ふるさと納税対象のおすすめノートパソコン総合比較 返戻率だけでなく情報工学分野の専門的な観点から実用性を評価

このページではふるさと納税返礼品のノートパソコンを比較しています。

他のサイトでふるさと納税返礼品のノートパソコンを比較しているサイトは「ふるさと納税をメインで扱ってるサイト」になっています。

しかしそういったサイトでの比較を見ると「返礼品が高くてもこんなノートパソコン入手したところで全く使い物にならない」と思うようなパソコンが上位におすすめされていたりします。

一方で当サイトはふるさと納税のサイトではありません。コンピュータ分野(パソコン本体+パソコン周辺機器)をメインで取り扱って、学部・大学院と情報工学を専攻した専門家の観点から評価するサイトです。

実は私自身もこれまでふるさと納税を使って、自己負担2000円の範囲内で「Lenovo ThinkPad X1 Carbon」「富士通FMV世界最軽量モデル」「Vaio SX14 メモリ32GB SSD2TBモデル」 を入手してきました。

ノートパソコンを自己負担2000円の範囲内で入手するにはかなりの高所得が必要です。ふるさと納税の返礼品を紹介しているサイトを作ってる人は実際にふるさと納税でノートパソコンを入手したことはなく、単にふるさと納税返礼品を調べて掲載しているだけなのが多いのです。

その点、私は実際にふるさと納税でノートパソコンを入手したことが何回もあります。実際にふるさと納税でのノートパソコンを選んで入手することは、自分の限りある納税枠を使って返礼品を選択するわけですから、「他人ごと」ではなく「自分ごと」としてノートパソコンを選択します。このように「自分ごと」としてふるさと納税の対象を決める観点から当サイトではノートパソコンを比較しているので、真に役に立つノートパソコンを上位にしています。

また、単純に節税目的で何か返礼品を入手しておきたい場合でもノートパソコンはおすすめです。

私の場合2019年まではAmazonギフト券を大量に入手していました。2019年中旬からAmazonギフト券返礼品が禁止されて以降はノートパソコンを選んでいます。

比較においては、たとえ返戻率が40%超だとしてもスペックがあまりにも使い物にならないのは下位とし、返戻率が35%でも十分実用性が高いものは上位にランク付けしています。

Amazonギフト券等の金券類の代替としてノートパソコンが最適

2018年以前は静岡県小山町をはじめ数多くの自治体がギフト券を返礼品として提供していました。大阪府泉佐野市は2019年まで継続していましたが、今となってはAmazonギフト券やJCBギフト券等の使い勝手のいいギフト券はどの自治体も実施していません。

そこでふるさと納税枠を持て余している高所得者はノートパソコンを選ぶ傾向にあります。

理由の一つとしてまずパソコンは換金性が高いということです。クレジットカードを保有している人ならわかると思いますが、クレジットカード会社は換金性が高い物品の購入に関する利用枠を別に設定し把握しています。腕時計やギフト券がそれに該当しますが、同様に「換金性が高いもの」とクレジットカード会社が分類しているのがパソコンです。

デスクトップパソコンよりもノートパソコンが選ばれる理由はいくつかあります。

ノートパソコンのほうがラインナップが優秀

ふるさと納税返礼品としてのデスクトップパソコンははっきり言って冴えないモデルばかりです。各メーカー売れ残りのデスクトップパソコンを返礼品にしているレベルであり(デスクトップパソコンの返礼品はAMD Ryzen搭載モデルが多いのもそれが理由)、ノートパソコンラインナップの充実度とは比べ物になりません。

ノートパソコンは多くの人のニーズに合う

ノートパソコンはデスクトップパソコンよりも万人受けします。先の女性医師はとても裕福であるにもかかわらずデスクトップパソコンを使わずノートパソコンです。医師の仕事は勤務先でやるものであり、自宅ではプライベート用途でしかパソコンを使わないため、ゲームでもやらない限りノートパソコンで十分だからです。

ゲーム用途等でデスクトップパソコンを普段使いしてる人でも一台くらいはノートパソコンを保有していると思います。私も学生時代は常に常に複数台のノートパソコンを所有していました。

ノートパソコンは複数台あっても場所をとらない

ノートパソコンは小型で場所をとらず、使わないまま保管しておくのも容易です。新しいノートパソコンを買ったからといってすぐにノートパソコンを手放す必要はなく普通に仕舞っておけます。

ノートパソコンの方が市場が大きいため売却時に高値で買い取って貰える

PCの自作をメインでやっている人は大きな勘違いをしていることが多いです。それは「デスクトップパソコンが世の中のパソコンの主流でノートパソコンは傍流」という勘違いです。実は傍流なのはデスクトップパソコンです。現在パソコンの主流はノートパソコンであり、デスクトップパソコンの市場規模と比較にならないほどノートパソコンの市場は大きいです。

