ThinkPad X1 Carbon 2019(Gen7)の比較レビュー 前モデルより軽量化され最小1.09kg、最大1.11kg Intel第8世代Whiskey Lake-U Coreプロセッサ搭載 SSD2TB、LTEモジュール、4K液晶パネル選択可能

2019年のThinkPad X1 Carbon(Gen7)は例年よりも発売が遅くなりました。2019年6月25日に発売が開始されました。

2018年のGen6は2018年4月ごろには既に発売されていました。

それと比較すると2019年のX1 Carbonはだいぶずれ込んでしまいましたが、2018年のGen6と比較するとCPU以外にも意外な改良点があるのでそれについても一つ一つ詳細に見ていきます。

ThinkPad X1 Carbon 2018(Gen6)のレビューはこちらに掲載しています。

目次:

ThinkPad X1 Carbonはクーポン割引が適用される土日に購入すると30%台~40%台 店舗購入でも同じように割引されるのでネットで買わなくてもOK

初めてLenovo製品を購入する人向けの情報としてまずはじめに重要なことを記載しておきます。

ThinkPad X1 Carbonは「クーポン割引」を適用して購入するのが普通です。クーポン割引には土日の割引や臨時の割引がありますがいずれでも30%台~40%台の割引が受けられます。発売から間もない時期でも30%台半ばの割引率が適用され、年末に近づき次期モデルの発表が近づいてくると40%台半ばまで割引率が上昇することもあります。

クーポン割引適用前の価格(平日等に表示されている価格)はPanasonic Let’sNote等の競合他社の製品とおよそ同程度の金額になっています。全く同じカスタマイズにするとPanasonic Let’sNoteとクーポン割引前のThinkPad X1 Carbonはおよそ同じ価格です。これに土日のクーポン割引を適用すると、平日は30万円半ばだったのが土日には20万円前半になる程度まで安くなります。

このクーポン割引は知る人ぞ知る裏技でもなんでもなく公開情報です。土日に公式ウェブサイトから購入するときには「クーポンを利用」を選択するだけで割引が適用されますし、土日にヨドバシ等の店舗に行けばLenovoの販売員さんがしっかり割引コードを入力して割引してくれます。この割引率にネットと店舗での差はありません。同じ日ならクーポン割引は公平です。つまりThinkPad X1 Carbonは店舗で購入してもネット購入より価格で不利になることはありません。

さらにLenovoの製品は公式ウェブサイトから購入しても、ヨドバシ・ビック等の家電量販店で購入してもその後のサポート体制は同じです。このようにサポート体制も割引率も同じであるため、ThinkPad X1 Carbonは店舗でもネット(公式ウェブサイト)でも購入者にとって都合の良いほうを選択して購入すればいいことになります。

提供が大幅に遅れている「ePrivacy液晶」 LTEは多少遅れて追加

コンピュータ科学分野の研究でもそうですが、先行の研究成果と比べて何らかの差分がなければ新規性になりません。これは開発分野の製品でも同様で、先行モデルのThinkPad X1 Carbon 2018と比較してThinkPad X1 Carbon 2019に何らかの新規性がなければなりません。

平凡なノートパソコンの場合、その新規性とはCPUの世代交代を指します。「より最新のCPUを搭載しているからそれが新規性」といった具合です。しかしCPUの刷新だけでは他のノートパソコンメーカーとの差分を生み出せません。

そこでThinkPad X1 CarbonではモデルチェンジごとにCPU以外の新規性を毎回備えています。

ThinkPad X1 Carbon 2019における新規性はePrivacy対応の液晶パネルを提供するというものでした。

このePrivacy対応液晶を選択すると、「ThinkPad Privacy Guard」機能が使用可能になります。設定一つで液晶パネルの視野角を大幅に絞り、横からの覗き見をされづらくする機能です。さらにこれに付随して「Think Privacy Alert」機能も提供されます。これはIRカメラからの入力を画像解析し、覗き見をしているユーザがいることを検知すると自動的に視野角を絞って覗き見されづらくする機能です。

しかしこの「ThinkPad Privacy Guard」「Think Privacy Alert」双方の機能の提供が遅れています。理由はePrivacy対応液晶パネルの提供が遅れているためです。

ここまで遅れると、2020年モデルの発表を待つのが得策という向きがますます強くなってきます。

なぜならThinkPad X1 Carbon 2019で搭載されたCPUは第8世代Intel Coreプロセッサであり、X1 Carbon 2018で採用された世代と同じです。一方でX1 Carbon 2020ではComet LakeまたはIce Lakeの第10世代プロセッサが搭載されることが確実です。

さらに、X1 Carbon 2020ではWWANモジュールにおいて5G通信規格に対応するのも確実です。これは2019年モデルにおいて5G対応が見送られ、2020年モデルにおいて5G対応するiPhoneと同じ事情です。

X1 Carbon 2019は発売日自体も大幅に遅れていました。さらにはLTEモジュールの提供も遅れていたため発売直後はWWAN搭載モデルが存在しませんでしたが、これについては既に提供されています。

ePrivacyという一番のアピールポイントである主要機能の提供がさらに遅延していることで、X1 Carbon 2020の発表時期までの期間が大幅に縮まってきていることもありX1 Carbon 2019の購入を先送りしているユーザが多いようです。

CPUはIntel Core第8世代Whiskey Lake-Uプロセッサ

X1 Carbon 2019に搭載されているプロセッサはIntel Core第8世代Whiskey Lake-Uプロセッサです。このプロセッサのダイの構成は上図のようになっています。

まず一番左の青く着色されている部分がグラフィクス(内蔵グラフィックス:iGPU)です。その右側の黄色く着色されている部分が4コア8スレッドの汎用コアの部分です。そしてその右側の部分がメモリコントローラ部分です。Whiskey Lake-Uプロセッサは、ディスプレイ出力・メモリコントローラ以外のIOコントローラについてはもう一つのチップに機能を任せる2チップ構成になっているため、上図のチップはそのうちの片方のチップです。

モバイル向けの第8世代Intel Core-Uプロセッサは3つのコードネームが存在します。ThinkPad X1 Carbon2017で採用された第7世代Intel Core-Uから列挙してみます。

第7世代Kaby Lake-Uプロセッサ
・ThinkPad X1 Carbon 2017(Gen5)で搭載
・ThinkPad X1 Carbon 2018(Gen6)で一時期このKaby Lake-U搭載モデルが一部存在
第8世代Kaby Lake Refresh-Uプロセッサ
・ThinkPad X1 Carbon 2018(Gen6)の大多数のモデルで搭載
第8世代Whiskey Lake-Uプロセッサ
ThinkPad X1 Carbon 2019(Gen7)で搭載
第8世代Coffee Lake-Uプロセッサ
・TDP28Wもある高性能モデル 冷却性能に余裕のあるベアボーンで採用

