【2022年最新版】おすすめハイエンドデスクトップCPUのベンチマーク性能比較 HEDTエンスージアスト向けIntel Core-X, AMD Ryzen Threadripperプロセッサを評価

通常のデスクトップPC向けのIntel CoreとXeonの間に位置するハイエンドデスクトップ・エンスージアスト向けCPUを当記事でランキング評価しています。

具体的にはIntel Core-Xシリーズが該当します。

AMDの場合はRyzen Threadripperが該当しますが、Ryzen Threadripperは通常デスクトップ向けのRyzenシリーズとSIMD演算性能が同じであるためメモリチャネル数以外に差がありません。

一方でIntel Core-Xの場合、通常デスクトップ向けのIntel Coreよりもハイエンドデスクトップ向けのIntel Core-Xでは2倍のSIMD演算性能があります。

ハイエンドデスクトップ・エンスージアスト向けCPUは、通常デスクトップIntel CoreとXeonワークステーションの中間に位置する

今回掲載するハイエンドデスクトップ向けCPUの位置づけとしては、故障検知が付いていて企業や行政機関が業務用として使うような高信頼性を確保できて且つコア数が多いXeonプロセッサほどまでは必要ないけれども、普通のデスクトッププロセッサよりは高い演算性能が欲しいときに選択します。

Intel Core i9-X, Intel Core i7-X、AMD Ryzen Threadripperが該当

ハイエンドデスクトップ向けのCPUとしては、コードネームがCascade Lake-X, Skylake-X, Kaby Lake-X、Broadwell-Eなどの”X”や”E”が末尾文字(suffix)になっているプロセッサが該当します。

内蔵グラフィクスを搭載している通常のデスクトップ向けCPUのコードネームはComet Lake-S, Coffee Lake Refresh-S, Coffee Lake-S, Kaby Lake-S, Skylake-Sのように末尾文字”S”のモデルですが、末尾文字が”X”のものは内蔵グラフィクスを搭載していない代わりに演算器数やコア数が多いです。

またハイエンドデスクトップ向けCPUはメモリチャネル数も4チャネル以上ある上に、キャッシュの連想度も上がっておりキャッシュ機構が強化されています。AMDだとRyzen Threadripperが該当します。

Xeonのような故障検知は不要だが高い演算性能が必要な場合に選択

Xeonは企業や官公庁のサーバー用途で採用されることの多いCPUです。例えば証券会社の約定システムは取引時間中に停止することが許されない分野です。Xeonでは高い信頼性が必要とされる分野で使われます。

一方で、ハイエンドデスクトップ向けのCPUは信頼性よりも性能重視です。車で言えば、安全性を重視したRolls-RoyceやMercedesがXeonに相当し、高性能(加速性能・最高速度性能)を追求したPorscheがハイエンドデスクトップ向けCPUに相当する位置づけです。

Intel Core-Xのようなハイエンドデスクトップ向けCPUは、いわゆるサーバーとして用いる用途には向いていません。Intel Core-Xはあくまでも手元に置くデスクトップPC用のCPUであり、ラックサーバーやブレードサーバーで使うものではありません。

Xeonより動作周波数が高く、コア数は通常デスクトップ用Coreより多い

Xeonプロセッサはコア数こそ多いものの、1コアあたりの性能は大したことがありません。ウェブサーバーでは1つ1つのリクエストの処理は軽いですし、企業のバッチ処理でも時間をかけて多数のジョブを回すため、1コアあたりの性能は低くても問題ありません。そのかわり独立した多数のタスクを。高い信頼性で処理する必要があります。

サーバー用途の特徴は、大量のタスク(プロセスまたはプロセス内のスレッド)を各コアに割り当てるものです。サーバーで処理する各プロセスは軽く、ウェブサーバーのリクエストの場合、長くても数秒あれば1つのスレッドの処理が完了します。早い場合は0.1秒もかからないでしょう。

一度に多数のジョブを回すのは企業の実務に多く、加えて企業・官公庁は高い信頼性を必要とする業務を抱えていることが多いため、Xeonを選択します。

一方でハイエンドデスクトップ向けCPUは、多数の軽いタスクを大量に処理する目的で使うものではありません。どちらかというと、1コアあたりの性能を高く確保しつつコア数も増やすという用途で使われます。

原則として内蔵グラフィックスは非搭載

通常デスクトップ向けのIntel Core-SシリーズのCore i7 ,Core i5 ,Core i3と比較して、このハイエンド向けIntel Core-XシリーズのCore i9-X, Core i7-XやAMD Threadripperのデメリットとしてはグラフィクス機能がCPUに内蔵されていないことです。画面を映すには別途グラフィックボードを購入して用意することが必須です。

AMD Ryzen Threadripperはマルチダイ構成のためメモリ・レイテンシ(遅延)が大きく、メモリアクセス時間がボトルネックになり性能低下

後のベンチマーク性能結果を見るとわかりますが、AMD Ryzen ThreadripperはIntel Core-Xよりも遅いです。Ryzenの遅さの要因はメモリアクセスのボトルネックにあります。

Ryzen Threadripperのみならず通常デスクトップ向けのRyzenシリーズでも同様ですが、AMD Ryzenのマイクロアーキテクチャではメモリ階層(L1,L2,L3キャッシュ+RAM)が貧弱であり、メモリアクセス・レイテンシ(遅延)が大きすぎます。

メモリの速度指標にはスループットとレイテンシがあります。インターネット回線の速度に例えると、スループットは10Gbpsのような帯域幅を指し、レイテンシはPing値を指します。

Ryzenは帯域幅は大きいのですがレイテンシが非常に悪く、メモリからCPUまでデータを持ってくるまでの時間が長くかかってしまい、その間パイプラインが停止(ストール)してしまうため実行速度が遅いです。

なぜAMD Ryzenのメモリアクセスはレイテンシが大きいかというと、Intel Core-Xでは全てのコアを1枚のチップに収めるシングルダイ構成ですが、AMD Ryzenの場合は少ないコア数のチップを2枚~4枚集めてコア数を増やすマルチダイ構成になっているためです。複数のチップ構成になっているとチップ間の通信オーバーヘッド(レイテンシ)が大きいため、たとえキャッシュにヒットするとしてもメモリアクセス時間が長くなります。

