GeForce RTX 3090Ti搭載おすすめパソコン&グラボ比較

2022年4月に発売されたGeForce RTX 3090Tiを搭載したデスクトップパソコンを比較しています。このGeForce RTX 3090TiはNVIDIA Ampere世代では最も高性能&最も高消費電力&最も高価なGPUなので、全てのPCパーツを高性能なもので揃えて高スペックマウントを取るのが好きなユーザーから好まれるGPUです。

NVIDIA GeForce RTX 3090Tiの詳細スペックと特徴

メーカー・モデル名NVIDIA GeForce RTX 3090 Ti
CUDA Core数10,752
ブーストクロック1,860 MHz
メモリ容量24GB
共有キャッシュ6MB
単精度性能39.99744 TFLOPS
倍精度性能0.625 TFLOPS
Tensor Core性能319.97952 TFLOPS
TDP450W
発売日2022年3月
Ray Tracing性能79.9 TFLOPS
ベースクロック1,560 MHz
ピクセル・レート208.3 GPixel毎秒
テクスチャ・レート625 GTexel毎秒
メモリタイプGDDR6X
メモリクロック21.0 GT毎秒
メモリバス幅384bit
メモリ帯域幅1008.3 GB毎秒
接続規格PCIe 4.0 x16
アーキテクチャAmpere (GeForce 3000 series)
コードネームGA102-350-A1
ファウンドリSamsung
プロセスルール10nm(8LPP)
トランジスタ密度45.0 MTr/mm²
トランジスタ数283億
ダイサイズ628.4mm²
SM数84
無効化SM数0
TMU数336
ROPユニット数112
Tensor Core数336
RayTracing Core数84
NVLink2-way対応
3DMark Speed Way(DX12)5,884
3DMark Port Royal(DX12)14,840
3DMark Night Raid(DX12)154,158
3DMark Time Spy(DX12)21,693
3DMark Wild Life(DX12)117,117
3DMark Fire Strike(DX11)52,350
PassMark GPU29,641
Userbenchmark GPU(実効)232
Userbenchmark DX10297

GeForce RTX 3090Tiは、2020年以降にリリースされたAmpere世代の中で最高峰のGPUです。GeForce RTX 3090Ti自体は2022年3月~4月にかけてリリースされました。NVIDIA社は世代の後半になってくると「消費電力がどれだけ大きくなっても高性能を目指すGPU」を出してきます(昔の980Tiもそれに該当)。つまりこのGeForce RTX 3090Tiが出てきたということは、次の世代のGPUがNVIDIAから出てくる日も近いということを意味し、実際に約6ヶ月後の2022年10月には次の世代のGeForce RTX 4090が発売されました。

消費電力の大きさを気にしないユーザーならいいですが、消費電力あたりの性能を気にする人は2022年10月に発売されたGeForce RTX 4090の方がいいです。消費電力は同じなのに性能は約45%もGeForce RTX 4090の方が上です。

GeForce RTX 3090Tiから16pin補助電源コネクタ(12VHPWR)に初対応

GeForce RTX 3090Tiから補助電源が16pinに対応しました。これは次のAda Lovelace世代における高消費電力化に対応するための繋ぎ(布石)とされています。半年後の2022年10月に16pinのグラボを出すからそれまでに準備を、といったところです。

これまでPCI Expressの補助電源コネクタの最大電流値はCPU補助電源と比較し冷遇されていました。8pin×2で300W、8pin×3でも450Wでマザーボードからの電力供給75Wを含めて525Wが限界でした。

しかし今回の16pinコネクタはこれだけで600Wを達成できてしまいます。従来の8pin×3よりpin総数が少ないのになぜ電力供給能力が増加したかというと、1pinあたりに流れる電流値が増加したためです。本来、電源ユニット側の12V電力供給能力は十分にあり大きい電流を流すことが可能でしたが、PCI Express補助電源の規格ではわざと低い電流値に抑えて規格化されていました。一方でCPU補助電源は優遇されてきました。この差は、PCI Expressの補助電源規格は従来からIntelが主導して決定しているため、PCI Expressスロットに搭載されるプロセッサ類の高性能化を望まないIntelの意向が強く働いていたといわれています。

