Intel Core i5 1135G7搭載おすすめノートPC比較とベンチマーク性能評価

Core i5 1135G7はCore i5 1145G7のクロックを0.2GHz引き下げて、非常に長いバッテリ持続時間を実現しているモバイルCPUです。

Core i5 1135G7では内蔵グラフィクス(Intel Iris Xe Graphics)の単精度コアを640コア(Core i5 1145G7は768コア)まで減らしてあり、削れるところは削って価格の安さを実現しています。他にはvPro機能も非搭載です。

その効果もあってバッテリ持続時間は非常に長くなっています。例えばThinkPad X1 Carbon 2021(Gen9)ではCore i7 1165G7を搭載しているモデルではバッテリ持続時間が14.5時間しかありませんが、Core i5 1135G7を搭載しているモデルではバッテリ持続時間が26時間もあります。

性能面では有利ではないのですが、バッテリ持続時間を長くしたいモバイル用途においてはあえてこのCore i5 1135G7という下位モデルのCPUを選ぶメリットが存在します。

Intel Core i5 1135G7の詳細スペックと特徴

型番Core i5-1135G7 (第11世代Intel)
コア数4コア8スレッド
基本動作周波数2.4GHz
最大動作周波数4.2GHz
全コア同時最大周波数3.8GHz
発売日2020年9月
セキュアブート非対応
vProテクノロジ非対応
同時マルチスレッディング有効
定格外オーバークロック非対応
TDP(≒消費電力)28W
L1キャッシュ320KB
L2キャッシュ5MB
L3キャッシュ8MB
最大メモリサイズ64GB
メモリタイプLPDDR4X-4267
メモリチャネル2
メモリ帯域幅68.2GB毎秒
コードネームTiger Lake-UP3
コンピュータの形態モバイル
ソケットBGA 1449
グラフィクス(iGPU)Intel Iris Xe Graphics G7
iGPU最大画面数4
iGPU最大メモリ
iGPU基本周波数400MHz
iGPU最大周波数1,300MHz
iGPU EU数80
iGPU単精度コア数640
iGPU単精度性能1.664 TFLOPS
アーキテクチャWillow Cove
プロセスルールIntel10nm+
SIMD拡張命令Intel AVX2, AVX-512
SIMD演算器256bit FMA×2
SIMD倍精度演算性能16 FLOPs/cycle
AI(深層学習)拡張命令Intel Deep Learning Boost (AVX-512 VNNI)

Core i5 1135G7のスペックは、同じTiger Lake-UP3シリーズのCore i5 1145G7と同じ内蔵グラフィクスの単精度コア数を有しているのが特徴です。グラフィック性能はCore i5 1145G7と同じです。

Core i5 1135G7のグラフィック性能はCore i7 1185G7,1165G7より低いですが、従来の第10世代Intel Coreよりは大幅に高性能化されているので、これまでのIntel CoreノートPCのグラフィック性能で満足していた人ならCore i5 1135G7のグラフィック性能でも十分です。

一方で、汎用コアのクロックを引き下げることで低消費電力化を実現しています。バッテリ持続時間の長さが重要ならこのCore i5 1135G7がおすすめです。

Core i5 1135G7の汎用コアのクロックはCore i5 1145G7と比較すると、ベースクロックもブーストクロックもパラレルシフトで0.2GHz下がっている

Core i5 1135G7のクロック数値位置づけは非常にシンプルです。Core i5 1145G7のベースクロックを0.2GHz引き下げて2.4GHzにし、ブーストクロックも0.2GHz引き下げて4.2GHzにし、全コア同時最大クロックも0.2GHz引き下げて3.8GHzにしています。クロックが引き下げられていることによって、消費電力が下がりバッテリ持続時間が伸びています。

Core i5 1135G7の内蔵グラフィクスのIntel Iris Xe Graphics G7の単精度コアが640になり、Core i7 1165G7の768コアより少ない

