【2024年最新版】ノートパソコン用モバイルCPUの性能比較と選び方 Intel Core,AMD Ryzenのおすすめプロセッサをランキング評価

Windowsノートパソコンで使用される低消費電力なモバイル向けCPUを実際的なベンチマークで性能比較してランキング付けしています。

1位: Core i9 12900HX  【Intel第12世代(2022年5月)】

Core i9 12900HXはデスクトップパソコン向けのCore i9 12900Kのクロックを低くし消費電力を低くした製品です。つまりほぼデスクトップ級のCPUです。このCore i9 12900HXより上位にCore i9 12950HXというCPUが存在しますが、実はこのCore i9 12900HXの方が高性能です。理由としてはCore i9 12950HXはvProを搭載しているのが特徴で、多数のノートPCを一括でリモート操作する企業向けのインフラ管理に適したものですが同時にオーバークロックに制約があります。このCore i9 12900HXにはオーバークロック制約がないのでこちらの方が性能が高く実際ベンチマーク値も高く出ています。

Intel Core i9 12900HXのベンチマーク性能評価

Core i9 12900HX単独のベンチマーク性能を見てみます。

CPUベンチマーク名 Intel Core i9 12900HXのベンチマーク性能評価スコア値(グラフ長は各ベンチごとの母数を元にノーマライズ)
Userbenchmark(実効) 104
Userbenchmark(Normal) 217
Userbenchmark(Heavy) 1,007
Userbenchmark(Server) 2,273
PassMark CPU(Single) 4,007
PassMark CPU(Multi) 34,915

マルチスレッド性能はデスクトップ向けCPUと比べて半分程度の性能しかありませんが、シングルスレッド性能はデスクトップCPUの7~8割程度あるので十分高い性能です。1コアあたりの性能はモバイル向けであっても非常に高くなっています。

Intel Core i9 12900HX搭載おすすめノートパソコン

モバイル向けで最上位CPUであるため高性能GPUと組み合わせたノートパソコンが多く非常に高価です。Core i9 12900HX搭載ノートの中でも比較的価格が安いのがこのGigabyte AORUS 17X (Intel 12th Gen)になります。

2位: Core i9 12900HK  【Intel第12世代(2022年1月)】

メーカー・モデル名Intel Core i9-12900HK
コア数14コア20スレッド(P-Core:6コア12スレッド + E-Core:8コア8スレッド)
P-Core周波数2.5GHz~5.0GHz
E-Core周波数1.8GHz~3.8GHz
コードネームAlder Lake-H45 (第12世代Intel)
発売日2022年1月
vProテクノロジ対応
同時マルチスレッディングP:有効 + E:無効
定格外オーバークロック対応
TDP(≒消費電力)45W~115W
L1キャッシュ1.2MB (P:480KB + E:768KB)
L2キャッシュ11.5MB (P:7.5MB + E:4MB)
L3キャッシュ24MB (P:18MB + E:6MB)
最大メモリサイズ64GB
メモリタイプDDR5-4800, DDR4-3200, LPDDR5-5200, LPDDR4-4267
メモリチャネル2
コンピュータの形態モバイル
ソケットBGA 1744
グラフィクス(iGPU)Intel Iris Xe Graphics
iGPU最大画面数4
iGPU最大周波数1,450MHz
iGPU EU数96
iGPU単精度コア数768
iGPU単精度性能2.2272 TFLOPS
アーキテクチャGolden Cove+Gracemont
プロセスルールIntel 7
SIMD拡張命令Intel AVX2
SIMD演算器256bit FMA×2
SIMD倍精度演算性能16 FLOPs/cycle
AI(深層学習)拡張命令Intel Deep Learning Boost (AVX2 VNNI), Intel GNA3.0

Core i9 12900HKは第12世代Intel Core(Alder Lake)のモバイル向けプロセッサの中では最高峰の性能を有します。Core i7 12700HやCore i5 12400Hと並んでゲーミングノートPCとして採用されることの多いCPUです。モバイル向けCPUにしてはマルチスレッド性能が高いのが特徴です。

