GeForce GTX 1660 Super搭載おすすめグラボメーカー&パソコン比較

GeForce GTX 1660 Superは2019年10月に発売されたNVIDIA Turing世代のGTXシリーズの中では最高峰のGPUです。深層学習(機械学習の一種,世間でいわゆる人工知能と呼ばれているもの)用途で重要となる16bit(半精度)4×4行列演算に特化したTensorCoreが搭載されておらず、純粋にグラフィック描画用の本来のグラフィックボードです。

GeForce GTX 1660よりも上位で、GeForce GTX 1660Tiよりも下位の位置付けです。1660Tiは浮動小数点演算を行うFP32演算器を含むCUDA Coreが1536コア存在する一方、この1660Superは1408コアとなっており、1660無印の1408コアと同じ演算器数になっています。

GeForce GTX 1660 Superの詳細

このGeForce GTX 1660 Superが発売された背景は、まずNVIDIAとしては2019年にTuring世代GPUの第二弾を発売することが当初(2018年)からの計画でした。

NVIDIAは2年ごとにアーキテクチャを刷新します。現在はTuringアーキテクチャです。Turing世代のGPUが登場したのは2018年でした。そうなるとTuringの次のアーキテクチャ採用は2020年になるわけですが、進歩と陳腐化が著しいGPU分野では発売から1年経過しただけで「古い」と消費者に認識されてしまいます。つまり2019年になると「2018年発売のNVIDIA製GPUは古い」と消費者から認識されることになってしまいます。

NVIDIAはその対策として、まずは2018年度に第一弾のTuring世代GPUを広くラインナップし、第一弾のGPUの隙間を埋めるためのGPUを2019年度に第二弾として発売する計画を立てました。それは実際に実行に移されました。今回の「GeForce GTX 1660 Super」のようなGPUをまとめて2018年度に発売してしまうと、2019年度にNVIDIA製GPUが全く発売されないことになってしまうため「あえて第一弾(2018)と第二弾(2019)に分けた」ことになります。また経年で半導体の製造原価は下がっていくため、毎年その時点でのコストを元にマイナーチェンジをして新しい製品を投入したほうがNVIDIAとしても得になります。

本来、NVIDIAの完全独自ペースでいくならば2019年10月~11月頃に全てのSuperシリーズが発売される予定でした。しかしNVIDIAの競合他社であるAMDが2019年7月にRadeon 5700XT,5700という新GPUを投入することがわかったため、あえてAMD Radeonの発売日にぶつけるために一部のSuperシリーズは2019年7月に前倒しして発売されました。

もしAMDがRadeon 5700よりも下位のモデルをさらに投入するのなら、NVIDIAもそれに合わせて発売日を前倒しするはずでした。しかし実際はAMDはRadeon5700XT,5700の投入ですらGPUの出荷が遅れてしまい、5700XT,5700のオリジナルファンモデルは2019年10月まで遅れる有様で、AMDは5700XTと5700の投入時点で既に息切れしてしまいました。

そのためNVIDIAとしてはAMD側の発売時期を気にせずに、本来のNVIDIA独自ペースでその他のSuperシリーズを投入することになりました。1660Superは2019年10月、それより下位の1650Superは2019年11月の発売です。

ゲーム上のフレームレート性能

各ゲームごとのフレームレート性能については、Apex LegendsではFullHDだと1660Superでも1660Tiでも性能差が出ません。

コア数が多い1660Tiでも100fps程度です。1660Superでも同じく100fpsです。FullHD程度のピクセル数ではコア数が増えたところで並列計算するだけの演算数がそもそも少ないため1660Tiでも1660Superでも性能が変わりません。

Apex Legendsで1440pだと差が付きます。1660Tiは80fpsで、1660Superでは70fpsになります。

これは解像度が高いことでピクセル数のぶんだけ演算量が増えただけの要因ではなく、Apex Legendsは狭い範囲に多くのオブジェクトが存在しているため視野範囲内で描画すべきオブジェクト数が多いためです。

一方でPUBGだとFullHDでも1440pでも、1660Superと1660Tiの間でフレームレート性能に差が付きません。

FullHDの場合、1660Tiであってもフレームレートは80fpsです。1660Superも同じく80fpsです。

解像度が1440pの場合、PUBGにおけるフレームレートは1660Super,1660Tiともに55fpsとなり60fpsを割り込んでしまいます。

解像度を引き上げるとピクセル数だけ計算量は当然増えます。しかしピクセル数の増加だけではコア数の多さを使いきれず、1660Superよりも1660Tiのほうがコア数が多いのにもかかわらず性能向上が全くスケールしていません。

クロック周波数が低くなってもCUDA Coreを多くして並列計算を重視するなら1660Tiが上です。一方で、CUDA Core数が減ってもクロック周波数が高くしてCUDA Coreあたりの性能の高さを重視するなら1660 Superが上です。

1位: ASUS TUF 3-GTX1660S-O6G-GAMING

2019年10月発売。2.7スロット占有(55mm厚)。全長264mm。高さ130mm。ブーストクロック1,860MHz。ファン×3。補助電源8ピン×1。出力端子Displayport1.4×1、HDMI2.0b×1、DVI-D×1

大した消費電力にならない1660Superで3連ファンかつ2.7スロット占有は冷却機構が過大すぎるが、ファンを低速にできるため静音性の確保という点では有意義なグラボ。ファン×1のMini ITXサイズモデルとブーストクロック値が大差ないため、静音性を気にしないならMini ITXサイズモデルも選択肢に入る。

2位: ASUS PH-GTX1660S-O6G

2019年10月発売。2スロット占有(39mm厚)。全長174mm。高さ121mm。ブーストクロック1,830MHz。ファン×1。補助電源8ピン×1。出力端子Displayport1.4×1、HDMI2.0b×1、DVI-D×1

