以前PCを新調する際にベアボーンも選択肢に入れていましたが、ベアボーンだとファンやヒートシンクが小さく静音化の達成が難しかったり割高になってしまうことからデスクトップPCを自作しました。
次のPCもデスクトップPCを組む予定ですが、2016年以来ベアボーンのサーベイを時々していたので今回まとめてみました。
ベアボーンは基本的に新しいCPUがリリースされてから発売までに半年~1年かかります。すぐに新しいCPUを試したい場合にベアボーンは不向きですが、PCをとにかく小型化したい場合は自作PCよりメリットがあります。
自作PCの場合は標準化された規格サイズの一般的なパーツを使うことになりますが、ベアボーンの場合はマザーボードから電源からケースまで標準規格外も含めた特殊サイズのものを一体的に設計(大域最適)して採用しているため大幅にケースが小さくなります。自作だとたとえ超小型Mini ITXケースを使ってもベアボーンの小ささには敵いません。
性能を重視するならShuttle製やASRock製のようにデスクトップ向けCore-Sソケットに対応したベアボーンがいいでしょう。ノートパソコンで使われる低消費電力のCore-UプロセッサでもいいならIntelやZOTACのベアボーンでもいいと思います。
- Intel Core 第9世代Coffee Lake Refreshプロセッサ対応
- Intel Core 第8世代Coffee Lake(Kaby Lake Refresh)プロセッサ対応
- AMD Ryzen 第2世代Zen+プロセッサ対応(SocketAM4)
- Intel Core 第7世代Kaby Lakeプロセッサ対応
- AMD Ryzen 第1世代Zenプロセッサ対応
- Intel Core 第6世代Skylakeプロセッサ対応
- Intel Core 第5世代Broadwellプロセッサ対応
- Intel Atom 第6世代Goldmont Plusアーキテクチャ採用 Pentium, Celeronプロセッサ搭載
- Intel Atom 第5世代Goldmontアーキテクチャ採用 Pentium, Celeronプロセッサ搭載
- Intel Atom 第4世代Airmontアーキテクチャ採用 Pentium, Celeronプロセッサ搭載
- Intel Atom 第3世代Silvermontアーキテクチャ採用 Pentium, Celeronプロセッサ搭載
Intel Core 第9世代Coffee Lake Refreshプロセッサ対応
第9世代Intel Core i9,i7,i5,i3デスクトップ向けCPU(LGA1151)を搭載可能なタイプ
・Shuttle SH370R8
2019年5月発売。Shuttle製ベアボーンのフラッグシップモデルです。Core i9 9900K対応が公式で謳われています。当然ながら9900K等のCPUは付属しないので各自別途購入です。
このSH370は80PLUS認証Silver取得の500W電源を搭載しています。下記の「SH310」の欠点は電源容量が300Wしかないことでした。この部分を克服しているだけでもこのSH370R8は大きくメリットがあります。
搭載できるGPUの全長は280mmまで。厚さは2スロット占有の40mmまで。PCIe補助電源は8ピン×1、6ピン×1です。つまり2スロット占有のNVIDIA GeForce RTX2080無印くらいまでなら搭載できます。
そしてSH310には無かったATZ12V8ピンのCPU補助電源コネクタが存在します。
このベアボーンに限らずShuttle製ベアボーンの要改善点は、3.5インチベイを削ってATXやSFX等の汎用規格の電源を搭載可能にすることです。もはや3.5インチHDDは必要とされていません。2.5インチSSDで8TBや16TBのものが登場しているからです。
5インチドライブベイを削ったのは良い判断ですが、その5インチベイを削った替わりに搭載したのが3.5インチドライブベイというのが甘いです。その部分をATXorSFX電源ユニット搭載スペースにすればこのベアボーンはさらに良いものになっていました。Shuttle製のベアボーンはヒートパイプでCPUの熱を背面まで持っていってケースファンとCPUクーラーファンを兼務させるという優位性があります。これはマザーボードとPCケースを一体的に設計できるベアボーンならではの優位性です。その優位性があるからこそCPUソケット上方のクリアランスが大きく確保できているわけで、このスペースの活用の仕方でベアボーンの優劣が出てきます。残念ながらいまのShuttle製ベアボーンではこのせっかくのCPUソケット上方のスペースを有効活用できていません。今後この独自サイズ電源をどうしていくかがShuttle製ベアボーンの評価を決定づけます。
・Shuttle SH310R4 V2
2019年3月発売。このベアボーンの最大のメリットはデスクトップ向けのCore-Sプロセッサ(Socket1151)を使えることです。Core i9 9900Kも対応していると公式発表されています。
デメリットはこのベアボーンは特殊サイズのマザーボードであるため、マザーボードが故障しても代替品は無きに等しくケースも電源も同時に丸ごと使えなくなってしまうことです。
PCI Express×16スロットに挿すことができる拡張ボード(例:グラボ)は最大全長273mmで厚みは38mmまで。2スロットフルだと40mmあるので、挿せるグラボは2スロットに余裕で収まりかつ268mm(10.5インチ)のものに限定されます。
あと電源も問題があり、300WのBronze認証電源のため電力容量が小さく外形が特殊サイズの電源であるため故障した場合には替わりの電源はありません。
この300W電源には20+4ピンのATX12V電源しかなく8ピンのCPU補助電源が存在しないため、電力供給上の制約からTDP95W運用が上限となります。
また電源から出ているPCIe補助電源コネクタは6ピン×1のみであるため、GeForce RTX2060どころかGTX1660Ti(8ピン×1)すら難しく、GTX1660無印が関の山です(玄人志向の1660には6ピンのものがある)。