Core i9 12900HKを搭載した各メーカーのノートPCはこちらで比較しています。

3位: Core i9 12900H  【Intel第12世代Alder Lake-H】

メーカー・モデル名Intel Core i9-12900H
コア数14コア20スレッド(P-Core:6コア12スレッド + E-Core:8コア8スレッド)
P-Core周波数2.5GHz~5.0GHz
E-Core周波数1.8GHz~3.8GHz
コードネームAlder Lake-H45 (第12世代Intel)
発売日2022年1月
vProテクノロジ対応
同時マルチスレッディングP:有効 + E:無効
定格外オーバークロック非対応
TDP(≒消費電力)45W~115W
L1キャッシュ1.2MB (P:480KB + E:768KB)
L2キャッシュ11.5MB (P:7.5MB + E:4MB)
L3キャッシュ24MB (P:18MB + E:6MB)
最大メモリサイズ64GB
メモリタイプDDR5-4800, DDR4-3200, LPDDR5-5200, LPDDR4-4267
メモリチャネル2
コンピュータの形態モバイル
ソケットBGA 1744
グラフィクス(iGPU)Intel Iris Xe Graphics
iGPU最大画面数4
iGPU最大周波数1,450MHz
iGPU EU数96
iGPU単精度コア数768
iGPU単精度性能2.2272 TFLOPS
アーキテクチャGolden Cove+Gracemont
プロセスルールIntel 7
SIMD拡張命令Intel AVX2
SIMD演算器256bit FMA×2
SIMD倍精度演算性能16 FLOPs/cycle
AI(深層学習)拡張命令Intel Deep Learning Boost (AVX2 VNNI), Intel GNA3.0

Core i9 12900Hは第12世代Intel Core(Alder Lake)のモバイル向けAlder Lake-Hシリーズの14コアCPUです。定格外オーバークロックが可能なCore i9 12900HKと比較し、Core i9 12900Hは定格外オーバークロックはできませんが定格クロックはCore i9 12900HKと同じです。

Core i9 12900Hのベンチマーク性能はCore i9 12900HKよりもマルチスレッド性能が少し低くなっています。全コアを同時に動作させた時のクロックの上がりやすさではCore i9 12900HKの方が優秀です。

Core i9 12900Hを搭載した各メーカーのノートPCはこちらで比較しています。

4位: Core i7 12800H   【Intel第12世代Alder Lake-H】

メーカー・モデル名Intel Core i7-12800H
コア数14コア20スレッド(P-Core:6コア12スレッド + E-Core:8コア8スレッド)
P-Core周波数2.4GHz~4.8GHz
E-Core周波数1.8GHz~3.7GHz
コードネームAlder Lake-H45 (第12世代Intel)
発売日2022年1月
vProテクノロジ対応
同時マルチスレッディングP:有効 + E:無効
定格外オーバークロック非対応
TDP(≒消費電力)45W~115W
L1キャッシュ1.2MB (P:480KB + E:768KB)
L2キャッシュ11.5MB (P:7.5MB + E:4MB)
L3キャッシュ24MB (P:18MB + E:6MB)
最大メモリサイズ64GB
メモリタイプDDR5-4800, DDR4-3200, LPDDR5-5200, LPDDR4-4267
メモリチャネル2
コンピュータの形態モバイル
ソケットBGA 1744
グラフィクス(iGPU)Intel Iris Xe Graphics
iGPU最大画面数4
iGPU最大周波数1,400MHz
iGPU EU数96
iGPU単精度コア数768
iGPU単精度性能2.1504 TFLOPS
アーキテクチャGolden Cove+Gracemont
プロセスルールIntel 7
SIMD拡張命令Intel AVX2
SIMD演算器256bit FMA×2
SIMD倍精度演算性能16 FLOPs/cycle
AI(深層学習)拡張命令Intel Deep Learning Boost (AVX2 VNNI), Intel GNA3.0

Core i7 12800Hは第12世代Intel Core(Alder Lake)のAlder Lake-Hシリーズに属するモバイル向けCPUの一つです。Core i7 12800Hが14コアである点はCore i9 12900Hと同様ですが、汎用コアのクロックが若干下がっています。また大きな違いはグラフィック面で、Core i7 12800HはCore i9 12900Hよりも内蔵グラフィックス(Intel Iris Xe Graphics)の最大クロックが下がっています。

