Intel Core i7 12700Hは2022年1月にリリースされたモバイル版第12世代Intel Core Alder Lake-Hに属するプロセッサです。モバイル向けCPUの中でも高消費電力で高性能な部類に入ります。高性能なP-Coreが6コアと、低消費電力なE-Coreが8コアの合計14コア構成になっています。このCore i7 12700HはAlder Lake-Hの中でも顔とも言える存在で、第12世代Alder Lake-Hの中では代表的なCPUです。
Core i7 12700Hより上位のCore i7 12800Hとの違いは単純に汎用コアの動作クロックの高低の違いだけでさほど性能に差がありません。しかしCore i7 12700Hより下位のCore i7 12650Hとは大きな差があるので、Core i7 12650Hを選ぶぐらいならこちらのCore i7 12700Hを選んだ方がいいです。
- Intel Core i7 12700Hの詳細スペックと特徴
- Core i7 12700Hのコア数はCore i7 12800Hと同じ14コア Core i7 12650Hの10コアより大幅に多い
- Core i7 12700Hの動作クロックはCore i7 12800Hから若干低いだけ
- Core i7 12700HのキャッシュサイズはCore i7 12800Hと全く同じ Core i7 12650HよりはL1,L2キャッシュが多い
- Core i7 12700Hの内蔵グラフィックス(Intel Iris Xe Graphics)の性能はCore i7 12800Hと全く同じ
- Core i7 12700Hでは先代のCore i7 11700Hとは異なりvProが有効化されている
- Core i7 12700Hを搭載するノートパソコンのモデル数は多い Core i7 12800Hよりも主流
- 1位: Lenovo ThinkPad X1 Extreme 2022(Gen5) 【16.0型16:10, Pro or Home, 1.88kg】
- 2位: Gigabyte AERO 16 KE4-72JP914HP 【16.0型4K有機EL, Core i7 12700H, GeForceRTX3060, メモリ16GB, SSD1TB, Win11Pro, 2.3kg】
Intel Core i7 12700Hの詳細スペックと特徴
メーカー・モデル名 | Intel Core i7-12700H |
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コア数 | 14コア20スレッド(P-Core:6コア12スレッド + E-Core:8コア8スレッド) |
P-Core周波数 | 2.3GHz~4.7GHz |
E-Core周波数 | 1.7GHz~3.5GHz |
コードネーム | Alder Lake-H45 (第12世代Intel) |
発売日 | 2022年1月 |
vProテクノロジ | 対応 |
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同時マルチスレッディング | P:有効 + E:無効 |
定格外オーバークロック | 非対応 |
TDP(≒消費電力) | 45W~115W |
L1キャッシュ | 1.2MB (P:480KB + E:768KB) |
L2キャッシュ | 11.5MB (P:7.5MB + E:4MB) |
L3キャッシュ | 24MB (P:18MB + E:6MB) |
最大メモリサイズ | 64GB |
メモリタイプ | DDR5-4800, DDR4-3200, LPDDR5-5200, LPDDR4-4267 |
メモリチャネル | 2 |
コンピュータの形態 | モバイル |
ソケット | BGA 1744 |
グラフィクス(iGPU) | Intel Iris Xe Graphics |
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iGPU最大画面数 | 4 |
iGPU最大周波数 | 1,400MHz |
iGPU EU数 | 96 |
iGPU単精度コア数 | 768 |
iGPU単精度性能 | 2.1504 TFLOPS |
アーキテクチャ | Golden Cove+Gracemont |
プロセスルール | Intel 7 |
SIMD拡張命令 | Intel AVX2 |
SIMD演算器 | 256bit FMA×2 |
SIMD倍精度演算性能 | 16 FLOPs/cycle |
AI(深層学習)拡張命令 | Intel Deep Learning Boost (AVX2 VNNI), Intel GNA3.0 |
