PCIe Gen3x4 P34A80 SP001TBP34A80M28
2019年2月発売。PCIe接続NVMe規格対応。東芝製の64層3D TLC NANDを採用しているため高品質。コントローラは「Phison PS5012-E12」。シーケンシャル読込速度は3,200MB毎秒、シーケンシャル書込速度は3,000MB毎秒。他に512GB版、256GB版がラインナップされている。
19位: Corsair Force Series MP510 CSSD-F960GBMP510
2018年10月発売。東芝製TLC NANDを採用したNVMeプロトコル対応M.2SSDです。64層の3D NANDであるため総書込みバイト数が向上しています。コントローラは今回もPhison製です。
20位: Corsair Force Series MP300 CSSD-F960GBMP300
2018年8月発売。東芝製TLCNANDを採用したNVMeインターフェース対応のSSD。コントローラはPhison製。
21位: Corsair Force Series MP500 CSSD-F960GBMP500
2017年発売。東芝製MLCタイプNANDを搭載したNVMeインターフェース対応のSSDであり、スペック的には申し分ないものです。しかし流通量が少なく割高になってしまっているため、同じ東芝製NANDを採用している他SSD製造メーカーの製品を選んだほうがいいでしょう。
22位: Kingston HyperX Predator PCIe SSD SHPM2280P2/960G
東芝製NANDを搭載したAHCIプロトコル規格のM.2接続SSDです。2015年発売です。このSSDで注意すべきことは接続規格がPCI Expressのリビジョン3.0ではなく2.0だということです。PCI Express 3.0以上に対応しているチップセットに接続しても2.0までの速度しか出ません。
とはいってもこのSSDの優れているところは、耐久性の指標である総書き込みバイト数(TBW)が1,600TBもあることです。2016年末に発売されたサムスンのNVMeプロトコル規格SSDの最上位モデルである960 PRO 2TBモデルですら1,200TBです。
総書き込みバイト数はSSDの容量に比例して大きくなります。つまり大容量SSDの方が耐久性が高い傾向になります。にもかかわらず、サムスンの960PRO 2TBモデルの半分の容量であるKingstonのHyperX Predatorの960GBモデルは1600TBものTBWを持っているわけです。これ以上大きいTBWはIntelのデータセンターモデルのSSDでしかないレベルです。
転送速度がPCI Express2.0相当でもよかったら、耐久性を重視しつつSATAよりも高速なSSDとしてこのモデルは優秀です。
23位: ADATA XPG SX9000 ASX9000NP-1TM-C
2017年9月発売。以下の”XPG SX8000″はMicron製NANDでしたが、このSX9000は東芝製NANDです。M.2規格MLCタイプです。東芝製のMLCを採用したSSDはなかなか無いので希少です。総書き込みバイト数(TBW)は1,000TBあるので1TBSSDとしてはかなり耐久性が高いです。
24位: OCZ RD400 RVD400-M22280-1T
NVMe規格対応の1TBSSDです。2016年8月発売です。PlextorからNVMe規格のSSDが出るより早くから発売していましたがあまり目立たない存在でした。流通量が少ないせいか価格が高止まりしているので、東芝製NANDかつNVMe規格のものが欲しかったらPlextorの方がいいでしょう。
OCZはあまり馴染みがないメーカーですが、米国の企業です。東芝グループの傘下に入ったことによって、東芝製NANDチップを組み込んだSSDを販売しています。流通も国内正規品として売られているので安心して買えます。
25位: グリーンハウス GH-SSDRMPA960
2019年9月発売。東芝製64層3D TLC NAND搭載。コントローラはphison ps5012-e12。シーケンシャル読込速度3,400MB毎秒、シーケンシャル書込速度3,000MB毎秒。総書込バイト数は1,665TB。このTBWは4KBのランダムアクセス書込のみで使い続けた条件の下での数値。空き容量が大きい間はTLCNANDをSLCとして用いて耐久性を維持するSLCキャッシュ機能搭載。
26位: Intel SSD 660p SSDPEKNW010T8X1
2018年9月発売。QLCを採用した廉価タイプのSSD。NVMeインタフェース対応。「760p SSDPEKKW010T8X1」のTLCに比べるとこのQLCのほうが廉価ですが、今後はこのQLCタイプが主流になります。
27位: Intel SSD 760p SSDPEKKW010T8X1
2018年4月発売。M.2規格のPCIe接続NVMeインターフェースのSSDです。TLCタイプであるため耐久性は高くありません。総書き込みバイト数(TBW)は576TBです。PlextorのM8Peの512GBモデルよりも小さいTBWです。