CPUで消費電力95W、GPUで消費電力150Wなので、ストレージにHDDを採用するだけの余剰電力はありません。消費電力を抑えるためにSSDは必須です。
メモリスロットは2つで最大32GBまで。
チップセットがH310であることと、電力容量が300Wしかないのは微妙なので、Z390かつ電力容量500W以上のベアボーンを選択することをおすすめします。
・Shuttle DH310V2
第9世代と第8世代Intel Coreデスクトップ向けプロセッサ(Socket1151)に対応したベアボーンです。このベアボーンは電源がAC90Wアダプタであることが特徴です。ACアダプタとして電源をPCケース外部に出したことでPCケース本体は非常に小型になっています。そのかわりACアダプタの電源容量が90Wしかないため、CPUはTDP65Wまでのものしか対応しません。そのためTDP95WのCore i9は搭載できません。しかしTDP65WのCore i9は搭載できます。Shuttleの公式サイトには「Core i3/i5/i7対応」と書いてありCore i9の記載がありませんが、それはこのベアボーンが発売された頃はまだTDP65WのCore i9が未発表だったからです。
第9世代Intel CoreプロセッサでTDP65Wの製品だと、Core i9 9900, i7 9700, i5 9600, i5 9500, i5 9400, i3 9320, i3 9300, i3 9100が存在します。
一方でたとえTDP65W品でもCore i7 9700F, i5 9500F, i5 9400F, i3 9100Fといった、Intel UHD Graphics(内蔵グラフィクス、オンボードグラフィックス)が無効化された末尾”F”のCPUは搭載できません。このベアボーンはグラフィックボードを搭載できないため、CPUチップ上に搭載された内蔵グラフィクスでディスプレイを映すしか手段がないからです。
またTDP65Wに拘らず、TDP35Wのさらに低消費電力なCPUも利用可能です。第9世代だとCore i9 9900T, i7 9700T, i5 9600T, i5 9500T, i5 9400T, i3 9300T, i3 9100Tが選択肢になります。
このベアボーンではCPUクーラーが特殊サイズでありこのベアボーンでしか使えない特化型CPUクーラーです。ファンは6cmファン×2のトップフロー型なので冷却能力は高くありません。そのため静音性を重視するならTDP35WのCPUがおすすめです。
ストレージは2.5インチ7mm厚が1台、M.2サイズ規格のType 2280 SSDが1台搭載可能です。
本来ならM.2 SSDをおすすめしたいところですが、このベアボーンでは排気ファンがないため熱がこもりやすくM.2 SSDの冷却能力は不十分です。そのため2.5インチサイズのSSDをおすすめします。
ディスプレイ出力端子は少し残念で、Displayport×1、HDMI×1です。HDMIは2.0a規格なので4K@60fps出力可能です。Displayportも当然4K@60fps出力できます。しかしIntel Coreの内蔵グラフィックスは同時3画面出力できるにもかかわらず、このベアボーンのマザーボード上の制約で同時2画面のデュアルディスプレイまでとなってしまっています。
他にはUSB出力端子の数は多いのですが、USB 3.1 Gen2通信規格に対応したUSBポートは0個です。USB 3.1 Gen1とUSB 2.0のポートしか搭載していません。総合するとあまり積極的におすすめできるベアボーンではありません。
Intel Core 第8世代Coffee Lake(Kaby Lake Refresh)プロセッサ対応
2017年11月にリリースされたIntel第8世代プロセッサに対応したベアボーン。
1位 第8世代Intel Core i7,i5,i3デスクトップ向けCPU(LGA1151)を搭載可能なタイプ
・Shuttle DH370
2019年2月発売。H370チップセットを搭載したベアボーンです。第9世代Intel Coreは搭載できないので注意。第8世代までです。
このベアボーンは拡張ボードを搭載できません。たとえロープロファイルでも搭載できないようになっています。つまり内蔵グラフィクス(iGPU)であるIntel UHD Graphicsを使用することが条件になっています。そのためiGPU用のグラフィック出力端子は充実しています。Displayport×2とHDMI×1が搭載されているので、デジタル出力端子だけで3画面かつ4K@60fps表示が可能です。他のベアボーンでは3端子のうち1つがDVI-D(一応デジタル出力)になっていたり、ひどい場合はアナログD-Subになっていたりするのですが、このベアボーンではHDMI,Displayportデジタル出力のみでトリプルディスプレイ可能です。
非常に薄型のケースであるためベアボーン付属の専用のCPUクーラーを使います。TDPは65Wまでなので、Core i7 8700KやCore i5 8600Kは使えません。Core i7 8700やCore i5 8600までの対応です。
無線LANは標準搭載されていないので、もし必要ならShuttle製の別売り品でWiFi+Bluetooth用オプション品があるのでそれを別途購入します。
2.5インチスロットが1つ用意されていますが、M.2 2280スロットが1つあるのでそちらにM.2規格SSDを挿すのがおすすめです。
また電源はACアダプタで90Wです。
・Shuttle SH370R6
2018年9月発売。このベアボーンの一番のデメリットは電源容量の少なさです。300Wしかありません。しかも電源ユニットはATXやSFXといった標準化されている規格ではなく特殊サイズのためより大容量の電源に換装できません。結果CPU補助電源はなくATX24ピンのみです。よってTDP95W分の電力供給しかできないためCPUのターボブーストは事実上効きません。
またグラフィックボード用の補助電源も6ピン×1のみです。これはGeForce GTX1660無印に唯一6ピン×1のグラボがあるくらいで(他のGTX1660無印は全て8ピン×1)、もしくはTuring世代ではなくPascal世代のGTX1060を使うことになります。Z370やZ390チップセットを搭載したベアボーンが出るまで待つことをおすすめします。
