TOPIX連動型ETF6銘柄を定量的に比較

現在ETFは200銘柄を超えるまでになっており、米国リートやカバードコール戦略など今までは米国用の証券口座を開くか、非上場の証券投資信託を買うしか投資手段がなかったものが、片道0.1%程度の安い手数料で買えるようになっています。

ETFは投資戦略と投資資産の分離をはかるのに便利です。ETFは単純に投資資産へのアクセス手段として使えるわけです。カバードコール戦略は一つの投資戦略ですが、ストライクは5%上のように機械的に条件を設定しているので客観性が高いです。

上場してない投資信託というのは基本的に放置する目的で購入している人が多いと思います。頻繁に売買するのに投資信託は向きません。ブル・ベアのスイッチングが手数料無料で可能な投資信託ですら、ETFでレバレッジ型とインバース型を切り替えたほうが安上がりなのです。

一方でETFというのは自分の投資戦略をあわせて用いる可能性が出てきます。特にレバレッジ型は放置しておくと目減りしますから、こまめにマネーマーケットアカウントかインバースに切り替えることが必須です。

しかし、その投資戦略の手法として、移動平均、RSI、ボリンジャー、酒田罫線、一目といったいわゆるテクニカル分析を使うくらいなら、買ったものを放置しておいたほうが良いと思っています。

使うべきなのは、マーケットニュートラル、ロング・ショート(ロングバイアス、ショートバイアス)、ドルニュートラル、マネージド・フューチャーズといった個人投資家でもできるヘッジファンド投資戦略です。

これらのヘッジファンド戦略は相場の上下を予測せず、非効率的な価格の歪みをとらえて乖離を収益にする方法です。こういったものは空売りが出来ないと難しかったのですが、インバース型が出てきてくれたおかげで空売りせずともできるようになりました。これらは機械的な自動売買と親和的なので、日中自動取引させて放置できるのがメリットです。

特に、インバースETFが出てきたことにより、先物売りをせずともショートポジション(のようなもの)が取れるようになり、先物口座なしでマネージド・フューチャーズができるようになったのは大きいです。できればJPXにおいてはすみやかに総合取引所になり、原油から貴金属、各国の株式指数まで単一の口座で取引できるようにして欲しいものですが、それまではETFで事足ります。

ETFの中でもVIX先物に連動するETFの使い方がわからないという質問を多く受けるので、VIX連動型ETFにヘッジファンド戦略を適用した運用の一例を後々紹介していく予定です。

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恣意的な日経平均と客観的なTOPIX

TOPIXは時価総額を基準に重み付けして比率を決定しています。時価総額が大きい企業の方が比率は大きくなるわけですが、実際には浮動株という市場に出回っている株の分だけを時価総額としてみなしています。

例えば日本電信電話は財務大臣が32%、JTも財務大臣が32%握っているので、この30%近い株は市場に出まわっていません。今後政府が売却する可能性はありますが、蓋然性は極めて低いといえます。よってこの30%近い分の株は時価総額に含めません。

5位の日本電信電話は1.49%という比率より、本来の実力ではもう少し高い比率になります。

TOPIXが好ましいのは、比率トップであるトヨタ自動車でも5%を下回っていることです。これが日経平均株価になると、トップのファーストリテイリングだけで9%になります。日経平均株価は日本経済新聞社のさじ加減で比率が変わるので、客観性な指数ではありません。

国によっては特定の企業だけで時価総額の3割を占めるといういびつな市場もありますが、日本では幸いトヨタ自動車でも5%程度です。

さらに時価総額というのは企業の規模を表していないというところがポイントです。企業の規模は資産規模ではかられますが、それでいうと三菱UFJが圧倒的に1位です。三菱UFJは預金を預かっているのでその分の資産が膨大になります。しかし、預金というのは銀行からみたら負債なので、資産から負債をひいた純資産でいうと大したことはないのです。株というのは純資産の部分が持ち分ですから、単純に大企業がTOPIXの上位とは言えないところが重要です。

順位 銘柄名 比率
1 トヨタ自動車 4.55
2 三菱UFJフィナンシャル・グループ 2.66
3 三井住友フィナンシャルグループ 1.57
4 本田技研工業 1.57
5 日本電信電話 1.49
6 ソフトバンクグループ 1.48
7 みずほフィナンシャルグループ 1.46
8 JT 1.2
9 KDDI 1.2
10 セブン&アイ・ホールディングス 1.02

運用会社ごとにETFを比較

ETFは板の厚さが重要です。板が薄いと買いたいときに買えず、売りたいときに売れません。板の厚さをみるには売買代金を見れば良いです。売買高よりも売買代金を見ることが必要です。

また、当然シャープレシオやリスク量も見る必要があります。以下の表ではシャープレシオやリスク量に信託報酬を織り込み済みなので、基本的にはシャープレシオやリスク量だけ見ればOKです。

DIAMについては9月に上場したばかりなのでリスク量を算定するヒストリカルがまだ溜まっていない、ブラックロックについては10月上場なので売買代金はゼロといった状況なので、上場後の様子を見る必要があります。

注目すべきはブラックロックでしょう。信託報酬が0.06%で、さらに一定期間は0.025%で提供するようです。以下の表で分かる通り、信託報酬が低いほどリスク量は低くなっています。DIAMについては三菱UFJ国際投信と信託報酬が同じなのでリスク量もほぼ同じです。現時点だと売買代金では野村AMが一番ですが、野村と大和は横並びで信託報酬が高いので、信託報酬が野村AMより安く売買代金が2位の日興AMのTOPIXが今のところベストでしょう。

今後はブラックロックの売買代金がどこまで伸びるかが焦点です。ブラックロックの信託報酬はたったの2.5ベーシスなので、運用会社からほぼ利益の出ないボランティアレベルの手数料ですが、野村AMの売買代金を奪うためには一定期間だけでも手数料を下げる必要があったのでしょう。ブラックロックのTOPIXETFの売買代金がそれなりに大きくなれば、ベストはブラックロックになるでしょう。

コード 委託会社 売買代金 シャープレシオ リスク量 信託報酬
1305 大和証券投資信託委託 22,886,048,590 0.82 0.7773 0.110%
1306 野村セットマネジメント 144,700,699,370 0.82 0.7773 0.110%
1308 日興アセットマネジメント 42,993,527,340 0.82 0.7767 0.088%
1348 三菱UFJ国際投信 14,945,298,653 0.82 0.7767 0.078%
1473 DIAMアセットマネジメント 3,255,561,390 0.078%
1475 ブラックロック・ジャパン 0.025%