シングルスレッド性能はCore i7 12900Hよりもかなり低くなっており、Core i7 12700Hのシングルスレッド性能とは同等といったところです。

Core i7 12800Hを搭載した各メーカーのノートPCはこちらで比較しています。

5位: Core i7 12700H   【Intel第12世代Alder Lake-H】

メーカー・モデル名Intel Core i7-12700H
コア数14コア20スレッド(P-Core:6コア12スレッド + E-Core:8コア8スレッド)
P-Core周波数2.3GHz~4.7GHz
E-Core周波数1.7GHz~3.5GHz
コードネームAlder Lake-H45 (第12世代Intel)
発売日2022年1月
vProテクノロジ対応
同時マルチスレッディングP:有効 + E:無効
定格外オーバークロック非対応
TDP(≒消費電力)45W~115W
L1キャッシュ1.2MB (P:480KB + E:768KB)
L2キャッシュ11.5MB (P:7.5MB + E:4MB)
L3キャッシュ24MB (P:18MB + E:6MB)
最大メモリサイズ64GB
メモリタイプDDR5-4800, DDR4-3200, LPDDR5-5200, LPDDR4-4267
メモリチャネル2
コンピュータの形態モバイル
ソケットBGA 1744
グラフィクス(iGPU)Intel Iris Xe Graphics
iGPU最大画面数4
iGPU最大周波数1,400MHz
iGPU EU数96
iGPU単精度コア数768
iGPU単精度性能2.1504 TFLOPS
アーキテクチャGolden Cove+Gracemont
プロセスルールIntel 7
SIMD拡張命令Intel AVX2
SIMD演算器256bit FMA×2
SIMD倍精度演算性能16 FLOPs/cycle
AI(深層学習)拡張命令Intel Deep Learning Boost (AVX2 VNNI), Intel GNA3.0

Core i7 12700Hは第12世代Intel CoreのコードネームAlder Lake-Hに属するモバイル向けCPUです。Core i7 12700Hは非常にオーソドックスなCPUという位置付けでAlder Lake-Hの顔とも言える存在です。Core i7 12700HとCore i7 12800Hの違いは汎用コアのクロック値の違いだけで他はすべて同じです。

シングルスレッド性能とスレッドレベル並列処理性能の落差が少なくバランスのとれた性能を有しています。

Core i7 12700Hを搭載した各メーカーのノートPCはこちらで比較しています。

6位: Core i9 11980HK   【Intel第11世代Tiger Lake-H】

Core i9 11980HKは第11世代Intel Coreモバイル向けプロセッサのTiger Lakeシリーズの中で最高峰の性能を有するCPUです。高消費電力でも性能を最優先する大型ノートPCやベアボーンで採用されています。

Core i9 11980HKの性能分布は負の歪度(skew)が無い理想的な分布をしています。赤い線が平均値ですが、正規分布の釣鐘型計上の丁度中央あたりに平均値が位置しており、最頻値=平均値となっている良い分布です。

7位: Ryzen 9 5980HX   【AMD Zen3世代Cezanne】

Ryzen 5000シリーズのモバイル向けCPUの中では最高峰と位置づけられているのがこのRyzen 9 5980HXです。Ryzen5000シリーズの中ではフラッグシップですが、同時期に発売されたIntel Core i9 11980Hよりも低性能です。

Ryzen 9 5980HXのベンチマーク結果の分布はとてもいびつです。極めて負の歪度(skew)が大きい分布となっており、最頻値よりも平均値がかなり左側(性能が低い側)に来ています。負の歪度を持つということは性能が低い方向に裾が厚い分布になっており、これはRyzen 9 5980HXでかなり低い性能を叩きだしているユーザが相当数いることを示しています。性能が低く出るベンチマーク結果に引きずられて平均値が下がっているということです。つまりRyzen 9 5980HXは「誰が使っても高い性能が出るCPU」とは言えないことがわかります。

8位: Core i7 11800H   【Intel第11世代Tiger Lake-H】

Core i7 11800Hは8コアのTiger Lake-Hの中では最も廉価な位置づけのCPUです。

Intel Core i7 11800HとAMD Ryzenのベンチマーク比較

本来Core i7 11800Hと比較すべきはRyzen 7 5800Hです。しかしそれより上位のRyzen 5900HXとの比較でもCore i7 11800Hが勝ってしまいます。

このように+1%の性能差でCore i7 11800Hが勝利しています。多数のスレッドが動く用途では+2ポイント差でRyzen 9 5900HXが有利ですが、事務作業用途ならCore i7 11800Hが有利です。

9位: Ryzen 9 5900HX   【AMD Zen3世代Cezanne】

Ryzen 9 5900HXはRyzen 5000シリーズのモバイル向けCPUの中では上から3番目の位置付けのCPUです。Ryzen 9 5900HXのベースクロックは3.3GHzでありRyzen 9 5980HXのベースクロックと同じです。しかしRyzen 9 5900HXブーストクロックはRyzen 9 5980HXの4.8GHzより0.2GHz低い4.6GHzとなっています。

AMD Ryzen 9 5900HXとIntel Coreのベンチマーク比較

本来Ryzen 9 5900HXと比較すべきIntel CoreのモデルはCore i9 11900Hですが、それよりも下のグレードのCore i7 11800Hと比較してみます。

このように+1%の性能差でRyzen 9 5900HXに対しCore i7 11800Hが勝利しています。マルチスレッド性能では+2ポイント差でRyzen 9 5900HXが上ですが、事務作業用途やゲーム用途ではCore i7 11800Hが上です。

