ThinkPad X1 Yoga 2021(Gen6)のレビュー 液晶ディスプレイが16:10(1920×1200)へ抜本的に改良され事務作業用途に最適 X1 Carbonよりバッテリー持続が短く23.9時間 重量も重めの1.399kg

ThinkPad X1 Yoga 2021(Gen6)はThinkPad X1 Carbon 2021(Gen9)と同時に発売された姉妹モデルです。

ThinkPad X1 Yoga 2021(Gen6)の位置付けは明瞭で、ThinkPad X1 Carbon 2021(Gen9)の画面を360°開けるようにしてあり、またカスタマイズで選択可能な全ての液晶パネルがタッチ対応になっています。しかし、その代わり重量が増えておりバッテリーの最大持続時間が短くなっています。

姉妹製品のThinkPad X1 Carbon 2021(Gen9)のレビューはこちらに掲載しています。

目次:

Lenovo ThinkPad X1 Yoga 2021(Gen6)の詳細スペック

商品名Lenovo ThinkPad X1 Yoga Gen6
型番パフォーマンス(Pro OS選択可能) (2021年)
CPU第11世代Intel Core i5-1135G7 【他:Core i5-1145G7, Core i7-1165G7, Core i7-1185G7】
メモリ16GB LPDDR4X 4,266MHz
画面14.0型, 1920×1200, IPS, 非光沢, 400nit, タッチ対応, ブルーライト軽減
GPUIntel Iris Xe Graphics G7(CPU内蔵)
SSD1TB (M.2 2280, PCIe NVMe)
光学内蔵型光学ドライブ(DVD/Blu-ray)搭載不可
無線Intel WiFi6 AX201(ax) + Bluetooth5.2
USB等Thunderbolt4×2, USB 3.0(3.1Gen1)Type-A×2, HDMI×1
OSWindows 10 Pro 64bit (日本語版)
OfficeMicrosoft Office Home and Business 2019 (日本語版)
電池最大23.9時間(57Wh, 4セルリチウムイオン)/ACアダプタType-C
質量最小1.399kg / 横幅314.4×奥行223×厚さ14.9mm (1.04ℓ)
その他
価格\ 252,300(税込)

ThinkPad X1 Yoga 2021(Gen6)の詳細スペックは以上の通りです。

上記のスペック表では私がおすすめしている構成にしてあります。CPUは選択可能な中で最上位のIntel Core i7-1185G7を選択しています。メモリは16GB、SSDは1TBです。Microsoft OfficeはHome and Business 2019(個人向け)を選択しています。

メモリを32GBにしていないのは、このノートパソコンの用途では32GBは不要だからです。かといって8GBではメモリが不足し体感速度が大幅に悪化するため16GBを選んでいます。

SSD2TBを選ばない理由は、SSDはパソコンパーツの中で非常に高価な部類に入るため、1TBのSSDを選択するのに比べると価格が大幅に高くなってしまうことが一つ。第二に、ゲームを大量にインストールしないPCなら1TBあれば事務作業用途のノートPCとしては十分だからです。ただし、予算枠が潤沢だったり、ストレージの書換え処理(上書き処理)が多い用途の場合はSSDの耐久性が高い2TBを選択するのがいいでしょう。

液晶ディスプレイについても1920×1200で十分であり、あえて3840×2400は選択していません。事務作業用途においては3840×2400解像度は不要です。高解像度にしても文字が小さくなるだけで、結局文字サイズを拡大することになり結果的に1920×1200と変わらないためです。また、3840×2400ディスプレイにおいて画面の設定で解像度を1920×1200に落とすと文字が滲んでしまいます。それなら最初から1920×1200ディスプレイにしておけば文字が滲まないので、小型ノートパソコンの液晶ディスプレイ解像度においては「大は小を兼ねる」が成り立ちません。さらには、3840×2400のような高解像度ディスプレイはバッテリー持続時間の悪化に直結するデメリットもあります。バッテリーの持ちを長くするには1920×1200が遥かに有利です。ノートパソコンにおける最大のバッテリー食い要因はCPUではなく液晶ディスプレイです。ノートパソコンにおいて最も消費電力が大きい要因の液晶ディスプレイを低消費電力化するためにも1920×1200パネルがおすすめです。

