【2019年最新版】おすすめCPUクーラーの比較 サイドフロー・トップフロー空冷式をクーラー高ごとにメーカーランキング評価

空冷式のCPUクーラーをクーラー高ごとに比較しています。CPUクーラー選びでもPCケース選びでも、私は真っ先にCPUクーラー高を確認します。PCケースでは対応クーラー高が大きいに越したことはありませんし、PCケースのCPUクーラークリアランスさえ確保できちれば、できるだけ大きいCPUクーラーを選択したほうが静音性でも冷却性でも有利です。

熱風を再度吸い込みやすいトップフロー型、吸い込みにくいサイドフロー型

PCケースは前面から空気を吸い込んで、背面から熱風を輩出するパターンのものが殆どです。理由は、前面から排気するようにしてしまうと扇風機の風のように人体に風が常時当たることになり好ましくないからです。

通常PCは壁の近くに置いて、PCの向こう側には人が居ない壁になります。よってPCの排気は背面から行うのが一般的です。

このようなエアフローだとサイドフロー型のCPUクーラーは親和性が高くなります。前面から背面への空気の流れの途中にサイドフロー型CPUクーラーを置けば、CPUの熱を拡散させた熱気をそのまま綺麗にPCケース背面まで持っていけるからです。

一方でトップフロー型だと、PC前面からPC背面へのエアフローと、CPUファンのエアフローとが直交することになってしまいます。つまり90度方向が異なります。

トップフロー型のCPUクーラーでCPUの熱を含んだ熱気はPC背面に送られずにCPU周囲360度に拡散されます。CPU上部からマザーボードに熱気を吹き付ける形です。

こうなるとマザーボードで反射した熱気は再度上昇し、またCPU上部のCPUクーラーのファンに吸い込まれるループに陥ります。これがトップフロー型CPUクーラーの冷却効率が低いと言われる理由です。

2019年頃から復権してきているトップフロー型

2014年以降あたりはサイドフロー型の全盛期でした。虎徹が2013年に発売されたことにより、「安くて冷えるクーラー」として16cm高のCPUクーラーが流行しました。

クーラー高の割にファンが小さいサイドフロー型

しかし年数が経過するに連れてサイドフロー型の欠点も浮き彫りになってきました。

理由はクーラー高の割にファンの直径を大きくできないからです。

例えばサイドフロー型だとクーラー高155mm~160mm程度を確保しないと14cmファンを取り付けできません。その14cmファンも標準規格の正方形タイプではなく、NoctuaのNF-A15のように丸みを帯びたラウンドデザインであり、マザーボードと干渉をしないようにクリアランスを確保した特殊な形状のものです。

虎徹にいたってはクーラー高16cmもあるのに搭載できるのはたった12cmのファンでした。それは2017年に発売された後継品でも同じです。

虎徹が12cmファンしか搭載できないのは正方形タイプの12cmファンを使っているからです。もし14cmファンにしたい場合はNH-D15Sのようにラウンドタイプのファンにしなければなりません。

トップフロー型はクーラー高が低くても14cmファン搭載可

一方で、トップフロー型で最も冷えると言われているBeQuietのDark Rock TFはクーラー高たった131mmです。トップファンをNoctua製に交換しても全高134mmです。それなのに通常の正方形タイプの14cmファンを2つも搭載できます。サイドフロー型は14cmファンを2基搭載するにはクーラー高157mm以上を確保しなければなりません。一方でトップフロー型は14cmファン(25mm厚)を2基搭載するためにはたった134mmのクーラー高があるだけで足ります。

トップフロー型はCPUソケット方向への送風のほうが冷える

トップフロー型にするときはファンの送風方向をCPUソケット方向にするのか、あるいは逆に向けてPCケースのカバー方向に送風するのかといった「パラメータ」が発生します。これについてはCPUソケット方向のほうがCPUの冷却効率が高いことがわかっています。

理由は、PCケース外の低い温度の空気を取り込んでCPU方向に吹き付けるほうが冷却効率が高いからです。ケース外方向への送風にしてしまうと吸い込む気体はPC内部の温まった気体になってしまいます。そのためPCケース外へ向けた送風は不利であり、CPUソケット方向への送風のほうが冷えることになります。

