GeForce RTX 4080搭載おすすめグラボ&パソコン比較

2022年11月に発売されたGeForce RTX 4080はAda Loveless世代のGPU第二弾です。2022年10月に発売されたGeForce RTX 4090に続いての発売です。

しかし今回はリリースへの運びの不調さが感じ取れます。1世代前のAmpere世代のときは2020年9月にRTX3090, 3080, 3070はほぼ同時発売でした。

今回のこのNVIDIAの小出しのリリースは、AMDが苦しい決算発表の理由として発言した通りリテール向けパソコンの不調が理由としてあげられるでしょう。加えて生産数を確保できないことも理由です。

多くの人はPCパーツの高騰に辟易してゲーム市場含めたe-Sports産業の市場規模が縮小しているデータが出てきています。もはや売り手市場は通用しなくなっており、「RTX4080の性能の高さは確かに認めるけれども求めているのはこのような過剰スペックではなくFullHDで高いフレームレートが出る安いGPU」が必要とされているのが現状です。

NVIDIA GeForce RTX 4080の詳細スペックと特徴

メーカー・モデル名NVIDIA GeForce RTX 4080
CUDA Core数9,728
ブーストクロック2,505 MHz
メモリ容量16GB
共有キャッシュ64MB
単精度性能53.86752 TFLOPS
倍精度性能0.761 TFLOPS
Tensor Core性能389.89824 TFLOPS
TDP320W
発売日2022年11月
Ray Tracing性能112.7 TFLOPS
ベースクロック2,210 MHz
ピクセル・レート280.6 GPixel毎秒
テクスチャ・レート761.5 GTexel毎秒
メモリタイプGDDR6X
メモリクロック22.4 GT毎秒
メモリバス幅256bit
メモリ帯域幅716.8 GB毎秒
接続規格PCIe 4.0 x16
アーキテクチャAda Lovelace (GeForce 4000 series)
コードネームAD103-300
ファウンドリTSMC
プロセスルール4nm (4N)
トランジスタ密度121.2 MTr/mm²
トランジスタ数459億
ダイサイズ378.6mm²
SM数76
無効化SM数8
TMU数304
ROPユニット数112
Tensor Core数304
RayTracing Core数76
NVLink非対応
3DMark Speed Way(DX12)7,173
3DMark Port Royal(DX12)17,884
3DMark Night Raid(DX12)174,942
3DMark Time Spy(DX12)28,131
3DMark Wild Life(DX12)141,988
3DMark Fire Strike(DX11)65,360
PassMark GPU34,929
Userbenchmark GPU(実効)290
Userbenchmark DX10389

GeForce RTX 4080でもGeForce RTX 4090と同様に、Radeon RX 6950XTの存在を意識してL2共有キャッシュサイズについては前世代から大幅に増加しました。

GeForce RTX 4080で採用されたAD103チップのSM数は前世代フラッグシップのGA102と同じ84基 8基を無効化し76基が有効

GeForce RTX 4080ではAD103チップが採用され、GeForce RTX 4090のAD102よりワングレード格下です。しかし前世代のGeForce RTX 3090で採用されたGA102と同じSM数を有します。つまり1グレード分だけ今回の世代が格上になっているということです。

ビデオメモリ16GBはRTX3090の24GBより劣るが、RTX3080の10GBからは+60%増

メモリ容量はかなり重要です。GeForce RTX 3080はメモリ容量を10GBから12GBへ増加させただけでフレームレート性能が向上しました。

メモリ容量は前世代と比較するとGeForce RTX 3090の24GBと比較すると少ない16GBですが、GeForce RTX 3080の10GBや12GBと比較すると50%前後増加しています。

GeForce RTX 3080のL2共有キャッシュサイズ64MBはRTX3080の5MBと比較し大幅増加 RTX3090の6MBからも急増

AMD Radeon RXの共有キャッシュはL3共有キャッシュなのですが、それでも共有キャッシュサイズの大きさはフレームレート向上において強くRadeon RX 6950XTがGeForce RTX 3090Tiに対し勝つ局面が増えていました。そこでAda Loveless世代では共有キャッシュが大幅に強化されました。

GeForce RTX 4080においてはL2共有キャッシュが64MBとなっており、RTX4090の72MBよりは少ないものの前世代と比べたら+10倍以上の大幅増加です。これだけの強化は明らかにAMD Radeon RXを意識したものになっています。

1位: ASUS ROG-STRIX-RTX4080-O16G-GAMING

GPUNVIDIA GeForce RTX 4080
型番ASUS ROG-STRIX-RTX4080-O16G-GAMING
発売日2022年11月
専有スロット数3.5 slot
全幅70.1 mm
全長357.6 mm
全高149.3 mm
質量等2.503 kg / 3.74ℓ
ブーストクロック2,655 MHz
単精度(32bit)性能57.09312 TFLOPS
倍精度(64bit)性能0.807 TFLOPS
Tensor(行列積和)性能413.24544 TFLOPS
メモリ容量16GB
補助電源16pin (12VHPWR, PCIe5.0 12+4pin) ×1
推奨電源容量750W
冷却機構空冷
ファン数本体ファン×3
出力コネクタDisplayPort×3, HDMI×2

RTX4080を搭載したグラボの空冷モデルの中では最高峰レベルの製品です。意外な特徴としては、このASUS ROG STRIXの下位シリーズであるTUFよりも外形サイズが小さくなってるということです。TUFシリーズよりもこちらの方がファクトリーオーバークロック値(工場出荷時から定格動作の範囲内としてオーバークロック済みのクロック値)が高いにもかかわらず、全高と厚さは小さいです。全長はさすがにこちらの方が大きいですが、全高と厚さが短いため容積はこちらの方が小さくなっています。

ただし重量はこちらの方が大きいため、ヒートシンクの優秀さは間違いなくこちらが上です。それがファクトリーオーバークロック値の高さに繋がっています。

2位: ASUS TUF-RTX4080-O16G-GAMING

GPUNVIDIA GeForce RTX 4080
型番ASUS TUF-RTX4080-O16G-GAMING
発売日2022年11月
専有スロット数3.65 slot
全幅72.6 mm
全長348.2 mm
全高150 mm
質量等1.969 kg / 3.79ℓ
ブーストクロック2,625 MHz
単精度(32bit)性能56.448 TFLOPS
倍精度(64bit)性能0.797 TFLOPS
Tensor(行列積和)性能408.576 TFLOPS
メモリ容量16GB
補助電源16pin (12VHPWR, PCIe5.0 12+4pin) ×1
推奨電源容量750W
冷却機構空冷
ファン数本体ファン×3
出力コネクタDisplayPort×3, HDMI×2

RTX4080搭載TUFシリーズのオーバークロック版です。このモデルの他に非オーバークロック版のTUFシリーズが存在します。このモデルの「TUF-RTX4080-O16G-GAMING」の型番と、非オーバークロック版の「TUF-RTX4080-16G-GAMING」とで型番が紛らわしいので購入するときは留意が必要です。

ASUS ROG STRIXより下位グレードという位置づけですが、外形サイズはこちらの方が大型なのでそこは注意する必要があります。厚さと全高がTUFの方がROG STRIXより長いです。バックプレートを見ると解りますが基盤がない部分の通気口部分がスカスカでありヒートシンクが薄くなっています。これがTUFの方が大型(容積が大きい)にも関わらず重量がROG STRIXよりも軽い要因です。予算があるなら間違いなくROG STRIXの方がいいです。逆に予算が足りないなら非オーバークロック版のTUFがあります。