Ryzen 7 2700とCore i5 8400のベンチマーク性能比較 コア数が少ないCore i5が性能価格ともに勝利 さらにiGPU付属

第2世代Ryzenの中では2700Xが最も人気です。価格.comやAmazonの売れ筋ランキングを見ても明らかですが、ベンチマークのサンプル数を見ても2700Xにサンプルの65%が集中しています。一方でRyzen 7 2700無印は第2世代Ryzenの中で占めるサンプル数がたった4%であり、2018年4月19日に発売されたプロセッサの中では最も不人気です。

その理由としてはもう少し予算を増やせば2700Xが買えてしまうので2700Xを選択する人がいること、もう一つの理由がRyzen 7 2700無印よりRyzen 5 2600Xのほうが高性能なので2700無印を買うかわりに2600Xを選択する人がいることが挙げられます。

Ryzen 7 2700は、2700Xの動作周波数で合格しなかったチップの動作周波数を下げて歩留まりを良くして価格を下げたモデルです。動作周波数を下げればウェーハから切り取ったチップのうち合格するチップ数が多くなるため、不合格品の製造原価を合格品に転嫁する量が減り価格を安くできます。そのため2700Xと2700無印との違いは動作周波数だけであり、他のキャッシュサイズや演算器の数、命令レベル並列処理の並列度、アウトオブオーダー実行で並列性を抽出する深さ(ウィンドウサイズ)などは全く同じです。

Ryzen 7 2700はCore i5 8400を下回る性能

本来Ryzen 7 2700と比較すべきはCore i7 8700です。8700Kから動作周波数を引き下げただけのモデルが8700なので、Ryzen 7 2700とCore i7 8700は立ち位置が類似しています。

しかし8700どころかそこから3グレード引き下げたCore i5 8400でもRyzen 7 2700の性能が低くなってしまう結果になります。

ほんの僅かですが+2%だけCore i5 8400が勝利しています。コア数が少なく動作周波数も低いCore i5 8400が勝利したのは演算回路がRyzenより優秀なため1コアあたりの性能が高いからです。TDPは両者ともに65Wであり発熱量や消費電力量では優劣はありません。価格面では圧倒的にCore i5 8400もほうが安く、しかも8400はオンボードグラフィックス(Integrated GPU)が付属しています。

Ryzen 7 2700はCore i3 8350Kにも性能で負けている

次は4コア4スレッドのCore i3と比較してみますがCore i3 8350KはTDPが91WもあるCPUなので、TDP65WのRyzen 7 2700より消費電力量(発熱量)の観点から有利です。

予想通り+6%ほどCore i3 8350KがRyzen 7 2700に勝利しています。Core i3 8350KのTDPが高いのは動作周波数が4GHzもあるからですが、Core i3 8350KはRyzen 7 2700より1万円ほど安く、さらにオンボードグラフィックス搭載なのでTDPさえ気にしなければRyzen 7 2700よりCore i3 8350Kのほうが性能価格ともに上です。

またPUBGのように1コアあたりの性能の高さが要求されるゲームではCore i3 8350Kのほうが有利です。PUBGではコア数を使い切るだけのスレッドレベル並列性がないため、動作周波数が低いRyzen 7 2700ではフレームレートが伸びません。

Ryzen 7 2700無印と本来比較すべきCore i7 8700は+10%以上の性能

Ryzen 7 2700と本来比較すべきCPUはCore i7 8700です。ともにグレード7のCPUであり、高周波数版ではない無印型番です。基本動作周波数は両方とも3.2GHzで同じでTDPも65Wで同じですが、コア数はRyzen 7 2700が8コアでCore i7 8700が6コアです。このコア数が多いことがRyzen唯一の優位性なので、逆に言えばCore i7で8コア+iGPUが実現してしまうとRyzenの優位性が無くなってしまうことを意味します。

このように+16%もCore i7 8700がRyzen 7 2700に勝利しています。

動作周波数が3.2GHzで同じでコア数がCore i7 8700のほうが2コア少ないのに性能でCore i7が上回ったのは1コアあたりの性能がIntel Coreプロセッサのほうが高いからです。これはコア数よりも1コアあたりの性能の高さが要求されるPUBGのようなゲームにおいて有利に働きます。

両プロセッサともにTDPが65Wで動作周波数も3.2GHzで同じにもかかわらず、コア数がCore i7 8700のほうが2コア少ないのはオンボードグラフィックスを搭載しているからです。Ryzen 7 7200はオンボードグラフィックスを搭載していません(別途グラボを用意しないと画面が表示できない)。オンボードグラフィックスは電力をそれなりに消費する上に、オンボードグラフィックス用のチップ面積は汎用コア4つ分あるので、Core i7 8700ではIntel UHD Graphicsというオンボードグラフィックスを搭載しているためコア数が2コア少なくなっています。それでもRyzen 7 2700に勝利した要因は、演算回路がIntel Coreのほうが優れているため1コアあたりの性能で勝っていることにあります。

これは8コア16スレッドになるCore i7 9700ではもっと面白くなります。Core i7 9700は汎用コアを8つ搭載してる上にオンボードグラフィックス付属。一方でRyzen 7 2700は8コアですがオンボードグラフィックス非搭載なので、もし性能が引き分けでもオンボードグラフィックスを搭載しているCore i7 9700が上回っていることになるだけでなく、今回のCore i7 8700でもRyzen 7 2700に勝っているということは当然Core i7 9700の性能も上になることが予想されるので、オンボードグラフィックスを搭載しているために汎用コア用のチップ面積が限られていながら実性能でも汎用コア数でもCore i7が優位になるという結果になります。