トップフロー型はM.2SSD、メモリ、VRMを冷やせる副次的効果もある

トップフロー型ではファンの送風方向をCPUソケット方向にしたほうがCPUが冷えることはわかりました。実はCPUだけでなく、マザーボード上の他の部品を冷やす副次的効果もあるのがトップフロー型のメリットです。

マザーボード上にはVRMやM.2SSDなど発熱量が大きい部品が点在しています。メモリ(RAM)も冷却にこだわるユーザがいるパーツの一つです。これらの部品を冷やすために個別に小型ファンを設置するのは面倒な上に騒音の元になるだけです。

しかしトップフロー型のCPUクーラーで14cmファンを搭載するとメモリにも付随的に送風できてしまいます。またマザーボード表面にあるM.2SSDにも自動的に風を当てることができます。サイドフロー型のCPUクーラーではこのような送風はできません。

特にMini ITXマザーボードは一辺が17cmの正方形です。14cmファンをトップフロー型で使うと、マザーボードのほぼ全面をカバーして送風することができます。VRM、チップセット、M.2SSDなどヒートシンクが搭載されている高発熱パーツ14cmの巨大ファンで送風できることはトップフロー型の大きなメリットです。

水冷式より故障率が低く可用性が高い空冷式

水冷式は1.ラジエーターのファン、2.冷却液を運ぶポンプの2つの駆動部品を抱えています。一方で空冷式の駆動部品はヒートシンクに取り付けるファンのみであり、場合によってはファンレスにして駆動部品ゼロにすることも可能です。

水冷式ではラジエーターのファンとポンプのモーター2つが同時に稼働していなければならないので、どちらか一つでも故障するとアウトであるため、稼働率は積で効いてきます。よって空冷式の方が水冷式よりも稼働率が高く、故障率が低いことになります。

ファンがヒートシンクに送り込む風量の単位CFMと㎥/h

ファンの風量の単位としてCFM(cubic feet per minute)がありますが、具体的にどの程度の風量なのかイメージがわかない人が多いのではないでしょうか。

1フィートは12インチなので、1辺が12インチの立方体におさまる空気を1分間に送り出す量が1CFMです。

1インチを2.54cmとすると1フィート=12インチは約30cmです。つまり1辺が30cmの立方体を考えて、その中におさまる空気が1分間で何個分だけファンを通過するかという単位です。

例えば60CFMだとしたら、1辺30cmの立方体におさまる空気を1秒間で送り出すことになります。これはかなり大きい数値です。実際にファンを60CFMの風量で回すとかなりのノイズになります。

㎥/hをCFM変換するときは約0.6倍する

CFM以外にも送風量の単位があります。㎥/hです。これは1辺が100cmの立方体に入る気体量を1時間に送り出す風量の単位です。1㎥は1cubic feetの約35.34倍です。ここでCFMは1分間あたりの単位である一方、㎥/hは1時間あたりの単位であることに注意すると、35.34/60で0.589倍となります。つまり㎥/h単位の風量の約6割がCFM単位の風量になります。

ノイズは主にファン回転数で決まる 14cmなどの直径が大きいファンほど静音になる

CPUクーラーのノイズには空気がヒートシンクを切る音も含まれるのですが、最も支配的なのはファンの回転数から起こるファン自体から出るノイズです。

よってファンの回転数を下げることはCPUクーラーのノイズ低減に直結します。

とはいってもファンの回転数を下げると風量が下がり、CPUの冷却性能が低下します。

しかしファンの直径が大きければ、少ないファンの回転数でもある程度の風量を確保することができます。遅い回転でもファンの直径が大きければCFMはある程度大きくなるわけです。

よってファンの直径は大きければ大きいほど静音性で有利なのですが、大きいファンを使うとCPUクーラー高が大きくなりPCケースに収まらないことが起こり得ます。静音化のためにはある程度大きなPCケースが必要であり、トレードオフの関係にあります。

Noctua NH-D15Sのようなクーラーでは15cmファンが搭載されているものもあります。

総じてNoctuaかbe quiet!のCPUクーラーがおすすめ

ケースファンでも同じですが、CPUクーラーも基本的にNoctua製がおすすめです。残念なことは日本国内ではTSUKUMOとオリオスペックくらいしかNoctuaの正規代理店として販売していないことです。他所では転売屋がAmazon.comから個人輸入したものを高値で販売しているため価格が釣り上げられています。