GeForce GTX 1660Super&第12世代Intel Core(Alder Lake)搭載デスクトップパソコン比較

このGeForce GTX 1660 Superと第12世代Intel Core(Alder Lake)を搭載したBTOデスクトップパソコンをメーカー横断的にまとめています。実際にこのGeForce GTX 1660 Superを選択するカスタマイズをした上での価格表示にしています。メモリ,SSD,CPUクーラー,電源等もカスタマイズ可能な場合はおすすめの構成にした上での価格にしています。例えば標準構成で512GBのSSDになっている場合、カスタマイズで1TBのSSDが選べる場合は1TBにしています。SSD容量は大いに越したことはないですがSSDは高価なPCパーツであるため、最低限このぐらいの容量は無いと不便という基準を1TBにしています。

さらにメーカーが指定できる場合は信頼性のある日本国産メーカーを優先してカスタマイズ選択しています。日本国産メーカーの選択肢が無い場合でも、日本製の部品を多く用いているPCパーツを優先して選択しています。

TSUKUMO G-GEAR Aim GB5J-B221/B

商品名TSUKUMO G-GEAR Aim ミニタワー
型番GB5J-B221/B (第12世代Intel)
CPUIntel Core i5 12400 (P-Core×6コア)
GPUNVIDIA GeForce GTX 1660 SUPER / 6GB (DisplayPort×3, HDMI×1)
メモリ16GB(8GB×2) DDR4-3200/PC4-25600 【他:32GB~128GB センチュリーマイクロ製(日本製)メモリモジュール選択可】
SSD1TB NVMe M.2 WD BLUE SN570 【他:WD Black,Crucial, Samsung選択可】
HDD無し 【他:1TB~8TBのHDD1台選択可能】
光学無し(内蔵型搭載不可)
WiFi等LANポート(2.5GBASE-T)×1、Intel製Wi-Fi6 (IEEE 802.11ax/ac/a/b/g/n)+Bluetooth 5.2 【他:WiFiモジュール非搭載可】
USBUSB Type-C×1, USB Type-A×8
電源750W ATX電源 80PLUS GOLD Seasonic製FOCUS 【他:Seasonic FOCUS 650W, Thermaltake PS-TPG-0850FPCGJP-R 850W】
OSWindows 11 Pro 64bit
サイズ幅約210mm×高さ約415mm×奥行約521mm (34.9ℓ) / 重量約9kg
その他CPUクーラー:Noctua NH-U12A(空冷式)【他:簡易水冷240mmラジエータ選択可】、 CPUグリス:Ainex JP-DX1(ダイヤモンドグリス)、 マザーボード:Intel B660 MicroATX(ASUS TUF GAMING B660M-E D4)
価格\ 211,199(税込)

下記「TSUKUMO G-GEAR Aim GB5J-C221/BRGB」の強化ガラスパネルをスチールパネルにしたバージョンのモデルです。こちらの方がオーソドックスなパソコンだと言えます。特にRGB装飾に興味がない人ならこちらのモデルがいいでしょう。高級PCパーツを選択可能な点は同じです。Seasonic製電源やセンチュリーマイクロ製メモリモジュールも選択でき、Noctua製CPUクーラーも選べます。

TSUKUMO G-GEAR Aim GB5J-C221/BRGB

商品名TSUKUMO G-GEAR Aim ミニタワー
型番GB5J-C221/BRGB (第12世代Intel)
CPUIntel Core i5 12400 (P-Core×6コア)
GPUNVIDIA GeForce GTX 1660 SUPER / 6GB (DisplayPort×3, HDMI×1)
メモリ16GB(8GB×2) DDR4-3200/PC4-25600 【他:32GB~128GB センチュリーマイクロ製(日本製)メモリモジュール選択可】
SSD1TB NVMe M.2 WD BLUE SN570 【他:WD Black,Crucial, Samsung選択可】
HDD無し 【他:1TB~8TBのHDD1台選択可能】
光学無し(内蔵型搭載不可)
WiFi等LANポート(2.5GBASE-T)×1、Intel製Wi-Fi6 (IEEE 802.11ax/ac/a/b/g/n)+Bluetooth 5.2 【他:WiFiモジュール非搭載可】
USB【前面】USB3.1 Gen2(3.2 Gen2) Type-C×1, USB 3.0(3.1 Gen1) Type-A×2、 【背面】 USB3.1 Gen2(3.2 Gen2) Type-A×2、USB 3.0 (3.1 Gen1) Type-A×2, USB2.0 Type-A×2
電源750W ATX電源 80PLUS GOLD Seasonic製FOCUS 【他:Seasonic FOCUS 650W, Thermaltake PS-TPG-0850FPCGJP-R 850W】
OSWindows 11 Pro 64bit
サイズ幅約210mm×高さ約415mm×奥行約521mm (45.4ℓ) / 重量約11kg
その他CPUクーラー:Noctua NH-U12A(空冷式)【他:簡易水冷240mmラジエータ選択可】、 CPUグリス:Ainex JP-DX1(ダイヤモンドグリス)、 マザーボード:Intel B660 MicroATX(ASUS TUF GAMING B660M-E D4)
価格\ 220,099(税込)

CPUはCore i5 12400しか選択できませんがGPU(グラボ)は10種類から選択できます。このパソコンの特徴はサイドパネルに強化ガラスを使っていてLED装飾が標準装備されていることです。LED装飾や強化ガラスが不要なユーザのためにスチールサイドパネル版の姉妹モデルも存在します。個人的にはスチールサイドパネル版の方がおすすめです。