加えてAMD Ryzenで問題なのは、1チップ内部でもCCXという4コア単位で分割されてしまっていることです。RyzenではCCX単位でL3共有キャッシュを持っており、同じチップ上のコアであっても別のCCXに所属するコア同士ではL3キャッシュを共有できず、他のL3キャッシュまでわざわざデータを取りにいかなければなりません。当然ながらIntel Coreでは1つのチップ上のL3キャッシュは全てのコアから完全に共有されています。

このAMD Ryzenのマイクロアーキテクチャの欠点を補うために第3世代RyzenのZen2マイクロアーキテクチャではキャッシュサイズを増やす方策が採られましたが、CCX4コアごとにL3キャッシュが存在する問題点は手つかずで改善されておらず、さらに第2世代Ryzen Threadripperと同じくマルチダイ構成が採られたのでメモリアクセスのレイテンシがボトルネックになっている事態は変わっていません。

Intel Core-XではFMA演算器を使ったSIMD演算性能が高い

Intel Core-Xシリーズは深層学習(ディープラーニング)のような16bit浮動小数点演算の4×4行列畳込み演算を単サイクルで処理したり、倍精度浮動小数点の行列演算を多様する金融分析などの分野でおすすめです。

深層学習をコプロセッサ(GPUなど)を用いて処理するのはプログラミングが面倒になります。できればホストプロセッサ(OSを起動できOSが認識し管理するCPU)で計算処理できるに越したことはありません。そのような場合にこのハイエンドデスクトップ向けCPUは便利です。故障検知などの信頼性よりもとにかく演算性能を高めたいときにおすすめです。

1位: Core i9 9980XE Extreme Edition

2018年11月発売。18コア36スレッドであり、2017年に発売された1世代前のCore i9 7980XE(2.6GHz~4.4GHz)の動作周波数を向上させたプロセッサです。TDPは165Wで同じです。TDPが同じでも動作周波数が向上したのは半導体製造技術の向上で歩留まりが改善したためです。動作周波数は3.0GHz~4.5GHzです。1世代前のCore i9 7980XEと比較して、Core i9 9980XEでは基本動作周波数が0.4GHz、最大動作周波数が0.1GHz向上しています。1世代前のCore i9 7980XEと比較して、Core i9 9980XEは+15%の性能向上です。

18コアのうち17コアに負荷がかかっていたとしても、少なくとも1コアをかならず4.5GHzで動作させることができます。このプロセッサで対応しているTurbo Boost Max Technology3.0は最大動作周波数(このプロセッサの場合は4.5GHz)で動作するコアが少なくとも1コア存在することを「保証」しています。努力目標(best-effort)ではなく保証(guarantee)であることが、best-effortどまりだったTurbo Boost 2.0と異なるところです。

L3共有キャッシュは24.75MBで1コアあたり1.375MBあります。これは1世代前のCore i9 7980XEから変更ありません。

変更点としては第9世代デスクトップ向けCoffee Lake-S Refreshと同様で、Thermal Interface Materialが以前のグリスからソルダリング(ハンダ付け)に変更されていることです。Intelプロセッサはもとから発熱量(消費電力)あたりの性能はAMD Ryzen Threadripperより優れていますが、今回ソルダリング仕様になったことで冷却でも有利になっています。

ただ最大動作周波数が4.5GHzであることからゲーム用には不向きです。ゲーム用なら最大動作周波数が5.0GHzあるCore i9 9900KかCore i7 8086Kのほうが最適です。

2位: Core i9 9960X

2018年11月発売。このCore i9 9960Xは16コア32スレッドのプロセッサです。1世代前2017年発売のCore i9 7960X(2.8GHz~4.4GHz)から動作周波数を引き上げたものです。L3共有キャッシュの容量は22MB、1コアあたりのキャッシュサイズは1.375MBであり1世代前と同じです。

このCore i9 9960Xは基本動作周波数3.1GHz、最大動作周波数が4.5GHzであり、1世代前のCore i9 7960Xと比較して基本動作周波数は0.3GHz、最大動作周波数は0.1GHz増加しています。性能はCore i9 7960Xと比較してCore i9 9960Xでは+10%の性能向上です。

TDPも1世代前と同じ165Wであり、発熱量を維持しながら動作周波数を向上させたプロセッサになっています。冷却面では有利になっており、以前の熱伝導グリスに代わってSolder(ハンダ)のThermal Interface Materialを採用しています。

3位: Core i9 9940X

2018年11月発売。Core i9 9940Xも1世代前のCore i9 7940Xと同じで14コア28スレッドです。キャッシュサイズも19.25MB、TDPも165Wを維持しています。

向上したのは動作周波数です。このCore i9 9940X(3.3GHz~4.5GHz)は1世代前のCore i9 7940X(3.1GHz~4.4GHz)と比較して、基本動作周波数は0.2GHz、最大動作周波数は0.1GHz上昇しており+6%ほど性能向上しています。Thermal Interface Materialが熱伝導グリスからソルダリングに変更されている点も他モデルと同様です。

4位: Core i9 9920X

2018年11月発売。12コア24スレッドです。このCore i9 9920Xは、今回発売された第9世代Core-Xプロセッサの中で、1世代前と比較して最も性能向上したプロセッサであり、さらに価格あたりの性能でみても最もメリットの大きいプロセッサになっています。

まずこのCore i9 9920XはTDPが165Wであり、1世代前のCore i9 7920Xの140Wから25Wも増加しています。この発熱量(消費電力量)の許容値の増加が性能の向上に直結しています。

このCore i9 9920Xより上位の9980XE,9960X,9940Xは1世代前とTDPもL3共有キャッシュサイズも同じであり変更がありませんでした。しかしこのCore i9 9920XはTDPもキャッシュサイズも変更されており、さらに動作周波数の向上率も非常に高いものになっています。

