第12世代Intel Core搭載おすすめデスクトップPC比較とベンチマーク性能評価 Alder Lake搭載の事務作業用&ゲーミングパソコン

第12世代Intel Core(Alder Lake-S)を搭載した各BTOメーカーのBTOデスクトップパソコンを横断的に比較しています。

BTOパソコンの標準構成ではSSDが512GBだったりするものが未だに存在します。しかも比較する上でSSDの容量がバラバラだと画一的な比較ができません。

そこで本サイトの比較では、SSDの容量は最低限1TBは必要ということでカスタマイズで1TBにした場合の価格を表示しています。SSDがカスタマイズ不可で「512GB固定」のように動かせない場合も多々あるのでその場合は512GBの容量のままにしています。

また、カスタマイズ可能な部分で国産メーカー品がある場合は積極的に日本国産品を選択しています。例えばメモリモジュールやSSDや電源等です。日本のメーカー品でなくても、日本国産の部品を多く使っているカスタマイズ選択肢を優先して選択しています。

HP(ヒューレット・パッカード)

HPは法人向けに非常に強いメーカーですが、ゲーミングPCを始めとして個人向けパソコンでも強いメーカーです。特に大量生産のスケールメリット(規模の利益)で価格面でも非常に強いです。

HPのゲーム用パソコンはゲームに関心がない人でも先入観を持たず目を通しておくことをおすすめします。事務作業用途に適したスペックのゲーム用パソコンがあるためです。

OMEN by HP 25L Gaming Desktop GT15-0760jp / GT15-0765jp 【Core i7 12700F, GeForceRTX3060~3060Ti, メモリ16GB, SSD1TB, Win11Pro, 29.3ℓ】

商品名OMEN by HP 25L Gaming Desktop GT15-0760jp / GT15-0765jp
CPUIntel Core i7 12700F (第12世代Alder Lake-S)
GPUNVIDIA GeForce RTX 3060 【他:GeForce RTX 3060Ti】
メモリ16GB(8GB×2) DDR4-3200 HyperX製
SSD1TB NVMe M.2 WD Black (PCIe Gen4)
電源500W ATX電源 80PLUS認証BRONZE CoolerMaster製
OSWindows 11 Pro
サイズ29.3ℓ / 13.81kg
価格\ 189,000(税込)

過剰でも貧弱でもない適切なスペックと価格の安さから強くおすすめできるパソコンです。ゲーム用パソコンではなく通常の事務作業用途として選ぶ場合に最適です。普通のデスクトップパソコンではCPUやGPU以外のPCパーツであるSSDやメモリや電源等はノーブランド品を採用したりケチられてしまうことが多い部分です。しかしこのパソコンではWestern Digital BlackシリーズのSSDを使ったり、CoolerMaster製の電源を使ったりしっかり細部までお金をかけています。それでいてこの価格の安さですから、HPに太刀打ちできる国内メーカーは無いんじゃないかと思ってしまうほどです。

マウスコンピューター

マウスコンピューター製のBTOパソコンは価格の安さでは非常に強いです。売上台数が多いためスケールメリット(規模の利益)が働いており、1製品あたりの価格が低くなっています。

そのかわり細かいカスタマイズはできません。電源ユニットをSeasonicにしたりだとか、SSDを東芝(KIOXIA)製NANDを採用したWestern Digital製にしたり等はできません。細かいニーズに応える態勢を整えるとコストが上がってしまうためです。

マウスコンピューター G-Tune EN-Z Windows 11 (第12世代Intel) 2111EN-Z690W11【46.6ℓ, HDD選択必須, 水冷】

商品名マウスコンピューター mouse G-Tune EN-Z(Windows11) 第12世代Intel
型番2111EN-Z690W11
CPUIntel Core i7 12700K 【他Core i9 12900K】
GPUNVIDIA GeForce RTX 3060 / 12GB (DisplayPort×3, HDMI×1)
メモリ16GB(8GB×2) DDR4 SDRAM (DDR4-3200/PC4-25600)
SSD1TB NVMe M.2 PCIe3.0x4 (メーカ選択不可/Samsung製のみ別途選択肢有り)
HDD2TB 3.5インチHDD(HDD非搭載不可)
光学無し(DVDスーパーマルチドライブor Blu-ray BDXL対応 選択可)
WiFi等LANポート(2.5GBASE-T)×1、Wi-Fi 6 AX201(IEEE 802.11ax/ac/a/b/g/n) 、Bluetooth 5
USB【上面】USB3.0(3.1Gen1)×4、 【背面】USB3.2Gen2x2 Type-C×1, USB3.0(3.1Gen1) Type-A×4, USB2.0 Type-A×2
電源850W ATX電源 80PLUS GOLD
OSWindows 11 Pro
サイズ幅約210mm×高さ約426mm×奥行約521mm (46.6ℓ) / 重量約12.7kg
その他CPUクーラー:簡易水冷CPUクーラー(240mmラジエータ+12cmファン×2, 空冷の選択肢無し)、 CPUグリス:AINEX シルバーグリス Arctic Silver 5(AS-05)、 チップセット:Z690
価格\ 264,000(税込)

