おすすめRyzen 5 2600Xのベンチマーク性能比較レビュー Intel Core i5 8600Kに対し性能比9%の差で第2世代Ryzenが敗北

Ryzen 5 2600Xは第2世代Ryzenプロセッサの中ではRyzen 7 2700Xに次ぐ人気があります。ベンチマーク報告のサンプル数でも第2世代Ryzenの中で18%を占めています。Ryzen 5 2600Xが2700Xに次ぐ人気がある理由はTDP95Wであり動作周波数が高く設定されていることにあります。

Ryzen 5 2600XのTDPが、Ryzen 7 2700XのTDP105Wより10Wだけ低いのはコア数が2つ少ないからです。Ryzen 7 2700Xよりも予算は抑えたいが動作周波数は高くしたいという場合にRyzen 5 2600Xを選択する人が多く、それがRyzen 7 2700無印よりも2600Xが人気の理由です。人気だけでなく実際の性能でも第2世代Ryzenの中ではRyzen 7 2700Xに次ぐ性能をRyzen 5 2600Xは持っています。しかしIntel Coreシリーズと比較するとなると、TDP91WのCore i3 8350Kとほぼ変わらない性能になってしまっています。

その他の第2世代Ryzenプロセッサの比較はこちらに掲載しています。

Ryzen 7 2700XとIntel Coreのベンチマーク性能比較

Ryzen 7 2700とIntel Coreのベンチマーク性能比較

Ryzen 5 2600とIntel Coreのベンチマーク性能比較

本来比較すべきCore i5 9600K相手だとRyzen 5 2600Xを+12%も上回る

Ryzen 5 2600Xは2018年発売なので、本来比較すべきIntel Coreプロセッサは同じ2018年に発売されたCore i5 9600Kです。それより1年前のCore i5 8600KをもってしてもRyzen 5 2600Xに余裕で勝っていたので、当然ながら同じ結果になります。

このように+12%もCore i5 9600Kが勝ってしまいます。動作クロックが0.1GHz上回っているのは些細な差であり、実際はCore i5 9600Kは256bit幅のFMA演算器を2基も搭載しているので、浮動小数点演算性能がRyzen 5 2600Xの2倍もあるのです。コンピュータ上で実行されるすべての演算がFMAではないので2倍の性能差にはなりませんがその部分が効いています。また命令レベル並列処理がIntel Coreのほうが圧倒的に優秀なのでこのような結果になります。

Ryzen 5 2600Xよりも1年前に発売されたCore i5 8600KでもCore i5が勝利

2018年発売のRyzen 5 2600Xよりも1年前の2017年に発売されたCore i5 8600Kと比較してみます。両方ともTDP95Wであり、コア数も両方とも6コア、さらに基本動作周波数が3.6GHzで同じです。

このように+9%もCore i5 8600Kが勝利しています。

+9%というのはCPUの年間性能向上率が+22%であることを考慮すると半年程度の技術進歩相当の差です。しかもCore i5 8600KはRyzen 5 2600Xと異なりIntegrated GPU(オンボードグラフィックス)を搭載しているため、汎用コアの+9%の性能差以上にCore i5 8600Kのほうが演算性能を持っています。