このCore i9 9920XのL3共有キャッシュサイズは19.25MBであり、1世代前の16.5MBから大きく向上しています。Core i9 9920Xの1コアあたりキャッシュサイズは1.6MBであり、上位モデルのCore i9 9980XEの1.375MBよりも大きくなっています。1世代前のCore i9 7920Xの1コアあたりキャッシュサイズは1.375MBなのでやはり大きくなっています。

決定的に大きな差となっているのが動作周波数です。Core i9 9920X(3.5GHz~4.5GHz)は1世代前のCore i9 7920X(2.9GHz~4.4GHz)と比較して、基本動作周波数は0.6GHzも上昇し最大動作周波数は0.1GHz上昇しており、+20%もCore i9 9920Xのほうが性能が向上しています。

このように動作周波数を大きく上昇させることができた要因はTDPが140Wから165Wに上昇したことです。これにより第2世代Ryzen Threadripper 2990WXよりも高い実効性能を有しています。

5位: Ryzen Threadripper 2990WX

2018年8月13日発売。第2世代Ryzen Treadripperのフラッグシップモデルで、32コア64スレッドのプロセッサです。動作周波数は3.0GHz~4.2GHzでTDPは250Wです。このフラッグシップモデルが第2世代Ryzen Threadripperの中で一番最初に発売されました。

さらにコア数を削減した24コアor12コアモデルは2018年10月発売であり、低性能なCPUほど後に出ます。

この2990WXは2950Xと本質的に同じチップです。2990WXも2950Xも4枚のダイ(ウェーハから切り取ったチップ)を搭載しています。4枚のダイをスター型ネットワーク(完全グラフ)で接続しています。

半導体ダイ上に少しでもエラーがあるとそのダイ上の半導体回路はすべて不合格品となるためダイ全体を無効化して電子回路として使えないようにします。

4枚のダイのうち2枚のみを有効化したものが2950Xです。さらに4枚すべてが合格品となり4枚すべてを有効化したものが2990WXです。

つまり2990WXとしては不合格だけど、2950Xとしては販売できるものはダイの有効化無効化操作によって製品化しています。

半導体チップ製造においては歩留まりの低さは価格の高さに直結するため、このようにダイが不合格品であっても無効化して性能を下げて販売することによって、不合格品の製造原価全てを合格品の製造原価に転嫁しなくても良いようにし、全体的な価格を下げています。

チップ上の4ダイのうち正常に動作しないダイが1~2あった場合は、そのうち2つを無効化してRyzen TR 2950X(2018年8月31日発売)として販売しています。不良のダイが1のみで3つ正常に動作するダイがあっても2つ無効化してあります。つまり正常に動作するダイも無効化している可能性があるのが2950Xです。

6位: Core i9 7960X

2017年10月25日発売。16コア搭載したIntel Skylake-Xプロセッサです。

このプロセッサは2017年に発売された第1世代Ryzen Threadripper 1950X(16コア)よりも高性能です。

同じ16コア同士のプロセッサで比較してCore i9 7960Xのほうが+12%も、Ryzen Threadripper 1950Xより上回っているということは、1コアあたりの性能がCore i9 7960Xのほうが上回っていることを意味します。同じ2017年に発売された同じ16コアでもRyzenがここまで引き離されているのはIntelにマイクロアーキテクチャの技術力で劣っているからです。

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7位: Ryzen Threadripper 2970WX

Ryzen Threadripper 2990WXから少し遅れて発売された24コアプロセッサです。

このプロセッサは下図の「CCX」あたり3コアとなっており、CCXが合計8基あるため計24コアとなっています。2970WXでは2990WXと同様にすべてのダイが有効化されています。2970WXのうち2つのダイを無効化し歩留まりを向上させたものがRyzen Threadripper 2920Xです。

結論から言うとこの24コアのRyzen Threadripper 2970WXは同じ2018年に発売された16コアCore i9 9960Xに負けています。

Ryzen特有の性質ですが、コア数が多い反面1コアあたりの性能を大きく犠牲にしているため、1コアあたりの性能が高いCore i9 9900Kに負けてしまっています。しかもRyzen Threadripper 2970WXはTDP250Wであり、Core i9 9900KはTDP95W。電力あたりの性能でも大きくRyzen Threadripperが負けています。さらにCore i9 9900Kは内蔵グラフィックス(iGPU)を搭載しているため、iGPUを搭載せず汎用コアにチップ面積を割いているRyzen Threadripperのように「グラボを挿さないと画面が映らない」といったことが起こりません。

性能がほぼ互角であるならピーキーなRyzen Threadripper 2970WXよりも、様々な用途で幅広く性能を発揮できるCore i9 9900Kがおすすめです。

8位: Core i9 9900X

2018年11月発売。10コア20スレッドのプロセッサであり、1世代前のCore i9 7900Xとコア数は同じです。しかしL3共有キャッシュサイズとTDPが大きくなっており高性能化が図られています。TDPが大きくなったことにより動作周波数も上昇しています。しかし基本動作周波数が少し上昇した程度で大きな性能向上は見られません。少し予算を積んで9920Xを選んだほうがいいです。

Core i9 9900X(3.5GHz~4.5GHz)は1世代前のCore i9 7900X(3.3GHz~4.5GHz)から基本動作周波数が0.2GHz上昇しました。最大動作周波数は変化なしです。つまりたった+6%しか1世代前のCore i9 7900Xから性能向上していないことになります。ただし、Core i9 9900XのTDPは165Wであり1世代前のCore i9 7900Xの140Wから上がっているため各コアは比較的高い動作周波数で稼働します。

L3共有キャッシュも大容量化されています。1世代前のCore i9 7900Xでは13.75MBでしたが、Core i9 9900Xでは19.25MBであり、上位モデルの9920Xや9940Xと同じL3キャッシュサイズです。1コアあたりのキャッシュサイズは、7900Xの1.375MBから9900Xの1.925MBまで増えて+40%も大容量化しています。

しかしこのプロセッサはあまりうまみのない選択肢です。少し予算を積んで9920Xにするか、そうでもなかったらiGPUが付属しているCore i9 9900Kのほうがおすすめです。

