現時点でSSDとして最も多く選ばれている1TB帯のSSDを比較しています。2.5インチかつSATA接続のものを対象に掲載しています。
1TBのSSDは容量あたりの価格でも2TB帯といい勝負になっているほど安いため多くの人に選択されます。パソコンのニーズにおいては、512GBでは少なすぎるけど、2TBでは多すぎるパターンが頻出するためです。
1位: Western Digital WD Red SA500 NAS SATA WDS100T1R0A
メーカー | Western Digital |
---|---|
型番 | WD Red SA500 NAS SATA WDS100T1R0A |
容量 | 1TB |
フォームファクタ | 2.5インチ |
通信規格 | SATA 6Gbps |
NANDタイプ | TLC |
発売日 | 2019年11月 |
---|---|
耐久性(TBW) | 600 TBW |
耐久性(DWPD) | 0.329 |
NAND構造 | BiCS3 64層3D TLC (256Gbit, 15nm) |
NANDメーカー | 東芝(KIOXIA) |
コントローラ | Marvell 88SS1074 |
DRAMキャッシュ | 512 MB DDR3-1600 (Nanya NT5CC256M16ER-DIB) |
MTTF:平均故障間隔 | 200万時間 |
保証期間 | 5年 |
---|---|
厚さ | 7mm |
質量 | ― |
理論シーケンシャル・リード速度 | 560 MB毎秒 |
理論シーケンシャル・ライト速度 | 530 MB毎秒 |
理論4Kランダム・リード速度 | 95,000 IOPS |
理論4Kランダム・ライト速度 | 85,000 IOPS |
2019年12月発売。Western DigitalのSSD版としては初のRedシリーズです。型番のうち”1R”はRedシリーズの第1世代であることを意味しています。
このWD RedはNASにおいてキャッシュ用SSDとして用いることを想定したSSDです。HDDで構成されたNASのキャッシュとしてSSDを用いると、SSDに対してリードとライトが確率的に50%ずつ発生するようになります。そのためこのWD Redではリードとライトが半々ずつ発生しても耐えられるほどの書込み耐久性を実現しています。WD Blueでは一度ライトしたらあとはそのデータをリードするのみといった用途を想定しているので書込み耐久性は低いですが、このWD Redでは価格を高くするかわりに書込み耐久性を高くしています。
このWD Red 1TBモデルの書込み耐久性を表す総書込みバイト数(TBW)は600TBであり、WD Blue 1TBモデルの400TBより大きくなっています。WD Blueシリーズで600TBのTBWを実現するとなると4TBモデルが必要となるので、たった1TBで600TBのTBWを実現しているWD Redは大幅に書込み耐久性が向上しています。
リード・ライト性能については、シーケンシャルリード速度560MB毎秒、シーケンシャルライト速度530MB毎秒。ランダムリード速度95k IOPS、ランダムライト速度85k IOPS。WD Blue 1TBモデルよりも、ランダムライト速度が僅かに向上しています。
2位: Samsung(サムスン) 870 QVO MZ-77Q1T0B/IT (MZ-77Q1T0B/EC)
メーカー | サムスン |
---|---|
商品名 | 870 QVO MZ-77Q1T0B (MZ-77Q1T0B/IT, MZ-77Q1T0B/EC) |
容量 | 1TB |
フォームファクタ | 2.5インチ |
通信規格 | SATA 6Gbps |
NANDタイプ | QLC |
発売日 | 2020年8月 |
耐久性(TBW) | 360 TB |
---|---|
耐久性(DWPD) | 0.329 |
NANDメーカー | Samsung |
NAND構造 | 92層 3D |
コントローラ | Samsung MKX |
DRAMキャッシュ | ○(LPDDR4 1GB) |
MTTF:平均故障間隔 | 150万時間 |
保証期間 | 3年 |
厚さ | 6.8mm |
質量 | 46g |
理論シーケンシャル・リード速度 | 560 MB毎秒 |
理論シーケンシャル・ライト速度 | 530 MB毎秒 |
理論4Kランダム・リード速度 | 98k IOPS |
理論4Kランダム・ライト速度 | 88k IOPS |