・Shuttle DH310
・ASRock DeskMini 310/B/BB/JP
Mini STXフォームファクタのマザーボードを搭載することによりケース外形でも15.5cm×15.5cm×8cmの小型を実現したベアボーンです。Mini ITXフォームファクタはマザーボードのサイズだけでも17cm×17cmであることから、このDeskMiniのケースサイズの小ささがわかります。
残念な点はCPU対応TDPが65Wまでだということです。搭載できるのは第9世代だとCore i5 9400F、第8世代だとCore i7 8700やCore i5 8600、Core i5 8400、Core i3 8300、Core i3 8100です。
搭載できないものは第9世代だとCore i9 9900K,Core i9 9900KF, Core i7 9700K,Core i7 9700KF, Core i5 9600K、第8世代だとCore i7 8700K,Core i5 8600K, Core i3 8350KといったTDP95W級プロセッサです。
このベアボーンの付属クーラーはしょぼいので、NoctuaのNH-L9iに換装することをおすすめします。NH-L9iはファンを含めた全高が37mmと低いにもかかわらず、Core i7 7700Kを冷却する性能を持っているので、Core i7 8700程度の冷却なら余裕です。
また電源がACアダプタであるところも24時間PC電源をつけっぱなしにする用途には向いていません。Shuttle社のベアボーンはPC内部に変圧回路を搭載しているタイプであるため、電源周りに関してはShuttle社ベアボーンのほうが信頼性が高いです。
ディスプレイ出力については、このベアボーンには拡張グラボを挿すことができません。DeskMiniでは小型化を優先したためです。そのかわりIntel Coreのチップ上に搭載されている内臓グラフィクス(iGPU)を使用することになります。Intel UHD Graphics 630です。ゲームをやるとなると非力ですが、ウェブブラウジング、Youtube・Twtich再生、Word・Excel編集といった用途なら内臓グラフィクスで十分です。このDeskMiniベアボーンの問題はデュアルディスプレイ表示しかできないことです。Intel Coreプロセッサ自体は3画面のトリプルディスプレイに対応していますが、このマザーボードは2画面までしか対応していません。ディスプレイ出力端子はDisplayport,HDMI,D-Subと3つ搭載していますが、このうち2つまでしか同時に使用できません。
ACアダプタでOK(常時稼働させず使い終わったらPC電源を切る使い方)、高クロック非対応のプロセッサでOK、ゲームをやらずデュアルディスプレイで事務作業ができれば十分、といったニーズならこのベアボーンは最適です。
2位 Intel Core i7 8809G
・Intel BOXNUC8I7HVK
2018年発売。このベアボーンに搭載されているCPUは特殊です。CPU基盤上にIntel製の汎用コア(Intel Core i7)チップと、AMD製Radeon RX Vega M GL Graphicsの合計2つのチップを搭載したものです。
わざわざなぜチップを分けるかと言えばメーカーが別々というのもありますが、汎用コアとGPUの間の帯域幅は同一ダイにするほどでもないので、歩留まりを良くするために2つにチップを分けるほうが合理的だからです。
CPU基板上は一体化しているように見えてもチップ自体は別々であるためこれはDiscrete GPUに分類されます。同じダイ上にIntel HD Graphicsが載っているIntegrated GPUとは異なります。
またこのようにCPU基板上にGPUチップを載せるメリットは他にもあります。PCI Express接続をする一般的なDiscrete GPUとは違って、汎用コアチップとGPUチップが物理的に近距離にあるためレイテンシが少ないこと、PCIeよりも帯域幅を大きく確保できるというメリットがあります。冷却面で言えば、PCIe HHHLにグラボを挿すタイプだとCPUクーラーとグラボ用のクーラー2つ用意する必要がありますが、CPU基板上にGPUチップを載せてしまえばクーラーも1つで済みます。これも省スペース化が重要なベアボーンにおいては親和性が高いです。
TDPが100Wもありますが、この発熱量のうちほとんどがGPUチップRadeon Vegaから発生しているものです。Intel Core(汎用コア)自体は35W~45W程度でしょう。
下記モデル「NUC8i7HNK」との違いは、本機種「NUC8i7HVK」はオーバークロック可能なアンロックモデルです。
CPUの動作周波数は3.1GHz~4.2GHzであり、最大周波数が下記モデルより0.1GHz高くなっているだけですが、GPUでは大きな差があります。本機種「NUC8i7HVK」ではグラフィックチップの動作周波数が1,063MHz~1,190MHzであり下記モデルより遥かに高い周波数になっています。当然このRadeon VegaはIntel UHD Graphicsより高性能です。同時画面出力が6画面もできてしまいます。
ACアダプタは230Wもあり大容量です。デスクトップ向けCPUを積んだファンレスPCのACアダプタ電源でもここまで大容量なものはなかなか使いません。
注意点として、このベアボーンに搭載されているCPUはあくまでもモバイルノートパソコン向けであってデスクトップ向けのCore-Sプロセッサがベースになっているものではありません。そのため汎用コアの性能を重視したい場合は1151ソケットを搭載しているShuttleやASRockのベアボーンを使ったほうが高性能になります。ただしグラフィックについてはデスクトップ向けCPUに内蔵されているIntegrated GPU(Intel UHD Graphics)よりも、このNUC8i7のRadeon Vegaのほうが強力なのでグラフィック性能にこだわるならこのNUC8i7がおすすめです。
