デスクトップPC向けのDDR5規格メモリをメーカ横断的に比較しています。
DDR5になって転送レート(クロック)が大幅に増加したためデータ転送速度(スループット)は向上しました。一方でクロックの上昇と同時にCL(Cas Latency)も増加しました。CLは単にクロックサイクル数であるため、転送レート上昇に伴う1クロックあたりの時間短縮も考慮して比較しなければなりません。
ここではメモリ容量ごとに分類するのではなく、「同一仕様のモデル」である場合は一つの項目にまとめています。
1位: Crucial CT-G48C40U5
メーカー名 | Curucial |
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シリーズ | CT~G48C40U5 |
型番 | CT8G48C40U5 (8GB×1) , CT2K8G48C40U5 (8GB×2) , CT16G48C40U5 (16GB×1) , CT2K16G48C40U5 (16GB×2) , CT32G48C40U5 (32GB×1) , CT2K32G48C40U5 (32GB×2) |
チップ規格 | DDR5-4800 |
モジュール規格 | PC5-38400 |
モジュール | DIMM |
発売日 | 2021年11月 |
CL | 40 |
レイテンシ | 12 ns |
最大転送速度 | 38.4 GB毎秒 |
レジスタバッファ | Unbuffered |
ECC(エラー訂正) | なし |
チップ製造元 | Micron D1z (16chip × 16Gbit/chip) |
電圧 | 1.1V |
tRCD-tRP-tRAS | 39-39-77 |
転送レート | 4,800 MT/s |
I/Oバスクロック | 2,400 MHz |
Curucial製最初のDDR5メモリです。最も無難な選択です。SanMax製のメモリは高価すぎて無理という人はこれを選択しておけば間違いありません。容量の展開は多く1モジュールあたり8GB~32GBまで存在します。
【8GB×1】 CT8G48C40U5
【16GB(8GB×2)】 CT2K8G48C40U5
【16GB×1】 CT16G48C40U5
【32GB(16GB×2)】 CT2K16G48C40U5
【32GB×1】 CT32G48C40U5
【64GB(32GB×2)】 CT2K32G48C40U5
メモリ(RAM)は「主記憶」 CPUから見た中心的な記憶装置
記憶装置と言うとSSDやHDDのようなストレージを指すことが多いですが、Computer Scienceの講学上はメモリが記憶装置の主役です。SSDやHDDのようなストレージは「補助記憶」と呼ばれ、つまりおまけ的な存在ます。
いわゆるメモリ(RAM)は「主記憶」と呼ばれます。これはオペレーティング・システムやコンピュータ・アーキテクチャの名前が付いた教科書(大学で用いる教科書)を見ると書いてあります。
レジスタ, L1キャッシュ, L2キャッシュ, L3キャッシュ, 主記憶(メモリ), ストレージ(SSD)といった階層を「メモリ階層」と呼びますが、この中でメモリ(主記憶)が中心的な存在です。
CPUの命令自体は直接SSDのデータを参照することができません。SSD上のデータは必ず主記憶たるメモリに持ってきて、そこで初めてLoad,Store命令によってCPUが感知できるようになります。つまりCPUが扱うことができるのはメモリ上のデータであり、これがメモリが「主記憶」と分類される所以です。
速度規格の転送レートが速いに越したことはない
DDR-4800の場合、4800 MT/secの転送レートを有していることを意味しています。この数字が大きい分には問題ありません。たとえばマザーボードがDDR5-3200までの対応品だったとしても、普通に動作します。設定も必要ありません。マザーボードが勝手に転送レート(クロック)を落としてくれます。
同じクロックならCL(Cas Latency)が小さいものを選ぶ
同じ転送レート(例:DDR5-4800の4,800MT毎秒)同士のメモリならCL(Cas Latency)が小さいメモリを選んだほうが高性能です。
特にDDR5メモリはDDR4と比較し、クロックサイクルベースのレイテンシが大きくなっているのみならず、時間(nano seconds)ベースのレイテンシも大きくなっています。そのため、同じ転送レート(クロック)ならできるだけCLが小さいメモリを選んだ方が高速になります。
Intel CoreならCLの相性問題を気にする必要はありません。素直に小さいものを選んでおけばOKです。一方でAMD Ryzenの場合はメモリ相性がシビアであるためCLやメモリランクごとの相性問題が顕著です。マザーボードメーカが公表しているQualified Vendor List(QVL)を参照し動作確認が取れているメモリモジュールを購入する必要があります。
メモリは絶対に中古で買わない方がいい 知人から聞いた「エラーメモリを買取店(中古店)で売却できてしまった」という話
メモリは中古品を買わない方がいいです。メモリに限らず中古のPCパーツを私は買わない主義ですが、原因究明が難しくエラー時の損害が大きいメモリに関してはSSDと同レベルで中古で買ってはいけないPCパーツです。
知人はメモリエラーが1週間に1回ほどの頻度で発生していたためメモリを買い替えたようですが、そのエラーメモリを売却することに成功してしまったようです。
買取店では正常動作するかどうかの審査に1時間ほどかけます。メモリの場合はMemtest86+等をひたすら回してエラーが出なかったら買い取りです。しかしたった1時間Memtest86を回しただけではエラーが表面化しないメモリは存在するということです。
「Memtest86+を自宅で回してもエラーになることもあればエラーにならないこともあった」と言っていました。
つまり、中古市場ではこういった粗悪品が普通に出回っていることを意味します。売却されるということは訳ありだということです。
特にDDR5のような現行品のメモリが中古市場で出回っている場合、わけあり品である確率(蓋然性)がかなり高いと見ていいです。