このEN-Zの欠点はHDD強制搭載になっておりHDD無しの構成にできないことです。SSDメーカーの選択の幅は狭いですがSamsung製だけは明示的に選択できます。あとはCPUクーラーが簡易水冷式CPUクーラーのみであり空冷式を選択できないのも難点です。

マウスコンピューター G-Tune HM-B-3060Ti プレミアムモデル (12世代Intel) 2206HM-B660W11-3060Ti 【Core i7 12700F~Core i9 12900, GeForceRTX3060Ti, メモリ16~64GB, SSD512GB~2TB, Pro or Home, 31.9ℓ】

商品名マウスコンピューター G-Tune HM-B-3060Ti (プレミアムモデル) 【第12世代Intel】
CPUIntel Core i7 12700F (第12世代Alder Lake-S) 【他:Core i9 12900】
GPUNVIDIA GeForce RTX 3060 Ti / 8GB ( DisplayPort×3 / HDMI×1 )
メモリ16GB(8GB×2) 【他:32GB~64GB】
SSD1TB NVMe M.2 【他:512GB~2TB】
電源700W ATX電源 80PLUS認証BRONZE 【他:800W~850W】
OSWindows 11 Pro 【他:Windows 11 Home】
サイズ31.9ℓ / 10.3kg
価格\ 282,690(税込)

極めて標準的な構成のパソコンです。GPUはGeForce RTX 3060Tiで固定なのが特徴。性能の割に少しケースが大きいのと割高に感じます。このぐらいのCPUやGPU性能であったらもう少し小型なパソコンを狙うこともできます。

マウスコンピューター G-Tune PL-B プレミアムモデル (第12世代Intel) 2204PL-B660W11 【24.1ℓ, 空冷】

商品名マウスコンピューター mouse G-Tune PL-B(プレミアムモデル) 第12世代Intel
型番2204PL-B660W11
CPUIntel Core i5 12400 【他:Core i7 12700】
GPUNVIDIA GeForce GTX 1650 GDDR6 / 4GB (DisplayPort×1, HDMI×1, DVI-D×1)
メモリ16GB(8GB×2, DDR4-3200) 【他:32GB(16GB×2, DDR4-3200)】
SSD1TB NVMe M.2 PCIe3.0x4 (メーカ選択不可 【他:512GB~2TB、 Samsung PM9A1】
HDD無し(HDD非搭載可) 【他:内蔵型HDD1TB~8TB】
光学無し 【他:スロットイン型DVDスーパーマルチドライブ選択可】
WiFi等Wi-Fi 6 (IEEE 802.11ax/ac/a/b/g/n) 、Bluetooth 5 LANポート(2.5GBASE-T)×1、
USB【上面】USB3.0(3.1Gen1)×4、 【背面】USB3.2Gen2x2 Type-C×1, USB3.0(3.1Gen1) Type-A×4, USB2.0 Type-A×2
電源700W ATX電源 80PLUS GOLD
OSWindows 11 Pro 【他:Windows 11 Home】
サイズ幅約180mm×高さ約330mm×奥行約405mm (24.1ℓ) / 重量約7.1kg
その他マザーボード:B660 Mini-ITX M.2スロット×2(空き×1)、CPUクーラー:空冷式、CPUグリス:Ainex AS-05(シルバーグリス)
価格\ 181,700(税込)

グラボをGTX1650にすることで価格を引き下げたモデルです。ゲーム用としては微妙ですが非ゲーム用ならいいです。CPUクーラーが空冷なのはいいですが、スペックの割にはPCケースが大きい印象です。SSDはメーカー指定だとSamsungしか選べません。HDD非搭載にできることは高く評価できます。これまでマウスコンピューター製デスクトップはHDD強制搭載なことが多かったのでこれは良い改善点です。

FRONTIER

他のメーカーでは高性能なCPUには高性能なGPUのようにモデルごとの棲み分けがされてる中、FRONTIERでは純粋にPCケースサイズで分類がされており、高性能なCPU×低消費電力なGPUといった組み合わせも可能でPCパーツの選択肢の幅が広いのが特徴です。

FRONTIER GBシリーズ(Z690) (FRGBZ690/A) 【62.5ℓ, 空冷or水冷】

商品名FRONTIER GBシリーズ(Z690)第12世代Intel Alder Lake
型番FRGBZ690/A
CPUIntel Core i7 12700KF 【他:Core i9 12900KF】
GPUNVIDIA GeForce RTX 3050 8GB 【他:GeForce RTX 3060 12GB, GeForce RTX 3070 Ti 8GB, GeForce RTX 3080 10GB, GeForce RTX 3090 24GB】
メモリ16GB(16GB×2) DDR5 SDRAM PC5-38400 (DDR5-4800)
SSD1TB WD(Western Digital) BLACK SN850 (読出7000MB/s,書込5300MB/s) (+SSD2台追加選択可能)
HDD無し (HDD×1台選択可)
光学無し (内蔵型ドライブ選択不可)
WiFi等LANポート(2.5GBASE-T)×1 / WiFi非搭載(追加の選択肢無し)
USB【上面】USB3.0(3.1Gen1)Type-C×1, USB3.0(3.1Gen1)Type-A×2、 【背面】USB3.1 Gen2x2 Type-C×1, USB3.1 Gen2 Type-A×1, USB3.0(3.1Gen1)Type-A×2, USB2.0 Type-A×4
電源1000W ATX電源 80PLUS GOLD (日本製コンデンサ仕様)
OSWindows 11 Pro 64bit版
サイズ幅約239mm×高さ約510mm×奥行約513mm (62.5ℓ)
その他CPUクーラー:AINEX サイドフローSE-226-XT 、 グリス:AINEX シルバーグリス Arctic Silver 5、 MSI製マザーボード
価格\ 250,200(税込)