3位 Intel Core i7 8705G
・Intel BOXNUC8I7HNK
上記モデルと対をなすモデルで、こちらの「NUC8i7HNK」はオーバークロックしていないベーシックモデルです。CPUのTDPは65Wであり、上記モデル「NUC8i7HVK」のTDP100Wに比べたらだいぶ低発熱になっています。ただしACアダプタの容量は230Wであり共通です。
TDP65Wに抑えることができている最大の要因はAMD Radeon Vegaチップの動作周波数の低さです。こちらのモデルは931MHz~1,011MHzに動作周波数を抑えています。そのためグラフィック性能は上記モデルと比べてだいぶ落ちることになります。
一方で汎用コア(Intel Coreチップ)については上記モデルと大差ありません。動作周波数は3.1GHz~4.1GHzであり最大周波数が0.1GHz低いだけです。4コア8スレッドである点も同じですし、キャッシュサイズ8MBも同じです。そのためこのTDPの違いは汎用コアの性能からくるものではなくGPUコアの性能の違いから来るものです。ゲームをやるなどグラフィック性能が必要なら上記モデルを選択して、汎用コアを使う用途(コプロセッサをあまり使わない用途)ならこちらのモデルでもいいでしょう。「大は小を兼ねる」ことを考慮するなら上記モデルのほうがおすすめです。
4位 Intel Core i7 8650U
4コア8スレッド。動作周波数1.9GHz~4.2GHz。TDP15W。キャッシュ8MB
・Intel BLKNUC7I7DNHE
2018年5月発売。このモデルはトリプルディスプレイにできません。HDMI端子×2でデュアルディスプレイまでです。Displayportを採用しているベアボーンの中には端子が2つしかなくてもデイジーチェーンで3画面にできるものがありますが、このベアボーンは2画面までです。ストレージは2.5インチドライブ+M.2規格NVMeインターフェース(PCIe 3.0×4レーン)を同時に搭載可能です。Wifi+Bluetoothのモジュールも内蔵されています(M.2 2230)。メモリはDDR4-2400×2枚で合計32GBまでです。
・Intel BLKNUC7I7DNKE
2018年5月発売。上記モデル「NUC7I7DNHE」から2.5インチドライブのスペースを削減したもの。3画面に対応していない点など他のスペックは同じです。
5位 Intel Core i7 8559U
・Intel BOXNUC8I7BEH
6位 Intel Core i5 8259U
・Intel BOXNUC8I5BEH
・Intel BOXNUC8I5BEK
7位 Intel Core i3 8109U
・Intel BOXNUC8I3BEH
・Intel BOXNUC8I3BEK
AMD Ryzen 第2世代Zen+プロセッサ対応(SocketAM4)
Intelプロセッサの場合はノートパソコン向けのIntel Core-Uプロセッサを搭載したベアボーンが多いのですが、AMDの場合はノートパソコン向けRyzenがほぼ全く採用されていないということもあり、ベアボーンにおいてもノートパソコン向けAMD Ryzenが使われているものはありません。ベアボーンでRyzenを使う場合は必然的にデスクトップ向けのRyzenを搭載できるSocketAM4対応のベアボーンになります。
・ASRock DeskMini A300/B/BB/BOX/JP
2019年2月発売。予算がなく安いPCを求めてるユーザに大人気のベアボーンキットです。グラボを搭載できないためiGPU(内蔵グラフィクス)を搭載したCPUを使わなければなりません。
そのためRyzen 7, 5, 3といった内蔵グラフィクス非搭載のRyzenはこのベアボーンでは使えません。Ryzen 5 2400G,Ryzen 3 2200Gといった内蔵グラフィクスを搭載したRyzenのみこのベアボーンに搭載できます。
よって必然的にこのベアボーンに搭載できるのは最大4コアのCPUまでです。理由はRyzen GではAMDの技術力が低すぎるために汎用コアを8コアから4コアまで削らないと内蔵グラフィクスを追加できなかったからです。一方でIntel Coreは8コア確保しつつ内蔵グラフィクスも搭載しています。ここにAMDとIntelの技術力の差が現れています。
4コアまでしかないRyzen Gの低スペックでOKならこのベアボーンはおすすめです。ベアボーンのクーラー高クリアランスが非常に低いため、Noctua NH-L9aが最大限のCPUクーラーとなってしまいます。
Intel Core 第7世代Kaby Lakeプロセッサ対応
1位 第7世代Intel Core i7,i5,i3デスクトップ向けCPU(LGA1151)を搭載可能なタイプ
・Shuttle SZ270R8
2018年1月発売。2018年発売で第7世代というのは遅い気もしますが、ベアボーン発売はCPUリリースから半年から1年かかるので仕方ないと言えます。
このベアボーンはデスクトップ用CPU Core-Sを搭載できる点が特徴です。大半のベアボーンはノートパソコンで採用されるCore-Uシリーズであり低スペックです。ですがこのShuttle製ベアボーンはデスクトップ用Core-SシリーズのCPUを載せられるため、第7世代のCore i7 7700KやCore i5 7600Kなども搭載可能です。当然CPUは別売りです。
チップセットはH270であるため第6世代Skylakeプロセッサも搭載可能です。しかし第8世代プロセッサは搭載できません。
奥行き28cmまでのグラフィックボードを搭載することもできます。PCI Express×16で2スロット分も可能です。
このベアボーンに搭載されているマザーボードは特殊サイズです。Mini ITXより若干大きくMicro ATXより小さいです。Mini ITXよりも奥行を長くして、メモリスロットを4つも設けている点が特徴です。その分だけM.2スロットも1つ増やして、M.2スロットが2つマザーボード表面にあります。