ただ流通量が多くて購入しやすいSSDという点ではこのSSDは優れており、使用者が多いので情報量が多くMicron-Intel連合のNANDということからもオーソドックスなSSDです。PCIe接続のSSDの中では最もスタンダードな地位にあるSSDです。
28位: Crucial P1 CT1000P1SSD8JP
2018年10月発売。QLCを採用したNVMeプロトコル対応のSSDです。このSSDは2つの観点から大いに注目されています。まずCrucialブランドとしては初めてQLCを採用したSSDだということです。Intel-Micron連合のNANDを採用したSSDは既にIntelからQLCの660pシリーズが発売されていますが、Crucialブランドとしては初めてです。もう1つが、今までのCrucialではSATA接続のSSDのみでしたが、今回初めてNVMeプロトコルPCIe接続に対応したSSDが発売されたことになります。NVMe対応だけあってSATA版より高価ですが、代わり映えのしなかったCrucial SSDの中では大きな転換点になりました。
29位: Crucial MX500 CT1000MX500SSD4/JP
2018年4月発売。2.5インチ規格の”MX500 CT1000MX500SSD1”のM.2規格版です。2.5インチよりも1ヶ月ほど日本国内では発売日が遅くなっています。
シーケンシャル読込速度は560MB毎秒、シーケンシャル書込速度は510MB毎秒となっており2.5インチ規格版と同じ性能です。ただM.2よりも2.5インチのほうが採用数が多い(需要が大きい)ので、生産数によるスケールメリットで価格の安さの恩恵を受けられるのは2.5インチ版です。SATAケーブルの引き回しをしたくない場合はこちらがいいでしょう。
30位: Crucial MX300 CT1050MX300SSD4
米国Micron社のTLC NANDチップを採用したM.2接続版の1TBSSDです。2016年9月発売です。このSSDと全く同じ性能のSSDが、同じくMX300シリーズの2.5インチ版としてCrucialから出ています。2.5インチがいいならそちらを選択すればいいでしょうし、M.2接続でPC内部をすっきりさせたいならこのM.2接続がベストでしょう。これはNVMe規格ではなくSATA規格です。
速度は2.5インチタイプと同じです。マザーボードのM.2スロットが余っているのならこれを挿してもいいと思います。あとでSSDをパソコンから取り出してデータのバックアップを取ったり、捨てる前に書き込み内容を完全に消去するためなどのメンテナンス上は2.5インチの方が楽です。2.5インチならノートパソコンにも使えますし、M.2接続より汎用性が高いです。M.2と2.5インチタイプで迷ったら2.5インチの方がつぶしが利きます。
31位: Crucial MX300 CT1050MX300SSD4/JP
2017年4月発売ですが、中身は「MX300 CT1050MX300SSD4」と同じです。価格が安い方を選べばOKです。
32位: Intel 600p Series SSDPEKKW010T7X1
Intelからも廉価タイプのNVMeタイプSSDが出ました。これを買うなら東芝製NANDのSandiskやPlextorが第一におすすめです。
シーケンシャル読込速度は1800MB毎秒。
コントローラは高級品が使われており8チャネル4CEの「Silicon Motion SM2260」採用。SLCキャッシュバッファにも対応している。当然ながらDRAMキャッシュにも対応しておりnanya製RAM搭載。
採用NANDはMicron製32層3D TLC NANDで384Gbit(48GB)。これを8枚封入したBGAを3基搭載し1,152GBの容量を実現しており、そのうち128GBは予備領域になっています。この内SLCキャッシュバッファとして用いられるのが32GBです。
SATAではなくPCI-Expressで通信するNVMeタイプのM.2SSDです。NVMeタイプとしてはPlextorよりも廉価でありかなり安い部類ですが、Micron社製のNANDチップを用いているのでCrucialSSDと同等の品質です。NVMe規格の高速性は必要なくSATAで十分ならCrucialでいいでしょう。
33位: Transcend TS1TMTS830S
2019年発売。「TS1TMTE110S」のSATA接続版です。SATA接続ならMicron社純正ブランドとしてCrucialが展開されているのでそちらのほうがおすすめです。Crucialは流通量も多く使用者も多いので情報が手に入りやすく無難です。
34位: Transcend TS1TMTE110S
2019年発売。110Sシリーズは128GB~1TBがラインナップされており、この製品はその中でも最大容量のものとなります。Micron製の3D TLC NANDを採用しています。トランセンドからは上位の220Sシリーズも出ていますが、異なるのは読み書きの速度です。この110Sを買うくらいならCFDのPG2VNシリーズをおすすめします。PG2VNのほうが読書速度が高速である上にTBWが大きく耐久性が高いからです。