Core i7 12700Hの詳細スペックは上表の通りです。Core i7 12700Hは、デスクトップ版CPUで言うところのCore i7 12700Kのような代表的モバイルCPUです。一段階上位のCore i7 12800Hよりも、このCore i7 12700Hの方がメジャーだと言えます。Core i7 12800Hとの違いは若干の汎用コア動作クロックの差だけです。ただし、一段階下位のCore i7 12650Hと比べると大幅にCore i7 12700Hの方が高性能なので、Core i7 12650Hを選ぶぐらいならこのCore i7 12700Hを積極的に選んだ方がいいです。
Core i7 12700Hのコア数はCore i7 12800Hと同じ14コア Core i7 12650Hの10コアより大幅に多い
Core i7 12700Hのコア数は合計14コアです。高性能なP-Coreが6コアで、低消費電力なE-Coreが8コアの14コア構成です。この構成はCore i7 12800Hと全く同じになっています。
Core i7 12700Hより一段階下位のCPUとしてCore i7 12650Hがありますが、Core i7 12650Hでは10コアまでコア数が減っています。Core i7 12650HではE-Coreが半減しており4コアになっているため、E-Coreが8コア存在するCore i7 12700Hの方がスレッドレベル並列処理性能が高くなっています。
Core i7 12700Hの動作クロックはCore i7 12800Hから若干低いだけ
Core i7 12700Hの汎用コア動作クロックはCore i7 12800Hと大差ありません。少しだけCore i7 12800Hの方が高いだけです。どちらかというと、Core i7 12700HのクロックがCore i7 12800Hより低いというのは順序が逆で、まずCore i7 12700Hというモデルが先に設定されて、Core i7 12700Hからクロックを若干引き上げたのがCore i7 12800Hという位置付けです。
あくまでもメジャーモデルとして位置付けられているのはCore i7 12700Hであり、それがまず先に存在して、Core i7 12800Hはおまけの追加要素として設定されているCPUです。
Core i7 12700HのキャッシュサイズはCore i7 12800Hと全く同じ Core i7 12650HよりはL1,L2キャッシュが多い
Core i7 12700Hのキャッシュ構成はCore i7 12800Hと全く同じです。L1,L2,L3いずれのキャッシュ容量もCore i7 12800Hと同じです。一方でCore i7 12650HはE-Coreが4コア少ないためL1,L2キャッシュが減っています。つまりCore i7 12650Hと比較するとCore i7 12700Hのキャッシュサイズは大きいです。
Core i7 12700Hの内蔵グラフィックス(Intel Iris Xe Graphics)の性能はCore i7 12800Hと全く同じ
Core i7 12700Hの内蔵グラフィックスの性能はCore i7 12800Hと全く同じです。グラフィック性能面ではCore i7 12700Hに不利はないので問題ありません。Core i9 12900Hの内蔵グラフィックスよりは性能が低いですが、Core i7の中では高い方です。また、一段階下位のCore i7 12650Hでは内蔵グラフィックスがIntel Iris Xe GraphicsではなくIntel UHD Graphicsとなっており大幅に内蔵グラフィックス性能が下がっています。グラフィック性能面でみても今回のCore i7 12700Hの方がCore i7 12650Hよりも大幅にメリットがあります。
Core i7 12700Hでは先代のCore i7 11700Hとは異なりvProが有効化されている
Core i7 12700HではvProが有効化されています。前世代の同グレードに相当するCore i7 11700HではvProが無効化されていました。この点はCore i7 12700Hは大幅に進歩しています。vProが有効化されていることによって、Core i7 12700Hを搭載した多数のノートパソコンに対し遠隔からWindowsUpdateを一括適用する運用ができます。法人等での調達でもCore i7 12700Hは適するようになりました。
Core i7 12700Hを搭載するノートパソコンのモデル数は多い Core i7 12800Hよりも主流
Core i7 12700Hは第12世代Intel CoreのAlder Lake-Hの中では最も代表的なCPUと言ってもいいです。逆に、一段階上位と位置付けられているCore i7 12800Hの方がマイナーな存在であり、基本的にはこのCore i7 12700Hを選ぶユーザが殆どです。一段階下位のCore i7 12650Hよりも当然このCore i7 12700Hがおすすめできます。Core i7 12650HではE-Coreの数が半減していたり内蔵グラフィックス性能も低くなっているため、Core i7 12700Hを選択した方が間違いがありません。