M.2スロットも2つ搭載しており、両方共2280サイズも可能です。SATA、PCIe(NVMe)どちらの接続規格もOKです。私としてはHDDを搭載せずにM.2SSDだけを搭載すれば十分だと思っています。SSDなら×4レーンなので、NVMe M.2SSDを2台搭載しても8レーン消費です。グラボで×16を消費しても合計24レーンなのでZ270チップセットの範囲内に収まります。
電源は80PLUS Silver認証取得です。500Wなので十分すぎます。TDP250Wのグラフィックボード+TDP91WのCore i7 7700KやCore i5 7600Kを搭載して、3.5インチベイに4つHDDを搭載しても余裕です。
ディスプレイ出力も優秀です。Displayportが2つもあり、HDMIが1つです。この3つでトリプルディスプレイ可能で、しかも4K解像度で60fpsも可能です。
しかしATXやSFXなどの標準化された一般規格ではないので、他の電源に交換は困難です。壊れたらベアボーンごと買い換えることになるでしょう。
またCPUクーラーは特殊です。付属のヒートパイプでCPUの熱をケースまで運んでケース自体をヒートシンクのようにして熱を放出するタイプです。CPUからヒートパイプで持ってきた熱を拡散させるためにケースファンが付いておりこれがCPUファンを兼ねています。このファンの直径が8cmで決して静音とは言えません。
さらにこのPCの電源は非常に小さいファンが付いておりこれがノイズの元になっています。この2つの直径が小さいファンの存在がデメリットです。
またこのベアボーンで残念な点は、DAN CASE A4-SFX v2よりも大型であるということです。Dan Caseは112mm×200mm×317mmであり、このベアボーンの216x198x349mmよりも一回り小型です。それでもDan CaseはSFX電源を搭載でき、奥行295mmまでのグラボを搭載できたりとキャパシティが大きいです。
Dan Caseを使ったPCがこのベアボーンより劣っている点は、Mini ITXマザーボードをDan Caseでは使うことになるためメモリが2枚しか挿せない点です。それ以外の項目では、Dan Caseを購入して自作した方がスペック的には上になると思いますが、Dan Caseは3万円以上するのでコストはこのベアボーンの方が安上がりでしょう。
・Shuttle SZ270R9
2018年12月発売。上記モデルの”SZ270R8”と殆どの部分で同じですが、こちらは装飾のためのLEDとターボスイッチを搭載しています。LEDは見かけ上のものなので性能には関係ありません。またターボスイッチについては押すと自動的にオーバークロック設定をしてくれます。オーバークロックのオンオフを手軽にやるためのスイッチなので、オーバークロックする予定がないのなら上記モデルの”SZ270R8”の方がいいでしょう。このLEDとオーバークロックスイッチという2点以外については全て”SZ270R8”と同じです。
・Shuttle XH270
2017年12月発売。H270チップセット
・ASRock DeskMini 110/B/BB
2016年8月発売。この機種はちょっと注意が必要です。ディスプレイ出力端子がDisplayport、HDMI、D-Subの合計3つ搭載されていますが、同時出力可能なのは2画面までです。つまりデュアルディスプレイが限界で、トリプルディスプレイにできません。たとえ3画面出力に対応しているIntel Coreプロセッサを使っていても、マザーボード側が3画面表示に対応していないのでトリプルディスプレイにはできません。ディスプレイ出力が3端子あることから誤解されやすい点です。誤って「3画面可能」としている情報が散見されるので注意が必要です。
2位 Intel Core i5 7400
・ASUS VivoMini VC66 VC66-BB062M
2017年4月発売。最初からCore i5 7400プロセッサが搭載されているモデルです。メモリやストレージは別途各自購入する必要があります。1151ソケットのマザーボードなので中をこじ開ければCPUを交換できます。しかし既に搭載されているCPUを交換するくらいなら最初から何もCPUが搭載されていないモデルを買うのが賢明です。自分で交換すると保証対象外にもなります。メモリは最大で32GBです。2.5インチドライブベイが1つと、M.2規格2280サイズのスロットも1つ搭載されています。
3位 Intel Core i7 7567U
・Intel NUC7i7BNH
M.2 SSD1枚搭載可能なNUC。SSDは付属していません。M.2SSDはPCIe接続でもSATA接続でも可能です。それとは別に2.5インチスロットがあるのでSATA2.5インチSSDを搭載できます。つまり最大でSSD2台搭載可能です。メモリは1モジュール16GBを2枚搭載すれば32GBにもできます。でも8GB×2枚の16GBで十分です。
またHDMIとUSB Type C端子しかないため、普通につなぐと最大2画面のデュアルディスプレイしかできません。しかしディスプレイがディジーチェーン(数珠つなぎ)接続に対応しているものなら、USB Type Cを数珠つなぎにして2画面+HDMI1画面でトリプルディスプレイにできます。ディスプレイがDisplayportでのディジーチェーンに対応しているものなら、USB Type CをDisplayportに変換コネクタで変換したのちに液晶ディスプレイと液晶ディスプレイをDisplayportディジーチェーン接続することになります。
最初から3つ分のディスプレイ出力端子を用意していないのは残念なところです。
2018年発売のNUC8i7では本体に6つもディスプレイ出力があるのでそちらを買えば簡単にトリプルディスプレイにできます。
・Intel NUC7i7BNHX1
上記モデルNUC7i7BNHのM.2スロットにIntel Optane Memory(16GB)を付属させたモデルです。2.5インチスロットにHDDを搭載することを想定しています。私としてはOptaneMemoryは不要だと思ってるので上記NUC7i7BNHのほうが安くておすすめです。
4位 Intel Core i5 7300HQ
・ZOTAC ZBOX-EK51070-J