これはFRONTIER公式ではゲーミングPCに分類されていませんが、CPUは高性能な上にGPUもゲーム用のものが選択できるため事実上ゲーミングPCとして十分使えます。GPUをRTX3050にすれば非ゲーム用の事務用PCとしても最適です。SSDのメーカーも細かく選択できる上にHDD非搭載にできるのも良いところです。SSD2台目も追加しようと思えばカスタマイズできます。空冷式CPUクーラーの選択肢がもう少しあればいいところです。

パソコン工房

非ゲーミングモデルは数が絞られているので選びやすいです。ただしゲーミングモデルはコラボモデルが大量にあるため、非コラボモデルに絞って探し当てると良いPCが見つかります。パソコン工房ではCPU,GPU,Office等細かいバリエーションごとに型番を細分化しているため、目的のモデルを慎重に探す必要があります。

パソコン工房 iiyama LEVEL∞ R-Class LEVEL-R769-LC129KF-XAX-M 【Core i9 12900KF, GeForceRTX3090, メモリ32GB, SSD1TB, Win11Home, 50.4ℓ】

Core i9 12900KFを搭載しているiiyamaのモデルは珍しくこれがほぼ唯一です。メモリが32GBもあることが高価になってしまっている要因です。

パソコン工房 iiyama STYLE∞ R-Class STYLE-R069-129-RBX (IStDEs-R069-A129-RBSXB) 【38.1ℓ】

商品名パソコン工房 STYLE∞ R-Class STYLE-R069-129-RBX(Windows11)
型番IStDEs-R069-A129-RBSXB
CPUIntel Core i9 12900
GPUNVIDIA GeForce RTX 3060 12GB GDDR6 (HDMI×1, DisplayPort×2)
メモリ16GB(8GB×2) DDR4 SDRAM (DDR4-3200) 国産高耐久版
SSD1TB NVMe M.2 PCIe4.0x4 (メーカ選択不可)
HDD無し (HDD最大2台まで追加選択可)
光学DVDスーパーマルチドライブ(非搭載の選択肢無し)
WiFi等LANポート(2.5GBASE-T)×1、WiFi非搭載(拡張ボードの選択肢有り)
USB【前面】USB2.0×2、 【背面】USB3.2Gen2x2 Type-C×1, USB3.0(3.1Gen1) Type-A×4, USB2.0 Type-A×2
電源850W ATX電源 Enermax ERF850EWT 80PLUS GOLD (日本製コンデンサ仕様)
OSWindows 11 Pro
サイズ幅約190mm×高さ約422mm×奥行約475mm (38.1ℓ)
その他CPUクーラー:12cm サイドフロー(メーカ選択不可)、 CPUグリス:AINEX シルバーグリス Arctic Silver 5、 チップセット:Z690、 内蔵グラフィクス用マザーボード背面映像出力:DisplayPort×1, HDMI×1
価格\ 265,582(税込)

電源はカスタマイズできないBTOメーカーが多い中このモデルはEnermax製の電源が選択できます。DVDドライブは標準で搭載(非搭載不可)。メモリは日本製モジュールにできるのが良いところです。

Ark

カスタマイズ製は高く、電源やマザーボードでも高品質なパーツを型番指定で選ぶことができます。

Ark arkhive Gaming Custom GC-I7G39R AG-IC12Z69AGA9I-CM 【Core i7 12700~i9 12900K, GeForce RTX 3090Ti, メモリ32GB, SSD1TB】

商品名Ark(アーク) arkhive Gaming Custom GC-I7G39R AG-IC12Z69AGA9I-CM
CPUIntel Core i7 12700, Core i7 12700KF, Core i7 12700K, Core i9 12900, Core i9 12900K
GPUNVIDIA GeForce RTX 3090Ti
メモリ32GB
SSD1TB
OSWindows 11 Home, Windows 11 Pro
サイズ306ℓ
価格\ 458,630(税込)

GeForce RTX 3090Tiに特化したパソコンです。グラボはこれ一択です。その代わりCPUはいくつか選択肢がありCore i7 12700~Core i9 12900Kまで選べます。PCケースが大きすぎることとメモリ容量を32GBより少なくできないのが欠点ですがその他は合格ラインです。

TSUKUMO

TSUKUMOでは非ゲーミングPCよりもゲーミングPCの方に第12世代Intel Coreが優先的に割り当てられています。

TSUKUMO G-GEAR neoシリーズ(ミドルタワー)