基本的にはTSUKUMOかオリオスペックで在庫を確認し在庫がなかったら、自分でAmazon.comから個人輸入してしまったほうが安上がりです。大容量SSDのような高価なものをAmazon.comで買う場合は送料は気になりませんが、ファンは比較的安いので米国からの送料が大きくなります。そのため日本国内で売られていない製品をある程度まとめてからAmazon.comで注文したほうがいいです。

同様に国内で流通量が少ないbe quiet!のCPUクーラーも優秀です。日本では「サイズ」「Cryorig」「Thermalright」のCPUクーラーが評価されがちですが、海外のフォーラムを観るとサイズが健闘しているくらいでCryorigやThermalrightの評価は微妙です。be quiet!のCPUクーラーはPCを組むときのインストールが難しいのですが一度組んでしまえば、クーラー高あたりの冷却能力はNoctuaを凌ぎます。be quiet!も国内での流通量が少ないためAmazon.comからの個人輸入をおすすめします。

16cm ≦ クーラー高

このクーラー高に対応しているMini ITXケースは「RAIJINTEK Metis plus」が有名です。「Fractal Design Core500」や「Fractal Design Define Nano S」は無駄なスペースが大きいですがMetis plusはクーラー高16cm対応な割に小型ケースであるため、Metis plus+Noctua NH-D15Sで冷却能力の高い小型PCを組んでいる人も多いです。

1位 Noctua

・Noctua NH-D15S

2015年発売。クーラー高160mm、14cmファン。下記先行モデルNH-D15の冷却性能を維持しつつファンの数を×1に減らし、さらにクーラー高をファン含めて160mmに抑えたモデルです。Noctuaの中でも最も高価な部類に入るフラッグシップモデルであり、他のCRYORIGやThermalrightを含めた空冷式CPUクーラーの中でも最も優秀な水準のクーラーです。付属品はシングルファンですが、別売りでNoctuaの同型番のファンを購入してデュアルファン構成にすると、下記NH-D15(デュアルファン構成)の冷却能力を上回ります。

またこのNH-D15Sは、12cmファン×2の240mmラジエータ簡易水冷Corsair H100i Proより冷却能力が上です。静音性でも上です。海外の英語圏フォーラムでは「Noctua NH-D15SをCorsair H100i Pro RGBは打ち負かすことができない」というコンセンサスができています。

14cmファン×2で280mmラジエータ搭載のH115i Pro RGBになってようやくNH-D15Sと冷却能力が互角です。静音性では当然NH-D15Sが上です。

12cmファン×3の360mmラジエータ搭載のH150i Pro RGBになってようやくNH-D15Sを上回る冷却能力を持つ簡易水冷になります。ただし静音性では当然NH-D15Sのほうが静かです。

それほどまでこのNH-D15Sは優秀なので、CPU上のクリアランスが16cm以上あるのなら。Core i9 9900Kの8コア全てを5.0GHz動作させても余裕で冷却できます。

・Noctua NH-D15

2014年5月発売。クーラー高165mm、14cmファン。現在では後継品のD15Sがおすすめ。デュアルファン構成にするのなら上記のNH-D15Sのほうがクーラー高が低いにも関わらず冷却能力が高いです。

・Noctua NH-U14S

2013年発売。クーラー高165mm、15cmファン。

・Noctua NH-D15 SE-AM4

2017年3月発売。2014年に発売されたIntelソケット向けのD15をAMD Socket AM4に対応させたもの。クーラー高165mm。

・Noctua NH-U14S TR4-SP3

2017年8月発売。全高165mm。AMD Socket TR、AMD Socket SP3専用。付属ファンは直径15cm。

2位 Thermalright

・TRUE Spirit 140 Direct

・Macho X2

15cm ≦ クーラー高 < 16cm

1位 Noctua

・Noctua NH-U12S

2013年4月発売。150mm、12cmファン。

・Noctua NH-U12S SE-AM4

2017年5月発売。全高158mm、12cmファン。

・Noctua NH-U12S TR4-SP3

2017年8月発売。全高158mm、12cmファン。Ryzen Threadripper用のAMD Socket TR、Ryzen EPYC用のAMD Socket SP3専用。

