【2024年最新版】おすすめウイルス対策ソフトの比較 情報セキュリティ国家資格保有者が評価

世の中には多数のウイルス対策ソフトがありますが、企業・大学・官公庁で使っている状況を見ていくとどのソフトが良いのかどうか全体像が見えてきます。

ウイルス対策ソフトを比較している多くのサイトでは、各評価団体によるウイルス検出率の評価スコアorシェア比率or価格を並べて比較しているだけで、その先の判断は読者に丸投げしています。当サイトでもそれらの指標を一応載せるようにしますが、私自身が大学大学院の研究室や民間企業に在籍する中で「結局のところどのソフトがいいのか?」といった私なりの結論も提示します。

これまでの経験を通して見てきた各種セキュリティソフトの優劣を比較していきます。

情報セキュリティの国家資格を保有

私は情報セキュリティスペシャリスト試験に合格しています。社会人が有利と言われる試験ですが、私のようにSEをしたことがなくても学部と大学院の理系で情報工学を専攻してきた者なら学生の時期でも簡単に合格できます。ただし、まともに勉強してこなかった落ちこぼれ学生は苦戦する傾向にあります。

下掲の合格証書が発行された頃の経済産業大臣だった宮澤洋一氏は経済産業省の大臣としてよりも党税調会長としての税の専門家の色が強いです。党税調会長として再登板して早々と防衛増税を決定したので宮澤氏を「防衛増税の張本人」と嫌ってる人が多いですが、私は日本の防衛株を大量に保有しているので防衛増税報道のおかげで防衛株高の恩恵を受けたのもあり防衛増税に大賛成で、「宮澤洋一」署名入りという意味でこの合格証書を大変気に入っています

現在では情報セキュリティスペシャリスト試験の後継資格である「情報処理安全確保支援士試験」が存在していますが、情報セキュリティスペシャリストの方が難関です。情報セキュリティスペシャリストの合格率は14%、一方で情報処理安全確保支援士は20%前後です。

しかも現在の情報処理安全確保支援士試験は合格しても3年後無効になってしまい完全無価値になってしまう一方、情報セキュリティスペシャリスト試験は一生ものです。

情報セキュリティスペシャリストは高度試験の登竜門とされ、野村総研等のSEは20代の間にとにかくこの資格を取得するように社から言われていたものなので社会人SE受験者数が多かった試験です。

情報セキュリティ分野で重みの大きい暗号理論

また、私は暗号理論の講義を履修しただけでなく、大学院のとき暗号理論を応用する実証研究プロジェクトにも参画していました。暗号理論は情報セキュリティ分野を構成する単なる一つの分野に過ぎないのですが、「情報セキュリティ」を構成する重要な構成要素であることは間違いありません。

セキュリティ分野の研究とはどのように実施されるのかについては本記事の最後に記載します。

結論を先に言ってしまうとEsetが一番優秀

先にどれがおすすめなのかと結論を言ってしまうとEsetを私はすすめます。実際に自分の金銭を支払って(身銭を切って)長い間使っているのもEsetです。

メリット・デメリットを機械的に列挙し選択を消費者に委ねる比較は無意味

比較サイトではメリット・デメリット(pros・cons)を比較し、どのセキュリティソフトも一長一短といった玉虫色の結論に終始しています。比較する側としてはその方が楽だし、特定のウイルス対策ソフトに偏りにくく無難な文章になるためです。

しかし多くの人は「どれか一つのウイルス対策ソフトを選びたいけどどれがいいのか?」と思って探しているわけですから、なんらかの一つの結論を求めています。

大学の研究室でも研究室内で「一つ」のセキュリティソフト代理店と契約しています。研究室内の端末(パソコン,サーバ)は多くともセキュリティソフトの社は一つです。

自分で使ってるのも知人にすすめてるのもEset

他人にすすめる場合、「自分もお金を払って使ってるから」といった理由付けは非常に強いです。

その逆でよくありがちなのが、自身は買ったりしてないのにFX・仮想通貨等の自動売買ソフトをすすめてる業者です。「そんなに儲かるならじゃああなたが買って使ったら?」といった質問は彼らにとっては相当キツイ質問です。本当に儲かる話があるなら他人に売ったりせず自分で実行すればいいだけだからです。