TSUKUMOのゲーミングデスクトップの中ではフラッグシップに位置付けられるシリーズ。

TSUKUMO G-GEAR neo GX9J-Z221/ZB 【65.9ℓ】

商品名TSUKUMO G-GEAR neo ミドルタワー
型番GX9J-Z221/ZB (第12世代Intel)
CPUIntel Core i9 12900KS (16コア5.5GHz) 【他選択肢無し】
GPUNVIDIA GeForce RTX 3080 / 10GB (DisplayPort×3, HDMI×1) 【他:GeForce RTX 3090Ti,3080Ti】
メモリ16GB(8GB×2) DDR4-3200/PC4-25600 【他:32GB~128GB センチュリーマイクロ製(日本製)メモリモジュール選択可】
SSD1TB NVMe M.2 WD Black SN850 【他:WD Blue SN570,SN550, Crucial P5 Plus,MX500, Seagate FireCuda530, Samsung PM9A1,980Pro 選択可】 (M.2 SSD2台追加可能)
HDD無し 【他:1TB~8TBのHDD2台追加可能】
光学無し 【他:ASUS製DVDスーパーマルチドライブDL対応】
WiFi等LANポート(2.5GBASE-T)×1、Intel Wi-Fi6 AX201(IEEE 802.11ax/ac/a/b/g/n)+Bluetooth 5.2
USB【前面】 USB 3.0(3.1 Gen1) Type-A×2, USB 2.0×2、 【背面】 USB3.2 Gen2x2 Type-C×1, USB 3.1 Gen2(3.2 Gen2) Type-A×2, USB 3.0(3.1 Gen1) Type-C×1, USB 3.0(3.1 Gen1) Type-A×4
電源1250W ATX電源 80PLUS Titanium G-GEARオリジナル製 【他:Thermaltake PS-TPG-0850FPCGJP-R 850W】
OSWindows 11 Pro 64bit
サイズ幅約235mm×高さ約548mm×奥行約512mm (65.9ℓ) / 重量約18kg
その他CPUクーラー:簡易水冷式FractalDesign製240mmラジエータ【他:選択肢無し】、 マザーボード:Intel Z690 ATX (ASUS TUF GAMING Z690-PLUS WIFI D4)、 光音声出力S/PDIF×1
価格\ 443,099(税込)

第12世代Intel Coreで最高峰のCore i9 12900KSのみを選択可能な高スペック志向のPCです。空冷式CPUクーラーを選択できない点は残念ですが、日本製センチュリーマイクロ社のメモリモジュールを選択できたり、東芝製NANDを採用したSSDを選択できるのはいいところです。グラボは最低でもRTX3080からになるため、グラボの性能を必要としないユーザには割高になります。これにRTX3050を組み合わせることができればさらに評価は上がっていました。

TSUKUMO G-GEAR Aimシリーズ(ミニタワー)

TSUKUMO G-GEAR(ゲーミングデスクトップ)の中で下から2番目に小型のシリーズ。

TSUKUMO G-GEAR Aim GB5J-B221/B 【34.9

商品名TSUKUMO G-GEAR Aim ミニタワー
型番GB5J-B221/B (第12世代Intel)
CPUIntel Core i5 12400 (P-Core×6コア)
GPUNVIDIA GeForce RTX 3060 / 12GB (DisplayPort×3, HDMI×1) 【他:GeForce RTX 3070Ti,3060Ti,3050, GTX1660Super,1650, AMD Radeon RX 6700XT,6600XT,6600,6500XT】
メモリ16GB(8GB×2) DDR4-3200/PC4-25600 【他:32GB~128GB センチュリーマイクロ製(日本製)メモリモジュール選択可】
SSD1TB NVMe M.2 WD BLUE SN570 【他:WD Black,Crucial, Samsung選択可】
HDD無し 【他:1TB~8TBのHDD1台選択可能】
光学無し(内蔵型搭載不可)
WiFi等LANポート(2.5GBASE-T)×1、Intel製Wi-Fi6 (IEEE 802.11ax/ac/a/b/g/n)+Bluetooth 5.2 【他:WiFiモジュール非搭載可】
USBUSB Type-C×1, USB Type-A×8
電源750W ATX電源 80PLUS GOLD Seasonic製FOCUS 【他:Seasonic FOCUS 650W, Thermaltake PS-TPG-0850FPCGJP-R 850W】
OSWindows 11 Pro 64bit
サイズ幅約210mm×高さ約415mm×奥行約521mm (34.9ℓ) / 重量約9kg
その他CPUクーラー:Noctua NH-U12A(空冷式)【他:簡易水冷240mmラジエータ選択可】、 CPUグリス:Ainex JP-DX1(ダイヤモンドグリス)、 マザーボード:Intel B660 MicroATX(ASUS TUF GAMING B660M-E D4)
価格\ 236,500(税込)

サイドパネルがスチールタイプのもので、これの強化ガラス&RGB版も存在します。CPUはCore i5 12400固定。NoctuaのCPUクーラーやSeasonicの電源ユニットを選択できるカスタマイズ自由度の高さが特徴。標準SSDがWestern Digital製なのも高評価。