上記のうち太い赤文字で記載した部分が今回のThinkPad X1 Carbon 2019モデルです。

第8世代Intel Core-Uプロセッサには、最も下段に記載したCoffee Lake-Uプロセッサもあるのですが、これはTDPが28Wもある高発熱・高消費電力のCPUなので少し大型の製品で採用されるものです。このようにしてみると、Intel Coreのプロセッサ世代としてはX1 Carbon 2018もX1 Carbon 2019も同じ第8世代であることがわかります。

上位のエクストリームモデル、中位のプレミアムモデルではCore i7を選択可能

ThinkPad X1 Carbon 2019では構成カスタマイズにおいて大きく3つのグループに区分しています。最上位がエクストリームモデルで、中位がプレミアムモデルで、下位がパフォーマンスモデルです。

エクストリームモデルとプレミアムモデルではCore i7のみ選択できます。

下位のパフォーマンスモデルではCore i5を選択可能

一方でパフォーマンスモデルではCore i5のみを選択できます。

Windows10 Pro選択可能なモデルでは全てのCPUを選択可能

ThinkPad X1 Carbon 2019では基本的にWindows10Home Editionを搭載することになります。しかしWindows10Proを使いたいユーザもいるので、そういったユーザ向けにWin10Proも選択可能なモデルが用意されています。Win10Proを選択可能なモデルではCore i7もCore i5も選択可能です。

Whiskey Lake-Uのラインナップ

X1 Carbonでは今までのモデルでも、「Core i7が2種類」「Core i5が2種類」の選択肢で提供されてきていますので、X1 Carbon 2019でも以下のようなラインナップになると予想されます。黒い太字はハイスペックな部分、赤い太字はスペックが劣る部分を意味し強調しておきました。

以下のCPUの違いをまとめておきます。

動作クロックについて明確に違いが出ておりここが各CPUの差を主に決定づけます。

キャッシュサイズに関してはCore i7の2機種はともに8MBで一緒。Core i5の2機種はともに6MBで一緒。

Core i7の2機種のグラフィック性能は同じ。Core i5のグラフィック性能はCore i7よりも劣るものの、Core i5の2機種同士のグラフィック性能は同じ。

ややこしいのはvProの対応と非対応の違い。Core i7のうち8665Uに関してはvPro対応。Core i5のうち8365Uに関してもvPro対応。たとえCore i7であっても 8565UのほうはvPro非対応であることに注意。そもそもvProとは何かと言うと、vPro対応CPUを搭載したノートパソコンの場合、リモートからWindpwsUpdateの要求を受け付けて一括してWindowUpdateを適用できます。vPro非対応CPUのノートパソコンではこのリモートによるWindowsUpdateができません。つまり企業で大量にX1 Carbonを調達する場合は、vPro対応のCPUにしておくとWindowUpdateを一括で同時適用できるので作業が楽になります。一方で個人用途なら自分でX1 CarbonのWindowUpdateをやればいいだけなのでvPro対応の恩恵は少ないです。

・Core i7 8665U

4コア8スレッド。動作クロック1.9GHz~4.8GHz。L3キャッシュサイズ8MB。内蔵グラフィックスIntel UHD Graphics 620の最大動作クロックは1,150MHzで441.6GFlopsvPro対応

このCore i7 8665Uとワンランク下のCore i7 8565Uとの性能差は+7%程度です。

・Core i7 8565U

4コア8スレッド。動作クロック1.8GHz~4.6GHz。L3キャッシュサイズ8MB。内蔵グラフィックスIntel UHD Graphics 620の最大動作クロックは1,150MHzで441.6GFlopsvPro非対応

動作クロックとvPro非対応という部分が上記Core i7 8665Uと違う部分。ただしグラフィック性能は上記「Core i7 8665U」と全く同じ。

このCore i7 8565Uと、4つのプロセッサのうち最も低グレードのCore i5 8265Uとの性能差は+4%程度です。

・Core i5 8365U

4コア8スレッド。動作クロック1.6GHz~4.1GHz。L3キャッシュサイズ6MB。内蔵グラフィクスIntel UHD Graphics 620の最大動作クロックは1,100MHzで422.4GFlopsvPro対応

Core i5のグラフィック性能は上記2つのCore i7より劣ります。しかしこのCore i5はvPro対応。動作クロックもCore i7より下がっている点に注意。

・Core i5 8265U

4コア8スレッド。動作クロック1.6GHz~3.9GHz。L3キャッシュサイズ6MB。内蔵グラフィクスIntel UHD Graphics 620の最大動作クロックは1,100MHzで422.4GFlopsvPro非対応

動作クロックは上記Core i5よりさらに低い上に、vPro非対応。しかしグラフィック性能については上記「Core i5 8365U」と全く同じ。

このCore i5 8265Uと、選択できるCPUの中で最高グレードのCore i7 8665Uとの性能差は+11%あります。

X1 Carbon 2019では選択できる一番上のCPUと一番下のCPUの性能差は11%程度だということになります。これはともに4コア8スレッドプロセッサであるため、性能差は動作クロック周波数の差からきています。これは消費電力の差にもつながるのでバッテリー持続時間を考慮して性能をとるかバッテリー持続時間の長さを選択するかというトレードオフになります。

8コア16スレッドのモバイルプロセッサIntel第9世代Core-HシリーズはX1 Carbonで採用されない

実はIntel Coreモバイル向けプロセッサでは8コア16スレッドCPUが既に存在しています。

AMD Ryzenモバイルのシェアは非常に低くIntelのシェアに勝てないとAMDは諦めていて、コア数が多いRyzenにもかかわらずRyzenのモバイルCPUは最大でも4コア8スレッドです。消費電力が高く爆熱で有名なRyzenはモバイル用プロセッサに適さないためです。

そんな中でIntel Coreモバイルプロセッサは8コア16スレッドを実現し、多コア主義のAMD Ryzenを追い越してしまったわけですが、この「ビジネス用途重視」のX1 Carbonには8コア16スレッドのモバイルプロセッサは使われないと思われます。

なぜならIntel Core-HシリーズはハイエンドなゲーミングノートPCを想定しているからです。高性能なグラフィックチップとセットにしなければゲーミングノートPCとしては機能しないため、プロセッサだけIntel Core-Hを搭載するということは考えづらく、さらにX1 Carbonは事務作業用途を想定しているノートパソコンであるため8コア16スレッドのCore-Hは採用されないでしょう。