35位: Transcend MTS800S TS1TMTS800S
MTS800シリーズと同等品です。単に型番変更版とみていいでしょう。2D NANDでMLCタイプであるため2016年発売のMTS800シリーズと同じです。Micron製であることも同じです。ただ国内正規品ではないところに注意。
36位: Transcend MTE850 TS1TMTE850
2017年発売のM.2規格MLCタイプNVMe PCI Express接続のSSDです。使用しているNANDは米国Micron社製です。「MTS800 TS1TMTS800」の2017年版という位置づけです。
37位: Transcend MTS800 TS1TMTS800
Micron製NANDチップを採用したSATA規格のM.2接続SSDです。2016年2月発売です。TLCではなくMLCでありこの点が貴重です。2016年以降に出たSSDはTLCだらけになってしまいましたが、Micron製かつMLCの本製品は、速度がSATAで十分ならかなり良い選択肢になります。
38位: ADATA XPG SX6000 Pro ASX6000PNP-1TT-C
2018年10月発売。「XPG SX6000 ASX6000NP-1TT-C」の後継品ですが、層数を増やしたことやSLCキャッシュの制御を改良したことで総書込みバイト数が改善されています。Micron製の第2世代3D NANDを採用しているため高品質です。TLCタイプであるため、2018年下期から投入され始めているQLCタイプより高耐久性を保持しています。当然NVMeプロトコル対応です。
39位: ADATA XPG SX6000 ASX6000NP-1TT-C
2017年11月発売。廉価なタイプのSSDです。PCIe NVMeインターフェース対応のSSDは普通は高価ですがこのSSDは安く抑えられています。NANDはMiron製です。
40位: ADATA XPG SX8000 ASX8000NPC-1TM-C
2017年6月発売のSSDです。米国Micron社製のMLCタイプNANDかつNVMe規格かつM.2接続のSSDです。「XPG SX8000 ASX8000NP-1TM-C」のヒートシンクカバー付き版であり、それ以外のハードウェア構成は同じです。
41位: ADATA XPG SX8000 ASX8000NP-1TM-C
2016年12月発売。NVMe規格のMLCタイプSSDです。米Micron製のMLC NANDを採用しているため高品質です。コントローラも使用NANDチップもIntel 600pシリーズと似ているので、TLCチップでもよかったらIntel、MLCがよかったらこのADATA XPGシリーズがいいでしょう。
42位: ADATA Ultimate SU800 M.2 2280 ASU800NS38-1TT-C
2016年11月発売のSSDです。SATA規格です。米Micron製の3D TLC NANDチップを採用しています。
43位: サムスン 970 EVO Plus MZ-V7S1T0B/IT
2019年1月発売。「970 PRO MZ-V7P1T0B/IT」の焼き直し品です。NAND本体の性能・品質は変わっていません。全く同じものを使用しています。変化したのはリード・ライトの速度です。これはコントローラのアルゴリズムを変更したことによるものです。本SSDはTLC NANDを用いていますが、1素子に3ビット詰め込むTLCは読み書きが非常に遅いです。特に書込みは極めて遅くなります。一方で1素子に1ビット書き込むSLCは読み書きが非常に高速です。そこでSSDがほとんど使われておらず空き容量が大きい場合は、空き部分をSLCとして動作させバッファとして使うアルゴリズムが一般的になってきています。これをSLCバッファといいます。このSLCバッファサイズはSSDの空き容量によってダイナミックに(動的に)決定されます。つまり空き容量が大きいときは従来の970 EVOと比較し高速ですが、空き容量が少なくなってくるとSLCバッファサイズが小さくなるため970 EVOと同等の速度まで落ちます。つまりこの「970 EVO Plus」の読み書き速度は空き容量が十分にある場合の最大値と見ておいたほうがいいです。このようなSLCバッファアルゴリズムの変更をコントローラに施したことによるSSDの焼き直し販売は他メーカーでも2019年に相次いでいます。これからはこの動的(ダイナミック)SLCバッファ搭載が当然のようになっていくでしょう。
44位: サムスン 970 PRO MZ-V7P1T0B/IT
2018年5月発売。960 PRO(2016年発売)の後継品です。PCIe接続かつNVMeインターフェースでMLCタイプのSSDです。サムスンのPROシリーズはMLCであることを意味するので、その点では960でも970でも同じです。異なるのは総書き込みバイト数が増えて耐久性が増したことであり、960 PROの1TBでは800TBだったのが、970 PROでは1200TBまで総書き込みバイト数が増加しています。