Core i5 1135G7が属するTiger Lake-UP3シリーズでは、Core i7 1185G7もCore i7 1165G7でも内蔵グラフィクスの単精度コア数は768コアです。しかしこのCore i5 1135G7とCore i5 1145G7では単精度コア数が削減され640コアになります。結果的にグラフィック性能が下がっているため、グラフィック性能が重要な場合はCore i7 1165G7以上をおすすめします。

しかし、グラフィック性能がCore i7 1165G7より下がっていると言っても、Core i5 1135G7のグラフィック性能は1,664GFlopsもあります。従来の第10世代Intel Core i7 10810Uの内蔵グラフィクス性能441.6GFlopsなので、Core i7 10810Uの4倍ものグラフィック性能をCore i5 1135G7を有していることになります。第10世代Intel Coreで最高峰とも言えるCore i7 10810Uのグラフィック性能よりも4倍も高いわけですから、Core i5 1135G7であっても十分に高いグラフィック性能だと言えます。

1位: Lenovo ThinkPad X1 Carbon 2021(Gen9)

商品名Lenovo ThinkPad X1 Carbon Gen9
型番パフォーマンス(Pro OS選択可能)
CPU第11世代Intel Core i5-1135G7 (4コア, 2.4~4.2GHz, Tiger Lake)
メモリ16GB LPDDR4X 4,266MHz
画面14.0型, 1920×1200, IPS, 非光沢, タッチ非対応,ブルーライトカット
GPUIntel Iris Xe Graphics (CPU内蔵)
SSD1TB (M.2 2280, PCIe NVMe)
光学内蔵型光学ドライブ搭載不可
無線Intel WiFi6 AX201(ax) + Bluetooth5.2
USB等Thunderbolt4×2, USB 3.0(3.1Gen1)Type-A×2, HDMI×1
OSWindows 11 Pro 64bit (日本語版)
OfficeMicrosoft Office Home and Business 2021 【他:選択無し】
電池最大26時間(57Wh, 4セルリチウムイオン)/ACアダプタType-C
質量最小1.13kg / 横幅314.5×奥行221.6×厚さ14.9mm (1.04ℓ)
その他
価格\ 419,980(税込)

Core i5 1135G7はThinkPad X1 Carbon 2021(Gen9)で選択可能なCPUの中で最も下位のモデルです。その代わりバッテリ持続時間は非常に長く26時間にも達しています。Thunderbolt4コネクタが2ポートあるのがメリットです。従来のUSB 3.0 Type-Aコネクタも搭載しています。5G・4G LTEのワイヤレスWANモジュールを搭載できる選択肢も用意されています。以下表示している定価は高いですが、Lenovo製品は基本割引クーポンを適用して買うので、クーポンを使うとHP(ヒューレット・パッカード)と同レベルの安さで購入できます。

2位: Lenovo ThinkPad X1 Yoga 2021(Gen6)

商品名Lenovo ThinkPad X1 Yoga Gen6
型番パフォーマンス(Pro OS選択可能) (2021年)
CPU第11世代Intel Core i5-1135G7 (4コア, 2.4~4.2GHz, Tiger Lake)
メモリ16GB LPDDR4X 4,266MHz
画面14.0型, 1920×1200, IPS, 非光沢, 400nit, タッチ対応, ブルーライト軽減
GPUIntel Iris Xe Graphics G7(CPU内蔵)
SSD1TB (M.2 2280, PCIe NVMe)
光学内蔵型光学ドライブ(DVD/Blu-ray)搭載不可
無線Intel WiFi6 AX201(ax) + Bluetooth5.2
USB等Thunderbolt4×2, USB 3.0(3.1Gen1)Type-A×2, HDMI×1
OSWindows 10 Pro 64bit (日本語版)
OfficeMicrosoft Office Home and Business 2019 (日本語版)
電池最大23.9時間(57Wh, 4セルリチウムイオン)/ACアダプタType-C
質量最小1.399kg / 横幅314.4×奥行223×厚さ14.9mm (1.04ℓ)
その他
価格\ 252,300(税込)

