東芝製NAND採用の1TB NVMe規格SSD PLEXTOR M8Pe PX-1TM8PeGNを購入

1TBの東芝製M.2接続NVMe規格SSDを米Amazon.comで購入しました。

2016年8月の発売から時間が経過してだいぶ品薄になってきたPlextor M8PeシリーズのPX-1TM8PeGNです。

コントローラはMarvell、NANDは東芝という高級品です。同じNAND工場で生産されている2014年発売のSandisk Extreme Proの例でもわかると思いますが、SSDというのは新しいからといって耐久性の高い良いものとは限りません。最近はことごとくTLCばかりになってしまっており、1素子に2bit詰め込むMLCが希少になってきています。

2016年末に出たサムスン製の960PROは512GBモデルがTBW400TBしかありませんが、この東芝製M8Peの512GBのTBWは768TBもあります。

1TB版M8PeのTBWは512GB版と同じ768TBしかないという情報もありますが、容量が2倍になれば耐久性も約2倍になるので、東芝NANDのMLCであるM8Pe1TBは1,536TB(1.5PB:ペタバイト)も総書き込みバイト数(TBW)があると言えます。一方で1TBのサムスン製960PROではTBWはたった800TB(0.8PB)です。

日本だと品薄がひどくプレミアム価格になってしまっている製品ですが、米Amazon.comだとかなり安く買えます。

ここで表示されているドル建て価格から、買うときに自動的にクーポン-40ドルが適用され、たった5.11ドルの送料で日本まで発送してくれます。

関税のためのImport Fees Depositを含めても日本国内で買うより安いです。

またこのImport Fees Depositは後日一部返金されます。

私はダイナースカードで購入していますが、為替換算レートはMasterCardが有利なので、MasterCardで買うとさらに為替手数料ぶんだけ安くなります。

購入してから2週間もかからず届きましたが、途中「天候の理由」で少し遅れても2週間弱での到着です。佐川急便で到着しました。日本のAmazonは既に佐川急便の利用をやめてヤマトか日本郵便になっていますが、米Amazonから購入するときは国際荷物ということで佐川急便で届くこともあるみたいです。

512GBモデルまでは片面のみに石(チップ)が付いているが、1TBモデルは両面にチップが付いているため厚さに注意

512GBモデルは基盤の片側のみに半導体チップが付いていますが、1TBモデルは両面に付いています。そのため512GBモデルと1TBモデルでは全体の厚さが異なります。512GBモデルは2.3mm厚ですが、1TBは3.65mm厚です。1.35mmの違いは大きいです。

この厚みの違いは、メンテナンスホールがないタイプのPCケースかつ、Mini-ITXマザーボードの裏面のM.2スロットにこのSSDを搭載することを考えている場合は注意しなければなりません。

マザーボード裏面からケース面までの距離はだいたい長くて1cmです。7.5mmのスペーサタイプだと7.5mmしかありません。たった1mmの違いでも大きな違いになるので、別売りヒートシンクの取り付けができない可能性もあります。またケース面まで熱伝導シリコンスポンジを詰め込んで、SSDの熱をケース経由で逃がす方法がありますが、その際も1mmの違いは大きいです。熱伝導スポンジの厚さは1mm単位なので、厚さが足りなかったりするとスポンジがケースに密着しないため熱を逃がせませんし、厚すぎるとマザーボードが反ってしまうことにもなります。

メンテナンスホールが無いタイプのPCケースに搭載する場合は、M.2接続SSDの厚さとスポンジの厚さ、ヒートシンクの厚さを全部足しこんでマザーボード裏面に収まるかどうか事前に確認しておく必要があります。

東芝製1.5TB M.2 SSDにするのは2016年8月時点でも技術的に余裕だと基盤を見るとわかる

512GB版のM8Peは基盤の片面のみにチップが載っており、1TB版は両面にチップが載っていますが、実は1TB版にもまだまだ基盤にスペースがあります。

まずMarvellのコントローラが載っている面には、コントローラと256GBのNANDチップが2枚載っています。これでこの面はチップで一杯であり他にスペースはありません。

そしてもう片方の面については256GBのNANDチップが2枚載っています。表裏あわせて256GBのNANDチップが4枚載っていて、これで合計1TBというわけです。

実はコントローラが載っていない方の面では基盤の半分以上、まだまだチップを載せるスペースが余っています。つまりこの余っているスペースに256GBNANDチップをさらに2枚追加すれば、これは1.5TB M.2 NVMe SSDになります。この記事の最後に書きますが、このことから2017年モデルは3TB版が出てくることも視野に入ります。

ヒートシンク無しモデルのほうが柔軟に放熱対策をし易い

日本ではヒートシンク有りモデルの方が人気がなく、ヒートシンク無しモデルよりも安くなってしまっています。

ヒートシンク無しで直接チップがむき出しになっているほうが、自前で調達した別売りのヒートシンクを取り付けやすいので有利です。

ヒートシンク有りモデルを買ってしまうと、そのヒートシンクの上にさらにヒートシンクを取り付けなければならなくなりスペースが必要になります。

また最初から付いているヒートシンクと半導体チップの間の熱伝導が十分でないと、ヒートシンクの上にさらにヒートシンクを取り付けても無意味です。

それなら最初から付いているヒートシンクを剥がしてから直接自前のヒートシンクを貼り付けてもいいわけですが、そうすると保証対象外になります。

ヒートシンク無しモデルを買ったほうが小回りが利くと言えます。

米Amazon.comでは当然ヒートシンク無しモデルの方が安い

私は米国のAmazon.comで購入しましたが、ヒートシンク無しモデルのほうが安い上にAmazon.comが販売しAmazon.comが発送する在庫が潤沢にありました。日本のように品薄になっていません。普通に考えたらヒートシンク有りのほうがヒートシンクが追加されてるぶんだけ高くなるのは当然で、米Amazon.comではそのようになっています。日本だとなぜか価格.comを見ても価格が逆転しているので、ヒートシンク有りは意外と余っている印象があります。

