AMD Radeon RX Vega64は2017年8月に登場したGPUです。
当時のNVIDIA GeForceシリーズ(Pascalアーキテクチャ)のフラッグシップモデルGTX1080Tiといい勝負をしており、このVega64が十分流通すればそれなりのシェアを獲得できていました。
しかしリリースされたタイミングが悪く、2017年当時は仮想通貨マイニングの全盛期でありとあらゆるGPUが仮想通貨マイナーによって買い占められていました。
特にこのRadeon RX Vega64とVega56は「消費電力あたりのハッシュレート(計算量)が高い」ことで仮想通貨マイナーの間で有名になってしまい真っ先に買い占められ品薄になります。売っていたとしてもプレミアムが上乗せされ足元をみた価格設定になっていました。そのためRX Vegaシリーズは本来供給すべきゲーマーの手に行き届かなくなります。
その後仮想通貨は2017年12月~2018年1月をピークに大暴落し、2018年半ば頃にはこのRX Vega64が手に入りやすくなりました。採算割れを起こした仮想通貨マイナーがVegaを大量売却したこともあって中古市場にも大量に出回りました。
しかしその頃にはNVIDIAがRTX2080Ti,RTX2080,RTX2070をリリースしてしまったため、このRX Vega64の存在が薄れてしまい結局ゲーム分野では脚光を浴びることはありませんでした。
本当に巡り合わせが悪かった不遇なGPUですが性能は悪くありません。
Radeonが不得意とするPUBGでもフレームレート105fpsを達成しておりRTX2070と互角です。
既にこのGPUを持っていてTensor Coreが不要なら積極的にGeForce RTXに買い換える動機づけはないでしょう。
1位: Sapphire
・SAPPHIRE NITRO+ RADEON RX VEGA 64 DUAL HDMI/DUAL DP (UEFI) SAP-VEGA64NITROV2/11275-03-40G(VD6799)
2018年11月発売。2.7スロット占有(54mm厚)。全長310mm。高さ133mm。ブーストクロック1,580MHz。ファン×3。補助電源8ピン×2。Displayport1.4×2、HDMI2.0b×2
2位: ASUS
・ROG-STRIX-RXVEGA64-O8G-GAMING
2017年12月発売。2.7スロット占有(52.5mm厚)。全長298mm。高さ139mm。ブーストクロック1,590MHz。ファン×3。補助電源8ピン×2。Displayport×2、HDMI2.0×2、DVI-D×1