つまりCore-Hの選択肢があるMacBookProに比べたらX1 Carbon 2019は絶対性能で劣ることになります。

Windows10 “Pro”搭載モデルは限られている HomeではなくProが必要な場合はモデル選択に注意

基本的にThinkPad X1 Carbon 2019ではWindows10Home Editionを選択することになりますが、Windows10 Proも選択できるモデルが存在します。

Proの最大のメリットはBitLockerが使えることです。また外部からThinkPad X1 Carbon 2019に対してリモートデスクトップ接続することもできます。

2ソケットCPUに対応するのもWin10Proのメリットです。しかし、ノートパソコンでは1ソケット構成であるためこの特徴はThinkPad X1 Carbon 2019においてはメリットになりません。

購入時の構成カスタマイズではWin10Homeにしておいて各自でライセンスをあとから購入してProにアップグレードもできます。しかしその場合はLenovoのサポート外になります。

サポートを受けたい場合は購入時にWin10Proを選択しておくことが必要です。さらに各自で別途Proライセンスを購入するよりも、Win10Proを最初から構成カスタマイズで選択するほうが安くなります。

+9,000円未満でWin10Proにすることができます。しかもLenovoサポートの範囲内です。

つまり、Win10Proを使う予定なら最初から構成カスタマイズでProを選択したほうがあらゆる面で得をします。私もThinkPad X1 Carbon 2017を購入したときはWin10Proを選択して購入しました。

メモリ(RAM)は8GB or 16GB 半田付け済みのため後から増設不可

搭載されているメモリはLow Power DDR3(LPDDR3)メモリです。これはX1 Carbon 2017の頃から変わっていません。

容量の選択肢は8GBと16GBの2択でありこの点も以前から変わっていません。また、メモリモジュールは半田付けされており換装不可です。そのため8GB製品を買ってしまうと後から16GBが必要になったとしても増設できません。よってあらかじめ余裕をもって16GBのモデルを選択しておいたほうがいいです。

メモリそのものに関してはX1 Carbon 2017,2018と比較して新規性は全くないです。

しかしメモリの構成カスタマイズでは大きく改善があります。

X1 Carbon 2019では下位のパフォーマンスモデルでも16GBメモリを選択でき、上位のプレミアムモデルでも8GBメモリを選択できるようになる

X1 Carbon 2019では構成カスタマイズにおいて、どのモデルであってもメモリの容量を自由に選択できるようになりました。

X1 Carbon 2018までは「プレミアムモデルはメモリ16GB」「パフォーマンスモデルではメモリ8GB」と固定化されていました。安いパフォーマンスモデルでは最初から8GBメモリ一択でありこれを16GBに構成カスタマイズで変更することができませんでした。またその逆も不可能で、より高価なプレミアムモデルではメモリ容量を8GBに減らすことはできませんでした。

実はX1 Carbon 2018以前は、「プレミアム」や「パフォーマンス」といったモデルの順序付けはメモリの容量を基準に行われていました。CPUグレードも加味されてはいましたが明確な基準はメモリ容量だったのです。

しかしX1 Carbon 2019からはCPUを基準に「プレミアム」と「パフォーマンス」に区分されました。

SSDはM.2規格サイズ NVMe規格が主軸で256GBにはSATA規格もある

X1 Carbon 2019のSSDはM.2規格サイズSSDを搭載しています。直販サイトでSSDのメーカを直接指定できる選択肢が表示されている場合も時々あります。その場合よくみかけるのが「Intel製SSD」です。その他の選択肢だとメーカ名は表示されていません。その場合どのメーカのSSDが搭載されて届くかはわからず指定できません。 私が購入したX1 Carbon 2017の1TBSSDはSamusung製のNVMe規格SSDでした。

X1 Carbon 2019のカスタマイズで選択可能なSSD

X1 Carbon 2019では256GBから2TBまで選択できるようになっています。その中でも256GBのSSDではSATA規格のものが選択できるようになっています。他は全てPCIe接続規格&NVMeプロトコルのSSDです。

この選択候補はエクストリーム、プレミアム、パフォーマンスいずれのモデルであっても共通で選べます。一番安いパフォーマンスモデルであっても2TBのSSDを選択できますし、一番高いエクストリームモデルであっても一番安いSATA規格の256GBSSDを選択できます。

X1 Carbon 2019では2018に続いて2TBのSSDも選択可

X1 Carbon 2018は発売当初は最大で1TBのSSDしか選択肢にありませんでした。しかし後から2TBのSSD搭載モデルが登場し、2TBのSSDも選択できるようになっていました。

一方で今回のX1 Carbon 2019は当初から2TB SSDがラインナップされています。これは2018年当初はまだまだ一般的ではなかった2TB M.2 SSDが、2019年初では既に2TB M.2 SSDが一般的になってきたからです。私もデスクトップPCでは2TBのM.2 SSDをCドライブ用として使用しています。

NVMe規格にこだわり続けているのがThinkPadの特徴

ThinkPadに搭載できるSSDの選択肢はほとんどがNVMe規格のものです。たまにSATA規格の選択肢が存在するモデルがLenovo公式サイトに掲載されていますが一時的だったりするため、SATA規格のSSDを選択するのはあくまでも例外的と捉えておいたほうがいいです。

バッテリーを長く持続させるなら256GBのSATA規格を選ぶのも手

SATA規格のSSDはコントローラが4チャネル8CEになっています。一方でNVMe規格のSSDではスループットを向上させるために8チャネル4CEのコントローラになっています。チャネル数が増えるということは並列書込(同時書込)できる量が増えるということなので消費電力が増大します。SATAよりもNVMeのほうが消費電力が高く発熱量が多いのはこのコントローラのチャネル数が要因です。そのため消費電力を抑えてバッテリーを長持ちさせたい場合はあえてSATAを選択するのも手です。そのかわり256GBしかないので書込み耐久性(TBW)は微妙になります。

Let’s NoteはSATA規格にあえてこだわっている

一方でPanasonic Let’s NoteはSATA規格のM.2 SSDにあえてこだわっているノートパソコンです。理由についてはパナソニック社員から直接きいたことがありますが、「OS用のCドライブとして使う場合はNVMeとSATAも実効速度が変わらないこと」「SATAのほうが発熱量が少なく消費電力が少ないこと」を理由に挙げていました。ごもっともという回答です。ノートパソコンのSSDはSATA規格のものでいいと私は思ってますので、SATA規格のSSDの選択肢を増やしてくれたらX1 Carbonの魅力はさらに高まります。