先程書いた通り私はEsetを使っています。しかも相当長く使っています。どれがいいかと訊かれたら間違いなくEsetをすすめますし、実際に私はこれまで知人にもEsetを勧めてきました。

地方国立の医学部医学科を出て東大院博士課程(現在は医学博士)に進学し学生の頃に本郷で知り合った知人の医師がおり、医療業界のぶっちゃけ話を普段から聞いていますが家に遊びに来たときにパソコンを見せて「自分はEsetを使ってる」と教えたら、後日Esetを買ってみたと言ってきました。Esetを選んだ理由は私が使っているからそれを選んでみたようです。私が選択しているのなら確かなものだと判断したと言っていました。

本人が身銭を切って実際に使ってるから、というのは非常に説得力があるということです。

私は最初からずっとEsetを使ってきたわけではありません。中高生の頃、学部生の頃、院生の頃、社会人になってからとそれぞれの時期において全く別のソフトを使ってきました。中高生でNortonを使ってたこともあるし、研究室配属前の東大学部生の頃はAVG+Spybotを使っていましたし、研究室配属後はウイルスバスターを使っていたし、金融機関ではMcAfeeを使ってきました。

今も昔も東大から好かれるトレンドマイクロ

東大の情報基盤センターが、ウイルスバスターを販売しているトレンドマイクロ社と包括的なライセンス契約をしたのはつい最近(2022年)なのですが、私が在籍していた当時も研究室ではウイルスバスターを契約し研究室内で使っていました。よく「パソコンに詳しくない素人向け」とされるウイルスバスターですが、ウイルスバスターをうちの研究室の教員自ら選択したということです。当然情報工学分野に所属している教員なので理系の博士号を持ち論文(paper)を普段から書いているわけですから、そういった人が選んだという事実は大きいです。

迷ったら価格で決めてしまうのも手 私が在籍していた情報工学分野の東大研究室では価格で選定していた

私は現在ウイルスバスターを使っていませんし、今までの人生でウイルスバスターをパソコンに入れて使っていたのは研究室に在籍していたときだけです。つまり東大の本郷にいた頃だけです。

東大では情報基盤センターの規定により、東大のネットワークに接続する端末は必ずウイルス対策ソフトをインストールしなければなりません。ウイルス対策ソフトをインストールせずに東大のネットワークに接続するのは規定違反です。これは研究室配属前の学部生も当然ですが、研究室配属後はさらに徹底されます。

研究室に配属されると普通は自席が貰えます。東大では学部生も貰えます。教員あたりの学生人数が多い私大では自席が貰えないことも多いようです。

端末はデスクトップPCがありましたがウイルスバスターがインストールされていました。

ただウイルスバスターよりはNortonやMcAfeeの方がいいと私は当時思っていました。

私の研究室には教授も准教授も講師も在籍していましたが、その中でウイルスバスター選定に関わったのは准教授でした。

私は「なぜウイルスバスターなのか?」と飲み会の場で訊いてみました。同期も気になってたようで回答を聞きたがっていました。「理由は安かったから」という回答でした。「各種のウイルス対策ソフトはそこまで優劣がない。それなら相見積もりで一番安いのを調達すれば十分だと判断した」というものです。

第三者機関の評価結果は毎年入れ替わる上に毎年僅差 統計的有意差があるわけでもない

ウイルス対策ソフト開発企業によほどの不祥事があったら切り替えればいい

ウイルス対策ソフトを開発している企業に情報漏洩があったり、ウイルス対策ソフトのはずが逆にバックドアやトロイが仕掛けてあり「ウイルス対策ソフトどころかウイルスそのものだった」といった事態になる等、企業として不祥事があったらウイルス対策ソフトを切り替えるべきです。