実測シーケンシャル・リード速度 | 473.83 MB毎秒 |
---|---|
実測シーケンシャル・ライト速度 | 341.92 MB毎秒 |
実測シーケンシャルMIX速度 | 311.57 MB毎秒 |
実測4Kランダム・リード速度 | 23.72 MB毎秒 |
実測4Kランダム・ライト速度 | 69.98 MB毎秒 |
実測4KランダムMIX速度 | 37.29 MB毎秒 |
実測並列リード速度 | 318.50 MB毎秒 |
実測並列ライト速度 | 268.24 MB毎秒 |
実測並列リードライトMIX速度 | 282.06 MB毎秒 |
AS SSD Benchmark Totalスコア | 962 |
AS SSD Benchmark Readスコア | 390 |
AS SSD Benchmark Writeスコア | 372 |
Userbenchmark (Effective:実効) | 267 |
PassMark Drive Benchスコア | 4,041 |
870 QVOは2020年に発売されたサムスン製SSDの中でQLCタイプのモデルです。8TBがラインナップされたことで870 QVOシリーズは有名になりました。この1TBモデルだとあえてQLCタイプである870 QVOを選ぶメリットは殆どありませんが、1GBのDRAMキャッシュを搭載していたりと廉価なQLCタイプSSDの中では充実した内容になっているので、価格が1万円を切ったらおすすめできるSSDです。
実測値は極めて悪く、2TBモデルとはかけ離れて遅い速度です。この870 QVOでおすすめできるのは最低でも2TBからです。
3位: KIOXIA(東芝) EXCERIA SATA SSD-CK960S/J (SSD-CK960S/N, LTC10Z960GG8)
メーカー | KIOXIA(キオクシア):東芝関連会社 |
---|---|
型番 | EXCERIA SATA SSD SSD-CK960S/J, SSD-CK960S/N, LTC10Z960GG8 |
容量 | 960GB |
フォームファクタ | 2.5インチ |
通信規格 | SATA 6Gbps |
NANDタイプ | TLC |
発売日 | 2021年10月 |
耐久性(TBW) | 240 TB |
---|---|
耐久性(DWPD) | 0.228 |
NAND構造 | 3D |
NANDメーカー | 東芝(KIOXIA) |
コントローラ | 東芝(KIOXIA) |
DRAMキャッシュ | 非搭載 |
MTTF:平均故障間隔 | 150万時間 |
保証期間 | 3年 |
厚さ | 7.20 mm |
質量 | 45.7g |
理論シーケンシャル・リード速度 | 555MB毎秒 |
理論シーケンシャル・ライト速度 | 540MB毎秒 |
理論4Kランダム・リード速度 | 81,000 IOPS |
理論4Kランダム・ライト速度 | 88,000 IOPS |
実測シーケンシャル・リード速度 | 372.88 MB毎秒 |
---|---|
実測シーケンシャル・ライト速度 | 240.68 MB毎秒 |
実測シーケンシャルMIX速度 | 233.01 MB毎秒 |
実測4Kランダム・リード速度 | 27.60 MB毎秒 |
実測4Kランダム・ライト速度 | 61.90 MB毎秒 |
実測4KランダムMIX速度 | 31.56 MB毎秒 |
実測並列リード速度 | 226.73 MB毎秒 |
実測並列ライト速度 | 237.30 MB毎秒 |
実測並列MIX速度 | 163.92 MB毎秒 |
AS SSD Benchmark Totalスコア | 768 |
AS SSD Benchmark Readスコア | 292 |
AS SSD Benchmark Writeスコア | 323 |
Userbenchmark (Effective:実効) | 206 |
PassMark Drive Benchスコア | ― |
東芝製なら高品質だと期待する人が多いですがこれは結構残念なSSDです。エントリーモデルだから仕方ないとも言えますが、速度面でも書込み耐久性の面でも優れているとは言えません。
960GBはシリーズの中では容量こそ上であるものの480GBモデルよりランダムアクセス性能が公称値(理論値)でも低くなっており、実際にベンチマーク結果でも低いスコアとなっています。シーケンシャルアクセスに関しても240GBモデルに負けてる状況です。