10位: Core i7-1280P   【Intel第12世代Alder Lake-P】

Core i7 1280Pは第12世代Intel Core(Alder Lake-P)の中で上位に位置づけられるCPUです。高性能重視(ハイパフォーマンス重視)なユーザが好んで選択します。12コアのCore i7 1260Pと異なりCore i7 1280Pになると14コアに増えます。Core i7 1280Pは重量1kgを切る小型軽量ノートパソコンThinkPad X1 Nano(Gen2)に採用されたことでも有名です。

Core i7 1280Pを搭載した各メーカーのノートPCはこちらで比較しています。

11位: Core i7-1260P   【Intel第12世代Alder Lake-P】

第12世代Intel Core Alder Lake-P(TDP28W)の中でオーソドックスなCPUです。ThinkPad X1 Carbon 2022(Gen10)で採用されているのみならず、ThinkPad X1 Nano 2022(Gen2)でも採用されています。

Core i7 1260Pを搭載した各メーカーのノートPCはこちらで比較しています。

12位: Core i5-1240P   【Intel第12世代Alder Lake-P】

Core i7 1260と同じ12コア(高性能なP-Core×4コア+低消費電力なE-Core×8コア)の構成ですが、L3キャッシュサイズがこのCore i5 1240Pの方が少なく、動作クロックも低くなっています。また内蔵グラフィックス(Intel Iris Xe Graphics)の単精度コア数もこのCore i5 1240Pの方が少なくグラフィック性能が若干Core i7 1260Pより低いです。

Core i5 1240Pを搭載した各メーカーのノートPCはこちらで比較しています。

13位: Core i7-1265U   【Intel第12世代Alder Lake-U(UP3)】

Core i7 1265Uの位置付けはAlder Lake-U(UP3)シリーズの中で上位になります。Core i7 1255Uとの違いは汎用コアのクロックの高さのみです。

Core i7 1265Uを搭載した各メーカーのノートPCはこちらで比較しています。

14位: Core i7-1255U   【Intel第12世代Alder Lake-U(UP3)】

Core i7 1255Uは内蔵グラフィックス(Intel Iris Xe Graphics)が優秀です。Alder Lake-Uよりも高性能なシリーズAlder Lake-Pに属するCore i5 1250Pよりも内蔵グラフィックス性能は上です。

Core i7 1255Uを搭載した各メーカーのノートPCはこちらで比較しています。

15位: Core i7-1185G7   【Intel第11世代Tiger Lake-UP3】

型番Core i7-1185G7 (第11世代Intel)
コア数4コア8スレッド
基本動作周波数3.0GHz
最大動作周波数4.8GHz
全コア同時最大周波数4.3GHz
発売日2020年9月
セキュアブート対応
vProテクノロジ対応
同時マルチスレッディング有効
定格外オーバークロック非対応
TDP(≒消費電力)28W
L1キャッシュ320KB
L2キャッシュ5MB
L3キャッシュ12MB
最大メモリサイズ64GB
メモリタイプLPDDR4X-4267
メモリチャネル2
メモリ帯域幅68.2GB毎秒
コードネームTiger Lake-UP3
コンピュータの形態モバイル
ソケットBGA 1449
グラフィクス(iGPU)Intel Iris Xe Graphics G7
iGPU最大画面数4
iGPU最大メモリ
iGPU基本周波数400MHz
iGPU最大周波数1,350MHz
iGPU EU数96
iGPU単精度コア数768
iGPU単精度性能2.0736 TFLOPS
アーキテクチャWillow Cove
プロセスルールIntel10nm+
SIMD拡張命令Intel AVX2, AVX-512
SIMD演算器256bit FMA×2
SIMD倍精度演算性能16 FLOPs/cycle
AI(深層学習)拡張命令Intel Deep Learning Boost (AVX-512 VNNI)

第11世代Intel Core Tiger Lakeプロセッサの代表的CPUで、ThinkPad X1 Carbon 2021(Gen9)に採用されたことでも有名なCPUです。Core i7 1165G7との違いとしては、Core i7 1185G7ではvProが有効化されており、Core i7 1165G7と比較してCore i7 1185G7では汎用コアのクロックも内蔵グラフィクスのクロックも高くなっています。