ですがIntelもGPUに再参入したせいか、PCIe5.0の補助電源規格ではあっさりと電流値を引き上げて600W対応になってしまいました。

NVIDIA GeForce RTX 3090Tiを搭載した各メーカーおすすめグラボの横断比較

ここではGeForce RTX 3090Tiを用いた各メーカーのグラフィックボードを横断的に比較していきます。いわゆるオリジナルファンモデルのグラボです。GeForce RTX 3090Ti自体はNVIDIA社が供給するGPU(graphics processing unit)であり、そのGPUを各グラボメーカーがNVIDIA社から調達し組込むことで、Amazonや大手家電量販店, PCショップといった小売店で見かける「いわゆるグラフィックボード」という形にし販売されています。そのため一口に「GeForce RTX 3090Ti」と言っても多数のメーカーから多数のグラボが発売され存在しています。各メーカーごとにも、「コストを削って安く作られているグラボ」や「最大限お金をかけて良い製品に仕上げているグラボ」のようにグレードが存在します。たとえ大手の著名メーカーであってもグレードが低ければ安っぽくなりますし、無名メーカーでもコストをかけているグラボは高品質です。それらのスペックと価格をまとめています。

GeForce RTX 3090Ti特有の事情として、Ampere世代のGPUが2020年に世に出てから約2年も経過した後の2022年3~4月にGeForce RTX 3090Tiを搭載した一連のグラボが発売されました。2022年10月に次の世代のAda Lovelace世代(GeForce RTX 4000シリーズ)が目前と迫っている中での発売です。よってグラボメーカー各社もこのGeForce RTX 3090Tiにはさほど力を入れておらず、ラインナップが同世代の他のGPU(GeForce RTX 3090等)と比較して充実していません。

1位: ASUS TUF-RTX3090TI-O24G-GAMING (TUF Gaming GeForce RTX 3090 Ti OC Edition 24GB)

GPUNVIDIA GeForce RTX 3090Ti
型番ASUS TUF-RTX3090TI-O24G-GAMING
発売日2022年4月
専有スロット数3.2 slot
全幅62.8 mm
全長325.9 mm
全高140.2 mm
質量等1.7kg / 2.87ℓ
ブーストクロックOC mode: 1950 MHz(Boost Clock) / Gaming mode: 1920 MHz(Boost Clock)
単精度(32bit)性能41.9328 TFLOPS
倍精度(64bit)性能0.655 TFLOPS
Tensor(行列積和)性能335.4624 TFLOPS
メモリ容量24GB
補助電源16pin (12VHPWR, PCIe5.0 12+4pin) ×1
推奨電源容量1000W
冷却機構空冷
ファン数本体ファン×3
出力コネクタDisplayPort×3, HDMI×2

TUFシリーズはASUSの中ではROG STRIXより下位ですが十分に高い冷却性能を有しています。実はGeForce RTX 3090TiにおけるASUSのグラボでは、ROG STRIXの空冷モデルが存在しません。ROG STRIXのRTX3090Tiモデルは簡易水冷一体型のみとなってしまいました。つまりこのTUFシリーズのオーバークロック(OC)エディションがASUSのRTX3090Ti空冷モデルの中で最上位です。また、ASUS製のGeForce RTX 3090TiモデルはHDMI出力端子が2つある特徴があり、本モデルもHDMI端子2つ搭載です。

加えてこの「ASUS TUF-RTX3090TI-O24G-GAMING」の他に、オーバークロックエディションではない「素のモデル」のTUFシリーズのGeForce RTX 3090Tiが存在します。それは日本国内では正規販売されていませんが並行輸入品としては存在します。それも本ページで紹介します。

2位: ASUS TUF-RTX3090TI-24G-GAMING (TUF Gaming GeForce RTX 3090 Ti 24GB)