ThinkPad X1 Yoga 2021(Gen6)の中では最も低い性能のCPUを搭載した最も安いモデルです。X1 Carbonはノートパソコンとしてスタンダードな”クラムシェルタイプ”でありディスプレイが180度開きですが、X1 Yogaは360度開いてタブレットのように使うこともできます。つまり2in1パソコンです。そのかわり重量が大きく最低でも1.399kgありX1 Carbonより重いです。バッテリー持続時間もX1 Carbonより短いため、2in1として使う必要がないならX1 Carbonの方がおすすめです。

ThinkPad X1 Yoga 2021(Gen6)ではワイヤレスWANモジュールをカスタマイズで搭載することが可能で、5G,4G SIMを本体に挿し込むことでWiFiが無い環境下でもインターネット接続ができます。

3位: 富士通FMV LIFEBOOK WU-X/E3 (FMVUXE3B) 【最軽量/カスタマイズモデル】

商品名【最軽量モデル】FMV LIFEBOOK WU-X/E3 (カスタマイズ可能モデル)
型番FMVWE3U28L(Windows10Pro) / FMVWE3U27L(Windows10Home) 2020年10月発売
CPU第11世代Intel Core i5-1135G7(4.2GHz, Tiger Lake)
メモリ16GB LPDDR4X-4266 (その他のメモリ選択肢:32GB, 8GB)
画面13.3型, フルHD(1920×1080, 16:9), TFT液晶パネル, 非光沢(ノングレア) , タッチ非対応
GPUIntel Iris Xe Graphics G7(CPU内蔵)
SSD1TB PCIe NVMe (その他のSSD選択肢:2TB, 512GB, 256GB, 128GB)
光学内蔵型搭載不可
無線WiFi6(IEEE 802.11ax 2.4Gbps, a/b/g/n/ac)+Bluetooth v5.0
USB等USB 3.2 Gen2 Type-C×2(ディスプレイ出力対応)、USB 3.1 Gen1 Type-A×2、HDMI×1、有線LAN(RJ-45)×1、SDカードスロット×1
OSWindows 10 Pro 64bit 日本語版 (他のOS選択肢:Windows 10 Home)
OfficeMicrosoft Office Home and Business 2019日本語版 (Office非選択も可能)
電池約11時間(25Wh, リチウムイオン) / ACアダプタUSB Type-C
質量約634g(メモリ8GB, SSD1TBの場合の重量) / 横幅307mm×奥行197mm×厚さ15.5mm (0.937ℓ)
その他この【最軽量モデル】ではキーボードのバックライト非搭載。姉妹モデルの【軽量モデル】ではキーボードバックライト搭載
価格\ 228,405(税込)

2020年発売当時で世界最軽量モデルとして設定された重量634gの富士通ノートPCのカスタマイズ版です。Core i7 1165G7を搭載することもできますがバッテリ容量が少ないのでこのCore i5 1135G7の方が持続時間が長くなり便利な場面は多いでしょう。これだけ小型でも有線LANコネクタが付いているのは便利です。島根県出雲市で生産されています。

4位: Panasonic Let’s Note SV1 光学式ドライブ搭載モデル (CF-SV1CR6QP/CF-SV1CS6QP)