Core i7 1185G7を搭載した各メーカーのノートPCはこちらで比較しています。

16位: Core i7-1165G7   【Intel第11世代Tiger Lake-UP3】

型番Core i7-1165G7 (第11世代Intel)
コア数4コア8スレッド
基本動作周波数2.8GHz
最大動作周波数4.7GHz
全コア同時最大周波数4.1GHz
発売日2020年9月
セキュアブート非対応
vProテクノロジ非対応
同時マルチスレッディング有効
定格外オーバークロック非対応
TDP(≒消費電力)28W
L1キャッシュ320KB
L2キャッシュ5MB
L3キャッシュ12MB
最大メモリサイズ64GB
メモリタイプLPDDR4X-4267
メモリチャネル2
メモリ帯域幅68.2GB毎秒
コードネームTiger Lake-UP3
コンピュータの形態モバイル
ソケットBGA 1449
グラフィクス(iGPU)Intel Iris Xe Graphics G7
iGPU最大画面数4
iGPU最大メモリ
iGPU基本周波数400MHz
iGPU最大周波数1,300MHz
iGPU EU数96
iGPU単精度コア数768
iGPU単精度性能1.9968 TFLOPS
アーキテクチャWillow Cove
プロセスルールIntel10nm+
SIMD拡張命令Intel AVX2, AVX-512
SIMD演算器256bit FMA×2
SIMD倍精度演算性能16 FLOPs/cycle
AI(深層学習)拡張命令Intel Deep Learning Boost (AVX-512 VNNI)

このCore i7 1165G7はCore i7 1185G7からクロックを少し引き下げたのに加えて、vProとIntel Trusted Execution Technologyを無効化してCore i7 1185G7よりも価格を安くしたCPUです。Panasonic Let’s NoteではSV1シリーズで最も早く第11世代Intel Coreが採用され、その中で最も高スペックなCPUがこのCore i7 1165G7です。

Core i7 1165G7を搭載した各メーカーのノートPCはこちらで比較しています。

Panasonic(パナソニック)
409,363円(税込)(2021/4/16時点)
【カスタマイズ構成】
CPU: 第11世代Intel Core i7-1165G7(4コア, 2.8GHz~4.7GHz, Tiger Lake)
グラフィクス: Intel Iris Xe Graphics G7 768コア(CPU内蔵)

17位: Core i5-1145G7   【Intel第11世代Tiger Lake-UP3】

型番Core i5-1145G7 (第11世代Intel)
コア数4コア8スレッド
基本動作周波数2.6GHz
最大動作周波数4.4GHz
全コア同時最大周波数4.0GHz
発売日2020年9月
セキュアブート対応
vProテクノロジ対応
同時マルチスレッディング有効
定格外オーバークロック非対応
TDP(≒消費電力)28W
L1キャッシュ320KB
L2キャッシュ5MB
L3キャッシュ8MB
最大メモリサイズ64GB
メモリタイプLPDDR4X-4267
メモリチャネル2
メモリ帯域幅68.2GB毎秒
コードネームTiger Lake-UP3
コンピュータの形態モバイル
ソケットBGA 1449
グラフィクス(iGPU)Intel Iris Xe Graphics G7
iGPU最大画面数4
iGPU最大メモリ
iGPU基本周波数400MHz
iGPU最大周波数1,300MHz
iGPU EU数80
iGPU単精度コア数640
iGPU単精度性能1.664 TFLOPS
アーキテクチャWillow Cove
プロセスルールIntel10nm+
SIMD拡張命令Intel AVX2, AVX-512
SIMD演算器256bit FMA×2
SIMD倍精度演算性能16 FLOPs/cycle
AI(深層学習)拡張命令Intel Deep Learning Boost (AVX-512 VNNI)

Core i5 1145G7はCore i7 1165G7のクロックを下げつつ、L3キャッシュサイズを12MB→8MBまで削減し価格を安く抑えたCPUです。

Core i5 1145G7を搭載した各メーカーのノートPCはこちらで比較しています。

Lenovo(レノボ)
433,180円(税込)(2022/4/17時点)
【カスタマイズ構成】
CPU: 第11世代Intel Core i5-1145G7 (4コア, 2.6~4.4GHz, Tiger Lake)
グラフィクス: Intel Iris Xe Graphics (CPU内蔵)

18位: Core i5-1135G7   【Intel第11世代Tiger Lake-UP3】

型番Core i5-1135G7 (第11世代Intel)
コア数4コア8スレッド
基本動作周波数2.4GHz
最大動作周波数4.2GHz
全コア同時最大周波数3.8GHz
発売日2020年9月
セキュアブート非対応
vProテクノロジ非対応
同時マルチスレッディング有効
定格外オーバークロック非対応
TDP(≒消費電力)28W
L1キャッシュ320KB
L2キャッシュ5MB
L3キャッシュ8MB
最大メモリサイズ64GB
メモリタイプLPDDR4X-4267
メモリチャネル2
メモリ帯域幅68.2GB毎秒
コードネームTiger Lake-UP3
コンピュータの形態モバイル
ソケットBGA 1449
グラフィクス(iGPU)Intel Iris Xe Graphics G7
iGPU最大画面数4
iGPU最大メモリ
iGPU基本周波数400MHz
iGPU最大周波数1,300MHz
iGPU EU数80
iGPU単精度コア数640
iGPU単精度性能1.664 TFLOPS
アーキテクチャWillow Cove
プロセスルールIntel10nm+
SIMD拡張命令Intel AVX2, AVX-512
SIMD演算器256bit FMA×2
SIMD倍精度演算性能16 FLOPs/cycle
AI(深層学習)拡張命令Intel Deep Learning Boost (AVX-512 VNNI)