9位: Core i9 7980XE Extreme Edition

2017年10月25日発売のIntel Skylake-Xプロセッサです。18コアも搭載しているフラッグシップモデルですが基本動作周波数が2.6GHzしかないため、16コアで2.8GHzのCore i9 7960Xのほうが高性能です。

たった+1%ですがCore i9 7960Xが上回っています。

もしくはCore i9 9900Kのほうが高性能になる見込みなので9900Kのほうがいいでしょう。9900Kならオンボードグラフィクス(iGPU)も付属するので対費用効果も高いです。

10位: Core i9 9820X

2018年11月発売。このCore i9 9820Xは10コア20スレッドであり、1世代前のCore i9 78220Xの8コア16スレッドからコア数が増えました。そのかわり動作周波数は低下しているため、ゲーム用途には全く向かないプロセッサです。

動作周波数についてはCore i9 9820X(3.3GHz~4.2GHz)であり、1世代前のCore i9 7820X(3.6GHz~4.5GHz)と比較して基本動作周波数は0.3GHz低下、最大動作周波数も0.3GHz低下しています。これはコア数が増えたことによるもので、TDPは1世代前の7820Xの140Wから今回の9820Xの165Wまで余裕ができているものの動作周波数は下げざるを得なかったようです。

動作周波数が下がっているもののコア数が2コア増えたことによって、Core i9 9820XはCore i9 7820Xよりも+14%ほど性能向上しています。

しかしこれはCore i9 9900Kの3.6GHz~5.0GHzと比較して見劣りします。iGPU付属(グラボ無しでトリプルディスプレイ4K@60fps可能)な上にTDPも低いので9900Kのほうがおすすめです。

11位: Core i9 7940X

2017年10月25日発売。14コア搭載したIntel Skylake-Xプロセッサです。

この14コアのCore i9 7940Xは、同じ2017年に発売された16コアのRyzen Threadripper 1950Xよりも高性能です。

1コアの性能ではCore i9のほうが上であるために、14コアと2コア少ないにもかかわらず勝利しています。

12位: Ryzen Threadripper 2950X

2018年8月31日発売。動作クロック3.5~4.4GHz。先に発売されたRyzen Threadripper 2990WXと全くチップそのものは同じです。異なるのは、4つのダイのうち4つすべてが有効化されているか、4つのうち2つが無効化されているかどうかです。このRyzen Threadripper 2950Xは16コア32スレッドのCPUですが、この2950Xは第3世代Ryzen(Matisse)16コア32スレッドよりも高性能です。この2950Xは高価だと考えるのなら、第3世代Ryzen16コアがこの2950Xの劣化版なので、性能が低い第3世代Ryzen16コアが安く手に入ります。

4つのダイのうち2つ無効化されているものがこの2950Xです。なぜわざわざ無効化するのかといえば、4つのダイ全てが検査に合格するわけではないのでそのうち2つを無効化することによって歩留まりを向上させ、合格品を増やすことによって製造原価を引き下げて販売価格を安くできるからです。2990WXとしては販売できないものの、2950Xとしては販売できるものが選ばれています。

このRyzen Threadripper 2950Xは16コア32スレッドですが、同じ2018年に発売されたCore i9 9960Xというプロセッサに負けています。

このように+6%、Core i9 9960Xが勝利しています。

同じ16コア同士でも同じ2018年に発売されたCore i9にThreadripper 2950Xが負けてしまったのは、1コアあたりの性能を向上させる技術でAMDはIntelに大きく水を開けられているからです。1コアあたりの性能ではIntelに敵わないから、コア数をとにかく増やす方法で追いつこうとしたのがAMD Ryzenのコンセプトですが、このようにコア数が同じプロセッサ同士でIntelとAMDプロセッサを勝負させると毎回Intel Coreが勝ってしまいます。

さらに14コアのCore i9 9940XでもRyzen Threadripper 2950Xに勝ってしまっています。これもRyzen Threadripper 2950Xと同じ2018年発売のものです。

14コアのCore i9 9940XがRyzen Threadripper 2950Xよりも+4%高速です。コア数が14コアにもかかわらず、同じ2018年発売の16コアのRyzen Threadripper 2950Xが負けてしまっているのはRyzenの1コアあたりの性能が低いためです。

またこのRyzen Threadripper 2950Xは同じ2018年発売のCore i9 9900Kにも負けてしまっています。

16コアのRyzenが8コアのIntel Coreに負けてしまっているわけです。しかしこれは2017年発売第1世代Ryzen 7 1800Xの8コアが、2017年発売6コアIntel Core i7 8700Kに負けていたことからすると自然な帰結です。

13位: Core i9 7920X

2017年9月発売。12コアの第7世代Skylake-Xプロセッサです。

このプロセッサは12コアにコア数を抑えることで2.9GHzの基本動作周波数を実現しています。これは2018年10月発売の第2世代Ryzen Threadripper 2920Xの3.5GHzに比べると低い動作周波数ですが、Coreプロセッサはマイクロアーキテクチャが優秀なため1コアあたりの性能でRyzen Threadripper 2920Xを上回っています。さらに双方とも同じ12コアプロセッサなので、スレッドレベル並列性があるアプリケーションを利用するかどうかは関係なく、ありとあらゆるアプリケーションに対してもCore i9 7920XのほうがRyzen TR 2920Xより高性能になります。

14位: Core i9 7900X

2017年6月発売。第7世代Skylake-Xの10コア版です。動作周波数は3.3GHz~4.3GHz~4.5GHzとなっており、10コアの割には動作周波数が高くなっています。TDPも140Wと高めです。

比較対象は、2016年5月に発売された同じく10コアである第6世代Core i7 6950Xです。

6950Xの動作周波数は3.0GHz~3.5GHz~4.0GHzであることから、動作周波数が大幅に向上しています。

この7900XはRyzen Threadripper 1950Xの性能を大幅に超えています。

たった+6%と思うかもしれませんが、近年のCPU性能向上率が年率22%を下回っていることからするとほぼ同時の発売時期でこの差は大きいです。

15位: Core i7 9800X

2018年11月発売。8コア16スレッドです。このCore i7 9800XはCore i9 9900Kと選択に悩む対象になるでしょう。価格はほぼ同じであり、コア数も同じだからです。