2位 Thermalright

・Le GRAND MACHO RT

・Macho 120 SBM

12cm ≦ クーラー高 < 15cm

最近は14cm近辺のクーラー高のCPUクーラーが注目されています。

少し古いPCケースだとNCase M1がクーラー高140mmで有名です。また「Lazer3D LZ7」ではHDPLEXのADアダプタ電源にするとクーラー高135mmに対応するためこのあたりのクーラーを採用することもありえます(一般論としてACアダプタ電源の採用はおすすめしません)。LZ7を拡張した2019年に発売のLazer3D XTD(グラボ全長267mm,10.5インチに対応)はSFX電源を採用してクーラー高135mmを実現しています。このあたりの超小型Mini ITXケース用のCPUクーラーとして最適なクーラー高です。

1位 BeQuiet

・Dark Rock TF

2015年発売。トップフロー型ながら、BeQuietの最高峰CPUクーラーDark Rock Pro4(TDP250W)に次ぐ第2位のTDP対応値220Wを実現しています。しかもクーラー高はトップファン搭載時でも134mmです(付属ファンを使うなら22mm厚なので131mmまで低くなる)。トップフロー型なのにTDP220W対応であるため、NoctuaのNH-C14S(クーラー高140mm)のTDP205Wを超える冷却性能です。実際に同じファン回転数だとDark Rock TFのほうがNH-C14Sよりも冷えることが海外のフォーラムで検証されているので、ヒートシンクの性能はDark Rock TFのほうが上です。

このDark Rock TFが冷える理由は、実質的にツインタワー型のクーラーだからです。NoctuaのNH-D15SやNH-D15はツインタワー型であり冷却性能が申し分ないことはよく知られています。ツインタワー型はヒートパイプ双方へ流れる熱がヒートシンクで合流しないため冷える要因になっています。

そしてDark Rock TFでは、サイドフロー型CPUクーラーのヒートシンクを内側に折りたたんでトップフロー型にした形をしています。つまり実質的にこれはツインタワー型のCPUクーラーです。NoctuaのNH-C14Sはクーラー高が140mmでDark Rock TFよりも高い上に、ヒートシンクの体積もNH-C14Sのほうが上です。にもかかわらずNH-C14Sのほうが冷却性能が低いのは、ヒートパイプを片方にしか伸ばさず打ち切ってしまっているためです。

静音性の面でもDark Rock TFは優秀なため、下手なサイドフロー型よりも冷えるトップフロー型クーラーです。

2位 Noctua

・NH-C14S

TDP205Wに対応しているトップフロー型クーラーです。Noctuaから出ているトップフロー型クーラーの中では最高峰です。さらに冷却性能面でも、これを上回る冷却性能を持つクーラーはNH-D15とNH-D15Sのようなサイドフロー型の大型クーラーのみです。

NH-C14Sにはファン自体は1つしか付属していませんが、ファンクリップは2セット付属しています。追加でNF-A14PWMを購入したときのために余分にもう1セットだけファンクリップが付属しています。当然ですが、ファンクリップは「ファン」を購入したときには付属しません。ファンクリップは「CPUクーラー」ごとに規格サイズが異なり、CPUクーラーにあわせてファンクリップを製造するため、ファンクリップはCPUクーラーに付属します。

このNH-C14Sはファンを下に取り付けるボトムタイプと、上に取り付けるトップタイプ2つの取り付け方に加えて、もう1つファンを別途購入することによってトップとボトム両方にファンを付ける運用方法も可能です。トップにファンを付けると140mmのクーラー高になります。もし15mmタイプのファンに付け替えるのなら130mmのクーラー高にできます。

Dark Rock TFよりも数度だけ温度が高くなるため冷却性能はDark Rock TFのほうが上ですが、このNH-C14Sはマザーボードへの取り付け作業がしやすいです。Dark Rock TFに限らずBeQuietのクーラーは取り付けが面倒なことで有名であるため、それを回避したいならNH-C14Sがいいでしょう。

・Noctua NH-U9S

2015年1月発売。クーラー高125mm、9cmファン。このクーラーはツインタワーではなくシングルタワー式ですが、ツインタワー式の「NH-D9L」よりも高い冷却能力を持ちます。このNH-U9Sをデュアルファンにすると数度程度温度を下げることができます。

・Noctua NH-U9 TR4-SP3

2017年8月発売。クーラー高125mm、9cmファン。AMD Socket TR、AMD Socket SP3専用。

2位 Thermalright

・Macho 90

9cm ≦ クーラー高 < 12cm

1位 be quiet!

