おすすめCore i5 9400のベンチマーク性能比較レビュー 第3世代Ryzen 7 3700Xと互角の性能

Core i5 9400は2019年7月に発売された6コア6スレッドのIntel Coreプロセッサです。これに先立って2019年2月にはCore i5 9400Fが発売されていました。結論から言うと、内蔵グラフィックス(Intel UHD Graphics)が有効化されているCore i5 9400がCore i5 9400Fよりもおすすめです。

Intel Core i5 9400Fはこちらでベンチマーク性能評価しています。

Core i5 9400Fでは無効化されていた内蔵グラフィックスIntel UHD Graphicsが有効化されたバージョンがCore i5 9400

2019年7月に発売されたCore i5 9400よりも5ヶ月前に、Core i5 9400Fが発売されていました。Core i5 9400Fは内蔵グラフィックスが無効化されています。

本来、Core i5 9400のように型番400に該当するグレードのプロセッサは内蔵グラフィックスが有効化されていたほうが有利です。なぜなら、このグレードのプロセッサを購入するユーザは高性能なグラフィックボードを求めておらず、60Hzの液晶ディスプレイが映りさえすればいいといった用途を想定しており、内蔵グラフィックス(Intel UHD Graphics)だけで十分事足りるからです。

それでもIntelがCore i5 9400Fを先に発売したのは、歩留りを良くしてコストを下げつつ発売したかったというのが一つ目の理由でしょう。Core i5 9400を先に発売するとなると、Core i5 9400Fよりも高額になってしまうからです。少し時間が経過して歩留りが良くなってからCore i5 9400をすれば、Core i5 9400の価格はそこまで高くならずに済むという見込みがあったということです。

二つ目の理由としては、先にCore i5 9400を発売してしまうと、多くのユーザは内蔵グラフィックスが有効化されているCore i5 9400で満足してしまって、その後にCore i5 9400Fを発売したところで購入するユーザは少数派だからです。先にCore i5 9400Fを発売しておけば「本当は内蔵グラフィックスが有効化されているCore i5 9400を待ちたいけれども今すぐ必要だからCore i5 9400Fを仕方なく買う」ユーザが出てきます。そういったマーケティング上の都合で、先にCore i5 9400Fを発売したのも理由の一つです。

Intel TXT, vProテクノロジは無効化されている

Core i5 9400Fと同様にvProテクノロジは無効化されています。Core i5 9500では有効化されています。

Core i5 9400とCore i5 9400Fの公称スペックの違いは内蔵グラフィックス(Intel UHD Graphics)が有効化されているか、無効化されているかの違いだけです。キャッシュサイズも動作クロックも全く同じです。

vProテクノロジが無効化されている点も同じであり、vProテクノロジが無効化されているプロセッサを搭載したPCに対しては、リモート操作で一括してWindowsUpdateをかけることが出来ないため大量調達には不向きです。個人用途なら全く問題はありません。

しかしIntel TXTも無効化されているのは個人用途でも痛手です。Windows10ProならBitLockerと組み合わせることでCドライブを暗号化することができます。Intel TXTが有効化されているだけで、UEFIの改竄チェックも自動的に実施されセキュアブートが実行可能なので、それができないのがCore i5 9400がCore i5 9500に劣るところです。

Core i5 9400と第3世代Ryzen(2019年~2020年発売)プロセッサを比較

Core i5 9400 vs. Ryzen 7 3700X

2019年7月に発売されたIntel Core i5 9400は6コアプロセッサですが、同じく2019年7月に発売された8コアプロセッサのAMD Ryzen 7 3700Xと比較してみます。

このようにCore i5 9400と第3世代Ryzen 7 3700Xが互角の性能です。同時期に発売された6コアのIntel Coreと、8コアのAMD Ryzenが同性能ということは、第3世代RyzenのZen2マイクロアーキテクチャと半導体製造プロセスが、Intel Coreのそれと比較して大きく劣っていることを意味します。

さらに言えばCore i5 9400は内蔵グラフィックスが有効化されておりグラフィックボードを別途用意しなくても4K@60fpsでトリプルディスプレイ出力可能です。

一方でRyzen 7 3700Xはグラフィックボードを別途用意しないとディスプレイ出力が全くできず画面に何も映すことができません。

Core i5 9400のほうがRyzen 7 3700Xよりも性能が高いだけでなく内蔵グラフィックスも搭載しているとなると、合理的に判断するならば全てにおいてCore i5 9400が上位にあります。

2019年2月に発売されたCore i5 9400Fよりも5ヶ月後に発売されたCore i5 9400のほうが僅かに性能が高い

内蔵グラフィックスが有効化されているか、無効化されているかの違いしかないはずのCore i5 9400とCore i5 9400Fですが、後に発売されたCore i5 9400のほうが若干性能が高くなっています。

性能差は1%に満たない差ですが、数多くのベンチマーク結果の集計を元に検定を行うと明らかに有意差があります。つまり、偶然性能差が現れているのではなく、意味があって(何らかの要因が存在して)性能差が現れているということです。

これは発売時期が遅れたCore i5 9400のほうが全コア同時に動作したときのクロック周波数が上がりやすく、それと同時に後に発売されたCore i5 9400では発熱量を抑えることができるため、発熱量が少なく温度を下げやすいCore i5 9400のほうがトランジスタのスイッチング性能が高くなり結果としてベンチマーク結果に差として現れていると考えられます。