45位: サムスン 970 EVO MZ-V7E1T0B/IT
2018年5月発売。960 EVO(2016年発売)の後継品です。これはTLCタイプのSSDである点に注意。PCI Express接続かつNVMeプロトコルで通信するSSDです。960 EVO 1TBの総書き込みバイト数は400TBでしたが、970 EVOでは600TBまで増加しています。
46位: サムスン PM981 MZVLB1T0HALR-00000
2018年5月発売。「970 EVO MZ-V7E1T0B/IT」のバルク版です。EVOシリーズと同じくこのSSDもTLCタイプのSSDです。PM981も”3bit MLC”なのでいわゆるTLCだということになります。ノートパソコンで使われている標準搭載SSDはサムスンのこのバルク版であることが多いです。
47位: サムスン 860 EVO M.2 MZ-N6E1T0B/IT
2018年2月2日発売。M.2規格SATA接続TLCタイプのSSDです。”3bit MLC”と記載されていますが、これはMLCではなくTLCです。
48位: サムスン 960 PRO M.2 MZ-V6P1T0B/IT
2016年12月に発売されたサムスンSSDのフラッグシップモデルです。NVMe規格の高速SSDでありかつ高信頼のPROシリーズで、950PROの後継として発売されました。保証期間は5年であり、総書き込み容量は800TBにも上ります。圧倒的な書き込み耐久性です。この耐久性のままSATA版を出したら、速度より高信頼性を優先する人に支持されると思うのでSATA版も出して欲しいと思っています。
PROがEVOと同じ点はキャッシュサイズが1GBであることと、ランダムライト性能が36万回だということです。
異なるのは、シーケンシャルリードが3500MB毎秒であり300MB多いこと、シーケンシャルライトが2100MB毎秒であり200MB多いこと、ランダムリードが44万回であり6万回多いことです。総書き込みバイト数は800TBであり、EVOの400TBの2倍です。また保証期間は2年長い5年です。保証期間が到来するか、または総書き込みバイト数が800TBに達したところで保証が終わります。
49位: サムスン PM961 MZVLW1T0HMLH-00000
「960 PRO M.2 MZ-V6P1T0B/IT」のバルク版です。総書き込みバイト数や保証期間などの信頼性を優先したい場合は「960 PRO M.2 MZ-V6P1T0B/IT」のモデルの方がいいです。とりあえず高速に動作すればそれでいいといった用途にはこちらのバルク版の方が安いです。
NVMe規格だからどうしても価格は高くなりますが、このバルク版でも東芝製のPlextorに比べたら高いです。実際のところ、公称数値レベルの速度がでることはほとんどないので、もしサムスンにこだわるならバルク版でも十分だと思います。
50位: サムスン 960 EVO M.2 MZ-V6E1T0B/IT
960 PROと同時に発売された廉価版です。2016年12月発売です。以前発売されたものとして950PROはありましたが950EVOはありませんでした。ということはつまりこの960EVOは今回が初の新シリーズです。
PROと同じくこちらもNVMe規格ですが、保証期間が異なりこれは総書き込みバイト数(TBW)が異なることを意味します。こちらのEVOの方が総書き込みバイト数が少ないのでPROより早く寿命が来ます。
そもそも論ですが、寿命を優先したいならSATA規格をおすすめします。どうしても高速性を優先するとなると潤沢に半導体を使って高価にしてもそこまで寿命を長くできません。MLCかつSATAのものが寿命の長さでは最もは勝っています。
EVOはPROとキャッシュサイズ1GB、ランダムライト性能36万回は全く同じです。
異なる点は、シーケンシャルリードが3200MB毎秒であり300MB少ないこと、シーケンシャルライトが1900MB毎秒であり200MB少ないこと、ランダムリードが38万回毎秒であり6万回少ないことなどです。あとは耐久性の指標である総書き込みバイト数が半分の400TBであること、保証期間が3年だということです。
PlextorのM.2 NVMeとこの960EVOは丁度競合していると言えます。価格の安さを優先するならPlextorでもいいでしょう。
51位: Intel 540s Series SSDSCKKW010X6X1
2016年4月発売のSATA規格のSSDです。低品質メーカーであるSK hynix製のNANDチップを搭載した安物SSDです。これを買うならCrucial製をおすすめします。
512GB, 500GB, 480GB, 525GB
現在では500GB帯は既に割高になっています。容量あたりの価格は1TB,2TB帯の方が安いです。
1位: CFD PG3VNF CSSD-M2B5GPG3VNF