ディスプレイはテキスト処理向けのフルHDから画像編集向けの4Kまで選択肢がある

ノートパソコンのディスプレイの選択で重要なことは、「一番高い4Kなら大は小を兼ねる」という一般論が成立しないことです。私はThinkPad X1 Carbonを購入する際、Lenovoの営業員さんから「フルHDディスプレイ」の選択をあえてすすめられました。本来営業の立場からすれば価格が高い高解像度ディスプレイをすすめるのが普通です。そのほうが歩合報酬が増えるからです。しかし私のX1 Carbon用途は文字列を扱うテキスト処理だったため、その用途を伝えると「高解像度なディスプレイはテキスト処理作業効率をむしろ悪化させる要因で逆効果なので、フルHDを選択したほうがいい」とアドバイスされました。ここがLenovoのしっかりしているところです。

もしExcel・Wordなどの文書事務やブログ執筆など文字を使う用途がメインなら、フルHDの選択を強くおすすめします。高解像度のディスプレイを選択しても結局は文字サイズを大きくしたり、解像度を下げて使用しなければなりません。そうなると文字がにじんだり、アプリケーションによっては文字サイズの拡大を100%以外の150%等で使用しているとスクリーンショットを撮る際に不便が発生する場合があります。

X1 Carbon 2019では上位のエクストリーム、中位のプレミアム、下位のパフォーマンスいずれのモデルであっても選べるディスプレイの選択肢は一緒

X1 Carbon 2019の構成カスタマイズでは、上位から順にエクストリーム、プレミアム、パフォーマンスといった大きく3つの区分が存在します。そのいずれの区分のモデルであっても選択できるディスプレイの候補は同じです。

このディスプレイに関しては高いほど良いという一般原則が成立しません。Word/Excelのような用途なら一番安いFHDの光沢なしモデルが最適です。

UHD(4K)液晶を選択すると赤外線カメラ(IRカメラ)搭載必須になります。

このように選択ボタンが発生せず最初から「搭載」で固定になっています。

UHD(4K)以外の液晶を選択すると赤外線カメラ以外も選択可能になります。

このように通常のカメラもカスタマイズの選択肢に出てきます。

・14.0型FHD液晶 (1920×1080 IPS 400nit 省電力パネル) 光沢なし

X1 Carbon 2019の中で最も安いタイプになる液晶パネルです。安いと言っても悪いという意味ではなく、光沢のないノングレアでしかも省電力パネルなので事務作業用途の人ならこの液晶パネルがおすすめできます。文字を扱う用途ならこのフルHDタイプ。タッチ操作不要ならこのモデルが最も廉価になるので、特にディスプレイにこだわりがなければ最も安いこのタイプでも十分です。

・14.0型FHD液晶 (1920×1080 IPS 300nit) マルチタッチパネル (10点)

X1 Carbon 2018でも存在した「タッチパネル対応」のディスプレイがX1 Carbon 2019でもラインナップされました。これは光沢ありのグレアタイプになります。「10点」というのは10箇所同時にタッチした場合でもソフトウェア側でタッチされた位置座標を場合分けして処理できるようになっている液晶パネルだということです。ただ10点タッチを有効活用したアプリケーションはまだまだ出てきていないので、これは将来に備えたハードウェアの先行投資としての側面が強いです。

たとえ2~3点タッチ用途のアプリケーションでもこのタイプの液晶パネルを選択しなければならないので、タッチ操作必須の用途の場合はこのディスプレイを選択しましょう。輝度は300nitなので上記のタイプより少し暗くなっています。

・14.0型WQHD液晶 (2560 x 1440 IPS 300nit) 光沢なし

これはフルHD解像度ではないので、文字列入力を扱う作業を行う人にはおすすめできない選択です。ノングレア(光沢なし)であるのは良い点ですが、輝度300nitは少し暗いかもしれません。

Wordのような文字列入力ではなく高解像度の画像を編集する場合、フルHD解像度だと画像が画面外に収まらないことが発生します。そうなると画像をズームアウトした上で編集するか、スクロールバーで移動させながら編集するしかありません。そのような作業をする人ならフルHDではなくこのWQHD解像度のディスプレイのほうがおすすめです。

・14.0型UHD液晶 (3840×2160 IPS 500nit)

このディスプレイは解像度が4Kもあるだけでなく、輝度が高く500nitsもあります。10箇所を同時にタッチしてもそれぞれの座標を認識できる10点タッチに対応しています。4K解像度というのは映画鑑賞のような用途向けです。Youtubeで4K解像度でアップロードしているPCゲームやPS4ゲームの配信者もたまにいます。

映画はテレビ画面だと綺麗に観えますが、パソコンで観ると暗い部分が落ち込んで黒く見える傾向にあります。つまりテレビ用の映像をパソコンで観ると暗い部分がさらに暗くなります。そのためパソコンで映像を観るときは暗い部分が落ち込まないように輝度を上げる必要があります。EIZOディスプレイなんかでも映画観賞用のモードがあって、ものすごく明るくなります(その明るさで文書作業をすると目が疲れるので文書作業はブルーライトカットのPaperモードで行う)。

このような用途を想定しているならこの4Kタイプがおすすめです。

選択したのが4K液晶パネル以外であっても、外付けディスプレイは4K出力できる

X1 Carbon本体の液晶パネルのディスプレイ解像度に関係なく、自前で用意した外部ディスプレイの出力はHDMIなりUSB Type Cコネクタなりで「4K解像度」でできます。たとえX1 Carbon本体のディスプレイ解像度がフルHDであっても、外部ディスプレイに接続して映したときの解像度は普通に4Kを選択できます。当然ですが、外部ディスプレイ自体が4K解像度に対応している必要があります。

HDMI出力だと1.4規格なので4K@30fpsが限界ですが、USB Type C Thunderbolt3通信規格のポートから4K@60fpsが可能です。

X1 Carbon 2019では「ThinkPad Privacy Guard」を新規搭載しプライバシーガラスを使わなくても横からの覗き見をされづらくなっている

私はiPhoneにプライバシーガラスを貼っていますがX1 Carbonには貼っていませんでした。X1 Carbonにプライバシーガラスを導入する場合、貼り付けるというより「引っ掛ける」形でプライバシーガラスを装着することになります。3M製のプライバシーガラスはそのような仕様です。

しかし今回のX1 Carbon 2019では、横から見ると暗くなるようにディスプレイパネルの視野角を絞ってくれる機能が搭載されました。これはプライバシーガラス不要な上に、もし複数人で作業していて横から見てもらいたいときには視野角を広げる設定に変更すればいいだけなので柔軟性があります。とても良い機能を搭載してくれたと思います。