動作周波数からみてみると、Core i7 9800Xは3.8GHz~4.5GHzで、Core i9 9900Kは3.6GHz~5.0GHzです。こうしてみると5.0GHzまで伸びる9900Kと、4.5GHzまでしか伸びないけれども基本動作周波数が3.8GHzある9800Xと一概に比較できそうにありませんが、様々な応用分野にまんべんなく対応できるプロセッサとしてはCore i7 9800Xのほうが性能が高いです。

1つ目の理由としてはTDP設計がCore i7 9800Xの165Wが、Core i9 9900Kの95Wより相当大きいところです。これはつまり8コアのうち高い動作周波数で稼働できるコア数がCore i7 9800Xのほうが多いことを意味しています。Core i9 9900Kの最大動作周波数5.0GHzというのは1コアか多くても2コア程度までしか5.0GHzを達成できません。その点、Core i7 9800Xは4.5GHz動作のコアを少なくとも4コア以上は作ることができます。

またキャッシュサイズの観点からもL3共有キャッシュの容量をみると、Core i7 9800Xの16.5MBはCore i9 9900Kの16MBより若干多いです。

次は反対にCore i7 9800XがCore i9 9900Kよりも劣っている点ですが、これはiGPUをCore i7 9800Xでは削っているためオンボードグラフィクス未搭載だという点です。これは別途グラボを用意するなら気にしなくていい点です。

さらにソケットの問題があります。Core i7 9800XはLGA2066であり、Core i9 9900Kは個人向けデスクトップ用プロセッサで採用される一般的なLGA1151ソケットです。対応するCPUクーラーの豊富さからみると後者のLGA1151のほうが有利です。

あとは購入者がどちらが多いかという観点でみると圧倒的に9900Kになるでしょう。購入者が多いということはウェブ上にナレッジが多く掲載されるということです。そういった情報のスケールメリットを考慮するとCore i9 9900Kのほうが無難です。

16位: Ryzen Threadripper 2920X

2018年10月発売。第2世代Ryzen Threadripperの12コア24スレッドモデルです。

このRyzen Threadripper 2920Xは、Ryzen Threadripper 2970WXのダイ4つのうち2つを無効化して歩留まりを良くし価格を下げたものです。下図のうちCCXあたり3コア搭載しているため、ダイ2つで合計4のCCXがあるためコア数は合計12コアです。

このCPUは第2世代Ryzen Threadripper発売より1年前の2017年9月に発売されたCore i9 7920Xに負けています。理由はCore i9 7920Xも12コア24スレッドのプロセッサであり、かつ1コアあたりの性能ではIntel Coreが上であるため全体としての性能もCore i9 7920Xが上回るからです。

それどころかCore-Xシリーズではなく、通常のデスクトップPC向けのCore-SシリーズのCore i7 9700Kにすら負けています。

このように10万円弱するRyzen Threadripper 2920Xよりも、5万円程度のCore i7 9700Kが+2%性能で勝っています。さらにRyzen Threadripper 2920Xには内蔵グラフィックス(iGPU)が搭載されておらずグラボ必須ですが、Core i7 9700Kには内蔵グラフィックスが搭載されています。アプリケーションの並列化が十分にされていないと性能を発揮できないピーキーなRyzen Threadripper 2920Xよりも、並列性がない世の中のほとんどのアプリケーションでも性能が発揮できる汎用的なCore i7 9700Kのほうが扱いやすく失敗がありません。

17位: Core i7 7820X

2017年7月発売。第7世代Skylake-Eの8コアCPUです。3.6GHz~4.3GHz~4.5GHzです。

第6世代Broadwell-Eで同じく8コアのCore i7 6900Kが比較対象です。6900Kの動作周波数は3.2GHz~3.7GHz~4.0GHzなので、7820Xの方が遥かに動作周波数が高くなっています。8コアになると1コアあたりの性能が低くなりがちですが、動作周波数を上げることによってそれを補っています。その分だけTDP140Wと消費電力が大きくなっています。

実はこのCPUは8コアでありながら、16コアのRyzen Threadripper 1950Xよりも+1%性能が高いです。

しかも価格はRyzen Threadripper 1950Xの約半額。Ryzen Threadripper 1950Xを超えるにはCore i9 7900XどころかCore i7 7820Xでも十分であることが判明したわけです。

18位: Ryzen Threadripper 1950X

2017年8月発売。16コア32スレッドのCPUです。TDPは180Wであり1920Xと同じです。

この1950Xの動作周波数が3.4GHz~4.0GHzであり、1920Xの動作周波数3.5GHz~4.0GHzよりもベースクロックが0.1GHz低くなっています。最大動作周波数は4.0GHzで同じ点は注意しておくべきところです。これは後述します。

これはコア数を12コアから16コアに増やす上でコア一つあたりの動作周波数を下げないと電圧が下げられず消費電力を下げられないからです。

1920Xよりもコア数が増えていて最大動作周波数が4.0GHzのままでは普通なら消費電力が増えていしまいます。しかしTDPは180Wで同じです。

これが意味するところは、16コアのうち同時に4.0GHzの動作周波数で動かすことのできるコア数はそこまで多くないということです。12コア版の1920Xでさえも12コアすべてを4.0GHzで動かすことはできません。これは16コア版の1950Xも同じだということです。

さらに言えば、最大の4.0GHz動作周波数で動かせるコア数は12コア版の方が多いと考えられます。1コアあたりの動作周波数の高さに期待するなら12コア版の方が良さそうです。

第2点目として1950Xと1920Xの大きな違いがあります。キャッシュサイズです。

最もペナルティコストが大きいL3キャッシュは32MBで1950Xでも1920Xでも同じです。

違うのはL1とL2キャッシュであり、コア数が16コアと多い1950XのL1キャッシュは1.5MBであり、12コアの1920Xの1.125MBのほうが少なくなっています。L2キャッシュも同様で、1950Xは8MB、1920Xが6MBになっており1950Xの方が大きくなっています。