GPUNVIDIA GeForce RTX 3090Ti
型番ASUS TUF-RTX3090TI-24G-GAMING
発売日2022年4月
専有スロット数3.2 slot
全幅62.8 mm
全長325.9 mm
全高140.2 mm
質量等1.7kg / 2.87ℓ
ブーストクロックOC mode: 1890 MHz(Boost Clock) Gaming mode: 1860 MHz(Boost Clock)
単精度(32bit)性能40.64256 TFLOPS
倍精度(64bit)性能0.635 TFLOPS
Tensor(行列積和)性能325.14048 TFLOPS
メモリ容量24GB
補助電源16pin (12VHPWR, PCIe5.0 12+4pin) ×1
推奨電源容量1000W
冷却機構空冷
ファン数本体ファン×3
出力コネクタDisplayPort×3, HDMI×2

これは日本国内では正規販売されていないマイナーなグラボです。上記「ASUS TUF-RTX3090TI-O24G-GAMING」の非オーバークロックモデル、つまり通常版という位置づけであり、クロック以外のスペックは全く同じです。安く手に入るならこのグラボを買って手動でオーバークロックすればオーバークロックモデルと全く同じ動作になります。しかしこのグラボは流通量が少なく高額になっていることが多いので普通にオーバークロックモデルを買ったほうが安上がりなことが多いです。

3位: ZOTAC GAMING GeForce RTX 3090 Ti AMP Extreme Holo ZT-A30910B-10P (ZTRTX3090TIAMPEXHOLO-24G) VD8075

GPUNVIDIA GeForce RTX 3090Ti
型番ZOTAC GAMING GeForce RTX 3090 Ti AMP Extreme Holo ZT-A30910B-10P (ZTRTX3090TIAMPEXHOLO-24G) VD8075
発売日2022年4月
専有スロット数3.5 slot
全幅63.9 mm
全長355.9 mm
全高149.7 mm
質量等1.5kg / 3.40ℓ
ブーストクロック1,890MHz
単精度(32bit)性能40.64256 TFLOPS
倍精度(64bit)性能0.635 TFLOPS
Tensor(行列積和)性能325.14048 TFLOPS
メモリ容量24GB
補助電源16pin (12VHPWR, PCIe5.0 12+4pin) ×1
推奨電源容量850W
冷却機構空冷
ファン数本体ファン×3
出力コネクタDisplayPort×3, HDMI×1

いつもは幅広くラインナップするZOTACですがGeForce RTX 3090Tiに関してはこのグラボしか存在しません。ZOTACはいつも無駄にグレードを増やす傾向があるので今回のは逆に好ましいです。このグラボはGeForce RTX 3090Tiを搭載した他者モデルと比較しても相対的に価格が安いため支持者が多いです。ただし個人的な意見としてはこのような奇抜なデザインは好きではありません。自動車で言えばレクサスみたいな奇をてらったデザインを採用して失敗しているパターンです。無難に保守的なデザインを採用し続けるメルセデスのような堅実性がZOTACにはありません。

GeForce RTX 3090Ti&第12世代Intel Core(Alder Lake)搭載パソコン

2021年に発売された第12世代Intel Core(Alder Lake)プロセッサを搭載したデスクトップパソコンを比較しています。GeForce RTX 3090Tiを搭載するデスクトップパソコンはCPUも必然的に高性能で高価なモデルが多いので全体的に高額になってしまいます。

Ark arkhive Gaming Custom GC-I7G39R AG-IC12Z69AGA9I-CM 【Core i7 12700~Core i9 12900K, メモリ32GB, SSD1TB】

商品名Ark(アーク) arkhive Gaming Custom GC-I7G39R AG-IC12Z69AGA9I-CM
CPUIntel Core i7 12700, Core i7 12700KF, Core i7 12700K, Core i9 12900, Core i9 12900K
GPUNVIDIA GeForce RTX 3090Ti
メモリ32GB
SSD1TB
OSWindows 11 Home, Windows 11 Pro
サイズ306ℓ
価格\ 458,630(税込)