自動的に視野角を絞る「ThinkPad Privacy Alert」も搭載

ThinkPad X1 Carbon 2019の前面に搭載されているカメラで人の視線を監視し、周囲の人が画面を覗き見ているのを検出すると自動的に上記の「ThinkPad Privacy Guard」を有効化し自動的にディスプレイの視野角を絞ってくれる「ThinkPad Privacy Alert」も搭載しています。

この「ThinkPad Privacy Alert」は周囲の人の視線を監視しておくことが必要なため前面カメラを有効化してなければなりません。つまりプライバシー保護のために「ThinkShutter」で前面カメラを光学的に遮断している場合には周囲の人の視線を感知できず「ThinkPad Privacy Alert」は機能しなくなります。

IR(赤外線)カメラを選択するとWindows10で顔認証ログイン可能に

構成カスタマイズでは標準搭載のカメラ以外にもIR(赤外線)カメラの追加を選択できます。

IRカメラがあるとWindows10で顔認証ログインが可能になります。IRカメラが無い場合は指紋認証かPINコードでログインすることになります。iPhone X等の赤外線カメラを搭載したスマートフォンでも顔認証可能になっており、照度が足りない暗い場所でも赤外線カメラがあれば顔認証可能です。

「そもそもカメラなんて搭載したくない」というニーズもあるでしょう。実は企業等の法人向けではそういったニーズが非常に大きいです。そのためX1 Carbonでは2018からThinkShutterという物理的なカメラ無効化機構が搭載されています。

光学的(物理的)にカメラ撮影をシャットアウトするThink Shutterを引き続き搭載 X1 Carbon 2019ではIR(赤外線)カメラ選択時でもThink Shutterを搭載するよう改善

パソコンはソフトウェア的にどのようなセキュリティ対策を講じていても、破られるときは破られるものです。

悪意のあるソフトウェアを仕込まれた場合、ノートパソコンに搭載されているカメラを通じて盗撮しそれが流出してしまう事件が海外でありました。

それを防ぐ原始的な方法として「ノートパソコンのカメラにはガムテープを貼る」というものが提唱された時期もあります。これは非常に強力であり、どのような悪意あるソフトウェアを仕込まれたとしても、「ガムテープで物理的に光が通過できないようになっている」というセキュリティ対策は絶対に突破できません。

そこでX1 Carbon 2018から以下のようなThinkShutterが搭載されました。

ガムテープではさすがに格好悪いので、製品として正式に「光学的シャットアウト機構」を搭載したわけです。これをスライドさせてカメラを塞いでおけば、たとえどんな悪意あるソフトウェアに感染してしまっても撮影されることはありません。

 

しかしThinkPad X1 Carbon 2018でのThinkShutterには中途半端な点がありました。それは「IR(赤外線)カメラ搭載」を構成カスタマイズで選択すると、ThinkShutter非搭載になってしまっていたことです。つまりX1 Carbon 2018では「Think Shutter搭載 or IR(赤外線)カメラ搭載」の排他的選択でした。

一方でX1 Carbon 2019ではIR(赤外線)カメラを構成カスタマイズで選択してもThinkShutterが搭載されるようになりました。つまり構成カスタマイズで何を選択しようが自動的にデフォルトでThinkShutterが搭載されてくるということです。X1 Carbon 2019ではカメラ部分に手を触れずにシャッターを閉められるように、手でスライドする部分がカメラから少し離れた場所に設置されました。

WWAN(LTE)は搭載してもしなくても価格は同じ ただし重量は若干増える

ThinkPad X1 Carbonの強みはPanasonic Let’sNoteと同じ用にWirelessWAN(LTE)モジュール「Fibocom L850-GL LTE CAT9」を搭載するオプションが提供されていることです。

ThinkPad X1 Carbon 2019では構成カスタマイズでWWANを選択しても価格は同じになっています。X1 Carbon 2018以前はWWANを追加すると1万円台~数万円弱程度価格が上昇していました。

このように「WWAN」を外しても\0なので、WWANを付けても付けなくても同じ価格なら付けておいたほうがいいという結論に一般的にはなります。

ただし、WWANモジュールは質量ゼロではないためいくらか重量が増えます。100g未満の非常に軽いものですが重くなることは確かなので軽量化に全振りしたい場合は選択しないのも手です。

また価格0円でWWAN搭載にできるといっても、これはWWAN非搭載の時点で既にWWANモジュールの価格分が本体価格に織り込まれていることを意味しており、得しているわけではありません。WWANを選択すると得するというよりも、「WWANを選択しないと相対的に損する」仕組みになっています。これは決済分野で、現金払いでもクレジットカード払いでも商品価格は同じに設定されているのと同じです。クレジットカード払いの場合、店舗側には手数料が発生するのでその分だけクレジットカード払いの人に手数料を負担させるのがフェアになりますが、実際はそのようなことは許されておらず現金払いの人もその手数料を負担することになっています。今回のWWANの件も同様であり、「WWANを選択しなかった人がWWANを選択した人の費用を間接的に負担している」ため同じ\0価格になっているだけです。そういった意味では、質量の増加を気にしないならWWANオプションは選択しておいたほうが「損しなくて済む」ことになります。

X1 Carbon 2019(Gen7)のバッテリー容量は51Wh 2018(Gen6)の57Whより少ない

X1 Carbon 2019はX1 Carbon 2018と比較してバッテリーに大きな変更点があります。X1 Carbon 2019ではバッテリー容量が51Wh(ワット時)に減りました。X1 Carbon 2018では57Whありました。51Whとは、51Wの電力を1時間供給し続けることのできる電気エネルギー量です。CPUだけでもTDP15W(仮にTDPと消費電力が同じとしておきます)、NVMeSSDは高負荷時に10Wの消費電力、液晶パネルは高輝度でも10W程度です。合計して35Wとしましょう。つまり、ノートパソコンを最高負荷で使用し続けると51Whのバッテリーでは1時間ちょっとしか持続しないことになります。しかしそのような「常に高負荷」のような場面は実用上ほぼ発生しません。CPUの消費電力は通常1W程度、SSDも通常の読書なら1W、液晶パネルの輝度を下げて4Wという「常に低負荷」にすれば10時間程度使えることになります。両者とも両極端な仮定ですが、ノートパソコンのスペック表に載っている「バッテリ持続時間」はもっと実際的なベンチマークを走らせ続けた場合の持続時間になっています。

バッテリーを少なくして何のメリットがあるのかというと、一つは軽量化です。ノートパソコンの部品の中で最も重いのはバッテリーです。しかもバッテリーの「重さあたりの電気エネルギー量」は全然進歩していません。「バッテリーを増やす=重くなる=体積が大きくなる」ということです。SSD等の半導体は年数が経過するに連れて飛躍的に集積度が向上していますが、バッテリーは重さあたりの電力蓄積量がまったく進歩していません。