東芝製の96層NANDを用いた「CFD PG3VNF」シリーズの500GB版です。このシリーズにはこれより下の容量は存在しないためこの500GB製品が最も低容量のモデルです。ただし、低容量で絶対価格は安いですが同シリーズの1TBモデルに比べるとかなり割高です。1TBモデルになると総書込みバイト数が1,800TBになり、このSSDの2倍超の耐久性が得られるためできれば同シリーズで1TB以上を選択した方がいいでしょう。
2位: Sandisk エクストリーム プロ SDSSDXPM2-500G-J25
2018年5月発売。総書き込みバイト数(TBW)が300TBの5年保証SSDです。Sandiskとしては珍しくPCI Express接続でありNVMeインターフェース搭載です。このPCIe対応という点がExtreme Proシリーズたらしめている部分です。耐久性重視なら他にもっと優秀なSSDはありますが、TLCかつNVMeかつSandiskブランドの高品質がそこそこの価格で選べるのでいい選択肢です。
3位: Sandisk X400 SD8SN8U-512G-1122
Sandiskのシリーズのうち法人向けであるX400シリーズです。法人向けだけあって5年保障であり耐久性が高くなっています。2016年発売です。
X400シリーズはKabylakeを搭載したマウスコンピュータのSSD搭載モデルで選択できるSSDのうちの一つでもあります(ただしマウスコンピュータの方は2.5インチタイプ)。
信頼性が高いX400シリーズをM.2接続で使えるのはかなりメリットが大きいです。
4位: Plextor M9Pe(G) PX-512M9PeG
2018年3月発売。M8Pe(2016年発売)の後継品です。ヒートシンクが既に接着されているモデルになります。
東芝製BiCS3世代64層3D TLC NAND採用。コントローラはMarvell 88SS1093でDRAMキャッシュバッファ対応。DRAMはNanya製LPDDR3 512MB。総書込みバイト数(TBW)は320TBで保証期間5年。
シーケンシャル・リード速度3,200MB毎秒、シーケンシャル・ライト速度2,000MB毎秒。4KBランダム・リード速度340k IOPS、4KBランダム・ライト速度280k IOPS。
TLCタイプであるため総書き込みバイト数(TBW)は320TBであり決して大きくありません。先行品のM8PeはMLCタイプのため768TBあったのでだいぶTBWが小さくなりました。
5位: Plextor M9PeGN PX-512M9PeGN
2018年3月発売。「M9Pe PX-512M9PeG」のヒートシンク無し版です。性能は同じです。ヒートシンクを別途他メーカーから購入して取りつける場合はこちらのヒートシンク無し版を選びます。
6位: Plextor M8SeGN PX-512M8SeGN
2017年6月発売。「M8Pe PX-512M8PeGN」のTLC版です。M.2接続かつNVMe規格です。TLCだけあって耐久性は「M8Pe PX-512M8PeGN」より劣りますが、価格が安いことと低発熱性が確保されているため基本的には新しいこちらのモデルを選ぶのがおすすめです。
7位: Plextor M8Pe PX-512M8PeGN
2016年8月発売の東芝製MLC NANDかつNVMe規格のSSDです。
PlextorからNVMe対応の高速SSDが一気に発売されましたが、これは放熱フィンがついていないタイプのSSDです。半導体チップ自体は同じなので中身は全く赤い放熱フィンがついているタイプと同じです。冷却具合によって速度が変わったり耐久年数が変わったりと言われていますが、実際何年も使って検証したわけでもなく単なる「発熱が多いと劣化が早そう」という想像の域を出ないものなので、商品としてしっかり出ている以上何の問題もないでしょう。放熱フィン必須の製品から放熱フィンを剥がして使用したらそれは問題ですが、最初からついてないということはついてなくても大丈夫だということです。つまりSSDの見た目としてNANDチップと基盤が見えてしまっててもいいか、しっかり放熱フィンというカバーがあったほうがいいかの違いなので、価格の低い方を選んだり好みなどで選択するといいでしょう。
このSSDのメリットはNVMe規格だけでなく、MLCを採用していることです。2016年からほとんどのSSDがTLC採用になってしまった中で、CFDから2016年4月に東芝製MLCを用いたCSSD-S6T512NHG6Zが発売されていますが、それよりも後にMLC製が発売されたことは大きなメリットです。
MLCだけあって書き込み耐久性の指標である総書き込みバイト数は768TBです。これはサムスン960PRO1TBの総書き込みバイト数である800TBと互角であり、東芝製は公称スペックの数値で鯖を読んだりしないので実際のところはサムスン以上の総書き込みバイト数があるでしょう。
今までM.2接続かつNVMeタイプのSSDといったらサムスンの950 PROシリーズしかなかったですが、ようやくそれ以外の選択肢が誕生しました。こちらの方が安い上に、中身のNANDを作っているのは東芝ですし、それを組み込む外枠を作っているのも日本のPlextorです。ただPlextorの生産拠点は海外のようなので、そこは注意です。中身のNANDチップは四日市工場でしょう。
