おすすめRyzen 5 2500Xのベンチマーク性能比較レビュー Intel Core i3 9100Fに対し性能比8%の差で第2世代Ryzenが負ける

Ryzen 5 2500Xという隠れた第2世代Ryzenプロセッサが存在します。4コア8スレッドでベースクロックは3.6GHz、ブーストクロックは4.0GHzです。

これは個人向けに販売されておらず、完成品PCに組み込んで販売するためのプロセッサなので法人向けに納入されているものです。

しかし完成品PCを購入しているユーザの中にはこのRyzen 5 2500X搭載のPCを持っている人がいます。自作PCユーザで保有する人は皆無でしょうが世間一般では存在します。

そこでこのRyzen 5 2500Xがどれほどの性能を持っているかベンチマーク性能評価してみます。

このプロセッサがパーツショップで個人向けに販売されないのは、自作PCユーザに購入されてレビューされてしまうとあまりにも性能が低すぎて第2世代Ryzenのラインナップに泥を塗ってしまうからです。実際このRyzen 5 2500Xは、Ryzen Gシリーズを除けば第2世代Ryzenの中で最も低性能です。

その他の第2世代Ryzenプロセッサはこちらに掲載しています。

Ryzen 7 2700XとIntel Coreのベンチマーク性能比較

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Ryzen 5 2600XとIntel Coreのベンチマーク性能比較

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同じ2018年度発売の第9世代Intel Core最低グレードCore i3 9100FにもRyzen 5 2500Xは負けてしまう

本来Ryzen 5 2500Xと比較すべきは同じ2018年度に発売されたCore i5 9600Kです。Core i5 9500Kは存在しないためです。しかし、第9世代Intel Coreプロセッサの中で最低グレードのCore i3 9100Fでも十分勝ててしまいます。Core i3 9100Fより下となるとPentiumになってしまいます。

結果はCore i3 9100FがRyzen 5 2500Xよりも+8%も上回っています。+8%はかなり大きい差です。ベースクロックはともに3.6GHzで同レベル。そして4コア同士という点も同じで、TDP65である点も同じです。また内蔵グラフィクスについてもRyzen 5 2500Xは非搭載ですし、Core i3 9100Fは内蔵グラフィクスが無効化されているので、別途グラボを用意しないとディスプレイが映らないという点でも同じです。

強いて違いを言えばRyzen 5 2500Xはオーバクロック可能モデルで、Core i3 9100Fはオーバクロックできないモデルだということです。

しかしそのようにオーバクロックできない制約があるCore i3 9100Fのほうが性能が上になったのは、これも1コアあたりの性能が「命令レベル並列性の抽出度」「L1 smartキャッシュのヒット率向上によるパイプラインのストール減少」「AVX 2.0 SIMD演算命令による256bit FMA演算でデータレベル並列処理の高速化」においてIntel Core i3が大幅に上回っているためです。