ヒートシンク有りモデルはヒートシンクがマザーボードに金属が触れてしまうため被覆劣化によるショートがこわい

ヒートシンク有りのモデルはヒートシンクの縁(へり)が基盤からはみ出る形で出っ張っており、マザーボード裏面に取り付ける場合だとどうしてもヒートシンクがマザーボードに当ってしまいます。

ヒートシンクは一応絶縁処理がなされていますがもし被覆が剥げてしまうと、マザーボード裏面から出ているハンダ付けされた電子部品の足をショートさせてしまう危険があります。

MicroATXやATXマザーボードでは表面にM.2スロットがあり、マザーボード表面のM.2スロットというのはマザーボード面からある程度浮き上がった位置にあるため、マザーボード表面にヒートシンクが接触することはまずないでしょう。

ですがMini-ITXマザーボードのように裏面にM.2SSDを取り付けるタイプでは、M.2スロットがマザーボード表面からほとんど浮いていないためM.2SSDとの距離が狭いです。M8Peのヒートシンクは必ずマザーボードに接触してしまいます。マザーボード裏面に取り付けるとしたらM8Peのヒートシンク「有り」モデルはおすすめしません。ヒートシンク「無し」モデルがおすすめです。

 M.2 SSD用ヒートシンクは長尾製作所 SS-M2S-HS01をヨドバシ.comで購入

M.2 SSD用のヒートシンクは様々なメーカーから大量に出ていますが、とりあえずこれを購入してみました。SS-M2S-HS01という製品です。この製品は日本製であることをゴリ押ししすぎてる感がありますが、中身は質素なものです。ヒートシンクと熱伝導パッドと、ヒートシンクを固定するための耐熱絶縁テープです。テープでヒートシンクとM.2基盤を巻きつけて固定するタイプです。SilverStoneから出ている熱伝導パッドに両面テープがついているのとは異なります。

マザーボードとの接触面にはSilverStone SST-TP01-M2を貼る

M8Pe 1TB SSDは先程も記載したように基盤の両面にチップが付いています。そのため両面から放熱する必要があります。マザーボードの外側に向いている面はヒートシンクを付ければいいですが、マザーボードと接触する面も放熱対策をするべきです。

以下の製品はまだ購入していないのですが、PCを組む段階になったら購入する予定です。

この熱伝導パッドは1.5mm厚のものと0.5mm厚のもの2つが入っており、1.5mm厚のものはチップが付いていない面、0.5mmのものはチップが付いている面に貼ることが推奨されています。

今回私が購入した1TBのM8Peは両面にチップがついているため、0.5mm厚の熱伝導パッドを使うことになります。これでマザーボード経由で熱を逃がすことになります。

2017年に次期モデルが出ると予想されるのでそれまで待つのも手
2017年に2TB(最大3TB)、
2018年に4TB(最大6TB)、
2019年に8TB(最大12TB)のM.2 SSDの可能性

M8Peは2016年8月に発売されたモデルなので、2017年も東芝製NANDを搭載したSSDがPlextorから発売される可能性があります。まず焦点となるのは容量です。次期モデルでは2TBのものが出るのは既定路線でしょう。

上述しましたが、この1TB M.2 SSDであるM8Peは基盤スペースが余っており、その部分に256GBのNANDチップをさらに2枚乗せればM8Pe 1.5TBになります。

東芝は既に1チップで512GBのNAND開発を完了し既にプレスリリースを出しています。この512GBチップをM8Peのように4枚使えば2TB M.2 SSDになります。もし残りの空きスペースにもチップをつめたら3TBになりますが、おそらく2TBで出してくるでしょう。

あとは3D構造で何層にもNAND回路を積み上げるだけなので、2018年には1チップ1TBになり、4枚搭載で4TBが可能になります。空きスペースにつめこめば6TBまで増えます。

同様に2019年には1チップで2TBになり、8TBのM.2 SSDが誕生するでしょう。さらに2枚チップを載せて12TBも可能です。ここまで来るとM.2 SSDのような小型にもかかわらず、容量で3.5インチHDDと互角になります。

2020年代前半には容量単価もHDDを追い抜くと予想されているので、容量の追い抜きは2020年以前に完了するでしょう。価格がHDDより安くなる追い抜きは2020年代前半です。

M.2 SSDは余計な配線の引き回しが不要なので、データセンターでは2.5インチが使われるでしょうが、パソコンではM.2が主流になるでしょう。パソコン内部をスッキリさせたい人には、1TBか2TBのM.2SSDをMini-ITXマザーボードの表面と裏面に挿し、CドライブとDドライブにしてしまうのがおすすめです。