なぜならノートパソコンを欲しがる人が多く(需要が大きく)、デスクトップパソコンを欲しがる人が少ない(需要が小さい)からです。多くの人が欲しがっているノートパソコンは供給量も大きいですが需要も大きいため、中古市場の流動性も高いです。それは買取価格の上昇にも繋がっています。

さらに、カスタマイズの自由度が高すぎてモデルを特定しにくいデスクトップパソコンよりも、ある程度仕様が固定化されているノートパソコンの方が買う側にとっても売る側にとっても都合がいい面もあります。

ノートパソコンは小型ながら高価であるため、買い取った業者側としても仕入れ金額あたりの保管経費が安く済みます。それによりデスクトップパソコンよりもノートパソコンの方が積極的に買い取りされます。また、自らオークション等で売るときもノートパソコンの方が梱包と発送がしやすいです。これらのことから、パソコンの売却まで見通すとノートパソコンのほうがデスクトップパソコンより有利です。

返礼品パソコンには転売防止のシールが付いている場合あり

ふるさと納税制度は以前から高所得者の節税目的に使われることが多く、それが原因でAmazonギフト券のような換金性の高い返礼品が2019年から禁止された経緯があります。ノートパソコンも同様に換金性が高い返礼品です。そのため転売を防ぐために「転売防止シール」を貼付したノートパソコンが返礼品として届くことがあります。私が実際にふるさと納税で入手したノートパソコンの写真を掲載します。

Vaio(長野県安曇野市)はふるさと納税返礼品であることを示すシール有り

Vaioの場合は天板に「安曇野 ふるさと寄附」と書かれたシールが貼ってあります。これは簡易な紙シール(しかも厚みあり)なので剥がしたい場合は剥がせないことはないです。シール剥がし液を塗れば容易に剥がせそうなシールです。

また、各ノートパソコン返礼品の中でもVaioの「転売防止シール」は目立つほうです。ちなみにこのVaioはSSD2TB, メモリ32GB, LTEモジュール搭載であったため非常に高額なモデルでした。それでもふるさと納税を使えばたった2,000円です。

富士通FMV Lifebook(島根県出雲市)は印字有り

世界最軽量モデルとして有名になった634gの富士通FMV Lifebookは島根県出雲市の返礼品ですが、これはディスプレイの端に印字されています。写真の左下のものがそうです。

キーボードのRealforceのキー印字で使われる昇華印刷のような感じです。印刷なのでシールのように剥がすことはできません。しかしVaioの安曇野ステッカーと比べればかなり目立たないです。

Lenovo ThinkPad(山形県米沢市)はふるさと納税返礼品であることを示すシールや刻印無し

山形県米沢市の返礼品「ThinkPad X1 Carbon」にはふるさと納税返礼品であることを示すシールや印字は一切存在しませんでした。普通に購入したThinkPad X1 Carbonと見た目は全く同じです。Lenovo公式オンラインショップで「米沢生産モデル」と書かれているモデルそのものです。このように、ふるさと納税の印字やシールが存在しないノートパソコンを選びたい場合は、ThinkPad X1 Carbonは非常におすすめです。

1位: VAIO S15 D1650-1-13 (ALL BLACK EDITION) VJS15530111A【Core i9 12900HK,メモリ64GB, SSD2TB, HDD1TB, Win11Pro, Office Home&Business | 長野県安曇野市 】

メーカ名/商品名VAIO S15 D1650-1-13 (ALL BLACK EDITION)VJS15530111A
発売時期2022年7月
CPUIntel Core i9 12900HK (14コア/20スレッド)
GPU(グラフィクス)Intel Iris Xe Graphics(内蔵グラフィクス)
画面(ディスプレイ)15.6型, 液晶16:9, 4K(3840×2160), HDR対応
メモリ64GB (32GB×2)
SSD(ストレージ)2TB M.2 NVMe PCI-Express Gen4(第4世代PCIe)
HDD(ストレージ)1TB
光学式ドライブブルーレイディスクドライブ
無線(WiFi等)/有線LANFull HD(1080p)カメラ
USB等Full HD(1080p)カメラ
WebカメラFull HD(1080p)カメラ
セキュリティ指紋認証センサー有り
OSWindows 11 Pro 64bit
OfficeMicrosoft Office Home&Business 2021
一般価格¥567,800
返戻率34.4%
寄附金額\ 1,650,000(税込)

2022年7月に発売されたVaio S15 All Black Editionにおいて非常に高価なカスタマイズを施したスペックになっている返礼品です。寄附金額が高額になってしまっているのは過剰スペックとも言えるほどのハイスペックさにあります。ハイスペック過ぎることを気にせず「大は小を兼ねる」の価値観に賛同する人には良いノートなのですが、事務作業用途で必要十分なスペックを求めている人には過剰なスペックで寄附金額が高額になりすぎてるのがデメリットです。特に一時所得の特別控除額50万円を目安に評価額25万円相当のノートパソコンを単年度で2台入手しようとしている人にとっては、これ1台で50万円(割引を使っても40万円台後半)レベルの評価額になってしまうためうまみが少ないです。一点豪華主義でハイスペックを一台、を狙ってるのなら良い選択肢です。

