Radeon RX 590は2018年にリリースされました。コア数はRX580と全く同じ2,304コアです。アーキテクチャも変更ありません。半導体製造コストが下がりRX 580と同じ面積のチップの製造コストが下がったと同時に、RX 580よりも動作周波数を上昇させることが可能になりました。
つまりRadeon RX590はRX580の動作周波数をただ単純に引き上げただけのGPUです。そのためRX590の性能向上はRX580に毛が生えた程度に留まっています。
Radeon RX 580のチップはマイニングブームを受けて2017年に大量生産にAMDが舵を切りました。そしたら2018年初から仮想通貨が暴落しマイニングブームは2018年上期には終焉し、大量生産したRX 580チップが大量に積み上がってしまいました。
そこで動作クロックを少し上昇させて、RX 590という名前で売り出したのがこのGPUです。
PC系の各メディアはこういった事実を伝えていませんが、AMDは株主向けの決算説明会で上記の事実を述べています。在庫の解消の進捗は株主が把握すべき重要事項だからです。
このような経緯で、このRX 590は「GeForceを打倒する」といったコンセプトも何もなく投入されたもので非常に微妙な出来になっています。
実際、RX590は2016年発売のGeForce GTX 1060よりは上で、2019年発売のGeForce GTX 1660よりは下というポジションにいます。RX580よりは上の性能であるものの、GTX1660TiどころかGTX1660の性能よりも下回っています。
RX 590での各ゲームのフレームレートベンチマーク結果は以下の通りです。
AMDグラボが得意とするApex Legendsのフレームレート性能でもRX590はGTX1660無印に負けています。PUBGだとなおさら大差でRX590が下回る結果です。
上位を目指すならRX590ではなくRadeon VIIを選ぶことをおすすめします。Apex Legendsに限ればRadeon VIIはRTX2080を上回っているからです。
オーバークロックしてない状態でのベースクロックは1,469MHz、ブーストクロックは1,545MHz。この動作周波数が以下の各メーカーのグラボを選ぶ上での参考値になります。
インデックス:
- 1位 SAPPHIRE
- ・SAPPHIRE NITRO+ RADEON RX 590 8G GDDR5 OC W/BP (UEFI) AMD 50TH ANNIVERSARY EDITION(SA-RX590-8GD5N+50TH/11289-07-20G) VD6953
- ・SAPPHIRE NITRO+ RADEON RX 590 8G GDDR5 DUAL HDMI/DVI-D/DUAL DP W/BP OC (UEFI) (SA-RX590-8GD5N+OC/11289-05-20G) VD6916
- ・SAPPHIRE NITRO+ RADEON RX 590 8G GDDR5 SPECIAL EDITION (SA-RX590-8GD5N+/11289-01-20G) VD6782
- 2位 ASUS
- 3位 ASRock
- 4位 MSI
- 5位 GIGABYTE
- 6位 玄人志向
- 7位 PowerColor(台湾)
1位 SAPPHIRE
・SAPPHIRE NITRO+ RADEON RX 590 8G GDDR5 OC W/BP (UEFI) AMD 50TH ANNIVERSARY EDITION(SA-RX590-8GD5N+50TH/11289-07-20G) VD6953
2019年4月発売。公称2スロット占有であるものの厚さは43mmありサイズオーバーしているので注意。全長260mmなのは下記モデルと同じ。ブーストクロック1,560MHzも同じ。違いは外見上のデザインだけなので、下記モデルを既に持っているなら特段買う必要無し。
・SAPPHIRE NITRO+ RADEON RX 590 8G GDDR5 DUAL HDMI/DVI-D/DUAL DP W/BP OC (UEFI) (SA-RX590-8GD5N+OC/11289-05-20G) VD6916
2019年3月発売。2スロット占有(厚さ43mm)だがバックプレート側とファン側それぞれに1~2mm程度サイズオーバーしているため隣のボードやCPUクーラーとの干渉に注意。全長260mmで10.5インチ以内サイズ。ブーストクロック1,560MHz。ファン×2。補助電源8ピン×1、6ピン×1
・SAPPHIRE NITRO+ RADEON RX 590 8G GDDR5 SPECIAL EDITION (SA-RX590-8GD5N+/11289-01-20G) VD6782
2018年11月発売。上記モデルと技術的仕様は全く同じ。異なるのはメタリックブルーを基調とした外装のみ。
2位 ASUS
・ROG-STRIX-RX590-8G-GAMING
2018年11月発売。2.7スロット占有(厚さ52.5mm)。全長298mmで12インチ以内のサイズ。ブーストクロック1,565MHz。ファン×3。補助電源8ピン×1
3位 ASRock
・Phantom Gaming X Radeon RX590 8G OC
2018年12月発売。公称2スロット占有だが厚さが41.91mmもありバックプレート側に大きくサイズオーバーしているので干渉に注意。全長278.81mmであり11インチ以内のサイズ。ブーストクロック1,560MHz。ファン×2。補助電源8ピン×1
4位 MSI
・Radeon RX 590 ARMOR 8G OC(VD6930)
2019年4月発売。2スロット占有で40mm厚。補助電源8ピン×2もあるのが特徴。ファクトリーオーバークロック値は1,565MHzで低いが、各自でオーバークロックする場合には8ピン×2で消費電力上限を大きく確保できているのでメリットが大きい。全長278mmもあり10.5インチサイズをオーバーしているので注意。ファン×2。
5位 GIGABYTE
・GV-RX590GAMING-8GD
2スロット占有(厚さ40mm)ですが、バックプレート側にもファン側にもサイズがギリギリで場合によっては隣のボードと干渉する可能性あり。全長232mmで9.5インチ以内サイズ。ブーストクロック1,560MHz。ファン×2。補助電源8ピン×1
6位 玄人志向
・RD-RX590-E8GB/OC/DF
2019年。2スロット占有を超える厚さがあるため公式では3スロットと表記されている。サイズが公表されていない不出来なグラボの1つ。ブーストクロック1,545MHz。ファン×2。補助電源8ピン×1
7位 PowerColor(台湾)
・PowerColor Red Devil Radeon RX 590 8GB GDDR5 AXRX 590 8GBD5-3DHV2/OC
2019年3月発売。下記モデル「8GBD5-3DH/OC」の「V2」版。動作クロックが少し下がっていてブーストクロック1,555MHz。そのかわり厚みも薄くなっていて2.3スロット占有の46mm厚。全長は255mmで変化ありません。ファン×2。補助電源8ピン×1、6ピン×1
・PowerColor Red Devil Radeon RX 590 8GB GDDR5 AXRX 590 8GBD5-3DH/OC
2018年11月発売。公称3スロット占有だが実際は2.85スロット分の57mm厚。全長255mmで10インチサイズ。ブーストクロック1,576MHz。ファン×2。補助電源8ピン×1、6ピン×1
・PowerColor Red Dragon Radeon RX 590 8GB GDDR5 AXRX 590 8GBD5-DHD
2019年3月発売。2スロット占有(38mm厚)。全長255mm(10インチ)。ブーストクロック1,545MHzなのでオーバークロックされていない。ファン×2。補助電源8ピン×1