L1キャッシュのヒット率はCPU性能に直結します。最近のCPUのボトルネックはメモリアクセスコストにあるため、L1キャッシュを手厚くしてL1キャッシュヒット率を高めることがキャッシュミスペナルティを下げるために重要だからです。

メモリアクセスが頻繁になく、一度レジスタにデータを持ってきたらレジスタに対する演算操作で完結するようなアプリケーション(アルゴリズム)なら1920Xでもいいでしょうが、メモリアクセスを頻繁にするような用途ではL1キャッシュが大きい1950Xの方が有利です。L3キャッシュサイズが1950Xでも1920Xでも同じなので、メモリアクセスが多いアプリケーションだとなおさらL1キャッシュの容量が性能に効いてきます。

Intelプロセッサとのベンチマーク比較ですが、7820Xとほぼ同性能です。少しIntel Core i7 7820Xの方が性能が高いです。

さらに1950Xに差をつけたいならCore i9 7900Xがおすすめです。性能はRyzen 1950Xよりも+6%高くなります。

動作周波数がAMD RyzenとIntel Coreで同じなら当然Intelの方が高性能になることが多いですが、動作周波数の時点でもIntel Coreの方が上回っているのでIntel Coreが勝つのも当然だったというところでしょう。

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AMD
¥26,400(2022/12/01 04:51時点)

19位: Core i7 6950X Extreme Edition

型番Core i7-6950X (第6世代Intel)
コア数10コア20スレッド
基本動作周波数3.0GHz
最大動作周波数4.0GHz
全コア同時最大周波数3.5GHz
発売日2016年5月
セキュアブート非対応
vProテクノロジ非対応
同時マルチスレッディング有効
定格外オーバークロック対応
TDP(≒消費電力)140W
L1キャッシュ640KB
L2キャッシュ2.5MB
L3キャッシュ25MB
最大メモリサイズ128GB
メモリタイプDDR4-2400
メモリチャネル4
メモリ帯域幅76.8GB毎秒
コードネームBroadwell-E
コンピュータの形態デスクトップ
グラフィクス(iGPU)非搭載
iGPU最大画面数0
iGPU最大ビデオメモリ0GB
iGPU基本周波数0Hz
iGPU最大周波数0Hz
iGPU EU数0基
iGPU単精度コア数0個
iGPU単精度性能0 FLOPS
ソケットLGA 2011-v3
アーキテクチャBroadwell
プロセスルールIntel14nm
SIMD拡張命令Intel AVX2, SSE
SIMD演算器256bit FMA×2
SIMD倍精度演算性能16 FLOPs/cycle
AI(深層学習)拡張命令非搭載

Broadwell-Eシリーズで最高峰と位置づけられるものです。10コアCPUであり2016年5月発売です。とはいっても何をもって最高峰かは使い手によって異なります。

動作周波数は3.0GHz~3.5GHz~4.0GHzです。

このCPUはIntel Core第5世代のプロセッサですがハイエンド向けであるため、第6世代のCore i7 7700Kを打ち負かしているCPUです。

このように6950Xは7700Kよりも+3%ほど性能が高いです。

第2世代のXeon Phi(Knights Landing)やXeon E5 v4などを除けば、この6950Kは同時期のCPUでは最も高速なCPUです。そして7700Kはその次で第2位です。

しかし2017年5月にはコードネームSkylake-Xの第6世代Intel Core-Xプロセッサ7960Xが発売されました。7700Kは勿論、6950XもSkylake-Xに完全に追い抜かれて大きく順位を下げています。

重いソフトウェアを同時に何十個と動かしたり、動画エンコードをひたすらやる場合にはこの6950Xは最適です。

ですがVisualStudioでプログラミングをするときにこのCPUはあまりいいとは言えません。やはり1コアあたりの性能が高いほうがプログラミング+ビルド(コンパイル)+デバッグをするストレスが無いので、そういったときは1コアあたりの性能が高い7700Kの方がいいです。

Word文書を編集したりブラウザでネットを見るためだけに使うなど、なにか1つの作業に集中する使い方ならCore i7 7700Kの方が快適に感じるでしょう。

このCPUはキャッシュが25MBと非常に大きいので、キャッシュに載るようなデータサイズの行列に対してひたすら数値計算をするような使い方、たとえば収束するまで繰り返し演算が必要な一般化最小二乗法や、グラフ探索、モンテカルロシミュレーションをやるときには高い効果を発揮します。

Xeonのようにメモリエラー検知・訂正機能が不要なら、10コアのXeonE5を買うよりもこのCore i7を買ったほうが高性能です。ただし最大メモリサイズはこのCPUが128GBなのに対して、XeonE5v4は1.54TBと圧倒的に大容量なので、非常に大きな行列を扱う用途ではXeonのほうが優秀です。

Youtubeの動画投稿のために一時的にキャプチャした非圧縮動画をメモリ上に置いておくくらいなら128GBもあれば十分なのでCore i7-XでOKでしょう。

20位: Core i7 7740X

第7世代Kaby Lake-Xプロセッサです。基本的には7700Kに毛が生えた程度の性能です。

CPUとメモリ間の接続は2チャネルですし、キャッシュは8MB、PCI-Expressレーン数は16と、7700Kとスペックはほとんど同じです。

違いは、7740Xの動作周波数が4.3GHz~4.5GHzとなっており、7700Kの4.2GHz~4.5GHzよりも若干上がっているということです。

また7740Xのデメリットとしてオンボードグラフィックスが付いていません。

 

7740XはTDP112Wであり、TDP91Wである7700Kよりも消費電力が大幅に上昇しています。これは全コアを同時に4.5GHzにできることから消費電力が上昇しています。

7700Kは全てのコアが同時に4.5GHzになることはありません。TDP91Wではそのようなことはできず、一部のコアは4.2GHzのままで動かすしかないのです。

そこが7740Xとの違いです。

しかし、7740Xは中途半端な位置づけのプロセッサだと言えます。私はこのCPUをおすすめしません。

私としてはこれを買うくらいなら、価格が手頃なKaby Lake-S Core i7 7700Kか、次の世代のCoffee Lake-S Core i7 8700Kを買います。