そうなると、ノートパソコンを軽くするにはバッテリーの容量を減らすか、ノートパソコンの大きさ自体を小さくするしかないのです。X1 Carbonは14インチサイズがアピールポイントなので大きさを小さくするわけにはいきません。そのためバッテリー容量を減らして軽量化するしかありません。

もう一つのメリットはプラットフォームの共通化です。実はこの51WhのバッテリーはX1 Yogaで今まで使われてきたものです。しかしX1 Carbonでは2018まで57Whのバッテリーが使われてきました。そこでX1 CarbonとX1 Yogaでバッテリーを共通化することで、スケールメリット(規模の利益)で製品あたりの製造原価を引き下げることができます。

バッテリー容量が減ることはデメリットと感じる人が多いかもしれませんが、私がX1 Carbon 2017をもう2年近く使ってきた経験で言えば、バッテリー容量が減ってもまったく困りません。

ノートパソコンは自宅に置いているときは充電していますし、持ち運ぶとしても行き先にかならず電源があります。学生でも大学に行けばどんなボロ教室でも改修されていて必ず電源プラグが机に付いていますし、研究室ならなおさら電源なんていくらでもあります。

田舎を旅行していて朝ホテルから出発して夕方ホテルに戻るまで全く電源無しという状況下ならバッテリー容量が重要なのはわかりますが、都内で自宅を中心に移動している限りはバッテリー容量の削減は問題にならないというのが私の結論です。

バッテリー駆動時間は最大18.9時間

バッテリーの駆動時間は人それぞれです。WiFiやLTE経由でYoutube再生ばかりやっていれば、無線モジュールの消費電力+CPU消費電力+液晶パネルの消費電力であっという間に電池が減っていきます。

一方でずっとアイドル状態でメーラーだけ開いておいて放置しておくくらいなら長時間バッテリーが持続します。

しかし、このようにバッテリー持続時間がひとそれぞれだとしても、スペック表記で「用途ごとに違います」と投げ出してしまうはあまりにも思考停止し過ぎています。

そこでJEITA2.0というバッテリー持続時間を計測する上で策定された「事実上標準の」測定方法があり、各社この測定方法に従ってバッテリー持続時間を計測しています。そうすれば同じものさしで各社のノートパソコンのバッテリー持続時間を比較できるからです。

このJEITA2.0測定方法で計測したThinkPad X1 Carbon 2019のバッテリー持続時間は、最大18.9時間です。

なぜ「最大」になっているかというと、構成によって消費電力が変わるからです。CPUはCore i7よりもCore i5のようなクロック周波数が低いほうが低消費電力です。またメモリもほんの少しですが16GBよりも8GBが低消費電力です。以前はメモリ容量はバッテリー持続時間に大きく影響していましたが現在では些細な差しかありません。

大きな要因は液晶パネルです。輝度が高ければ高いほど高消費電力です。フルHDよりも4K(UHD)のように高解像度になると高消費電力です。さらにタッチ非対応よりもタッチ対応パネルのほうが高消費電力です。

あとはSSDです。SSDはPCIe通信規格NVMeプロトコルのタイプになると8チャネル4CEコントローラを搭載しているため高消費電力になります。一方でSATA通信規格のものになると4チャネル8CEコントローラになるので低消費電力になります。

よってこの「最大18.9時間」のバッテリー持続時間を実現するなら、Core i5、メモリ8GB、SSD256GB(SATA)、フルHD・ノングレア(光沢なし)・タッチ非対応・低電力液晶パネル、LTEモジュール非搭載、を選択することになります。

左側の出力端子はUSB Type-C(Thunderbolt 3)×2、USB 3.1 Gen1 TypeA×1、HDMI×1、ヘッドホン出力

Think Pad X1 Carbon 2019の外部出力端子を一つ一つ見ていきます。まずは向かって左側に搭載されているポートからです。

見るとわかりますが、左側の端子類に関してはX1 Carbon 2018から変化ありません。

1. 一番左のUSB Type CコネクタはThunderbolt3通信規格対応でディスプレイ出力可能 充電もこのコネクタを使用

一番左側はUSB Type Cコネクタ形状のThunderbolt 3通信規格ポートです。ここにACアダプタ電源コードを挿し込んで充電もできますし、ディスプレイと接続して外部ディスプレイ出力もできてしまいます。ディスプレイ出力と同時に、外部ディスプレイから電力供給を受けてThinkPad X1 Carbon 2019を充電することもできます。

2. 左から2番目のUSB Type CコネクタもThunderbolt3通信規格対応でディスプレイ出力可能 ただし充電用ではない

左から2番目にあるコネクタもUSB Type Cコネクタ形状をしたThunderbolt 3通信規格ポートです。当然ディスプレイ出力にも使えます。つまりこのX1 Carbon 2019は2つのUSB Type Cコネクタがあるということです。2つのUSB Type Cコネクタがあるという点ではX1 Carbon 2018,2017と同じです。

ただしこのUSB Type Cコネクタは、ThinkPad X1 Carbonを充電するための接続には使えません。X1 Carbonを充電するときは一番左のUSB Type Cコネクタを使用します。

3. 左から3番目のコネクタはThinkPad独自規格形状でLANケーブル接続用

左から3番目のコネクタ(USB Type Cのすぐ横にあるコネクタ)はThinkPad独自規格形状のコネクタです。このコネクタに「イーサネット拡張ケーブル」を挿し込んで、LANケーブルを接続できるようにできます。

このコネクタはThinkPadユーザの間ではお決まりであるほど有名なオプション品です。ThinkPadを買うときにはこれをオプションで選択して同時に購入しているユーザが多いと思います。私も購入し持っています。

このように構成カスタマイズ画面の下に掲載されています。このコネクタを持っていないようだったら選択したほうがいいです。持っているようだったら不要なので選択する必要はありません。この価格だけみるとAmazonで買ったほうが安く見えますが、土日だとThinkPadはクーポンで割引が効くため土日ならLenovo公式のほうが安い場合があります。そのときどきでクーポン割引率が異なるのでよく確認しましょう。

以上、左から1~3番目のコネクタはThinkPad Docking Stationを接続すると塞がれる部分

オプション品でThinkPad Docking Stationというものがあります。

据え置きで使う場合に出力端子数を増やし拡張できるものです。大学の研究室の自席にこのDocking Stationを置いて、外出時やたまにある授業ではThinkPadを持ち出して、もどったらこのDocking StationにThinkPadを接続して作業するみたいな使い方があります。