1位: Lenovo ThinkPad X1 Extreme 2022(Gen5) 【16.0型16:10, Pro or Home, 1.88kg】
商品名 | Lenovo ThinkPad X1 Extreme Gen5(Pro OS選択可能) |
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型番 | 21DECTO1WWJAJP2 |
CPU | 第12世代Intel Core i7-12700H (14コア) 【他: Core i7-12800H, Core i9-12900H】 |
メモリ | 16GB(8GB×2) LPDDR5-4800 【他:8GB, 32GB, 64GB】 |
画面 | 16.0型, WUXGA(1920×1200, 16:10), IPS液晶パネル, 非光沢(ノングレア), タッチ非対応, 100%sRGB, 300nits, ブルーライト低減 【他:2560×1600, 3840×2400】 |
GPU | NVIDIA GeForce RTX 3050Ti Laptop (notebook) ノートパソコン用 |
SSD | 1TB PCIe NVMe 【他:4TB, 2TB, 512GB, 256GB】 |
光学 | 内蔵型搭載不可 |
WiFi/有線等 | WiFi6E(Intel AX211 2x2, IEEE 802.11ax 2.4Gbps, a/b/g/n/ac)+Bluetooth v5.2 |
USB等 | Thunderbolt4×2, USB Type-A×2, HDMI×1, ヘッドセット4極ジャック、SDカードスロット |
OS | Windows 11 Pro 【他:Windows 11 Home】 |
Office | 無し 【Office Personal, Home and Business, Professional 2021選択可】 |
電池 | バッテリ容量90Wh(4セル) / 付属ACアダプタ170W(3ピン) |
質量/サイズ | 1.88kg / 横幅359.5mm×奥行253.8mm×厚さ17.9mm (1.633ℓ) |
その他 | ウェブカメラ1080p(FullHD)シャッター付き、指紋センサー、NFC選択可 |
価格 | \ 495,880(税込) |
ビジネス向けとして発売されているThinkPad X1 ExtremeのIntel第12世代Core搭載版です。X1 ExtremeはX1シリーズの中でも比較的新顔であり、X1 Carbonに比べるとマイナーな存在です。画面サイズが16インチもあるため据え置きとして使うのが打倒です。他のX1シリーズと異なるのはグラフィックスが内蔵グラフィックスではなく、NVIDIAのGeForceを搭載しているところです。つまりこれはゲームを十分できてしまうようなスペックになっています。+22,000円で「GeForce RTX 3060 Mobile」にすることもできます。テキスト処理が多いいわゆるビジネス用途として使う場合は少しオーバースペックであり、ゲームをやらないならGeForce等を非搭載にしIntel Irix Xe Graphics(内蔵グラフィックス)を選択できるノートPCを選んだ方がいいです。
2位: Gigabyte AERO 16 KE4-72JP914HP 【16.0型4K有機EL, Core i7 12700H, GeForceRTX3060, メモリ16GB, SSD1TB, Win11Pro, 2.3kg】
商品名 | Gigabyte AERO 16 (KE4-72JP914HP / XE4-73JP914HH / XE4-73JP918HP / XE5-73JP938HP / YE5-94JP948HP / YE5-94JP958HP) |
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CPU | 第12世代Intel Core i7 12700H【他:Core i9 12900HK】 |
メモリ | 16GB(8GB×2) 【他:32GB, 64GB】 |
画面 | 16.0型, 4K, 有機ELパネル |
GPU | NVIDIA GeForce RTX 3060 【他:RTX3070Ti, 3080Ti】 |
SSD | 1TB M.2 SSD【他:1TB+1TB】 |
OS | Windows 11 Pro 【他:Windows11Home】 |
質量/サイズ | 2.3kg |
第12世代Intel Coreを搭載したGigabyte Aero 16シリーズの中では最もおすすめできるモデルです。GPUがRTX3060でメモリが16GB, SSD1TBというのは非常にバランスが取れていて過剰スペックではありません。事務作業用途で欲しい性能を適切に提供してくれています。標準OSがWin11Proなのも珍しく高く評価できます。難点と言えば、このスペックにしては画面サイズ16インチは大きすぎるというところです。