特に今年は米国連邦議会の公聴会で中国のTikTokが袋叩きにされています。TP-LinkやTiktokのようにその企業が収集した情報を漏洩させている疑惑が無い限りは毎年ころころとウイルス対策ソフトを切り替える必要はありません。顧客に次から次へと別の商品への買い替えを勧めて手数料を荒稼ぎする投資信託の回転販売営業と同じで、基本的に営業の人達は別の製品を次から次へと切り替えさせようとします。しかしそれは顧客にとって極めて不利な選択です。

ウイルス対策ソフトでも同じで、一度買ったらころころと買い替える必要はありません。ウイルス対策ソフトの開発元企業によほどの不祥事が無い限りは、同じウイルス対策ソフトを長期間使い続けた方がそのソフトに習熟するためトラブルが減りますし、金銭的負担も小さいです。

Norton(ノートン)

世界的に最も著名なウイルス対策ソフトのブランド名です。Nortonはブランド名(製品名)であり、開発してきたのはSymantec社です。ただし現在ではSymantec社ではなく、日本の個人向けノートンはNortonLifelock社(株式会社ノートンライフロック)が提供しています。

日本では2000年代初頭においてNortonを使っているのはコンピュータに詳しい玄人が殆どでした。私の同期で小学生の頃からVisual C++をMFC無しで書いてた人はNortonを使っていました。その友人は現在都内の国立大の情報工学系学科でパーマネント職の教員をしています。大昔は彼のようなコンピュータに詳しい人が好んで使っていましたが、現在ではウイルスバスターレベルまで知名度がアップしたため多くの一般人にも浸透しています。

ブランド名Norton
展開製品名Norton 360
日本法人株式会社ノートンライフロック
開発元企業名Gen Digital
本社所在地米国
関連する企業Symantec, NortonLifeLock(2022年にGen Digitalへ社名変更)、Broadcom(旧Symantecの法人事業を買収), アクセンチュア(旧Symantecのサイバーセキュリティ事業を買収)
本社創業1982年
ウイルス対策ソフト参入1989年
日本国内参入1994年
対応端末Windowsパソコン、Macパソコン、モバイル(iOS, Android)
日本国内知名度
国内個人向けシェア33.4% BCN 2023
世界シェア3.8ポイント (Windows Anti-malware Market Share Report 2021年8月)

Norton開発元のSymantec社は2010年にVeriSignを買収し総合情報セキュリティ企業の座を築く

一時期Symantec社は総合情報セキュリティ企業まで上り詰めました。例えば公開鍵暗号においては認証局(CA)の存在が必ず必要であり、その数ある認証局の中でVeriSign社が最大手でしたが、そのVeriSignを2010年にSymantec社が買収しました。この頃がSymantec社の全盛期だったかもしれません。ただし2017年にはSymantec社はこの認証局事業を手放します。

2019年にSymantec社の一部事業が買収されたが、個人向け事業は残りNortonLifeLockに社名変更

2019年にSymantec社の法人向け事業は買収されてしまいました。しかし個人向け事業はSymantec社に残り、米国ではNortonLifeLock社として社名変更して残りました。日本法人としては2020年に株式会社ノートンライフロック社として残りました。

そして2022年に米国のNortonLifeLock社がGen Digital社と社名変更しましたが、日本法人は株式会社ノートンライフロックのままです。つまり日本においてNortonは株式会社ノートンライフロック社が提供しています。

これは安心要素です。IT企業というのは現地法人を構えなくてもインターネット経由でサービスを提供できてしまうため日本法人が無いIT企業が多く、これは法人税や消費税納税の観点や消費者保護の観点から問題が多いため、日本政府は米国IT企業に日本現地法人を設立するよう行政指導してきました。Nortonについては日本法人がしっかり存在します。Nortonについてはしっかり日本政府の方針に従っているというわけです。