CPUの選択肢がCore i7 12700から選べるパソコンです。Core i9 12900Kも選べますが高額になるので、Core i7 12700でも十分RTX3090Tiの性能を引き出せます。メモリは32GBが最低ラインであるため16GBにすることはできません。SSDは標準で1TB+2TB構成ですが、2TBのSSDは外した構成の価格を表示しています。標準ではSamsung製の1TBSSDですがWestern Digital製のWD Blueの方が少し安いです。あとはPCケースが少し大型すぎるのは欠点です。メモリ容量を16GBにできないのとPCケースサイズを除けば良いPCです。

NVIDIA GeForce RTX 3090Tiの総合平均ベンチマークスコア

GPUを評価する上で「個人向けパソコン界隈」でよく使われているベンチマークとして3DMarkやPassMarkがあります。しかしそれらのベンチマークは特定のGPUにとって有利だったり不利だったりと結果が偏りがちです。そこで、GeForce RTX 3090Tiを各種ベンチマークで評価したスコアから平均値を求め、一つの結果に集約した「総合平均」スコアで他のGPUと比較した結果をグラフで示すことにします。

多くのベンチマークの平均を取ることで公平さを担保します。しかし単純にスコアの平均値をとることはできません。平均値を計算する前に、各種ベンチマークの結果を正規化(ノーマライズ)します。なぜならベンチマークによってスコアの絶対水準がまちまちだからです。ベンチマークによっては10万レベルのスコアが出るものもあれば数千レベルのもあります。これらを単純平均してもスコアの絶対水準が大きいベンチマークの重み付けが相対的に大きくなってしまいそちらに平均値が引きずられてしまいます。これは日経平均株価において株価の絶対値が大きい「値がさ株」の重み付けが大きくなってしまい、値がさ株一つの動向によって平均が大きく動いてしまう問題と似ています。

そこで本サイトでは、各ベンチマークごとのスコアを正規化し揃えた上で平均値と取ることで各ベンチマークのスコアの重み付けを均一にし公平化しています。その結果は以下の通りです。