サムスンの950 PROしか無かった頃は競合相手がいないのですから殿様商売で価格が高止まりしていましたが、ようやく適正水準まで下がってきた感があります。
8位: Plextor M8Pe PX-512M8PeG
2016年8月発売のNVMe規格、M.2接続のSSDです。
「M8Pe PX-512M8PeGN」に放熱カバーがついているタイプです。予算に余裕があるなら、むき出しのM8Pe PX-512M8PeGNよりもこちらの方がいいでしょう。
SSDの本体とも言えるNANDには東芝製のチップが使われています。国内メーカー製でNVMe規格はほとんどないので貴重です。
むき出しではないので、取り付けるときの静電気対策としても有効です。本来の目的は放熱を効率的にしてSSDの読み書き速度を維持するためのものです。放熱の効率性は使用年数にも関わってくると言われていますが、SSDは進歩が著しいため3年ほどで普通はCPUごと買い替えの時期がくると思います。
放熱のためのカバーがついている分だけこちらのほうが高級品なので、見た目重視や発熱というものが気になる方はこちらのほうがいいでしょう。
9位: Western Digital WD Blue SN500 NVMe WDS500G1B0C
2019年3月発売。NVMe(PCIe)接続のSSD。東芝製の64層3D TLC NANDを採用。Micron・Intel連合が2018年に既に64層TLCを搭載したSSDを発売していたことを考えると、Western Digitalのこの64層発売は少し遅めです。2019年には96層のものが出てくるのでそれを待ってから判断してもいいと思います。総書込バイト数(TBW)はかなり小さく300TBしかありません。Cドライブ用のシステムドライブとして使うには少し耐久性に不安があります。
10位: Western Digital WD Black NVMe WDS500G2X0C
2018年5月発売。PCIe接続NVMeインターフェースかつTLCタイプのSSDです。BlueシリーズはSATA接続なのでその点が異なります。TBWは300TBであり500GBのSSDにしてはそこまで多くありません。2016年発売のPlextor M8Pe(MLCタイプ)が768GBのTBWを持っていることからしても、そこまで優秀な耐久性とは言えません。
11位: Western Digital WD Black PCIe WDS512G1X0C
日本では2017年3月に発売されたNVMe規格でM.2接続のPCI Express速度で動作するSSDです。Western Digitalでは色でシリーズ分けしていますが、Blackシリーズは速度性能を重視したものだと言えます。Western Digital製なのでNANDチップは東芝製を採用しています。
ただ総書き込みバイト数があまりにも少ないです。TBWが160TBしかなく、PlextorのM8Peの768TBに比較すると同じ東芝製NANDとはいえあまりにも少なすぎる印象です。
12位: Western Digital WD Blue WDS500G1B0B
2016年10月発売のSATA規格SSDです。東芝/Sandisk製NANDチップを採用しています。なぜ東芝/Sandiskかというと製造工場が四日市工場で同じだからです。Western DigitalはSandiskを傘下に納めましたからこの工場からのチップを使うのは当然とも言えます。
よってNANDの信頼性は十分です。総書き込みバイト数(TBW)は400TBもあります。NVMe規格がよかったらPlextorを選んで、SATAが良かったらこのWDSSDでいいでしょう。また耐久性は高速なNVMeより低速なSATAの方が高いので、耐久性を重視するならわざわざNVMe規格の高価なものを買わなくてもこのSATAで十分です。
13位: Corsair Force Series MP510 CSSD-F480GBMP510
2018年10月発売。東芝製TLCNANDを用いたM.2SSD。NVMeプロトコル対応です。64層の3D TLCであり、TLCのわりに総書込バイト数は大きめになっています。
14位: Corsair Force Series MP500 CSSD-F480GBMP500
2017年4月発売のM.2規格かつPCI Express接続SSDです。MLCであり東芝製NANDなので、PlextorのM8Peシリーズが比較対象だと言えるでしょう。価格は若干こちらの方が高めです。日本国内正規品であり、Amazonでもヨドバシでも売っているくらいしっかり国内展開されている製品です。総書き込みバイト数(TBW)は698TBあるので耐久性は十分です。
15位: CFD CSSD-M2B05GPG2VN
2019年2月発売。東芝製3D TLC NANDを採用した高品質SSD。TLCであってもSLCバッファというアルゴリズムをコントローラに採用しているため、空き容量が大きいうちはSLCとして書込みされます。それによって総書込バイト数(TBW)800TBを確保しています。同じ東芝NANDを採用していたPlextor M8Peの512GB品(MLC)で768TBのTBWだったので、TLCにもかかわらずそれを上回る耐久性になっています。