2017年12月発売。最大32GB DDR4メモリ。GeForce GTX 1070
・ZOTAC ZBOX-EK51070-P-J
2017年12月発売。上記モデルに8GBメモリ、M.2 SSD128GB、2.5インチHDD1TBが付属。
・ZOTAC ZBOX-EK51060-J
2017年12月発売。最大32GB DDR4メモリ。GeForce GTX 1060
・ZOTAC ZBOX-EK51060-P-J
2017年12月発売。上記モデルと本体スペックは同じですが、メモリ8GBとM.2 SSD128GBと2.5インチHDD1TBを標準搭載しています。
5位 Intel Core i5 7300U
・Intel NUC7i5DNHE(BLKNUC7i5DNH9E)
2017年12月発売。HDMI端子×2。ストレージは2.5インチSSDとM.2規格SSDを同時に搭載可能。このNUCは組み込み向け機能を搭載した特殊なモデルであり、決して高性能なモデルではありません。上記7300HQを搭載した「Baby Canyon」よりも後発の「Dawson Canyon」ではありますがそれは機能が強化されていることを必ずしも意味しません。
・Intel NUC7i5DNKE(BLKNUC7I5DNK9E)
2017年12月発売。上記「7i5DNHE」から2.5インチドライブ搭載のスペースを削って小型にしたバージョン。ストレージはM.2規格のSSDを使うしか選択肢がないようにできています。他のスペックは同様です。HDMI端子×2。USBポート×4。USBポートはフロントパネルに2つ、バックパネルに2つです。このUSBポートは4つともUSB 3.1 Gen1(USB3.0)です。USB 3.1 Gen2(10Gbps)ではないので注意。単なるUSB 3.1 Gen1なのでUSB 3.0そのものです。
6位 Intel Core i5 7260U
・Intel NUC7i5BNK
下記モデルNUC7i5BNHから2.5インチベイを取り払った省スペース版です。こちらの方がケースの高さが短いため、私としてはこのNUC7i5BNKのほうがおすすめです。ストレージはCドライブ用としてM.2 SSD一台を1TB以上にすれば十分ですし、わざわざ2.5インチベイのために筐体が大きくなってしまうのはベアボーンらしさがなくなります。またこのように2.5インチベイが無いバージョンがNUC7i7には用意されていないので、NUC7i5の特権でもあります。
・Intel NUC7i5BNH
Core i5 7260Uを搭載したモデルです。Core i7 7567Uよりも劣っている点はCPUの性能の違いの他にIntegrated GPU(オンボードグラフィクス)がIntel Iris Plus Graphics 640であり、Core i7のIntel Iris Plus Graphics 650よりも性能が低い(FLOPS値が低い)ことです。それ以外は同等です。
このモデルは2.5インチスロットとM.2スロットがあります。ストレージは最大2台です。
・Intel NUC7i5BNHX1
NUC7i5BNHに16GBのIntel Optane Memoryを標準搭載したモデルです。OptaneメモリはHDDを使う時には高い効果を発揮しますが、2.5インチSSDを使うときにはさほどメリットはないのでわざわざ高いこちらのモデルを買う必要はなくOptane Memory無しの通常版で十分です。
7位 Intel Core i3 7100U
・Intel NUC7i3BNK
2017年4月発売。下記モデルNUC7i3BNHから2.5インチベイを取り払い小型化をはかったもの。その分だけ搭載できるストレージ数は下記モデルの2台から、このモデルでは1台に減少しているもののM.2 SSDが1台あれば十分であるためこちらをおすすめします。Intel HD Graphicsの性能や各種コネクタ数などは同じです。
・Intel NUC7i3BNH
2017年4月発売。第7世代プロセッサのIntel NUCとしては最低スペックで最も廉価なタイプ。CPUだけでなくIntegrated GPU(オンボードグラフィクス)もIntel HD Graphics 620であり、Core i5の640やCore i7の650よりも性能が低いです。他の点、例えばディスプレイコネクタの数やM.2スロットの仕様などはCore i7やCore i5のモデルと同じです。
・Intel NUC7i3BNHX1
上記モデル”NUC7i3BNH”にIntel Optane Memory16GBを標準搭載したモデル。
・NUC7i3DNHE (BLKNUC7i3DNH9E)
2017年12月発売。上記モデル「NUC7i3BNH」よりも発売日が遅く開発コード「Dawson Canyon 」に位置づけられるため高性能だと思いがちですが違います。こちらは組み込み向け機能を提供するためのNUCであり決して高性能ではありません。同時接続ディスプレイ数は2枚であり、「NUC7i3BNH」の3枚に劣ります。このNUCは特殊な用途のNUCであるため通常は上記の「NUC7i3BNH」ファミリを選びます。
・ZOTAC ZBOX-CI527NANO-J
2017年12月発売
・ZOTAC ZBOX-CI527NANO-P-J
2017年12月発売。上記モデルと本体は同じですが、こちらはDDR4メモリ4GBとSSD120GBが標準で搭載済みです。外して他のメモリやSSDに交換することもできますが、最初から自分でメモリやSSDを選びたい人は上記モデルの方がいいです。
AMD Ryzen 第1世代Zenプロセッサ対応
AMD Zenアーキテクチャを採用した第1世代Ryzenプロセッサに対応したベアボーン。
AMD Ryzen 5 1400 (Summit Ridge)
・ZOTAC ZBOX MAGNUS ER51070 ZBOX-ER51070-J
2017年10月発売。デスクトップ向けRyzenプロセッサを搭載したハイスペック志向のベアボーンです。デスクトップPCとしてなら別にハイスペックではないですが、ベアボーンのカテゴリからすると十分すぎるほどハイスペックです。
