ラサール・グローバルREITファンド(毎月分配型)の評価

ラサールグローバルREITファンドは海外リートの中でも人気が高いものですが、その理由は分配金利回りが比較的高いことでしょう。

この投資信託より分配金が高いリートファンドとしては、楽天のトリプルエンジンなどのトリプルストラテジーのものがありますが、これらは以前紹介した「日本株アルファ・カルテット」と同じくカバードコール戦略を使ったデリバティブが組み込まれているものなので、リートの実力以上に分配金を多く見せかけているため単純比較はできません。

このラサールリートはデリバティブは使っていないので、カバードコール戦略を使ったものより分配金は少なめですが、これがリート本来の実力相応の分配金といえます。

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ダイワグローバルリートよりも米国の組み入れ比率が高い

海外リートのおおまかな分類は、米国のみか、それ以外の国も含めるか、の観点で行います。

以前ダイワ・グローバルREITファンドを紹介しました。

ダイワ・グローバルREIT・オープン(毎月分配型) の評価
今回は海外リートの投資信託について評価していきます。 海外リートは私が一番好きな投資対象でして、私自身も海外リートと国内リートは多数保...

ダイワ・グローバルREITファンドでは、米国の比率が比較的小さく、イギリスやオーストラリアの比率が高いものでした。以下のものがダイワ・グローバルREITの組入れ比率です。

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一方で、ラサールREITの組み入れ比率をみてみると、6割が米国のREITだとわかります。

以下の表がラサール・グローバルREITの組み入れ比率です。

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オーストラリアが2位にきていますが、比率は9.5%なのでダイワ・グローバルREITよりオーストラリアの比率は小さめです。

あと異なる点は、日本のJ-REITがラサールREITでは組み入れられている点です。ダイワ・グローバルREITではJ-REITは組み入れられていません。

経済的な密接度で言えば日本と米国かなりの牽連関係にあるので、事実上このラサールREITは65%を占めている日米の経済に大きな影響を受けるものと言えます。オーストラリアなどは分配金利回りを若干良くするためのおまけ程度です。

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上の図をみてもわかるように、米国と日本の不動産投信(REIT)の利回りはほぼおなじで、オーストラリアが5.4%ととても高いことがわかります。ですがこれは最近のデータなので、オーストラリアの経済減速により、基準価格が芳しくないために分配金利回りが高めになっているのです。分配金利回りは分配金を基準価格で割ったものですから、分母の基準価格がさえなければ当然分配金利回りは高くなるのです。だから、この図のように利回りが高いからと言って良い国とはいえないということです。

手数料体系は販売店有利

後日フィデリティUSリートを評価しますが、手数料体系はフィデリティUSリートの方が投資家視点になっています。ではラサールリートの手数料体系をみていきます。

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注目すべきは販売会社の手数料です。この投資信託は最高0.735%も販売会社が取っていくことになり、委託会社であるフィデリティ投信を上回っています。委託会社の取り分は運用の経費にかかわりますから、本リートのようにアクティブ運用にもかかわらずそれが少ないことは投資家のためには良くありません。しかも売れば売るほど販売会社の手数料割合が高くなっているのも、とにかく売ること有りきで営業員を動かすインセンティブになるので、これもまた投資家に良くありません。ちなみにフィデリティUSリートの販売会社手数料は0.6%で固定ですので、明らかにラサールリートは販売会社の取り分が多いです。

またこの投資信託は信託財産留保がありません。つまりファンドを解約した人は良いですが、残された人には不利です。解約すると保有証券を減らす分だけコストがかかりますが、そのコストを脱退者(解約者)が負担しないということです。

ダイワグローバルリートもこのように、営業員が売れば売るほどもらえる手数料の割合が増えていく手数料体系ですから、ダイワグローバルリートとラサールリートの手数料体系については、投資家視点からすると褒められたものではありません。