Ryzen 7 5800X3Dは2022年4月に発売されたCPUです。Zen3マイクロアーキテクチャを採用したデスクトップ向けRyzen5000シリーズに属します。当初のRyzen5000シリーズとの違いは、このRyzen 7 5800X3DはL3キャッシュを「外付け」で大幅に増やし96MBのL3キャッシュ容量を実現していることです。しかし同じチップに乗っていない疎結合のキャッシュであるためキャッシュアクセス・レイテンシが大きく性能は高くありません。
さらにAMD 3D V-Cacheと接続する上でクロックの制約が発生したため、オーバークロックができないCPUとなってしまいました。
これらの要因でRyzen 7 5800X3DはAMD愛好家も購入を躊躇う人が多く殆ど売れておらず所有者が少ないです。
その理由はほぼ同時に発売された第12世代Intel Coreの性能があまりにも良すぎたせいで、シングルスレッド性能もマルチスレッド性能も第12世代Intel Core i7に負けてしまっているからです。
Intelに対しAMDが負けることが分かっているRyzen CPUを買うことをAMD愛好家は嫌うためRyzen 7 5800X3Dは売れていません。
実効性能は第12世代Intelの低クロック版Core i5にも負けてしまう非常に悲しい結果も起きています。
Ryzen 7 5800X3Dと第12世代Intel Core(Alder Lake)の比較
Ryzen 7 5800X3Dは2022年4月に発売されたので、比較する対象として適切なのは同時期に発売された第12世代Intel Core(Alder Lake)プロセッサです。同時期発売にも関わらず圧倒的な性能差があります。本来、AMD 3D V-Cacheを搭載したRyzen5000シリーズは複数ラインナップされる予定でしたが、実際はRyzen 7 5800X3D一つしかリリースされなかったのは第12世代Intel Coreが強すぎることによるAMD側の敵前逃亡ともされています。
Ryzen 7 5800X3D vs. Core i5 12600
高クロックでTDP105WのRyzen 7 5800X3Dに大して、低クロックでTDP65WのCore i5 12600と比較してみます。Core i5 12600は6コア12スレッドなので、Ryzen 7 5800X3Dの8コア16スレッドと比べるとカタログスペックではRyzenが勝つように思えます。
しかしこのように低クロックなCore i5 12600に対しRyzen 7 5800X3Dが敗北する結果です。Workstation用途では+2ポイント差でRyzen 7 5800X3Dが勝っていますが、事務作業用途にいたっては+5ポイント差でCore i5 12600が勝っています。
Ryzen 7 5800X3Dにとって屈辱的なのはゲーミング性能です。Ryzen 7 5800X3Dは「ゲームでは世界最速のプロセッサ(自称)」をAMDが公式に謳って発売されました。しかしそのゲーム用途の性能でも+3ポイント差でCore i5 12600が勝って、Ryzen 7 5800X3Dが負けている結果です。いつものことですが「AMDの大本営発表ベンチマーク」は全くあてにならないことがわかります。
1位: Dell Alienware Aurora R14 【Ryzen 9 5800X3D, GeForceRTX3070, メモリ16GB, SSD512GB, 67.6ℓ】
Dell製ゲーミングPCの顔とも言えるAlienware AuroraシリーズのRyzen5000版がこのR14です。スペックの割には明らかに他社のモデルより割高になりますが、これは会計上の”のれん”に近いブランド料・デザイン料みたいなものです。このデザインにこだわりたいのなら良い選択だと思います。