TDP65WのRyzen 5 1400(4コア8スレッド)に加えてTDP150WのGeForceGTX1070を搭載しています。GTX1070搭載というのが際立った特徴で、ZOTAC以外ではなかなかこういった高性能グラボを積んだベアボーンを提供していません。ACアダプタは330Wで特大容量になっています。Intel NUC8i7の230Wよりも大きいです。
グラフィック出力端子はDisplayport×3,HDMI×1,DVI-D×1の5つで、このうち4つを使って最大4画面出力ができます。4画面出力可能というのは1070本来の仕様そのままです。
ただしこのベアボーンは静音どころかかなり五月蝿いものだということは留意しておくべきです。CPUクーラーはシロッコファン方式であり、グラボはファン×1のみな上にヒートシンクが小型なのでファンが高速回転します。
メモリは最大で32GBまでです。ストレージはM.2規格スロットが1つあり、NVMeに対応しています。SATAのM.2 SSDも搭載可能です。2.5インチベイは1つあり、M.2スロットとあわせて合計2台ストレージ搭載可能です。
・ZOTAC ZBOX MAGNUS ER51070 PLUS ZBOX-ER51070-P-J
上記モデル「ZOTAC ZBOX MAGNUS ER51070」に、メモリやストレージを標準装備したモデルです。メモリは8GB、M.2 SSDはSATAの120GB、HDDは2.5インチの1TBであり、どれも相当少ない容量です。とにかく安さを優先してかきあつめたパーツという印象です。そのため本機種「ZOTAC ZBOX MAGNUS ER51070 PLUS」はおすすめしません。上記モデルを買った上で、搭載するメモリとストレージは別途自分で選んで買ったほうがいいです。
・ZOTAC ZBOX MAGNUS ER51060 ZBOX-ER51060-J
2017年10月発売。上記モデル「ZOTAC ZBOX MAGNUS ER51070 ZBOX-ER51070-J」のGeForceGTX1060版です。1060のTDPは120Wであり1070より低発熱&低消費電力になるため、ACアダプタの容量も230Wに変更になっています。それ以外はディスプレイ出力端子、ストレージ接続規格、最大メモリ容量など含めて全て同じです。
・ZOTAC ZBOX MAGNUS ER51060 PLUS ZBOX-ER51060-P-J
上記モデル「ZOTAC ZBOX MAGNUS ER51060 ZBOX-ER51060-J」に8GBメモリ、120GBのSATA M.2 SSD、1TBの2.5インチHDDを標準装備したものです。あとから取り外すこともできますが、わざわざ取り外すくらいなら何も付属していない上記モデルを購入して別途PCパーツを揃えるほうが得です。
Intel Core 第6世代Skylakeプロセッサ対応
1位 Intel Core i7 6770HQ
・Intel NUC6i7KYK
2016年5月16日に米国で発売されたIntel NUCです。日本では少し遅れて2016年7月発売でした。私が2016年4月頃に購入を本格的に検討していたベアボーンです。しかしこのベアボーンのCPUがノートパソコン向けということもあって、どうせなら高性能なデスクトップ向けCPUでPCを組もうということで結局自作しました。
しかし第6世代Skylakeのノートパソコン向けのCPUの中では最も高性能なCPUを搭載しています。ノートパソコン向けCPUでもいいのならこのベアボーンは選択肢になるでしょう。
2016年当時にこのベアボーンの購入を検討するにあたって、米国Amazonのレビューを引用したものを「5月16日発売Intel NUC6i7KYK Skull Canyonの米国での評価 」としてサーベイ結果をまとめていました。
またこれと似たような筐体のベアボーンが2018年春に発売されます。第8世代 Kaby Lake G Intel Coreプロセッサを搭載したNUC8i7HNKです。今買うなら2016年のNUC6i7KYKよりも、2018年発売のNUC8i7HNKのほうがおすすめです。
2位 Intel Core i7 6700HQ
・GIGABYTE GB-BNi7G4-950
2016年発売。GeForce GTX950(モバイル版)を搭載していることが売りのベアボーンです。しかしモバイル版のGTX950なのでデスクトップ版のGTX950と比べたら性能が相当低いので注意。
3位 Intel Core i3 6100U
・Intel NUC6i3SYH
2015年発売。メモリスロットは2つあり最大32GBまで。グラフィックはIntel HD Graphics 520搭載。2.5インチベイ有り。
Intel Core 第5世代Broadwellプロセッサ対応
2014年9月にリリースされたBroadwellアーキテクチャを採用したIntel Coreプロセッサ搭載ベアボーン。
1位 Intel Core i3 5010U
ノートパソコン(モバイル向け)のプロセッサ。
・Intel NUC5i3MYHE
2015年発売。M.2スロットが2つも空いている珍しいベアボーンです。片方は2300であり本来WiFiモジュールを挿す場所です。ここにSSDを挿しても1レーンしかないのでほぼ使い物にならないでしょう。もう一つのM.2スロットは2280ですが、PCIe Gen2接続ではなくSATA接続になってしまうようなのでその点も注意。2.5インチベイも搭載しています。メモリスロットは1つしかなく最大8GBまで。
Intel Atom 第6世代Goldmont Plusアーキテクチャ採用
Pentium, Celeronプロセッサ搭載
2017年12月にリリースされた。グラフィクスは第9.5世代(Kaby Lake世代)のIntel HD Graphicsを搭載。Goldmont PlusアーキテクチャでラインナップされているCPUは組み込み向けはなく、デスクトップ向けまたはノートパソコン向けです。
Intel Pentium Silver J5005(Gemini Lake)
4コア4スレッドのCPU。動作周波数は1.5GHz~2.8GHz。TDP10W。キャッシュ4MB