GPU(グラボ)名 総合平均GPU(グラボ)ベンチマーク性能評価スコア値
GeForce RTX 4090 96,870 +52.7%
GeForce RTX 4080 78,182 +23.2%
GeForce RTX 4070 Ti 65,941 +3.9%
GeForce RTX 3090 Ti 63,452 +0.0%
Radeon RX 6950 XT 59,801 -6.1%
GeForce RTX 3090 57,673 -10.0%
Radeon RX 6900 XT 57,325 -10.7%
GeForce RTX 3080 Ti 57,196 -10.9%
GeForce RTX 3080 12G 54,823 -15.7%
GeForce RTX 4070 53,829 -17.9%
Radeon RX 6800 XT 51,931 -22.2%
GeForce RTX 3080 51,031 -24.3%
NVIDIA TITAN RTX 45,102 -40.7%
GeForce RTX 3070 Ti 44,561 -42.4%
Radeon RX 6800 44,143 -43.7%
GeForce RTX 2080 Ti 42,829 -48.2%
GeForce RTX 4060 Ti 42,351 -49.8%
GeForce RTX 3070 40,894 -55.2%
NVIDIA TITAN V 40,009 -58.6%
Radeon RX 6750 XT 39,293 -61.5%
Radeon RX 6700 XT 37,564 -68.9%
GeForce RTX 3060 Ti 35,805 -77.2%
GeForce RTX 2080 Super 35,583 -78.3%
NVIDIA TITAN Xp 35,438 -79.1%
Radeon RX 6700 34,300 -85.0%
GeForce RTX 4060 34,268 -85.2%
GeForce RTX 2080 33,562 -89.1%
GeForce GTX 1080 Ti 33,214 -91.0%
Radeon VII 32,801 -93.4%
Radeon RX 5700 XT 32,748 -93.8%
Radeon RX 6650 XT 32,483 -95.3%
NVIDIA TITAN X 32,461 -95.5%
GeForce RTX 2070 Super 31,901 -98.9%
Radeon RX 6600 XT 31,613 -100.7%
Radeon RX 5700 28,937 -119.3%
GeForce RTX 2070 28,590 -121.9%
GeForce RTX 3060 28,197 -125.0%
GeForce RTX 2060 Super 28,030 -126.4%
Radeon RX 5600 XT 27,096 -134.2%
GeForce GTX 1080 26,706 -137.6%
Radeon RX 6600 26,550 -139.0%
GeForce GTX 1070 Ti 24,577 -158.2%
GeForce RTX 2060 24,299 -161.1%
NVIDIA GTX TITAN X 24,196 -162.2%
GeForce GTX 1070 21,939 -189.2%
Radeon RX 5600 21,812 -190.9%
GeForce GTX 1660 Ti 21,139 -200.2%
GeForce GTX 1660 Super 20,778 -205.4%
GeForce RTX 3050 20,505 -209.4%
GeForce GTX 1660 20,378 -211.4%
Radeon RX 590 18,910 -235.6%
GeForce GTX 1650 Super 17,955 -253.4%
Radeon RX 5500 XT 17,703 -258.4%
Radeon RX 580 17,297 -266.8%
Radeon RX 5500 16,807 -277.5%
GeForce GTX 1060 15,805 -301.5%
Radeon RX 570 15,350 -313.4%
Radeon RX 6500 XT 15,072 -321.0%
GeForce GTX 1650 13,558 -368.0%
Radeon RX 5300 13,339 -375.7%
Radeon RX 6400 12,131 -423.1%
GeForce GTX 1050 Ti 10,074 -529.9%
GeForce GTX 1630 8,412 -654.3%
GeForce GTX 1050 8,337 -661.1%
Radeon RX 560 7,420 -755.2%
Radeon RX 550 5,105 -1,143.1%
GeForce GT 1030 4,603 -1,278.4%
Radeon 540 3,468 -1,729.5%
GeForce GT 1010 2,251 -2,719.3%
Radeon 530 1,975 -3,113.0%
Radeon 520 1,789 -3,446.8%
GeForce GT 710 1,020 -6,120.6%

GeForce RTX 3090Tiは確かにAmpere世代のGPUの中では最高峰です。GeForce RTX 3090と比べて10%の性能差があります。それは「GeForce RTX 3090から見てGeForce RTX 3090Tiの性能が+10%上」ということを意味しています。競合他社のAMD Radeon RX 6950XTと比較しても+4%ほどGeForce RTX 3090Tiの方が性能が上です。しかし相手がAmpere世代の次の世代のGeForce RTX 4090になると、GeForce RTX 4090がGeForce RTX 3090Tiよりも+45%も性能が上になっており圧倒的大差がついてしまいます。しかも消費電力はGeForce RTX 4090とGeForce RTX 3090Tはほぼ同じです。

NVIDIA GeForce RTX 3090Tiの各種ベンチマーク比較

GeForce RTX 3090Tiのベンチマークスコアを各種ベンチマークごとに比較した結果をグラフで見ていきます。グラフ長は各GPUのスコア結果の相対値を示しており、グラフ右のパーセンテージはGeForce RTX 3090Tiとの性能差を示しています。

赤い色の数値で書いてあるのはGeForce RTX 3090Tiよりも低い性能のGPUのスコアです。赤色数値のスコアは「低い方のGPUから見てGeForce RTX 3090Tiの性能が何%上か」を示しています。例えば-150%とあった場合は、「そのGPUから見てGeForce RTX 3090Tiのスコアは150%上」だということを示しています。

逆に緑色の数値はGeForce RTX 3090Tiよりも高いスコアを示しています。例えば+150%の緑色のスコアは「GeForce RTX 3090Tiから見てそのGPUのスコアが150%上」ということを意味しています。

グラフのグラデーション色(虹色)のバーはGeForce RTX 3090Tiのスコアを示しています。緑色のバーはNVIDIA製のGPU、赤色のバーはAMD製のGPUを指しています。