TSUKUMO G-GEAR Aim GB5J-C221/BRGB 【45.5ℓ】

商品名TSUKUMO G-GEAR Aim ミニタワー
型番GB5J-C221/BRGB (第12世代Intel)
CPUIntel Core i5 12400 (P-Core×6コア)
GPUNVIDIA GeForce RTX 3060 / 12GB (DisplayPort×3, HDMI×1) 【他:GeForce RTX 3070Ti,3060Ti,3050, GTX1660Super,1650, AMD Radeon RX 6700XT,6600XT,6600,6500XT】
メモリ16GB(8GB×2) DDR4-3200/PC4-25600 【他:32GB~128GB センチュリーマイクロ製(日本製)メモリモジュール選択可】
SSD1TB NVMe M.2 WD BLUE SN570 【他:WD Black,Crucial, Samsung選択可】
HDD無し 【他:1TB~8TBのHDD1台選択可能】
光学無し(内蔵型搭載不可)
WiFi等LANポート(2.5GBASE-T)×1、Intel製Wi-Fi6 (IEEE 802.11ax/ac/a/b/g/n)+Bluetooth 5.2 【他:WiFiモジュール非搭載可】
USB【前面】USB3.1 Gen2(3.2 Gen2) Type-C×1, USB 3.0(3.1 Gen1) Type-A×2、 【背面】 USB3.1 Gen2(3.2 Gen2) Type-A×2、USB 3.0 (3.1 Gen1) Type-A×2, USB2.0 Type-A×2
電源750W ATX電源 80PLUS GOLD Seasonic製FOCUS 【他:Seasonic FOCUS 650W, Thermaltake PS-TPG-0850FPCGJP-R 850W】
OSWindows 11 Pro 64bit
サイズ幅約210mm×高さ約415mm×奥行約521mm (45.4ℓ) / 重量約11kg
その他CPUクーラー:Noctua NH-U12A(空冷式)【他:簡易水冷240mmラジエータ選択可】、 CPUグリス:Ainex JP-DX1(ダイヤモンドグリス)、 マザーボード:Intel B660 MicroATX(ASUS TUF GAMING B660M-E D4)
価格\ 234,400(税込)

これは強化ガラス&LED装飾版ですが、ほぼ同スペックの姉妹モデルで非ガラス&非LEDのPCケース版ありそちらの方が安いため人気です。グラボの選択肢が非常に幅広くNoctua製CPUクーラーやSeasonic電源が選択できるのが高評価。

Lenovo

Lenovo製のデスクトップPCは法人等で採用される内蔵グラフィックスモデルが充実しており、「大企業の職場で各デスクに配置されている小型デスクトップ」の代表格です。ゲーミングPCも展開されています。

Lenovo ThinkCentre M70t Tower Gen 3 (第12世代Intel) 11T5CTO1WWJAJP2

商品名Lenovo ThinkCentre M70t Tower Gen 3 (第12世代Intel)
型番11T5CTO1WWJAJP2
CPUIntel Core i5 12400 【他:Core i5 12500, Core i7 12700, Core i9 12900】
GPUIntel 内蔵グラフィクス(DisplayPort×2, HDMI×1)
メモリ16GB(8GB×2) DDR4-3200 【他:4GB~128GB選択可】
SSD1TB NVMe M.2 【他:128GB~2TB選択可】
HDD無し 【他:500GB~2TBのHDD1台追加可能】
光学無し 【他:ウルトラスリムDVDスーパーマルチ,ドライブ ウルトラスリムDVD-ROMドライブ】
WiFi等LANポート(2.5GBASE-T)×1、Intel Wi-Fi6 AX201(IEEE 802.11ax/ac/a/b/g/n)+Bluetooth 5.2 【他:WiFi非搭載可】
USBUSB 3.1 Gen2(3.2 Gen2) Type-A×2, USB 3.0(3.1 Gen1) Type-C×1, USB 3.0(3.1 Gen1) Type-A×2, USB 2.0×4
電源380W【他:260W, 310W】
OSWindows 11 Pro 64bit
サイズ幅約145mm×高さ約346mm×奥行約296.2mm (14.9ℓ) / 重量約5.9kg
その他マザーボード:Q670チップセット
価格\ 256,300(税込)

ThinkCentre M70tシリーズの第12世代Intel版。容積たった14.9リットルの小型デスクトップPCに属します。グラボは搭載不可でIntel内蔵グラフィックスのみとなるので「非ゲーム用」パソコンを探しているユーザー向けになります。

NEC LAVIE

NECからは非ゲーム用のスリムデスクトップの他に、ゲーミングデスクトップPCも発売されています。

NEC LAVIE Direct DT (2022年7月モデル) 【Celeron G6900~Core i9 12900, 内蔵GPU, メモリ16GB, SSD1TB, Pro or Home, 8.9ℓ】