・Shadow Rock TF2 BK003

クーラー高112mm。トップフロー型のなかでは最も高い冷却能力を持っているクーラーです。そのかわりクーラー高はトップフローと思えないほど高くなっています。下記のNH-D9Lよりも冷却能力は高いです。

2位 Noctua

・Noctua NH-D9L

2015年1月発売。クーラー高110mm、9cmファン。

・Noctua NH-D9DX i4 3U

2014年発売。Socket 2011系専用。全高110mm、9cmファン。

7cm ≦ クーラー高 < 9cm

小型PCケース「Lazer3D LZ7」が7cmまでのクーラー高に対応しているため、このクーラー高帯のNH-L12Sが優秀です。

1位 Noctua

・Noctua NH-L12S

2017年12月発売。全高70mm。1151ソケットのどのCPU世代でもTDP95Wを冷却可能なロープロファイルクーラー。全高37mmのNH-L9iではTDP95WであってもCoffeeLake 8700Kを冷却し続けるには無理がありますが、このNH-L12Sは余裕で冷却できます。

Noctuaの「TDP Guidelines」は非常に保守的(謙虚)にまとめられている、冷却可能CPU(TDP)の一覧表ですが、それでもTDP160Wに対応しています。このガイドラインでTDP160Wが定時されているということは事実上さらに上のTDPも対応できます。

「Lazer3D LZ7」はCPUクーラー最大70mmまで対応(推奨は60mm以下)なので、このNH-L12Sを搭載してLZ7を組んでいるユーザが大多数です。

しかし冷却能力では「be quiet! Shadow Rock LP BK002」のほうが優秀です。Shadow Rock LPは付属の25mmファンをNoctuaの14mmファンに交換することによって全高65mmのCPUクーラーにすることができます。全高65mmであっても、全高70mmのNH-L12Sよりも冷却能力は優秀です。

Shadow Rock LPの弱点はインストールが難しいことです。Shadow Rock LPはNH-L12Sよりも数度程度、高負荷時のCPU温度を下げられる程度なので、インストールが楽で入手が楽なNH-L12Sを利用する人が多いようです。

2位 Thermalright

・AXP-200 Muscle

クーラー高が73mmもある割には、上記のNH-L12Sに比べて大した冷却能力のないクーラーです。使わなくて良いでしょう。公称TDPはあてにならないクーラーです。

5cm ≦ クーラー高 < 7cm

Dan Caseの登場に端を発して小型PCケースが続々登場していますが、Dan Caseよりもクーラー高に余裕がある「Lazer3D LZ7(クーラー最大高70mm)」や「Louqe Ghost S1(クーラー最大高66mm)」で採用されることの多いCPUクーラーです。この水準まで来るとCPU補助電源8ピン×1程度のオーバークロックなら対応できるようになります。Mini ITXマザーボードは高々CPU補助電源8ピン×1程度しか搭載していないため、Mini ITXマザーボードを前提とした小型PCを組むのならこのクーラー高のCPUクーラーを選んでおきたいところです。

1位 be quiet!(Listan GmbH & Co. KG)

・Shadow Rock LP BK002

クーラー高75.4mmですが、Noctua製の14mmファンに交換すれば65mmまでクーラー高を低くできます。しかもTDP160W対応のNH-L12Sを超える冷却能力を持ちます。クーラー高あたりの冷却能力は申し分ありません。欠点はクーラー設置作業の難しさです。それさえ苦でなければ良いクーラーです。

2位 EKL Alpenföhn

・Black Ridge(9cm+12cmのデュアルファン構成)

Black RidgeはDan Case A4 SFXを想定して設計されたCPUクーラーなので全高47mmですが、ベースプレートとヒートシンクの間に9cmファンを挟むタイプなのでトップファンが付属していません。ここでNoctuaの12cm×厚さ15mmのファンを別途用意してトップファンとして装着すると全高62mmのデュアルファンCPUクーラーになります。Black Ridgeはトップファンを搭載するとオーバークロック対応となるので、それに加えて9cmファンも搭載してるとなればオーバークロック耐性はより高くなります。