オンボードグラフィックスが不要でさらに高性能をということだったら、6コアのSkylake-X Core i7 7800Xを購入します。

21位: Ryzen Threadripper 1920X

2017年8月発売。12コア24スレッドでTDP180Wという最近あまりみなくなった高消費電力CPUです。高消費電力の理由は高い動作周波数にあり、ベースクロックが3.5GHzで最大4.0GHzまで高くなります。しかし12コアすべてが同時に4.0GHzになるわけではありません。12コア全てを4.0GHzで動作させるとTDP180Wを余裕で超えてしまうのでできないわけです。

8コア16スレッドのRyzen 7 1800Xが、4コア8スレッドのCore i7 7700Kどころか4コア4スレッドのCore i5 7600Kにも負けていたことを考慮すると、12コア24スレッドのRyzen Threadripper 1920Xが10コア20スレッドのIntel Core i9 7900Xを超えるとは非常に考えにくいでしょう。

また当サイトのCPU記事で何度もしつこく記載していますが、マルチコアというのはアプリケーションに並列性がない限り全く高速化に貢献しません。並列性が少ないアプリケーションならコア数を少なくし1コアあたりの動作周波数を向上させたほうが実効性能が高くなり体感速度も上がります。使うアプリケーションの並列性の高さに自信があるのなら活躍するCPUだと言えるでしょう。

1950Xの項目で記載していますが、この1920Xの方がL1キャッシュサイズが大きいです。1.5MBあります。対して1950Xは1.125MBです。L1キャッシュサイズが大きい1920Xの方がL1キャッシュミス率を下げることができ、平均的なペナルティコストを下げることができます。L3キャッシュサイズは1950Xと同じなので、キャッシュという観点からみれば1950Xよりも1920Xのほうが優秀だと言えるでしょう。メモリアクセスが多いアプリケーションではこちらのほうが性能が出ると思われます。

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¥54,240(2022/12/01 10:43時点)

22位: Core i7 7800X

Skylake-Xシリーズで一番下のスペックであるCPUです。とはいってもこれは7700Kなどとは一線を画しています。

まずコア数は6コアあり、第6世代のCore i7 6850Kが比較対象になります。

7700Kのメモリ接続は2チャネルですが、この7800Xは4チャネルもあります。これはつまり、メモリのレイテンシは変わりませんがスループットは2倍になっていることを意味します。CPUメモリ間の遅さがボトルネックになっている現在のコンピュータ事情を勘案するとかなり大きなメリットです。

23位: Core i7 6900K

型番Core i7-6900K (第6世代Intel)
コア数8コア16スレッド
基本動作周波数3.2GHz
最大動作周波数4.0GHz
全コア同時最大周波数3.7GHz
発売日2016年5月
セキュアブート非対応
vProテクノロジ非対応
同時マルチスレッディング有効
定格外オーバークロック対応
TDP(≒消費電力)140W
L1キャッシュ512KB
L2キャッシュ2MB
L3キャッシュ20MB
最大メモリサイズ128GB
メモリタイプDDR4-2400
メモリチャネル4
メモリ帯域幅76.8GB毎秒
コードネームBroadwell-E
コンピュータの形態デスクトップ
グラフィクス(iGPU)非搭載
iGPU最大画面数0
iGPU最大ビデオメモリ0GB
iGPU基本周波数0Hz
iGPU最大周波数0Hz
iGPU EU数0基
iGPU単精度コア数0個
iGPU単精度性能0 FLOPS
ソケットLGA 2011-v3
アーキテクチャBroadwell
プロセスルールIntel14nm
SIMD拡張命令Intel AVX2, SSE
SIMD演算器256bit FMA×2
SIMD倍精度演算性能16 FLOPs/cycle
AI(深層学習)拡張命令非搭載

このCPUは第6世代のCPUであり2016年5月発売のものです。8コアプロセッサであり、動作周波数は3.2GHz~3.7GHz~4.0GHzです。

第6世代の6700Kが主流だった頃はこの6900Kが6700Kを大きく引き離して勝っていましたが、第7世代の7700Kが出ると6900Kは勝てなくなりました。

このようにたった1%ですが7700Kの方が性能が高くなっています。CPU価格に2倍以上の開きがあるのにもかかわらずです。

つまり7700Kが手に入る以上、今となっては7700Kを買ったほうが価格的にも性能的にも完全に得することになります。6900Kは10万円以上するのに対し7700Kは4万円前後です。この6900Kを買うくらいなら私は7700Kをおすすめします。

24位: Ryzen Threadripper 1900X

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AMD
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25位: Core i7 6850K

型番Core i7-6850K (第6世代Intel)
コア数6コア12スレッド
基本動作周波数3.6GHz
最大動作周波数4.0GHz
全コア同時最大周波数3.8GHz
発売日2016年5月
セキュアブート非対応
vProテクノロジ非対応
同時マルチスレッディング有効
定格外オーバークロック対応
TDP(≒消費電力)140W
L1キャッシュ384KB
L2キャッシュ1.5MB
L3キャッシュ15MB
最大メモリサイズ128GB
メモリタイプDDR4-2400
メモリチャネル4
メモリ帯域幅76.8GB毎秒
コードネームBroadwell-E
コンピュータの形態デスクトップ
グラフィクス(iGPU)非搭載
iGPU最大画面数0
iGPU最大ビデオメモリ0GB
iGPU基本周波数0Hz
iGPU最大周波数0Hz
iGPU EU数0基
iGPU単精度コア数0個
iGPU単精度性能0 FLOPS
ソケットLGA 2011-v3
アーキテクチャBroadwell
プロセスルールIntel14nm
SIMD拡張命令Intel AVX2, SSE
SIMD演算器256bit FMA×2
SIMD倍精度演算性能16 FLOPs/cycle
AI(深層学習)拡張命令非搭載