Core i5 1145G7まではIntel Iris Xe Graphics G7(内蔵グラフィクス)において768コア存在した単精度コアが、このCore i5 1135G7では640コアになっています。第11世代Tiger Lake-UP3の境界線がこのCore i5 1135G7にあると言ってもいいでしょう。それでも内蔵グラフィクスの性能は、前世代の第10世代Comet Lake-Uで最も高性能なCore i7 10810Uの4倍を実現しています。

Core i5 1135G7を搭載した各メーカーのノートPCはこちらで比較しています。

Panasonic(パナソニック)
338,963円(税込)(2021/4/26時点)
【カスタマイズ構成】
CPU: 第11世代Intel Core i5-1135G7(4コア, 2.4GHz~4.2GHz, Tiger Lake)
グラフィクス: Intel Iris Xe Graphics G7 640コア(CPU内蔵)

19位: Core i7-1180G7  【Intel第11世代Tiger Lake-UP4】

型番Core i7-1180G7 (第11世代Intel)
コア数4コア8スレッド
基本動作周波数2.2GHz
最大動作周波数4.6GHz
全コア同時最大周波数3.7GHz
発売日2020年9月
セキュアブート対応
vProテクノロジ対応
同時マルチスレッディング有効
定格外オーバークロック非対応
TDP(≒消費電力)15W
L1キャッシュ320KB
L2キャッシュ5MB
L3キャッシュ12MB
最大メモリサイズ32GB
メモリタイプLPDDR4X-4267
メモリチャネル2
メモリ帯域幅68.2GB毎秒
コードネームTiger Lake-UP4
コンピュータの形態モバイル
ソケットBGA 1598
グラフィクス(iGPU)Intel Iris Xe Graphics G7
iGPU最大画面数4
iGPU最大メモリ
iGPU基本周波数400MHz
iGPU最大周波数1,100MHz
iGPU EU数96
iGPU単精度コア数768
iGPU単精度性能1.6896 TFLOPS
アーキテクチャWillow Cove
プロセスルールIntel10nm+
SIMD拡張命令Intel AVX2, AVX-512
SIMD演算器256bit FMA×2
SIMD倍精度演算性能16 FLOPs/cycle
AI(深層学習)拡張命令Intel Deep Learning Boost (AVX-512 VNNI)

このCore i7 1180G7は基本的にCore i7-1185G7のクロックを大幅に引き下げて低消費電力化を図ったCPUです。結果的にTDP(≒消費電力)は15Wまで下がっています。Core i7 1185G7とキャッシュサイズは全く同じであり、クロックの違い以外は最大メモリサイズが32GBになっている点くらいです。内蔵グラフィクス(intel Iris Xe Graphics G7)の単精度コア数も768コアありCore i7 1185G7と同等です。違うのはグラフィッククロックが最大1,100MHzまでになっており、内蔵グラフィクスの最大クロックが引き下げられている部分だけです。ベースクロックはむしろ上昇しています。

このCore i7 1180G7を搭載した代表的ノートPCはThinkPad X1 Nano(Gen1)です。

20位: Core i9-10980HK  【Intel第10世代Comet Lake-H】

型番Core i9-10980HK (第10世代Intel)
コア数8コア16スレッド
基本動作周波数2.4GHz
最大動作周波数5.3GHz
全コア同時最大周波数4.4GHz
発売日2020年4月
セキュアブート非対応
vProテクノロジ非対応
同時マルチスレッディング有効
定格外オーバークロック対応
TDP(≒消費電力)65W
L1キャッシュ512KB
L2キャッシュ2MB
L3キャッシュ16MB
最大メモリサイズ128GB
メモリタイプDDR4-2933
メモリチャネル2
メモリ帯域幅45.8GB毎秒
コードネームComet Lake-H
コンピュータの形態モバイル
ソケットBGA 1440
グラフィクス(iGPU)Intel UHD Graphics 630
iGPU最大画面数3
iGPU最大メモリ64GB
iGPU基本周波数350MHz
iGPU最大周波数1,250MHz
iGPU EU数24
iGPU単精度コア数192
iGPU単精度性能0.4800TFLOPS
アーキテクチャComet Lake
プロセスルールIntel14nm
SIMD拡張命令Intel AVX2, SSE
SIMD演算器256bit FMA×2
SIMD倍精度演算性能16 FLOPs/cycle
AI(深層学習)拡張命令非搭載