・Intel BOXNUC7PJYH
2018年5月発売。TDP10Wのデスクトップ向けPentiumプロセッサを搭載したベアボーンです。このPentiumプロセッサはIntel CoreアーキテクチャのPentiumプロセッサとは異なり、Intel Atomアーキテクチャであり低消費電力・低性能なほうのPentiumプロセッサです。他のIntelベアボーンではM.2規格スロットを搭載していることが多いですがこのベアボーンは2.5インチスロット1つのみです。無線LAN+Bluetoothは標準搭載しています。ディスプレイ出力はHDMI×2であり最大2画面までです。メモリスロットは2つで、合計8GBが最大容量。
Intel Celeron J4005(Gemini Lake)
2コア2スレッドのCPU。動作周波数は2.0GHz~2.7GHz。TDP10W。キャッシュ4MB
・Intel BOXNUC7CJYH
2018年5月発売。デスクトップ向けCeleronプロセッサを搭載したベアボーンです。このCeleronプロセッサもIntel CoreアーキテクチャのCeleronプロセッサとは異なり、より低性能なIntel Atomアーキテクチャを採用したほうのCeleronプロセッサです。ストレージは2.5インチスロットが1つのみで、WiFi+Bluetooth搭載。ディスプレイ出力はHDMI×2。メモリ最大容量は8GBです。
Intel Celeron N4000(Gemini Lake)
2コア2スレッドのCPU。動作クロックは1.10GHz~2.60GHz。TDP6W。キャッシュ4MB
2017年にリリースされた「Gemini Lake」プロセッサの中で最も下位のモデルです。「N」ナンバーのモデルはTDP6Wでノートパソコン向けで、「J」ナンバーのモデルはTDP10Wでデスクトップ向けです。
・ASUS Mini PC PB40 PB40-BBC002MV
2019年4月発売。発売時期は2019年ですが搭載されているCPUは第6世代であり2017年のものです。使用されているプロセッサはGemini Lakeでは最も低性能なもので、性能よりも超小型化を最優先したもの。
Displayport、アナログVGA出力搭載。企業のプロジェクタではアナログVGA入力のものが多いので、VGAディスプレイ出力を備えています。
Displayportは4K対応。VGAと2画面対応。しかしVGA出力はVGAの規格上2048×1536解像度までしか対応していません。デュアル4K解像度を実現できるわけではないので注意。
しかしこのVGA出力部分はオプションでDisplayportに変更可能。もしDisplayport変更済みのモデルが欲しい場合は、この型番ではなく別の型番を選ぶ必要があります。
Intel Atom 第5世代Goldmontアーキテクチャ採用
Pentium, Celeronプロセッサ搭載
2016年9月にリリースされたGoldmontマイクロアーキテクチャ採用プロセッサを搭載したベアボーン。グラフィクスは第9世代(Skylake世代)のIntel HD Graphicsを搭載。
Intel Celeron J3455(Apollo Lake)
デスクトップ向けCeleronプロセッサです。J~のように”J”から始まっているのでデスクトップ向けです。”N”から始まるのはノートパソコン向けであり、ノートパソコン向けCeleronよりも”J”で始まるデスクトップ向けのほうが格段に高性能です。オンボードグラフィクスはIntel HD Graphics 500搭載。
・Intel NUC6CAYH
2017年3月発売。他のIntel CoreシリーズNUCとは違って、このNUCにはM.2スロットがありません。2.5インチベイがあるので2.5インチSATAのストレージを1つのみ搭載可能です。2.5インチHDDでもいいでしょうが、SSDを使うことでCeleron程度のCPU性能であってもSSDの読書の高速性によって体感速度を高速化できます。ディスプレイ出力端子はアナログD-SubとHDMIの2つです。最大2画面デュアルディスプレイになります。
Intel Atom 第4世代Airmontアーキテクチャ採用
Pentium, Celeronプロセッサ搭載
2015年3月にリリースされたAirmontマイクロアーキテクチャ採用プロセッサを搭載したベアボーン。ギラフィクスはIntel第8世代HD Graphics 400/405を採用。
Intel Pentium N3700(Braswell)
デスクトップとノートパソコン向けのCPU。
・Intel NUC5PPYH
2015年8月発売。このNUCは最大でもメモリ容量が8GBまでで、さらにメモリモジュールスロットが1つしかありません。ストレージについては2.5インチSATAドライブが搭載可能です。PCIe Gen2×1レーン接続に対応したM.2規格スロットが1つだけ搭載されていますが、2230サイズであり既にワイヤレスモジュールが接続済みです。つまりM.2 SSDを搭載するスロットは用意されていません。
Intel Atom 第3世代Silvermontアーキテクチャ採用
Pentium, Celeronプロセッサ搭載
2013年にリリースされたSilvermontマイクロアーキテクチャ採用プロセッサを搭載したベアボーン。グラフィクスはIntel第7世代HD Graphics Z3700を採用。
AtomプロセッサはTDP1Wという製品もあるほど低発熱かつ低消費電力なCPUです。その代り性能にはあまり期待できません。
Intel Atom E3815(Bay Trail)
このE3815プロセッサは組込み向けのプロセッサです。EはEmbedded(組込み)を表しています。Intel HD Graphics Z3700搭載。
・Intel DE3815TYKHE
2014年5月発売。メモリが最大8GBなのが残念で、さらにディスプレイ端子がHDMIとVGA(アナログD-Sub)の2つしかなく、この2つを使ってデュアルディスプレイが精一杯です。アナログ出力でディスプレイ表示は今となってはさすがに使い物になりません。