商品名NEC LAVIE Direct DT GD249Z/ZU / GD218Z/ZU / GD306Z/ZU / GD333Z/ZU / GD34BZ/ZU (2022年7月発売モデル)
CPUIntel Celeron G6900 (第12世代Alder Lake-S) 【他:Core i3 12100, Core i5 12500, Core i7 12700, Core i9 12900】
GPUIntel 内蔵グラフィックス
メモリ16GB(8GB×2)【他:4GB(4GB×1), 8GB(4GB×2), 32GB(16GB×2), 64GB(16GB×4)】
SSD1TB 【他:256GB, 512GB】
HDD無し 【他:1TB, 2TB】※SSD非搭載にしてHDD搭載の構成も可能
OSWindows 11 Home 【他:Windows 11 Pro】
サイズ8.9ℓ / 4.6kg
価格\ 209,880(税込)

CPUはCore i9 12900といった高性能なものからCeleron G6900の超ローエンドまで選択可能です。こういったスリムパソコンはメモリ8GBだとかSSD512GBのようにスペックがケチられがちですが、このパソコンはメモリ64GB, SSD1TBも選択可能です。メモリは16GBにしてSSD1TB構成がおすすめできます。

第12世代Intel Core(Alder Lake-S)各CPUごとのデスクトップパソコン比較とベンチマーク性能評価

第12世代Intel Coreを搭載したBTOデスクトップPCをメーカーごとに上述してきましたが、ここでは各CPUモデルごとにスペックとBTOデスクトップパソコンとベンチマーク評価を記載した詳細ページへのリンクをまとめています。

Core i9 12900KF

Intel Core i9 12900Kを搭載したデスクトップパソコンはこちらで比較しています。

Core i9 12900KF

Intel Core i9 12900KFを搭載したデスクトップパソコンはこちらで比較しています。

Core i9 12900

Intel Core i9 12900を搭載したデスクトップパソコンはこちらで比較しています。

Core i7 12700K

Intel Core i7 12700Kを搭載したデスクトップパソコンはこちらで比較しています。

Core i7 12700KF

Intel Core i7 12700KFを搭載したデスクトップパソコンはこちらで比較しています。

第12世代Intel Core(Alder Lake-S)の概要

2021年10月28日に発表され2021年11月発売の第12世代Intel Core(Alder Lake-S)プロセッサはWindows11のリリースと相まって非常に注目されているCPUです。

その理由として、第12世代Intel Coreが汎用プロセッサとしては珍しくハイブリッド構成になっていることです。これは学術的には非対称型(asymmetric)プロセッサに分類されます。通常、非対称型プロセッサは、汎用プロセッサ+特定目的(special purpose)プロセッサの構成を意味します。特定目的プロセッサとは、例えばグラフィック処理,暗号化処理の計算に特化したものであり、身近なものだとGPU(グラフィックボード)は特定目的プロセッサに分類されます。

しかし、第12世代Intel Coreは非対称型プロセッサながらもすべてのコアが汎用コアです。第12世代Intel Coreは非対称型プロセッサながらも、すべてのコアをOSのスケジューラが感知するホストプロセッサになっている点が新しい部分です。

第12世代Intel Coreでは高性能(Performance)Core:P-Coreと、高効率(Efficient)Core:E-Coreを統合した構成になりました。

高性能Core(P-Core)は性能(performance)の高さを最重視したコアです。しかしこの高性能Core(P-Core)は高消費電力です。

他方、高効率Core(E-Core)は、性能を消費電力で割った効率(efficiency)の高さを最重視したコアです。特に、負荷の低いバックグラウンドタスクの各スレッドを低い消費電力で実現することに重きが置かれています。高効率Core(E-Core)はクロックを抑えて消費電力を低くしつつも、命令レベル並列処理を強化して高い性能を実現しています。この高効率Core(E-Core)は今回の第12世代Alder Lake-Sでは最大8コアとなりましたが、今後の世代で高効率Core(E-Core)だけは大幅に増えていきます。なぜなら、半導体製造プロセスの微細化が進むことで空いた電力枠を1コアあたりの性能の高さにつぎ込むのが高性能Coreで、空いた電力枠をコア数の増加につぎ込むのが高効率Core(E-Core)だからです。

そして高性能Core(P-Core)と高効率Core(E-Core)では、それぞれ異なるマイクロアーキテクチャが採用されたことが非対称性(asymmetricity)たる所以です。

高性能Core(P-Core)ではIntel Core系のGolden Coveマイクロアーキテクチャが採用され、高効率Core(E-Core)ではAtom系のGracemontマイクロアーキテクチャが採用されました。

この「Performance Core(Golden Cove):P-Core+Efficient Core(Gracemont):E-Core」のハイブリッド構成が非対称型プロセッサとしてのAlder Lakeを特徴づけています。

一方で、他社製品のAMD Ryzenは対象型(symmetric)プロセッサです。Ryzenは単にコア数だけを愚直に増やしただけでありハイブリッド構成ではありません。

非対称型の例として有名なのは汎用コアとしてのCPUと、GPU(グラフィックボード)をコプロセッサとして用いてHash値を計算する暗号資産マイニングです。しかしGPUは特定目的(special purpose)プロセッサであり、特定目的プロセッサは汎用プロセッサではありません。また、GPUのコアはOSからみたスケジューリング対象になりません。