ウイルスバスター

日本の一般消費者(個人)は殆どの人はウイルスバスターを選択してきたのが実情です。これは「ウイルスバスター」という名称が非常に明瞭でわかりやすかったことと、TVCMを効果的に打ったことでパソコンに疎い一般人にも名前を浸透させることに成功したのが要因です。パソコンOSといったらWindows、CPUといったらIntelのように、ウイルス対策ソフトといったら「ウイルスバスター」と一般人に浸透しました。ただしこれは日本国内の個人の間での話であって、世界全体でみるとトレンドマイクロ社のシェアは低いです。トレンドマイクロ社は日本初の企業だと勘違いされますが(私も以前は日本創業だと思っていた)、トレンドマイクロ社は台湾創業です。その後、日本法人が台湾の法人を子会社化したことでトレンドマイクロ社は名実ともに日本企業となりました。トレンドマイクロの本社所在地は日本ですし、日本取引所の東京証券取引所に上場もしています。ただ経営者(代表取締役社長)は台湾の創業一家です。

ブランド名ウイルスバスター
展開製品名ウイルスバスタークラウド、ウイルスバスターforMac、Trend Micro Internet Security、Apex One
日本法人トレンドマイクロ株式会社
開発元企業名トレンドマイクロ株式会社(日本国内企業)
本社所在地日本(創業は台湾)
関連する企業Trend Micro Incorporated(ウイルスバスターを開発した大本の台湾企業)
本社創業1988年
ウイルス対策ソフト参入1991年
日本国内参入1991年
対応端末Windowsパソコン、Macパソコン、モバイル(iOS, Android)
日本国内知名度
国内個人向けシェア33.7% BCN 2023
世界シェア1.78ポイント (Windows Anti-malware Market Share Report 2021年8月)hare Report 2021)

東大の情報基盤センターがTrend Microと包括ライセンス契約を締結

東大には情報基盤センターがあります。情報基盤センターにいる技術系職員はそれなりに優秀です。学務課にいるような単なる事務方はかなり能力が低いですが、情報基盤センターに関しては東大の理系教員もそれなりに強く関与しています。それなりに技術力を持った集団だということです。

東大では昔から情報基盤センター自ら主体的となってライセンス契約をし、情報基盤センターが間に立って学内にウイルス対策ソフトを提供してきました(ただし申請が必要かつ有償)。

情報基盤センターの規定では必ずウイルス対策ソフトをインストールした上で学内のネットワークに接続する必要がありますが、情報基盤センターがウイルス対策ソフトを「これにしろ」と指定していたわけではないので、研究室ごとの自治でウイルス対策ソフトを選んで自己調達して研究室の学生の端末にインストールしていました。

ただし2022年に情報基盤センターが特定の企業と大型のライセンス契約を行いました。それまでも東大情報基盤センターはEsetを含めた各種ウイルス対策ソフトを提供する企業と個別にライセンス契約して、それを学内価格で学内に提供してきましたが、ある特定の企業(トレンドマイクロ)に絞って包括的なライセンス契約をするのは初めてだと思います。

様々なウイルス対策ソフトのライセンスを特別価格で学内に提供することは東大情報基盤センターは以前からやっていましたが、特定のセキュリティ企業に限って包括ライセンス契約をしたのは新しい試みです。これによって、東大の学内生は1人2台までトレンドマイクロのApex Oneを無償インストールすることが可能になりました。

Eset(イーセット)

先述した通り、私としては最もおすすめしたい製品です。実際に身銭を切って(お金を支払って)長年使ってきたものです。

Esetはスロバキアに本社があります。日本ではCanonITソリューションズが公式代理店となっています。厳密に言うとEset社とキャノンITソリューションズが共同出資で設立した日本法人「イーセットジャパン株式会社」が日本での代理店機能を担っています。ただし実体としての運用はキャノンITソリューションズが担っており、ライセンス管理はキャノンITソリューションズが提供するCLUB ESETにログインして行います。つまりEsetをAmazonで買ったとしても家電量販店で買ったとしても、結局はキャノンITソリューションズが運営するCLUB ESETにログインしてライセンス管理をします。販売店の違いは単に価格の違いだけです。