2位 Noctua

・Noctua NH-L12

2012年発売。クーラー高66mm、9cmファン(+12cmファン)。ヒートシンクを9cmファンと12cmファンで挟み込むタイプのロープロファイルタイプクーラー。9cmファンのみならクーラー高66mm。12cmファンを取り付けるとなると12cmファンが25mm厚としてクーラー高91mm。14mm厚の12cmファンを用意して搭載すればクーラー高80mmになります。

このCPUクーラーはLouqe Ghost S1で推奨されているクーラーです。理由は静音性が高いことですが、「Big Shuriken 2」や、「Be Quiet! Shadow Rock LP」のほうが冷却能力は優秀です。このクーラーの欠点はシングルファン構成のときに9cmファンしか搭載できないことです。このクーラーの後に発売されたNH-L12Sは14mm厚の12cmファンを搭載可能で160WのTDPにも対応しています。しかしNH-L12Sはクーラー高70mmです。もし70mmのクーラーが入るケースならNH-L12Sを強くおすすめします。Louqe Ghost S1のように70mmクーラーが搭載できないケースの場合は仕方なくこのNH-L12を採用するしかないでしょう。

・Noctua NH-L9x65

2015年3月発売。クーラー高65mm、9cmファン。

3位 サイズ

・BIG SHURIKEN2 Rev.B SCBSK-2100

全高58mm。海外のフォーラムでは非常に評価されているBig Shuriken 2。設置が楽であることと付属ファンを取り外しNoctuaの14cmファンを搭載すると冷却能力がそこそこ優秀であることが理由だと思います。クーラー高が60mmを切っているのも好まれる点です。

このBig Shuriken 2はNH-L12(9cmファン1つのみ)よりも高い冷却能力を持ちます。しかしNH-L12S(全高70mm)よりはBig Shuriken2の冷却能力は劣ります。

クーラー高65mmの「Noctua NH-L9x65」よりも高い冷却能力を持っているのは特筆すべき点です。Louqe Ghost S1への搭載に推奨されているクーラーです。

4位 Thermalright

・AXP-100R H

全高65mm。このモデルは、下記のMuscleにはない14cmファンを設置できるマウンタ付属です。対応TDPは同じなのでこちらのモデルがおすすめです。ただし、対応TDP180Wというスペックははったりです。TDP95W程度だと見ておくべきです。

・AXP-100H Muscle

全高65mm。こちらのモデルには拡張ファンマウンタが付属しません。つまり14cmファンは搭載不可です。対応TDPは上記モデル「AXP-100R H」と同じで180Wが公称ですが、この公称通りの冷却能力はありません。せいぜい95Wです。

4cm ≦ クーラー高 < 5cm

トイツ製のPCケースDan Caseの登場で需要が増えているCPUクーラー高です。

1位 EKL Alpenföhn

・Black Ridge

Dan Case A4-SFXにフィットさせるために企画されたCPUクーラーです。このクーラーの全高47mmはDan Case A4に入るギリギリのサイズです。Noctua NH-L12S(全部70mm)のようにファンを挟み込むタイプを採用しています。標準で付属するファンは94mmですが120mmファンも搭載可能です。公称対応TDPは95Wであり、Core i7 8700Kであっても短時間のTurbo Boostをギリギリ冷却しきれるくらいで、Core i9 9900KのTurboBoost時を冷却するには厳しいクーラーです。全コア3.6GHz運用(TDP95W)なら長時間にわたって冷却し続けることができます。さらに追加でトップにも120mmファンをつけてデュアルファン構成にすると3コア×5.0GHz、4~5コア×4.8GHz、6~8コア×4.7GHzといった動作周波数を長時間にわたって冷却し続けることができますが、当然ながらトップファンを付けるとDan Case A4には搭載できません。空冷の場合は最低でもLouqe Ghost S1のクーラー高66mmのケースを用いてShadow Rock LPかBig Shuriken 2を採用したほうがいいでしょう。