Alder Lakeは非対称型でありつつも、高性能Core(P-Core),高効率Core(E-Core)いずれも汎用コアであり且つ、OSからスケジューリングの対象になるホストプロセッサであることが第12世代Intel Core(Alder Lake)プロセッサの新規性です。

第12世代Intel Core(Alder Lake)プロセッサの特徴と推奨構成

2021年度発売の第12世代Intel Core(Alder Lake)は、2015年度に発売された第6世代Intel Core(Skylake)以来のフルモデルチェンジです。

第11世代Intel Core(Rocket Lake)ではWillow Cove(Cypress Cove)マイクロアーキテクチャが採用されたため、第10世代Intel Core(Comet Lake)までのSkylakeマイクロアーキテクチャから大きく変更されましたがそれでも第11世代Intel Coreはビッグマイナーチェンジに留まっていました。

第12世代Intel Core(Alder Lake)はマイクロアーキテクチャの刷新のみならず、半導体製造プロセスが従来のIntel 14nmプロセスからIntel 7(10nm Enhanced SuperFin)に変更されたのがフルモデルチェンジに該当する理由です。Intelの10nmプロセスは競合他社のTSMCやSamsungの7nm相当するためIntel 7という呼称が採用されました。

これらの抜本的刷新により、第12世代Intel Core(Alder Lake)では様々な新規性が存在します。ここではそれらを列挙していきます。これらは第12世代Intel Core搭載パソコンを購入する際や、PCパーツを集め組立てる「いわゆるPC自作」をする上で留意すべき部分です。

メモリ(RAM)がDDR5規格対応 ただしDDR5メモリの流通量が少ないのでDDR4が無難

第12世代Intel Core(Alder Lake)ではDDR5メモリに対応しました。コンピュータアーキテクチャ分野では「メモリ(主記憶)アクセスのレイテンシがCPU性能のボトルネック」になっていることは常識です。CPUはパイプラインで命令実行しているため1クロックサイクルあたりで1命令が完了します。しかも命令レベル並列処理をしているので1クロックサイクルあたりの命令実行数は1を超えています。

ただしそれはメモリ階層(L1,L2,L3キャッシュ+RAM)からデータが滞りなくリードできている場合です。Load命令実行時にL1キャッシュにヒットすれば良いですが、L3キャッシュまで行くと20サイクル台待たされ、L3キャッシュミスになると実に200~300サイクルほど待たされます。この遅延の大きさは以前から殆ど改善していません。メモリは大容量化とスループット向上はしても、低レイテンシ化は殆ど進みませんでした。

DDR5はこのレイテンシによるボトルネックを低減させる手段の一つです。DDR5ではスループットの向上は当然ですがレイテンシ時間の削減も図られました。

第12世代Intel Core(Alder Lake)では以下のように、デスクトップ向けのDDR5-4800と、モバイル向けの低電圧LP5-5200が追加対応しています。

当然ながら従来のDDR4-3200にも対応しています。第12世代Intel Core(Alder Lake)発売当初はこのDDR4-3200が現実的な選択肢でしょう。実際に第12世代Intel Core用として見越してこの規格のメモリが品薄になっています。

ソケット形状が変更され端子数1200pinから1700pinのLGA1700に 面積20%増

今回の第12世代Intel Core(Alder Lake-S)ではLGA1700というソケットが採用されました。上画像の右側のCPUがそれに該当します。

これまでIntel製CPUは初代(第1世代)Intel Coreからずっと同じサイズのソケットを採用していました。上画像のLGA115Xがそれに該当します。一辺が37.5mmの正方形です。第10世代(Comet Lake)と第11世代(Rocket Lake)ではLGA1200であり115Xフォーマットの数値ではありませんでしたが、外形サイズは同じでした。

“LGA”の後ろの数字はpinコネクタの本数を指します。以下の画像の左側のLGA1151はpin数1151本、右側のLGA1700はpin数1700本です。

第12世代Intel Coreで採用されたLGA1700は37.5mm×45.0mmの長方形となりました。45/37.5=1.2であるため、面積にして20%増えていることになります。この20%の面積増加は冷却において有利です。なぜなら熱流束は熱が通過する断面積に正比例するためです。

CPUクーラーの互換性:Noctua製CPUクーラーはLGA1700互換マウンタを使えば過去発売された製品を使い回せる

ソケット形状が変更されたのでCPUクーラー側も対応が必要になります。

ただ問題はそこまで多くなく、過去発売されてきた殆どのCPUクーラーはベースプレートが45mm×45mm以上の面積を有しています。そのため単にマウンタ(取付金具)さえ取り替えればCPUクーラー本体は既に発売されきたきた製品を使えます。

例としてNoctua製では既にLGA1700に対応する、以下の画像のようなマウンタキットがリリースされています。

既に発売されてきたNoctua製CPUクーラーでもLGA1700に対応できます。今後出荷する既存のCPUクーラーにはマウンタが標準で同封されるようです。既に購入後でも、購入を証明するファイルを添付すればNoctua社から無償で送ってもらえます。