商品名Panasonic Let's Note SV1 光学式ドライブ内蔵モデル
型番CF-SV1CR6QP/CF-SV1CS6QP(2021年1月発売)
CPU第11世代Intel Core i5-1135G7(4コア, 2.4GHz~4.2GHz, Tiger Lake)
メモリ16GB LPDDR4X (容量固定でカスタマイズ不可, 後から増設も不可)
画面12.1型, WUXGA(1920×1200, 16:10), TFT液晶パネル, 非光沢(ノングレア), タッチ非対応
GPUIntel Iris Xe Graphics G7 640コア(CPU内蔵)
SSD1TB (PCIe NVMe)
光学DVDドライブ搭載
無線Intel WiFi6 AX201(IEEE802.11 a/b/g/ac/ax) WPA3,WPA2対応+ Bluetooth v5.1
USB等Thunderbolt4×1(ディスプレイ出力可能,本体充電可能), USB3.0Type-A×3, HDMI×1, D-Sub×1
OSWindows 10 Pro 64bit (日本語版)
OfficeMicrosoft Office Home and Business 2019 (日本語版)
電池約19時(バッテリーパックL), 約12時間(バッテリーパックS)
質量1.029kg(バッテリーパックS搭載時), 1.129kg(バッテリーパックL搭載 (1.42ℓ)時)/幅283.5mm×奥行203.8mm×厚さ24.5mm (1.42ℓ)
価格\ 338,963(税込)

Panasonic Let’s Noteの中でDVDドライブを内蔵しつつ小型の12.1型モデルがこのSVシリーズです。DVDドライブ内蔵型ではPanasonic Let’s Noteを超えるノートパソコンは存在しないと言ってもいいくらいです。実際、DVDドライブ内蔵型を重視するマスコミ記者は殆どの人がLet’s Noteを持ち歩いています。このモデルはCore i5 1135G7搭載であり、SVシリーズの中では上から3番目のモデルです。これより下にはDVDドライブ非搭載のモデルが一つあります。メモリは16GB固定なのでカスタマイズしようがないですが、SSDは最大1TBまで選べます。難点は国内生産であるため価格がどうしても高くなることです。デザインは重視せず、頑丈さや高機能といった「実利」を重視するなら非常におすすめできるノートPCです。「安物買いの銭失い」ではなく「高くても良いものを買う」という買い方をする人におすすめです。

5位: Panasonic Let’s Note SV1 ドライブレスモデル (CF-SV1CRDQP)

商品名Panasonic Let's Note SV1 ドライブレスモデル
型番CF-SV1CRDQP(2021年1月発売)
CPU第11世代Intel Core i5-1135G7(4コア, 2.4GHz~4.2GHz, Tiger Lake)
メモリ16GB LPDDR4X (容量固定でカスタマイズ不可, 後から増設も不可)
画面12.1型, WUXGA(1920×1200, 16:10), TFT液晶パネル, 非光沢(ノングレア), タッチ非対応
GPUIntel Iris Xe Graphics G7 640コア(CPU内蔵)
SSD1TB (PCIe NVMe)
光学DVDドライブ非搭載
無線Intel WiFi6 AX201(IEEE802.11 a/b/g/ac/ax) WPA3,WPA2対応+ Bluetooth v5.1
USB等Thunderbolt4×1(ディスプレイ出力可能,本体充電可能), USB3.0Type-A×3, HDMI×1, D-Sub×1
OSWindows 10 Pro 64bit (日本語版)
OfficeMicrosoft Office Home and Business 2019 (日本語版)
電池約19時(バッテリーパックL), 約12時間(バッテリーパックS)
質量0.949kg(バッテリーパックS搭載時), 1.049kg(バッテリーパックL搭載時)/幅283.5mm×奥行203.8mm×厚さ24.5mm (1.42ℓ)
価格\ 333,463(税込)

Panasonic Let’s Noteには画面の大きさで4つのシリーズが展開されていますが、これは上から2番目に大きいSVシリーズです。本来このSVシリーズはDVDドライブ内蔵ですが、これはDVDドライブ非搭載のタイプ。結果的にSVシリーズの中では最も安いモデルになっていますが、それでも税抜でも30万円を超えているため、「少額減価償却資産の特例」で一括で経費にするためには税抜で30万円未満に抑える必要があり、そのためにはOfficeを削るなり,SSD容量を512GBまで削減する等して価格を安くする必要があります。メモリは16GB固定でカスタマイズできません。このサイズのノートPCなら、DVDドライブ搭載版の方がおすすめです。