その場合、左から1~3番目のコネクタはDocking Stationによって塞がれてしまいます。写真でみるとわかりやすいです。

つまりDocking Stationから出力されているUSB Type CコネクタやLANコネクタを使うことになります。

4. USB TypeAポートはUSB 3.1 Gen1通信規格であることに注意

USB TypeAコネクタ形状のポートが1つ搭載されていますが、この通信規格はUSB 3.1 Gen1であり、Gen2ではありません。つまり10Gbpsの速度が出るUSBではありません。そこは注意しておく必要があります。

5. HDMI端子は有り難いフルサイズ 通信速度はHDMI 1.4規格

USB Type Cコネクタを使ってもディスプレイ出力することができますが、HDMI端子もしっかり搭載されています。しかもmini HDMIコネクタ形状ではなく、フルサイズのHDMIコネクタです。フルサイズのHDMIコネクタというのは「いわゆる普通のHDMIコネクタ」のことです。

ただし、このHDMI端子は「ThinkPad Docking Station」を装着したときは無効化されます。ドッキングステーションを装着しているときは、ドッキングステーション背面に搭載されたディスプレイ出力端子を使うことになります。ドッキングステーション背面のディスプレイ端子と、ThinkPad X1 Carbon2019本体に搭載されているHDMI端子を同時に使うことはできません。

右側には電源ボタン、USB 3.1 Gen1 TypeAポート×1、排気口

X1 Carbon 2019の電源ボタンは向かって右側のサイドにあります。X1 Carbon 2018,2017では、電源ボタンはキーボード上方にありました。ディスプレイを持ち上げてから奥の方に設置されているボタンを押すようになっていました。

しかしX1 Carbon 2019ではサイドに移動しています。これは自宅でX1 Carbonを操作するときには大変好ましい変更です。

ノートパソコンの欠点は画面の狭さとキーボードの打ちにくさです。そこで私は自宅ではEIZOのディスプレイと東プレRealforceキーボードをThinkPad X1 Carbonに接続して操作しています。

その場合、電源スイッチをいれるときはThinkPad X1 Carbonのディスプレイを開けて(フタを開けて)、その中にある電源スイッチを押さなければなりません。そして電源スイッチを押したらまたディスプレイを閉じるわけです。X1 Carbon 2017,2018の場合このような電源スイッチ配置になっています。

一方で今回のX1 Carbon 2019なら電源スイッチが右サイドにあるため、わざわざX1 Carbon本体のディスプレイを開ける必要がありません。閉じたままでOKです。もし誤作動防止として画面が閉まっている間は電源が入らないとしても、少し画面を持ち上げてあげるだけでいいので楽です。X1 Carbon 2017や2018では、電源スイッチが一番奥に設置されているため、画面をほぼ完全に開ききらないと電源スイッチを押せません。

自宅で外付けディスプレイ+外付けキーボード環境で使う場合は、ノートパソコンのサイドに電源スイッチがあることは大変ありがたいことです。今回のX1 Carbon 2019での変更点は歓迎できます。

背面にはLTEモジュール用のSIMカードスロット搭載

X1 Carbon 2019購入時に「LTEモジュール搭載」を選択すると、各自で用意したnano SIMカード(例えば私の場合はNTTコミュニケーションズ+ドコモ回線のOCNモバイルONE)を使用することができます。LTEモジュールを構成カスタマイズで選択していない場合は、このスロットにSIMカードを挿しても何も意味がありません。

X1 Carbon 2017ではスロットが右サイドにありましたが、X1 Carbon 2018から背面に移動しました。X1 Carbon 2019でもX1 Carbon 2018と同じ場所を踏襲しています。

iPhone等のスマホと同じで金属製のピンを差し込むとスロットが出てくる仕組みです。

ThinkPad X1 Carbonでは音声SIMを挿しても080,090通話端末として使えないので、データSIMで十分です。

またSIMサイズはnano SIMのみ対応です。これはiPhone等のスマホで使うのと同じサイズです。X1 Carbon 2017まではmicro SIMサイズでしたが、X1 Carbon 2018からはnano SIMに改善されました。現在使用されるSIMカードはほとんどnanoサイズであるため便利です。

前面(ディスプレイ上部)にはマイクを4つ搭載

ノートパソコンのマイクといったら普通はディスプレイを開けた内側のディスプレイ下方、またはカメラの横にありますが、X1 Carbon 2019ではディスプレイ最上部にマイクが搭載されています。ちょうどディスプレイを閉じたときに手前にくる部分です。

左側に2つ、右側に2つのマイク用の口があります。これは単にステレオにするためでなくノートパソコンからみてどの方向に音声源があっても音を拾いやすくするためです。

裏側は空冷ファンの吸気口とスピーカー2つ

本体裏面には、CPUクーラーの吸気口があります。裏面から吸い込んで右サイドから排気するエアフローです。横から吸い込んで裏面から排気というエアフローでは排気が十分できなくなるためこのようになっています。吸気口の部分は少しでも隙間があれば十分ですが、排気口の先は十分なスペースがなければなりません。ノートパソコンの右側なら十分が空間があるということでこうなっています。そのためX1 Carbonを設置するときは右側を塞いではいけません。

裏面に搭載されている2基のスピーカーは低音~中音域を担当しています。高音域を担当するツイーターはキーボードの上方部に搭載されておりディスプレイを開けた内側に2基あります。

重量は最小で1.09kg、最大で1.11kg

ThinkPad X1 Carbon 2019に限らず、カスタマイズ可能なノートパソコンは構成によって重さが変化します。最も重さが変動する要因がバッテリー容量であり、Let’sNote等では選択するバッテリー容量で重さが変化しますが、X1 Carbon 2019では51Whのバッテリー容量で固定なのでバッテリー容量要因で重さが変化しているのではありません。

X1 Carbon 2019の主な重さ変動要因は「LTEモジュール」です。さらに液晶パネルはタッチ対応にすると重くなります。またそこまで大きく変動はしませんがM.2 SSDの基盤に搭載されているBGAパッケージの数でも重さが若干変化します。大容量だからといってBGAの数が増えるわけではなく、BGAあたりに搭載するNAND Flashダイの枚数が増えるパターンもあるのでそこまでSSDの容量と重量は綺麗に正比例しませんが、同一世代のNAND Flashダイを用いたSSDの容量増加は一般的にSSDの質量を増やします。これらを搭載すると重さが最大1.11kgになります。