3DMark Port Royal (DirectX 12):GeForce RTX 3090TiはRadeon RX 6950XTに対し+37%勝っているが、RTX4090に対しては75%の大差で負ける性能

3DMark Port Royalは2018年にリリースされたベンチマークで、3DMarkの中でも「2018年に発売のTuring世代GeForce RTXに搭載されたRay Tracing CoreとTensor Core」を計測可能なベンチマークです。古い世代のGPUでは実行できずある程度新しい世代のGPUでないと測定自体ができません。

GPU(グラボ)名 3DMark Port Royal(Graphics)のベンチマーク性能評価スコア値
GeForce RTX 4090 26,072 +75.7%
GeForce RTX 4080 17,884 +20.5%
GeForce RTX 3090 Ti 14,840 +0.0%
GeForce RTX 4070 Ti 13,961 -6.3%
GeForce RTX 3090 13,640 -8.8%
GeForce RTX 3080 Ti 13,229 -12.2%
GeForce RTX 3080 12G 12,173 -21.9%
GeForce RTX 3080 11,578 -28.2%
GeForce RTX 4070 11,115 -33.5%
Radeon RX 6950 XT 10,818 -37.2%
Radeon RX 6900 XT 10,393 -42.8%
NVIDIA TITAN RTX 9,869 -50.4%
Radeon RX 6800 XT 9,534 -55.7%
GeForce RTX 2080 Ti 9,111 -62.9%
GeForce RTX 3070 Ti 8,854 -67.6%
NVIDIA GTX TITAN X 8,323 -78.3%
GeForce RTX 3070 8,302 -78.8%
GeForce RTX 4060 Ti 8,057 -84.2%
Radeon RX 6800 7,812 -90.0%
GeForce RTX 2080 Super 7,005 -111.8%
GeForce RTX 3060 Ti 6,977 -112.7%
GeForce RTX 2080 6,441 -130.4%
Radeon RX 6750 XT 6,259 -137.1%
GeForce RTX 2070 Super 6,037 -145.8%
GeForce RTX 4060 6,024 -146.3%
Radeon RX 6700 XT 5,974 -148.4%
GeForce RTX 2070 5,186 -186.2%
GeForce RTX 3060 5,138 -188.8%
GeForce RTX 2060 Super 5,073 -192.5%
Radeon RX 6700 5,065 -193.0%
Radeon RX 6650 XT 4,648 -219.3%
Radeon RX 6600 XT 4,512 -228.9%
GeForce RTX 2060 4,150 -257.6%
NVIDIA TITAN V 3,820 -288.5%
Radeon RX 6600 3,755 -295.2%
GeForce RTX 3050 3,531 -320.3%
NVIDIA TITAN Xp 2,397 -519.1%
NVIDIA TITAN X 2,261 -556.3%
GeForce GTX 1080 Ti 2,205 -573.0%
GeForce GTX 1660 Ti 1,657 -795.6%
GeForce GTX 1080 1,634 -808.2%
GeForce GTX 1660 Super 1,563 -849.5%
GeForce GTX 1070 Ti 1,489 -896.6%
GeForce GTX 1070 1,244 -1,092.9%
GeForce GTX 1060 813 -1,725.3%
Radeon RX 6500 XT 385 -3,754.5%
Radeon RX 6400 329 -4,410.6%

GeForce RTX 3090Tiの性能は競合他社のAMD Radeon RX 6950XTよりも+37%も高い性能になっています。ワングレード下のGeForce RTX 3090と比較しても+8%もGeForce RTX 3090Tiの方が高い性能です。

しかし、2022年に発売されたGeForce RTX 4090と比較するとGeForce RTX 3090Tiの性能の高さはすでに過去のものになってしまっています。GeForce RTX 3090Tiから見たGeForce RTX 4090の性能は+75%も上です。しかも消費電力はほぼ同等。たった2年でここまで性能向上されてしまってはGeForce RTX 3090Tiの強みは失われたに等しいです。