512GB帯のSSDをメーカー横断的に比較しています。一昔前では512GB帯は主流のSSD容量でしたが現在では主流は1TBに移っています。しかし、SSDは未だに高価なPCパーツであるため完成品パソコンに於いてはいまだにこの512GB帯のSSDが選択されることが多いです。第一印象として価格を安く見せることがパソコンメーカーにとって重要なためです。実用性の観点から言えば、選ぶべき容量はこの512GB帯ではなく最低でも1TBからと言えます。
1位: Western Digital WD Red SA500 NAS SATA WDS500G1R0A

メーカー | Western Digital |
---|---|
型番 | WD Red SA500 NAS SATA WDS500G1R0A |
容量 | 500GB |
フォームファクタ | 2.5インチ |
通信規格 | SATA 6Gbps |
NANDタイプ | TLC |
発売日 | 2019年11月 |
---|---|
耐久性(TBW) | 350 TBW |
耐久性(DWPD) | 0.384 |
NAND構造 | BiCS3 64層3D TLC (256Gbit, 15nm) |
NANDメーカー | 東芝(KIOXIA) |
コントローラ | Marvell 88SS1074 |
DRAMキャッシュ | 512 MB DDR3-1600 (Nanya NT5CC256M16ER-DIB) |
MTTF:平均故障間隔 | 200万時間 |
保証期間 | 5年 |
---|---|
厚さ | 7mm |
質量 | ― |
理論シーケンシャル・リード速度 | 560 MB毎秒 |
理論シーケンシャル・ライト速度 | 530 MB毎秒 |
理論4Kランダム・リード速度 | 95,000 IOPS |
理論4Kランダム・ライト速度 | 85,000 IOPS |
2019年12月発売。SSDとして登場したWD Redとしては第1世代の製品です。型番の内、”WDS”はWDシリーズのSSDを意味し、”500G”は容量、”1R”はRedシリーズの第1世代を意味しています。
その中でもこの500GBモデルは、WD Red(2019)のうち最も小さい容量です。WD Blue(2017)では最低容量として250GBがラインナップされていますが、WD Red(2019)では250GBモデルが存在しません。よってWD Red(2019)はこの500GBからのスタートとなります。
まず本筋から外れた話をすると、500GBはOSインストール用ストレージとしても容量が少なすぎます。最低でも1TBにすべきです。
しかし、ユーザによっては500GBをあえて選択することもあると思うので、その前提で考えた場合、500GB帯のSSDの中ではこのWD Redは非常におすすめできます。
500GBのように低容量のSSDではNANDの書換え回数がどうしても増えてしまうため書込み耐久性は低くなります。WD Blueの500GBにいたっては200TBしか総書込みバイト数(TBW)がありませんが、このWD Redの500GBでは350TBあります。500GB容量で350TBのTBWは従来のMLCタイプのSSDに比べたら半分程度の書込み耐久性です。それでも、TLCタイプのSSDかつ500GB帯では350TBは比較的大きなTBWなので、書込み耐久性を重視するユーザにとってはSandisk Ultra 3DやWD Blueよりも、このWD Redの500GBはおすすめできます。
2位: KIOXIA(東芝) EXCERIA SATA SSD-CK480S/J (SSD-CK480S/N, LTC10Z480GG8)

メーカー | KIOXIA(キオクシア):東芝関連会社 |
---|---|
型番 | EXCERIA SATA SSD SSD-CK480S/J, SSD-CK480S/N, LTC10Z480GG8 |
容量 | 480GB |
フォームファクタ | 2.5インチ |
通信規格 | SATA 6Gbps |
NANDタイプ | TLC |
発売日 | 2021年10月 |
耐久性(TBW) | 120 TB |
---|---|
耐久性(DWPD) | 0.228 |
NAND構造 | 3D |
NANDメーカー | 東芝(KIOXIA) |
コントローラ | 東芝(KIOXIA) |
DRAMキャッシュ | 非搭載 |
MTTF:平均故障間隔 | 150万時間 |
保証期間 | 3年 |
厚さ | 7.20 mm |
質量 | 45.6g |
理論シーケンシャル・リード速度 | 555MB毎秒 |
理論シーケンシャル・ライト速度 | 540MB毎秒 |
理論4Kランダム・リード速度 | 82,000 IOPS |
理論4Kランダム・ライト速度 | 88,000 IOPS |
実測シーケンシャル・リード速度 | 395.55 MB毎秒 |
---|---|
実測シーケンシャル・ライト速度 | 258.47 MB毎秒 |
実測シーケンシャルMIX速度 | 254.36 MB毎秒 |
実測4Kランダム・リード速度 | 32.80 MB毎秒 |
実測4Kランダム・ライト速度 | 67.90 MB毎秒 |
実測4KランダムMIX速度 | 36.77 MB毎秒 |
実測並列リード速度 | 263.11 MB毎秒 |
実測並列ライト速度 | 266.38 MB毎秒 |
実測並列MIX速度 | 189.67 MB毎秒 |
AS SSD Benchmark Totalスコア | 873 |
AS SSD Benchmark Readスコア | 335 |
AS SSD Benchmark Writeスコア | 360 |
Userbenchmark (Effective:実効) | 223 |
PassMark Drive Benchスコア | ― |
東芝(KIOXIA)から発売されたEXCERIA SATA SSD-CKシリーズは、KIOXIA製の中で初めてのSATAモデルです。最も安いエントリーモデルとしての位置づけなので性能や品質はそこまで高くありません。このシリーズで一番優秀なのがこの480GBモデルです。ランダムリードライト性能は960GBより優れており、ベンチマークの実測値でもこの480GBモデルが最も優秀です。これより下の容量の240GBモデルよりも当然実測値は上なので、EXCERIA SATA SSD-CKシリーズの中ではこの480GBが相対的に良くできています。しかし容量が少ないのもあり書込み耐久性が高くないので、あえてこのモデルを積極的に選ぶ理由はありません。