ちなみに、購入して最初のライセンス更新が数年後に到来したとき、販売店で買うよりもキャノンITソリューションズから届くメール経由で購入するのが最も安くなります。

ネットで検索すると多くのサイトが「ここからEsetを更新するとこんなに安くなります」とリンクを提示しています。しかし私は今までキャノンITソリューションズから直接届いたメールの更新価格よりも安い価格を提示しているサイトを見たことがありません。つまり販売店を通さず、Eset唯一の公式代理店のキャノンITソリューションズを通してライセンス更新するのが一番安いということです。中間に余計な販売店を挟まない方が安くなるのは当然です。

ブランド名Eset
展開製品名Eset Internet Security、NOD32
日本法人イーセットジャパン株式会社
開発元企業名ESET, spol. s r.o. (Eset企業体有限責任会社)
本社所在地スロバキア (創業は冷戦期のチェコスロバキア)
関連する企業キャノンITソリューションズ(日本国内のライセンス管理を実施)
本社創業1992年
ウイルス対策ソフト参入1987年
日本国内参入2003年
対応端末Windowsパソコン、Macパソコン、モバイル(iOS, Android)
日本国内知名度
国内個人向けシェア14.5% BCN 2023
世界シェア1.7ポイント (Windows Anti-malware Market Share Report 2021)

会社の設立よりもソフトリリースの方が先だったEset

他のウイルス対策ソフトは会社の設立の後にウイルス対策ソフトをリリースしているパターンが多いですが、Esetに関しては順番が逆です。

まず1987年に今のEsetで使われているウイルススキャンエンジンNOD32が開発され、それが成功したために本格的に事業化するため1992年に会社を設立したという順番になっています。

Eset インターネットセキュリティ

私が実際に購入し現在でも使っているのがこの「Esetインターネットセキュリティ」です。本ページの最後の方で、私が購入したEsetのライセンス管理画面や、更新時にキャノンITソリューションズから届いたメール等を紹介します。

5台3年版

McAfee(マカフィ)

個人向け(一般消費者向け)としてはNortonやウイルスバスターより利用者数が少ないMcAfeeですが、法人向けでは非常に多く採用されています。特に情報セキュリティが重視される金融機関において採用されている事例を見たことがあります。誰でも知ってる大手民間銀行、政府系金融機関でも採用されています。

金融機関でもそうですがMcAfeeも個人向けと法人向けで大きく異なります。法人向け業務を行っているのは現在ではMcAfeeではなくTrellix(トレリックス)となり、現在のMcAfeeは個人向け業務のみ行っています。

ブランド名McAfee
展開製品名McAfee、Trellix(トレリックス)
日本法人マカフィー株式会社
開発元企業名McAfee
本社所在地米国
関連する企業FireEye, Intel
本社創業1987年
ウイルス対策ソフト参入1987年
日本国内参入1997年
対応端末Windowsパソコン、Macパソコン、モバイル(iOS, Android)
日本国内知名度
国内個人向けシェア
世界シェア3.75ポイント (Windows Anti-malware Market Share Report 2021年8月)

ライセンスを買えば「台数無制限」のMcAfeeLiveSafe

Esetを使っている私から見てMcAfeeが良いなと思う点は「台数無制限」なところです。Esetだと5台ライセンスまで存在しますが、6台目のパソコンが必要となったときは1台ライセンスを買うか5台ライセンスを買い増す必要があります。たった1台の追加のために新たにライセンスを買うのは割高です。