外形サイズ:縦と横の長さはX1 Carbon2018,2017とほぼ同じ X1 Carbon 2019は厚さが1mm薄い14.95mm

X1 Carbon 2019の横幅と縦の長さはX1 Carbon 2018とほぼ同じです。

まず日本国内で発表されているX1 Carbon 2019の公称スペックは以下の通りです。

サイズに「約」がついているのには理由があります。実はサイズの決定はmm単位ではなくインチサイズで決定され設計されており、それをmm単位に直すと繰り返しのある無限小数(有理数÷有理数)になってしまうため、mm単位では丸めて「約」と表示されています。

海外で発表されている公称スペックのインチサイズを元に計算すると、X1 Carbon 2019は横幅322.8mm(12.71インチ)、縦216.9mm(8.54インチ)になります。

そして先代のX1 Carbon 2018のサイズは、縦の長さは217.1mm(8.55インチ)であり、横の長さは323.5mm(12.74インチ)だったので少しだけ短くなっていますがこれはほぼ同じです。

大きく変更されたのは厚さです。

 

X1 Carbon 2019の厚さは14.95mm(0.628インチ)になっており、X1 Carbon 2018の15.95mm(0.628インチ)から1mm薄くなっています。たった1mmと思うかもしれませんがもともとの厚みが約16mmだったのでそこから1mmも削ったのは大きな小型化です。しかも1mm厚みを減らしただけでも横幅×縦の面積を考慮すれば体積は大幅に小さくなっています。

Lenovo純正プレミアムケースは最も小さいサイズの4Z10F04134が最適

この記事の冒頭のabstractにも書きましたがX1 Carbon 2019ではX1 Carbon 2018よりも1mm厚みが減少したので、これまでのLenovo純正プレミアムケースに格納することができます。Lenovo純正プレミアムケースには3つのサイズが用意されています。中サイズが本来X1 Carbon向けとされているものですがこの中サイズはX1 Carbon 2016のサイズを前提としたものでした。

しかしX1 Carbonは2017(Gen5)から大幅に小型化されたため、最も小さいサイズのプレミアムケースにぴったり入るようになりました。中サイズのプレミアムケースは横幅39cm程度あるのに対して、小サイズのプレミアムケースは37cmです。男性向けバッグは横幅40cmであることが多いので、37cmのプレミアムケースなら余裕をもってバッグに入れることができます。

よりぴったりのサイズのプレミアムケースを使用するなら小サイズのプレミアムケースがおすすめです。私も実際に購入してX1 Carbon 2017用に使っています。X1 Carbon 2019は縦横のサイズを維持したまま1mm厚さが減少しているので余裕でX1 Carbon 2019も格納できます。

X1 Carbon 2019が買いのタイミングかと言えば微妙 急ぎでないならComet Lake-Uか、低消費電力性で有利な10nmプロセスIce Lake-Uが搭載される見込みのX1 Carbon 2020を待ったほうがいい

X1 Carbon 2019はX1 Carbon 2018と比較して改善点が多く2018より明らかに良い仕上がりになっています。

しかしこれが買いのタイミングかと言ったらちょっと微妙です。このX1 Carbon 2019が2019年1月~2月に発売されたのならまだしも、実際は6月までずれ込んでいます。

2019年6月に第10世代のモバイル向けIntel CoreプロセッサIce Lake-Uが出荷されました。2019年末にはComet Lake-Uプロセッサも出荷されます。

つまり2020年1月に発表され春先に発売されるであろう次期ThinkPad X1 Carbon 2020ではIce Lake-UかComet Lake-Uが搭載されることが見込まれます。

急ぎでないならThinkPadやLet’sNoteを含めてモバイル機器を買うのは年末まで待つのが得策です。

Let’sNote買い替えのタイミングを狙っている知人はIce Lake-Uが搭載されるのを待っているようです。

MacBookと並んでコンピュータ科学分野の学生に好まれるX1 Carbon

B3~M2までコンピュータサイエンスをともに学んでいた同期の友人は学部生の頃からLet’sNoteとThinkPadを使っています。普通はWindowsノートならこの2つのうちのどちらかです。

ただし、Windows機以外だとMacBookを使う人がコンピュータ科学分野では非常に多いです。Mac保有者が異常に多いのは私の大学だけかもしれませんが、同期でMacBookを講義室や研究室に持参している人は非常に多かったです。実装でLinuxが必要になった場合はMacBookにLinuxをインストールして使ってる人もいます。

教員の場合はMacBook vs. Let’sNoteで二分されています。教員が使うWindows機としてX1 CarbonよりLet’sNoteが多いのは研究室の減価償却資産にできるため高額なPanasonic製を選びたくなるからだそうです。

それなりに学術的なコンピュータ分野に詳しい人だと、MacBookまたはWindows機ならLet’sNoteかThinkPadというのがノートパソコンの選択肢だと思います。日本IBMがThinkPadを作っていた頃はそれこそThinkPadが支持されていたようですが、今はLet’sNoteを使っている教員のほうが多いです。特にLet’sNoteは大企業や国立大学法人含めて採用されているのが強いです。私も研究室からの支給はLet’sNoteでした。ただそれでもMacBookを使いたい学生が多いのでそういった人は各自で用意したMacBookを使用していました。

私は修士で新卒就職しましたが同期の友人は博士まで行って民間で正規の研究職に就いていて、いまだにプライベートではThinkPadかLet’sNoteを使っています。コンピュータ科学分野の人が好むのはWindowsOSならThinkPadか、Let’sNoteです。

このようにMacBookにしてもThinkPad、Let’sNoteどれにしても共通しているのは「CPUはIntel製」だということです。つまりノートの買い時というのはIntel CPUの新モデルがいつリリースされるかによって大きく左右されます。そういった意味でIntel Ice Lake-Uの出荷が2019年6月、Comet Lake-Uの出荷が2019年末というタイミングはノートパソコンの購入において非常に難しい判断となります。搭載されるとしてもそのモデルが出てくる時期が見通せないことと、そもそも実際にIce Lake-UがX1 CarbonやLet’sNoteに搭載されるのか、Comet Lake-U止まりなのかで性能が大きく変わってくるためです。

Panasonic Let’sNoteは10月下旬に秋冬モデル、1月下旬から春モデル、6月に夏モデルを発売する「年3回サイクル」を維持しています。Let’sNoteにIce Lake-Uが採用されると仮定してもどんなに早くても10月下旬の秋冬モデル、通常なら1月下旬の春モデルとなりそうです。

ThinkPad X1 Carbonの場合は2020年1月に発表、4~6月に発売が見込まれる2020年モデル(Gen8)にIce Lake-UかComet Lake-U搭載されるとみるのが自然です。そうなると例年より発売時期がずれ込んだX1 Carbon 2019は買いのタイミングとして難しいところがあります。