2016年5月に発売されたCPUで、Core i7 6800Kの高クロック版です。この6850Kのクロック倍率は36倍でありベースクロック3.6GHz。一方でこれより下位の6800Kのクロック倍率は34倍でありベースクロック3.4GHzです。違いはそれだけで、連想度を含めたキャッシュ機構は全く同じです。

6850KのBroadwell-Eは1世代前のBroadwellマイクロアーキテクチャ(Haswellベース)採用なので、Broadwell-Eの後継コードネームであるKaby Lake-XやSkylake-Xと大きな違いがあります。Broadwellというのは広い意味でのマイクロアーキテクチャ名称でありコードネームに近い概念です。元となっているのはHaswellマイクロアーキテクチャであり、このHaswellは狭い意味でのマイクロアーキテクチャを意味します。Kaby Lake-XやSkylake-Xはコードネーム(広い意味でのマイクロアーキテクチャ)なのですが、狭い意味でのアーキテクチャもSkylakeとなっておりHaswellから大きく進歩しています。

つまりこの6850KはHaswellベースであり、第7世代のKaby Lake-S(狭義のSkylake)マイクロアーキテクチャを採用したCore i7 7700Kが出てきたことによって1コアあたりの性能で負けてしまい、全体としての実効性能で負けることになってしまいました。

しかしBroadwell-Eでは4チャネルRAMに対応しており、7700Kでは2チャネル64GBまでなのと比較すると6850Kでは128GBまで対応しています。そのかわり128GBにするには1モジュールあたり32GBあるメモリを4モジュール買ってこなければなりません。

メモリを4モジュールに分けるのにはメリットがあります。7700Kではメモリを4枚挿しても同時に並列アクセスできるのは2枚までであり、メモリアクセス速度は高々2倍になる程度でした。

一方でこのBroadwell-Eは4チャネルアクセスに対応しているので、メモリモジュールを4枚差しすることによって4モジュールに同時(並列)にアクセスすることができます。これは7700Kよりメモリアクセススループット2倍になることを意味しておりかなり大きなメリットです。ただしスループットが増大するだけでレイテンシは短縮されないのでそこは注意。

後述しますが、メモリのレイテンシは年数とともに全く進歩していません。そこでこのように並列アクセスでスループットだけでも向上させなんとか体感速度を速めています。

6850KのデメリットとしてはこのCPUはオンボードグラフィクスがついていないので、必ずグラフィックボードを別に購入してくる必要があります。そうしないとディスプレイが映りません。

また前述したようにこのBroadwell-Eは狭義のHaswellマイクロアーキテクチャ採用です。次の世代のSkylakeマイクロアーキテクチャではSIMD演算命令としてAVX 512に対応しており、512bit FMAを2基も搭載しています。できればコードネームSkylake-X以降をおすすめします。

また最大消費電力を意味するTDPは140Wと大きいのでNoctuaのファンレスクーラーを持ってしてもファンレス可動はむりなのでファンは必須です。

26位: Core i7 6800K

型番Core i7-6800K (第6世代Intel)
コア数6コア12スレッド
基本動作周波数3.4GHz
最大動作周波数3.8GHz
全コア同時最大周波数3.6GHz
発売日2016年5月
セキュアブート非対応
vProテクノロジ非対応
同時マルチスレッディング有効
定格外オーバークロック対応
TDP(≒消費電力)140W
L1キャッシュ384KB
L2キャッシュ1.5MB
L3キャッシュ15MB
最大メモリサイズ128GB
メモリタイプDDR4-2400
メモリチャネル4
メモリ帯域幅76.8GB毎秒
コードネームBroadwell-E
コンピュータの形態デスクトップ
グラフィクス(iGPU)非搭載
iGPU最大画面数0
iGPU最大ビデオメモリ0GB
iGPU基本周波数0Hz
iGPU最大周波数0Hz
iGPU EU数0基
iGPU単精度コア数0個
iGPU単精度性能0 FLOPS
ソケットLGA 2011-v3
アーキテクチャBroadwell
プロセスルールIntel14nm
SIMD拡張命令Intel AVX2, SSE
SIMD演算器256bit FMA×2
SIMD倍精度演算性能16 FLOPs/cycle
AI(深層学習)拡張命令非搭載

6800Kは6コア12スレッドで、2016年5月に発売されたBroadwell-Eで最も低い性能のCPUですが、一応6700Kは上回っていたものの、第7世代の7700Kには追い抜かれることになりました。

このように+10%も7700Kが勝っています。また7700Kは内蔵グラフィクスを搭載しているため7700Kのほうが良い選択のように考えがちです。

しかしCore i7 6800Kには7700Kに存在しないメリットがあります。キャッシュの連想度です。L1とL2キャシュはそれぞれのCPUで1コアあたりのキャッシュ容量は同じです。ですが6800KのL2キャッシュの連想度は8であり8-wayセットアソシアティブキャッシュです。一方で7700KのL2キャッシュの連想度は4であり4-wayセットアソシアティブになっています。つまり6800KのL2キャッシュではL3キャッシュへのキャッシュアウトが発生する確率が低くなっておりキャッシュミスペナルティを減らす効果があります。L3キャッシュサイズが7700Kの2倍もあるのも6800Kのメリットです。

27位: AMD FX-8350

2012年に発売されたCPUです。今のAMDで言えばRyzen Threadripperに相当するCPUです。IntelだとBroadwell-EやSkylake-Xなどの、ハイエンド向けCPUに相当します。

しかしこのFX-8350は8コアもありながら、Intel Core i7,i5,i3どころかそれよりも下のPentiumシリーズにすら勝てていません。

Intel Pentium G4560がAMD FX-8350に+5%実効性能で勝利しています。しかもPentiumはIntel HD Graphics 610というオンボードグラフィックスがCPUチップに載っています。Excel操作やYoutube再生は勿論、マインクラフトレベルのゲームだったら余裕でできるほどの性能を持っているものです。消費電力もFX-8350はTDP125Wに対して、Pentium G4560はたった54Wです。合理的に判断するならばすべての点においてPentiumの圧勝です。