モバイルCPUの型番末尾のアルファベットの意味

CPU型番の末尾に付くアルファベットの識別子をサフィックス(Suffix)と呼びます。各アルファベットの意味を列挙していきます。

Intel Core-HK

末尾文字HKは「High Performance Graphics Unlock」を意味しています。”H”の意味は後述ものと同じで、重いグラフィック処理が必要な高性能CPUを意味しています。Kは”Unlocked”を意味しており、オーバークロックできるようにしてあるCPUを意味します。Hシリーズの中でも最上位の位置づけのCPUに振られるsuffixです。しかしオーバークロックできる”K”付きのモバイルCPUであっても、ノートパソコンでは冷却性能が乏しくオーバークロックが難しい上にバッテリーの持続時間を短くしてしまうので実際のところ”K”無しの”H”タイプのモバイルCPUで十分です。

Intel Core-H

末尾の”H”は「Hight Performance Graphics(ハイ・パフォーマンス・グラフィクス)」を意味しています。FPSゲーム等のグラフィック処理が重い用途に使われるCPUであり、デスクトップ向けのCPUに見劣りしない性能が特徴です。

消費電力(時間あたりの発熱量)は45Wもありモバイル向けとしては非常に大きい消費電力です。そのためノートパソコンのサイズも大型化する傾向にあります。

Apple社のMacBook Proの上位モデルがこの”H”タイプの8コアIntel Core i9を搭載しています。バッテリーは83.6Whもあるため大型のノートパソコン向きのCPUです。

Intel Core-G7,G4,G1 (内蔵グラフィクス性能) 【第10世代Intel Core(Ice Lake)以降】

このSuffix「G7」「G4」「G1」は第10世代Intel Core以降で使われ始めたSufixです。このネーミングルールは複雑です。まずProduct Line SuffixのG7,G4,G1というのは内蔵グラフィクス(Intel Iris Xe Graphics)の単精度コア数と一対一に対応してしており、内蔵グラフィクスの性能を意味するsuffixでした。つまり「G7」や「G4」は汎用コア(いわゆるCPU)の性能そのものとはほぼ無関係です。

では汎用コアの性能はどのように区分しているかというと、上画像の「106″5″」の下一桁が”5″か”0″かで区分しています。それについては後述します。

Intel Core-P 【第12世代Intel Core(Alder Lake)以降】

Core i7 1280Pのように末尾文字(suffix)として”P”を付与するネーミングルールは第12世代Intel Coreで初めて導入されました。このCore-Pシリーズは定格TDPが28Wであり、第11世代Intel Core(Tiger Lake)のUP3シリーズ(下一桁の数字が5)の後継に相当するものです。実際には定格TDPの28Wから引き下げてノートパソコンに実装されていることが多いです(ThinkPad X1 Carbonでも引き下げている)。下記のCore-Uより上位に位置づけられるのがCore-Pです。

Intel Core-U, Pentium-U, Celeron-U 【第12世代Intel Core(Alder Lake)以降】

第12世代Intel Core以降ではCore-Uシリーズにおいても下一桁の数字(digit)でTDPを区分する表記となりました。具体的にはCore i7 1255Uのように下一桁が”5″だと定格TDP15WでありCore-Uの中では高消費電力、Core i7 1250Uのように下一桁が”0″だと定格TDP9WでありCore-Uの中では低消費電力なタイプになります。これは第11世代Intel Core(Tiger Lake)のUP4シリーズの後継に相当します。

Pentium-UとCeleron-Uでも同様であり、Pentium8505U,Celeron7305Uのように下一桁が”5″の型番は定格TDP15W、Pentium8500U,Celeron7300Uのように下一桁が”0″の型番は定格TDP9Wになります。

Intel Core-UP3, UP4【第11世代Intel Core(Tiger Lake)】

第11世代Intel Core(Tiger Lake)のネーミングルールは最も混乱を招きやすいものだったと言えます。なぜならシリーズ名のUP3やUP4がモデル名として表示されていないからです。型番の下一桁が”5″ならUP3(従来のCore-U)、下一桁が”0″ならUP4(従来のCore-Y)と区分できます。

具体的にはCore i7 1165G7はTDP28Wで、Core i7 1160G7はTDP15Wであるため、Core i7 1165G7の方が遥かに高性能でした。さらに言えば、Core i5 1145G7とCore i7 1160G7でもCore i5 1145G7の方が圧倒的に高性能です。多くの人はCore i5 1145G7とCore i7 1160G7ならCore i7 1160G7の方が高性能だと勘違いしてしまうでしょう。これは非常にミスリードを招きやすいネーミングルールでした。