以下の価格は割引クーポン適用後の税込定価を表示しています。割引額は日によって頻繁に変わります。特に、Lenovo公式サイトでは週末の土日や、祝日に割引クーポンが適用されます。Lenovoの製品はクーポン割引を適用して買うのがデフォルトであり、定価そのままで買うことはまずありません。発売直後でも40%近い割引率が適用されていることはよくあるので、割引率をよく確認した上で購入するのがおすすめです。

ThinkPad X1 Yoga 2021(Gen6)キーボードのキー・ピッチはThinkPad X1 Carbon 2021(Gen9)と同じ しかし、先代のThinkPad X1 Yoga 2020(Gen5)より浅くなっている

ThinkPad X1 Yoga 2021(Gen6)は先代のモデルより薄くなっているため、そのしわ寄せはキーボードのキーストロークの深さに影響しています。ThinkPad X1 Yoga 2021(Gen6)が不評なのはこのキーストロークが浅くなったことですが、それはThinkPad X1 Carbon 2021(Gen9)でも同様です。

キーストロークの深さは遊びを除くと1.40mm~1.45mm

ThinkPad X1 Yoga 2021(Gen6)のキーストロークの深さは情報源によってまちまちでかなり差がありますが、それは測定する範囲の違いになります。キーにはさほど力をかけずに押し込める”遊び”部分と、力学的反発のある部分にわかれます。この遊び部分を含めているかどうかで測定結果に差がでます。ここでは遊び部分を除いたキーストロークの深さで統一して記載します。

ThinkPad X1 Yoga 2021(Gen6)のキーストロークの深さは1.40mm~1.45mmです。これはThinkPad X1 Carbon 2021(Gen9)でも同様です。

旧モデルThinkPad X1 Yoga 2021(Gen6)は1.5mm

前世代のThinkPad X1 Yoga 2020(Gen5)やThinkPad X1 Carbon 2020(Gen8)のキーストロークの深さは1.5mmでした。それに比べると0.1mm程度浅くなっていることがわかります。これは本体の厚さが0.6mm薄くなったことと無縁ではありません。

ThinkPad X1 Nano 2020(Gen1)の1.35mmよりは深い

2020年秋期に発売されたThinkPad X1 Nano 2020(Gen1)は、ThinkPad史上初の1kgを切るモデルだけあって小型軽量化が優先されました。その結果ThinkPad X1 Nano 2020(Gen1)ではキーストロークが1.35mmまで浅くなりました。これは賛否両論ありましたが、軽さに重点をおいたモデルだったのはこれはこれでいいでしょう。しかし、フラッグシップモバイルの位置付けのThinkPad X1 Yoga 2021(Gen6)やThinkPad X1 Carbon 2021(Gen9)でキーストロークが浅くなったのは支持できないユーザーが一定数います。

キーピッチは旧モデルと同じ1.9mm

キーとキーがどれくらい離れているかを表すのがキーピッチですが、キーピッチは妥協がありません。キーピッチはThinkPad X1 Yoga 2020(Gen5)やThinkPad X1 Carbon 2020(Gen8)と同じ1.9mmです。キーピッチが狭くなるとどうしてもキーを打ちづらくなるため、ここは死守すべきポイントだとメーカーも認識していることになります。

キーボードに関する総合評価

自宅や職場でほぼ据え置きとしてThinkPad X1 Yoga 2021(Gen6)を使うなら、外部キーボードを接続すればいいので本体のキーボードのキーストロークが浅くても問題にならないでしょう。問題になるのは、新幹線の中など本体のキーボードを使わざるを得ない場合です。一応1.4mmもキーストロークが確保されているので、私個人の考えとしてはキーストロークが浅くなったことはさほどデメリットに感じません。