しかしMcAfeeならそのようなことはありません。所有してるPCの数が多ければ多いほどMcAfeeを使うのがコスト面で有利です。

2021年にMcAfee Enterpriseの法人向け製品名はトレリックスに

McAfeeの法人部門は2021年米国のプライベートエクイティファンドであるSymphony Technology Group(STG)社に買収されMcAfee Enterpriseとなりました。STG社は同じ2021年にサイバーセキュリティ企業のFireEye社も買収しており、両者を合併させてTrellix社を発足させました。同時に、法人向けセキュリティソフトのブランド名もTrellixになりました。

去年から今年にかけて知人達から「うちの会社のセキュリティソフトがトレリックスになった」と多数聞きました。McAfeeが法人で多数採用されている傍証です。

カスペルスキー

ウイルス対策ソフト市場への参入が比較的後だったのがカスペルスキーです。創業者かつカスペルスキー社CEOのユージン・カスペルスキー氏は情報工学の博士号を持っており純粋数学とComputer Science分野において非常に優秀な人物です。

トレンドマイクロやNortonがウイルス対策ソフトに参入したのが80~90年代前半だったのに対し、カスペルスキーは90年代後半に参入しました。日本参入は更に遅く2000年代に入ってからです。2000年代半ばに友人が購入したDellの完成品パソコンにカスペルスキーが入ってたので、創業と同時に強力なマーケティングで一気に販売数を増やして急激に一般個人に浸透し始めたことがわかります。後述しますが、この急拡大はジャストシステムが代理店になったのが要因です。

ウイルス対策ソフトを提供する他社は上場企業が多くプライベートエクイティの投資ファンドに買ったり売られたりを繰り返していますが、カスペルスキーは一貫して非公開会社です。

ブランド名カスペルスキー
展開製品名カスペルスキーセキュリティ、Kaspersky Anti-Virus、Kaspersky Internet Security
日本法人株式会社Kaspersky Labs Japan
開発元企業名Kaspersky Lab ZAO
本社所在地ロシア
関連する企業ジャストシステム(2006年~2011年にかけてカスペルスキーを販売)
本社創業1997年
ウイルス対策ソフト参入1997年
日本国内参入2004年
対応端末Windowsパソコン、Macパソコン、モバイル(iOS, Android)
日本国内知名度
国内個人向けシェア
世界シェア2.28ポイント (Windows Anti-malware Market Share Report 2021)

カスペルスキーは日本では後発だがEsetとは異なり高級路線

カスペルスキーは比較的高額です。Esetと比べるとその価格の高さがわかります。強気の価格設定の理由は検出力の高さに。後発だけあって「ウイルス対策ソフトはブランドや知名度ではなく性能で選ぶべき」というのがカスペルスキー氏の主張です。

ZEROウイルスセキュリティ

ZEROウイルスセキュリティはソースネクスト社が販売するセキュリティソフトの一つです。ZEROセキュリティシリーズでは高級・中級・廉価と3グレード展開されており、このZEROウイルスセキュリティは中級です。パスワードマネージャや決済保護等の機能は付いていませんが、ウェブサイトリンク安全チェック機能は付いているので十分です。

ただし、ウイルス検査エンジンとしては上位ソフトの「ZEROスーパーセキュリティ」が上です。

つまり、「ZEROスーパーセキュリティ」からパスワードマネージャや決済保護等の機能を削ったものがこのZEROウイルスセキュリティではありません。ZEROウイルスセキュリティは元々はインドのK7Computingが開発したウイルススキャンエンジンを採用しています。上位ソフトの「ZEROスーパーセキュリティ」では異なるウイルススキャンエンジン(≒アルゴリズム)を採用しています。

ブランド名Zeroセキュリティ
展開製品名Zeroウイルスセキュリティ
日本法人ソースネクスト
開発元企業名K7Computing
本社所在地インド
本社創業1990年
ウイルス対策ソフト参入1990年
日本国内参入2003年
対応端末Windowsパソコン,
日本国内知名度
国内個人向けシェア
世界シェア