このネーミングルールではSKU Numeric Digitsの下1桁が”5″だったらTDP28Wの「UP3シリーズ」、下1桁が”0″だったらTDP15Wの「UP4シリーズ」という分け方ですが、このように下1桁の違いだけで性能が大幅に上下するのは誤解を招きやすいです。この下1桁が”0″か”5″かによってTDP(単位時間あたりの発熱量≒消費電力)を区分させる方式はその後の世代のCore-Uシリーズでも受け継がれています。

Intel Core-U,Y 【第10世代Intel Core(Ice Lake)】

第10世代Intel CoreにはIce LakeとComet Lakeの2つのコードネームが存在します。まずそこがネーミングルールを複雑にしている一点目の要因です。ここではIce Lakeの第10世代Intel Coreのネーミングルールについて解説します。

Ice Lakeではそれまでの”U”のようなSuffix表記が用いられませんでした。その代わり、4桁の型番の下一桁でシリーズを区分するようになりました。

モデル名が「Core i7 1068G7」のように下一桁が”8″なら定格TDP28Wの第10世代Intel Core-U(Ice Lake)シリーズです。上画像のように「1065」と下一桁が”5″なら定格TDP15Wの第10世代Intel Core-U(Ice Lake)シリーズです。下一桁が”0″になっている場合は定格TDP9Wの第10世代Intel Core-Y(Ice Lake)シリーズになります。

Intel Core-U 【第10世代Intel Core(Comet Lake)以前】

ノートパソコン向けで最も主流で多数派のCPUがこのIntel Core-Uです。日本国内のみならず全世界でもノートパソコンに最も多く採用されているのがこのCore-Uプロセッサになります。第11世代Intelのモバイルプロセッサでは一時期この”U”がモデル名から消えていましたが第12世代Intelモバイル版から復活しました。

“U”とは何を意味するかというと、「Ultra Low Power(超低消費電力)」の”U”を意味します。

12インチ~14インチのノートPCに採用されることが多いです。LenovoだとThinkPad X1 Carbonに採用されています。消費電力は15Wです。バッテリー容量が50Wh(ワット時)台の標準的なタイプのノートパソコンによく採用されるCPUが末尾”U”タイプです。

ノートパソコン以外では据え置き型の超小型ベアボーンPCに採用されています。

Intel Core-HQ 【第7世代Intel Core以前】

「High Performance Graphics Quad-Core」を意味しています。グラフィック処理向きの高性能なCPUであり、同時に4コア(Quad-Core)である点が強調されています。消費電力は45Wであり上記の”H”や”HK”タイプと同じです。

実はこの”HQ”というのはまだモバイル向けのCPUでは2コアが主流だった時代に、「4コアも搭載したモバイルCPU」というのを前面に押し出してアピールするために作られたサフィックス(末尾文字)でした。

今となってはモバイルCPUで4コアは普通であり、Intelからは8コアのモバイルCPUも登場しています。よってQuadの”Q”をあえて表示する意味がなくなったので、この”HQ”タイプのモバイルCPUは古いモデルに多いです。

このCPUはノートパソコン向けだけでなくハイスペックな据え置き型ベアボーンPCにも採用されていました。

Intel Core-Y 【第10世代Intel Core以前】

末尾が”Y”のCPUは「Extremely Low Power(極低消費電力)」タイプを意味します。

CPUの消費電力が5Wであり、末尾が”U”タイプの15Wと比較するとかなり低くなっています。その代わり性能は大幅に下がります。

10.5インチサイズの小型ノートパソコンのようにバッテリー容量が小さいノートに使われるCPUタイプが”Y”です。PanasonicのLet’sNoteでこの”Y”タイプCPUを搭載しているモデルのバッテリー容量は36Whです。

Intel Core-M 【第8世代Intel Core以前】

Core Mシリーズは末尾”Y”のタイプと同じで「Extremely low power(極低消費電力)」に属するCPUです。この”M”シリーズと”Y”シリーズの違いは、”M”シリーズは以前用いられていた古いネーミング方法です。現在ではCore i3-0000Yという型番が一般的であり、ごく一部だけCore m3-8100Yといった型番も存在しますが少数派です。以前はCore m3-7Y30のような型番が存在しましたが、現在では使われなくなりました。”m”の文字を見かけたら末尾”Y”と同じく消費電力5Wの「Extremely low power(極低消費電力)」に属するCPUだと認識しておけばいいです。

Core mはスティック型PCでも頻繁に採用されていたCPUであり、非常に小さな冷却装置しか設置できないスペースの限られたPCに使われるCPUタイプでした。