16位: GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 500GB(GP-ASM2NE6500GTTD)
2019年7月発売。東芝製BiCS4世代96層 3D TLC NAND(512Gbit)採用。コントローラはPhison製PS5016-E16を採用し外部DRAMキャッシュバッファ対応。DRAMはDDR4 512MB。
総書込みバイト数(TBW)は850TB。シーケンシャル・リード速度5,000MB毎秒、シーケンシャル・ライト速度2,500MB毎秒。4KBランダム・リード速度400kIOPS、4KBランダム・ライト速度550kIOPS。
17位: ADATA XPG SX9000 ASX9000NP-512GM-C
2017年9月発売。M.2規格PCIe接続(NVMe)、MLCタイプのSSDです。東芝製NANDを採用しています。「XPG SX8000 ASX8000NPC-512GM-C」はMicron製でしたがこちらは東芝製です。総書き込みバイト数(TBW)は500TBであり、Plextor M8Peの768TBよりも少ないですが十分な耐久性です。
18位: Phison PHM2-512GB (M.2 512GB)
M.2接続かつNVMe規格という高速SSDです。NANDは東芝製を使っており中身はいいですが、コントローラーと筐体(回路基板とケース)は台湾のPhison製です。
19位: 磁気研究所 PHM2-512GB (M.2 512GB)
日本国内企業の磁気研究所が販売しているSSDですが、製造はおそらく中国メーカーのPhisonです。NANDチップ自体は東芝製を採用しています。このSSDシリーズのわかりにくいところは、MLCのものとpSLCを採用したもの2パターンがあることです。しかもこの違いは品番で区分けされていません。もちろんpSLCの方が耐久性が高いわけですが、価格は高くなると思われます。MLCであっても総書き込みバイト数はMLCで1,396TB、pSLCで8,378TBもあるようですが、本当にここまで耐久性があるのかという疑念を持たざるを得ません。なぜなら東芝製MLC NANDを採用している他の多くの製品はそこまで大きいTBWがないからです。しかもTBWというのはSSD容量に比例して大きくなるものですが、120GBから960GBの製品まで一律で1,396TBものTBWがあるかというとかなり疑問です。
20位: Intel SSD 660p SSDPEKNW512G8XT
2018年9月発売。1セルに4bitつめこむQLCタイプのSSDです。NVMe対応なSSDの中では割安になっています。「760p SSDPEKKW512G8XT」はTLCですがそれの廉価版になります。
21位: Intel SSD 760p SSDPEKKW512G8XT
2018年1月発売。非常に期待していたSSDでしたが、非常に残念な結果だというのが正直なところです。このSSDの売りは消費電力が以前より半分になった点ですが、ノートパソコンに入れるような用途で、放熱が難しくバッテリー依存が強い用途ならメリットだと言えますがデスクトップPCではあまり優位性はありません。
TLCだから仕方ないとも言えますが、TBW(総書き込みバイト数)がたったの288TBしかありません。同じく512GBのM.2規格PCIe接続(NVMe)のSSDであるPlextorのM8Peは768TBWもあります。
22位: Intel 600p Series SSDPEKKW512G7X1
2016年9月発売のNVMe規格SSDです。Intelのデータセンター用SSDのような高級モデルではありません。かといってSK hynix製NANDを採用しているような廉価モデルでもありません。
Plextorから出ている東芝製NANDを採用したNVMeSSDよりも安めです。予算がきつかったらこのIntel製でもいいと思います。NVMe規格の中ではかなり安い部類のSSDです。
Intelでは750シリーズがNVMe対応でしたが、この600pシリーズはもっと廉価版です。MLCではなく、この600pはTLCですし、NANDチップメーカーもおそらく日本以外のアジア国で廉価生産しているものです。Intelらしい高級路線のSSDではありません。
競合製品としてはPlextorから同じくM.2かつNVMeのものがでていますがPlextorの方が高いです。Plextorは国内生産の東芝製NANDチップを採用していることがわかっているのでその分高いです。価格の安さを優先しつつNVMeタイプのSSDを手に入れたいのなら、サムスンやPlextorよりも圧倒的にIntelが安いです。価格優先ならIntel一択でしょう。
23位: Crucial MX500 CT500MX500SSD4/JP