2位 SilverStone

・SST-AR11

2018年1月発売。ArgonシリーズのCPUクーラー。

全高47mmでファンの直径は92mmでPWM対応。しかし最低回転数が1200rpmであり最大回転数は3000rpmにもなるため、Noctua製の14mmファンに交換して使うのが定石です。

このAR11はダイレクトダッチ仕様なので、「アルミ製のCryorig C7+Noctua 14mmファン」よりも冷えます。ヒートシンクの出来自体はCryorig C7より上です。ただし銅製のCryorig C7 Cuよりは若干冷却能力が弱く、「Cryorig C7 Cu+Noctua 14mm」よりは「AR11+Noctua14mmファン」のほうが少し冷却能力で劣ります。Noctua NH-L9iの冷却能力と比較するとAR11のほうが大幅に冷却能力が高いです。

3位 Noctua

・Noctua NH-L9i

厚さ14mmファン込みで全高37mm。冷却能力がCRYORIG C7に比べて低いことを除けば、強くおすすめできるクーラーです。静音性においては圧倒的にNoctua NH-L9iがCRYORIG C7より優れています。このCPUクーラーの対応TDPは95Wです。しかしCore i7 8700KやCore i5 8600KはTDP95Wですが冷却しきれません。Core i7 7700KはAVX拡張命令のOffsetを設定し、AVX命令使用時のクロック周波数を下げるようにすれば7700Kも冷却できますCore i5 7600K、Core i7 6700Kは何も設定せず冷却可能です。

このCPUクーラーはDan Caseを使用する場合に選択されることが多いです。Dan社の公式ウェブサイトでも推奨CPUクーラー一覧にこのクーラーが記載されています。しかしコンパクトかつハイエンドなPCを組むためのDan Caseにおいて8700KレベルのCPUを採用できないのはもったいないので、以下のCRYORIG C7のノイズを我慢して使う人もいます。おすすめはCRYORIG C7のヒートシンク+Noctua NF-A9x14 PWMという組み合わせです。

このヒートシンクに25mmのNoctua製ファンを取り付ければ冷却能力を上げることができますが、Dan Caseの48mm制限ギリギリになってしまうので振動ノイズが懸念されます。

・Noctua NH-L9a-AM4

2017年9月発売。上記モデル「Noctua NH-L9i」のAMD Socket AM4版。

4位 CRYORIG

・Cryorig C7 Cu

2018年発売。外形スペックは下記モデルと同じですが、ヒートシンクを全て銅製にしたことでTDP115Wまで対応しています。ファンのノイズなどの問題は下記モデルと同様かかえていますが、これもファンのみを「「Noctua NF-A9x14 PWM」に交換することで解決できます。しかも冷却能力はさらに向上するので、TDP125W程度までなら冷却できるようになります。純正ファンはノイズがひどいので使うべきではありません。

・CRYORIG C7 V2

2017年発売。TDP100Wまで対応。ファン込で47mmのクーラーですが、このCPUクーラーのファンはC7専用の特殊形状をしておりファン厚みが15mmを超えています。ヒートシンクがそもそもかなり厚いのにファンも厚いので47mmになっています。このクーラーはDan Caseにおいて採用数が多いクーラーですが、ノイズが大きいことで有名で静音化には難があります。またこのC7をDan Caseに取り付けるとケースとほぼ隙間がなくなり高速回転したときに振動ノイズが発生することが報告されています。

おすすめされているのがこのC7のヒートシンク+「Noctua NF-A9x14 PWMファン」の組み合わせです。Noctuaの14mmファンをケーブルバンドを使用してC7ヒートシンクに固定します。クーラー高は43mm程度になりしかもNoctuaファンにより静音化され、冷却能力はC7の付属ファンよりも向上します。

このC7の良くないところは、ファンが特殊サイズであり一般的な規格のファンが搭載しづらいことです。

4位 THERMOLAB(コリアメーカー)

Thermolabは製品が少ないこともあってマイナーなメーカーですがNoFanと同じコリアメーカーです。

・THERMOLAB ITX30

2013年発売。Noctua公式ではCore i7 8700Kを「Noctua NH-L9i」では冷却しきれないというデータシートが公表されていますが、たった全高30mmのこの「THERMOLAB ITX30」では8700Kを冷却しきれるというのはかなりムリをしている印象です。これを買うくらいならSilverStoneのAR11のほうがいいでしょう。