➕ 多くのカスタマイズ項目で最上位が選択されている TPMチップ搭載等見えない部分にもこだわり

・CPUがvPro対応
・カスタマイズ選択肢の中で最大サイズのメモリとSSD
・指紋センサー搭載
・TPMチップ搭載
・Office Home & Business搭載
TPMチップが搭載のカスタマイズがされている点は良いです。TPMチップ搭載だとCドライブを丸ごと暗号化できます。OfficeはPersonalとProfessionalの間のHome and Businessが付属しておりメリットです。SSDとメモリは選択肢の中で最大容量が選択されています。ほぼ全ての項目において最上位の選択肢が選ばれており、高級カスタマイズがされていると言っていいです。

➖メモリやSSD等スペックが過剰すぎる面もあり寄附金額が高額 特にHDD搭載は大きなマイナスポイント

・HDDが搭載されてしまっている(HDDはSSDと比べ衝撃による故障率が高い)
・SSDとメモリの容量が過剰
・画面解像度が4Kは過剰 FullHDDの方が文書作業には良い
HDDが搭載されてしまっているのが最大のデメリットです。デスクトップPCとは違って動作音は小さいものの、持ち運ぶ可能性があるモバイル機器において外部衝撃に対する故障率の高いHDDは適していません。HDD搭載の方が価格が高くなりますが、いわゆる蛇足です。良かれと思って追加したオプションが逆に全体の評価の足を引っ張る結果となりました。また、映画のような動画を観るには4Kディスプレイは適していますが、WordやExcel作業には1080pのフルHD解像度の方が望ましいです。これも余計な高額カスタマイズになっています。

2位: Lenovo ThinkPad X1Carbon Gen9 055X1-Gen9-3  【Core i7 1185G7, メモリ16GB, SSD1TB, Win11Home | 山形県米沢市 】

メーカ名/商品名Lenovo ThinkPad X1 Carbon Gen9 (055X1-Gen9-3)
発売時期2021年10月
CPUIntel Core i7 1185G7 vPro (第11世代 Tiger Lake)
GPU(グラフィクス)Intel Iris Xe Graphics
画面(ディスプレイ)14.0型, WUXGA (1920×1200, 16:10), IPS液晶, 光沢なし, タッチ非対応
メモリ16GB
SSD(ストレージ)1TB
無線(WiFi等)/有線LANWi-Fi 6 AX201 a/b/g/n/ac/ax + Bluetooth / 有線LAN非搭載
USB等Thderbolt4×2, USB 3.2 Gen1 Type-A×2, HDMI×1
Webカメラ720p HDカメラ
セキュリティTPMチップ有り
OSWindows 11 Home
Office無し
質量(重さ)/サイズ約1.13kg
一般価格¥252,626
返戻率28.0%
寄附金額\ 900,000(税込)
2021年当時は良いノートパソコンでしたが今となってはおすすめできません。2022年時点でのふるさと納税返礼品として提供されていますが型落ち品を提供しているに等しいです。既に第12世代Intel Core(Alder Lake)を搭載したThinkPad X1 Carbon Gen10が存在するためです。第12世代Intelと第11世代Intelプロセッサの間には雲泥の差があります。
ただし、Lenovo公式サイトでThinkPad X1 Carbon Gen9を購入しようとするとカスタマイズ選択肢が限られておりCore i7 1185G7を選択することができません。このふるさと納税返礼品ではCore i7 1185G7が搭載されているのでその点は優れています。
実は私は2021年のふるさと納税でこのスペックと全く同じノートパソコンパソコンを。2021年当時のふるさと納税としてはベストチョイスでしたが、2022年以降ではこれより優れたノートパソコンは多数あります。

➕ ディスプレイのアスペクト比が16:10で

・CPUがvPro対応
・メモリとSSDの容量が適切
・指紋センサー搭載
・TPMチップ搭載
・ディスプレイが16:10、ノングレア
CPUは第11世代Intel Core(Tiger Lake)の中で、Core i7 1195G7に次ぐ性能を持つCore i7 1185G7を搭載しているのは良い点です。またメモリ容量が16GBなのは十分であり、32GBのように過剰でない点も優れています。SSD1TBも適切です。TPMチップ搭載のためCドライブを丸ごと暗号化可能。ディスプレイのアスペクト比が16:10かつ1920×1200のWUXGA解像度であることとノングレア(非光沢)パネルであるためテキスト編集作業に向いています。

➖返礼品の時期にしてはCPU世代が古いことと

・返礼品として提供されている時期にしてはCPUの世代が古い
・Window11ではあるもののPro版ではない
・Microsoft Office
Microsoft Officeが非搭載のため各自で購入する必要があります。Officeが最初から入っているプレインストール版のノートが欲しい人には微妙です。またOSがWin11Homeなのも少し足りていません。一番のデメリットは冒頭にも書いた通り、この返礼品が提供されている時期の割にはCPU世代が1世代古いことです。