2018年4月発売。SATA接続M.2規格のSSDです。海外では2018年2月に発売されていましたが国内正規品の発売は4月下旬~5月1日にずれ込みました。TLCタイプだけあって総書き込みバイト数(TBW)が180TBしかありません。3年程度で交換したほうがいいSSDです。意外と500GBはアプリケーションインストールだけでもすぐ一杯になるので、2018年では1TB帯がバイト単価が最も安くなっているので1TBがおすすめです。
24位: Crucial MX300 CT525MX300SSD4
2016年9月発売のSATA接続M.2規格SSDです。米国Micron社製のNANDを採用しているので品質は確かです。ただし、製造は中国であり”Product of China”と書かれたシールがSSD本体に貼ってあります。2.5インチのMX300シリーズと中身は同じです。
25位: Crucial MX300 CT525MX300SSD4/JP
「MX300 CT525MX300SSD4」と中身は同じです。違いは発売日がこちらは2017年4月ということくらいです。価格を比較して安い方を選べばOKです。
26位: ADATA XPG SX6000 Pro ASX6000PNP-512GT-C
2018年10月発売。Micron製TLC NANDを採用したNVMeプロトコル対応のSSDです。「XPG SX6000 ASX6000NP-512GT-C」と同じ3D NANDですがこちらは第2世代3D NANDであり層数が64に増加しています。層数が増えると総書込バイト数が増えて耐久性があがるためこちらのほうがおすすめです。
27位: ADATA XPG SX6000 ASX6000NP-512GT-C
2017年11月発売。PCIe接続NVMeインターフェースの製品にしては安いですがMicron製NANDを採用しています。
28位: ADATA XPG SX8000 ASX8000NPC-512GM-C
2017年4月発売のSSDです。「XPG SX8000 ASX8000NP-512GM-C」のヒートシンク付き版であり、Miron製NANDなどの構成は同じです。
29位: ADATA XPG SX8000 ASX8000NP-512GM-C
2016年12月発売のM.2接続NVMe規格の高速SSDです。Micron製の3D MLC NANDを採用しているためそこそこ高級です。
Micron本家のCrucialでさえ、NVMe規格の高速SSDをあまりみかけませんから、CrucialのNANDチップかつNVMeがよかったらADATAがベストだと言えます。
競合製品としてはサムスンの960 EVOや960PRO、Intel 600s、PlextorのM8Peがあります。
速度優先ならサムスン、価格安さならIntel、国内製NANDにこだわるならPlextor、米国製NANDにこだわるならADATAのXPG SX8000シリーズといったところでしょう。ならこのSSDは手頃な価格かつ、国産までいかないまでも台湾製で妥協するといったときに選択肢に入るものかもしれません。
コントローラメーカもNANDメーカもIntel 600pシリーズと同じですが、このADATA XPGシリーズはMLCタイプのNANDであり、Intel 600pはTLCタイプである部分において異なります。高品質を優先するならこちらで、TLCでもよかったらIntel 600pがおすすめです。
30位: ADATA Ultimate SU800 M.2 2280 ASU800NS38-512GT-C
2016年11月発売のSSDです。SATA規格かつM.2接続のものです。TLCタイプなので「XPG SX8000 ASX8000NP-512GM-C」のMLCタイプよりは耐久性で劣ります。ただ、NANDチップは米国Micron社製なので、TLCのSSDの中では高品質な部類に入ります。
31位: ADATA ASP900NS38-512GM-C
MLC NANDを用いたSATA規格のSSDです。2013年発売なので技術的な進歩が速いSSDとしては不安なところと、さらにMicron製NANDを用いているか不明なので、もう少し新しいSSDを選んだほうがいいでしょう。
32位: Kingston SSDNow M.2 SATA G2 Drive SM2280S3G2/480G
33位: Transcend TS512GMTS830S
2019年発売。「TS512GMTE110S」のSATA接続版です。Micron製の3DTLC NANDを採用している点は同じです。
34位: Transcend TS512GMTE110S
2018年発売。Intel-Micron製のTLC NANDを採用したNVMeインターフェース対応のSSD。NVMeインターフェース採用にしては手頃な価格です。
35位: Transcend TS512GMTS800
2014年6月発売のSSDです。SandiskのExtremeProと同じく2014年発売なのでMLC採用になっています。M.2接続ですがNVMe規格ではなくSATA規格です。
このSSDはMicron製NANDチップを用いているので品質は高い方です。しかもMLCなので、手頃な価格で手に入るのなら十分に良い選択肢になります。