つまりCPUクーラーに関してはLGA1700では全く問題になりません。それどころかCPUクーラーのベースプレートの広い面積をLGA1700で有効活用できるようになりました。なぜならCPUの熱をヒートシンクに効率的に伝えるためには接地面積の大きさが重要だからです。

熱流束は断面積(CPUとベースプレートの接地面積)に比例

熱流束は熱が通過する物質の面積が大きければ大きいほど有利です。これは直感的にもイメージしやすいでしょう。

熱流束はCPUとベースプレート間の距離に反比例

熱流束は通過する物質の距離に反比例して低下します。つまりCPUクーラーのベースプレートとCPU間はできるだけ圧着する必要があります。できるだけグリスを均一にし圧着しても、CPUクーラーのベースプレートとCPU間の距離はせいぜい0.02mm程度まで狭めるのが限界だとされています。これをさらに狭くするのは困難です。

熱流束はグリスの熱伝導率に比例

熱流束は熱が通過する物質の熱伝導率に比例します。これはすなわちグリスの熱伝導率を高めたほうがCPUを冷却する上で有利であることを示しています。しかし熱伝導率を20%も引き上げるのは困難であり、熱伝導率の高さを謳っているグリスほど経年劣化が著しいのも事実です。しかも売られているグリスの熱伝導率は公称値であり結構デタラメです。Noctua製のグリスはあえて熱伝導率を公称していませんが、それは「他社のグリスの熱伝導率がデタラメであり弊社のグリスの熱伝導率を公表することに意味がない」とNoctua公式サイトで解説しています。

以上のことから、CPUの冷却効率を上げるにはCPUの接地面積を増やすのが最も簡単であり、まだまだ面積を大きくする余地があります(今後もスケールが期待できる)。例えばXeon-W 3300はTDP270Wもありますが、NH-U14Sという空冷式CPUクーラーで十分冷やせてしまいます。それはXeon-W 3300で採用されたLGA4189は接地面積が5cm×7cmもあり十分に広いからです。

シングルスレッド性能において第12世代Intel Core(Alder Lake)が第4世代Ryzen5000シリーズ(Vermeer)に対し圧勝

この結果は当然のごとく想定していた人が多いでしょう。シングル性能ではIntel Coreに勝てないことはAMD愛好家も認めており、最初からシングル性能ではIntel Coreに勝てないと思っておいたほうがショックが少ないため「シングル性能はIntel Core相手にRyzenが勝てなくても仕方ない」と精神衛生上予防線を張っているAMD愛好家が多いです。

本来ならば、2021年度に発売された第12世代Intel Core(Alder Lake-S)と比較すべきは同じ2021年度に発売される第5世代Ryzenです。第5世代Ryzenは年明けの2022年に発売されますが、たとえ発売日を遅らせたところで第12世代Intel Coreに対し敗北することが既に約束されています。

まとめ:マルチスレッド性能においては低消費電力コア(Atom)採用のIntel Coreが、高消費電力コアのみの第4世代Ryzen 9 5950Xと同等 Atomでも十分Ryzenに勝てるとIntelから舐められてしまったAMD

面白いのはマルチスレッド性能です。マルチスレッド性能を計測するいわゆるベンチマークとしてはCinebenchが有名ですが、このCinebenchは実際的な用途においてまず登場しない非現実的な計算を回すだけであるため、パソコンの実用上では無意味なベンチマークです。ただこのベンチマークは多コア主義のAMD Ryzenではとても有利な結果が出るため、AMDユーザが非常に好むベンチマークです。

しかし、今回の第12世代Intel Core(Alder Lake)の登場で、Ryzenが得意とする机上の空論ベンチマークCinebenchでもRyzenの地位が危うくなってきました。

Intel第12世代Alder Lakeの「高消費電力Core×8コア+低消費電力Core(Atom)×8コア」と第4世代Ryzen 9 5950Xの「高消費電力Core×16」のマルチスレッド性能が同等です。

これが何を意味するかと言うと、第12世代Intel Coreにおいて低消費電力なAtomを使わない高消費電力Core×16相手だとRyzen 9 5950Xがマルチスレッド性能でも完全に敗北するということです。

つまり、Intelからすると「マルチスレッド性能でRyzenに対抗するには高消費電力な高性能Core(P-Core)を増やすまでもなくAtomを8コア追加すれば十分」と判断したことになり、AMDが舐められてるということになります。

今回の第12世代Intel Coreの特徴は低消費電力なAtomシリーズ(Gracemontマイクロアーキテクチャ)を「高効率コア(E-Core)」として混在させたことなので、マルチスレッド性能を高めるには低消費電力なAtomで十分だとIntelが判断したことになります。

さらに言えば、このAtom Gracemontマイクロアーキテクチャは1コア1スレッドであり、同時マルチスレッディング(ハイパースレッディング)に対応していません。

同時マルチスレッディングに対応していないAtomが、同時マルチスレッディングに対応している第4世代Ryzen5000シリーズのRyzen 9 5950Xと同等の時点で、マルチスレッド性能においても第12世代Intel Coreに対して第4世代Ryzen5000シリーズ(Ryzen 9 5950X等)がいかに劣っているかがよくわかるでしょう。