おすすめCore i5 8500のベンチマーク性能比較レビュー 第3世代Ryzen 5 3600Xに+3%の差で勝つ性能

Core i5 8500は2018年4月に発売された6コアプロセッサです。

動作クロックは3.0GHz~4.1GHz。これより1グレード下にCore i5 8400がありますが、Core i5 8500とCore i5 8400には大きな差があります。

Core i5 8500と第3世代AMD Ryzen(2019年度発売)プロセッサを比較

Core i5 8500 vs. Ryzen 5 3600X

同じ6コア同士でIntel CoreとAMD Ryzenをベンチマーク性能比較してみます。

2018年4月に発売されたCore i5 8500と比較するなら、同じ2018年に発売された第2世代Ryzenの6コアモデルと比較するのが妥当になりそうですが、第2世代Ryzenでは正直性能がしょぼすぎてお話にならないので、1年後に発売された第3世代Ryzenと比較することにします。

後に発売されたプロセッサのほうが性能上は有利であり、後に発売されたIntel Coreと比較してしまうのはAMD Ryzenにとって非常に酷であまりにも可哀想ですが、後に発売されたAMD Ryzenと前に発売されたIntel Coreを比較するのなら、前提条件としてはAMD Ryzenに有利でIntel Coreに不利になるだけです。

しかし、以上のようにAMD Ryzenにとって有利な前提条件を付けてあげても、結果はCore i5 8500が+3%、Ryzen 5 3600Xに勝利してしまいます。2018年4月に発売されたCore i5 8500が、2019年7月に発売された第3世代Ryzen 5 3600Xを打ち負かす結果です。

Core i5 8500はvProテクノロジ対応 1グレード下のCore i5 8400はvProテクノロジ非対応

Core i5 8500と、それより一つ下位のグレードであるCore i5 8400には大きな違いがあります。Core i5 8500はvProテクノロジに対応していますが、Core i5 8400はvProテクノロジ非対応です。

Core i5 8500以上のプロセッサは全てvProテクノロジに対応しています。一方で、Core i5 8400以下のプロセッサは全てvProテクノロジ非対応です。たとえCore i3 8350Kのように手動オーバークロックに対応した末尾文字(suffix)”K”のプロセッサであってもvProテクノロジ非対応です。

つまりIntel CoreプロセッサではCore i5 8500とCore i5 8400の間に大きな断絶があります。ナンバリングとしてはたった型番100の差ですが、この間でとても大きな違いが発生しています。

vProテクノロジ対応プロセッサを搭載したPC端末は、リモート操作で一括してWindowsUpdateを実施することができます。職場等で従業員or職員用のPCが数百台・数千台とある中で一括でWindowsUpdateを実施するにはvProテクノロジ対応プロセッサはほぼ必須です。

しかし個人用とならvProテクノロジ非対応でも困らないので、その場合は特に気にする必要はありません。

BitLockerでCドライブを丸ごと暗号化したい場合はCore i5 8500以上が必要

Core i5 8500とCore i5 8400の違いの一例として、vProテクノロジ対応か非対応かの要素があると上述しましたが、他にも重要な違いがあります。

Core i5 8500はIntel TXT(トラステッド・エグゼキューション・テクノロジー)に対応していますが、Core i5 8400は非対応です。

Intel Coreを搭載したノートパソコンを購入したことがある人はTPM(Trusted Platform Module)チップの存在を知っていると思います。これはデスクトップPCでもマザーボードにTPMを搭載することが可能です。Intel TXT対応のプロセッサかつ、マザーボード上にTPMチップを搭載していると、CドライブをBitLockerで丸ごと暗号化することができます。

Intel TXT非対応のプロセッサまたはマザーボード上にTPMチップ非搭載であっても、システムドライブ以外はBitLockerで暗号化することができます。しかし、システムドライブ(Cドライブ)を暗号化する場合はIntel TXT対応プロセッサかつTPMチップが必須です。なぜならCドライブはブートドライブも兼ねているからです。

Intel TXTはOSが起動する前のUEFI(BIOS)起動の段階から、Cドライブがセキュアであることを担保する仕組みです。そのためBitLockerでCドライブを丸ごと暗号化するにはハードウェアのサポートを得ることが不可欠であり、ソフトウェアのみでは完結しません。そのハードウェアのサポートを提供するのがIntel TXTとTPMチップです。

たとえTPMチップを用意しても、プロセッサがIntel TXT非対応だとCドライブを丸ごとBitLockerで暗号化することはできません。

Cドライブを暗号化したい場合はCore i5 8500以上のIntel TXT対応のプロセッサを選ぶことが必要です。