Core i7 13700KF搭載おすすめパソコン比較とベンチマーク性能評価

Core i7 13700KFは2022年10月に発売された第13世代Intel Core(Raptor Lake)の16コアプロセッサです。高性能なP-Coreが8コア、低消費電力なE-Coreが8コアの合計16コア構成になっています。

内蔵グラフィクス(integrated GPU: iGPU)が非搭載であるため別途グラボが必須です。

この”KF”モデルはグラボが必ず付属するタイプのBTOパソコンで多く採用されており、Core i7 13700KよりもBTOパソコン市場では多く出回っています。

個人的にはCore i7 13700Kの方が内蔵グラフィクス搭載でおすすめですが、ベンチマークによってはCore i7 13700KFの方が汎用コアの性能が高く出ているため、汎用コアの性能を少しでも引き出したい人はCore i7 13700KFがいいです。特にスレッドレベル並列性が高い処理ではCore i7 13700KFの方が性能が高く、PassMarkでも高いスコアが出ます。

Core i7 13700KFとRyzen7000(Zen4:Raphael)の比較

Core i7 13700KFと発売日が最も近い他社製プロセッサはAMD Ryzen7000シリーズです。Ryzen7000はZen4マイクロアーキテクチャを採用しTSMC5nmプロセスを採用した期待の星でしたがAMD愛好家からも見放されてしまっているCPUです。個別のベンチマーク比較でその理由を明らかにしていきます。

Core i7 13700KF vs. Ryzen 9 7950X

Core i7 13700KFの本来の比較相手はRyzen 7 7700Xですが、ここではあえて上のグレードのRyzen 9 7950Xと比較してみます。上のグレードと比較する分にはRyzen側にとって不利は無いためです。逆に考えるとそのようなRyzen側に有利な前提条件の下で、Core i7 13700KFに対してRyzen 9 7950Xが負けてしまうとRyzen 9 7950Xの立場が無くなってしまうことを意味します。

CPUベンチマーク名 Intel Core i7 13700KF vs. AMD Ryzen 9 7950Xのベンチマーク性能比較
Userbenchmark(実効) Intel Core i7 13700KF:125+7.8%
AMD Ryzen 9 7950X:116
Userbenchmark(Normal) Intel Core i7 13700KF:250+5.0%
AMD Ryzen 9 7950X:238
Userbenchmark(Heavy) Intel Core i7 13700KF:1,273+7.2%
AMD Ryzen 9 7950X:1,188
Userbenchmark(Server) Intel Core i7 13700KF:3,089-21.1%
AMD Ryzen 9 7950X:3,741

結果はこのようにRyzen 9 7950Xに対しCore i7 13700KFが+7.8%の性能差で勝利します。Ryzen 9 7950Xが勝った項目はUserbenchmark(Server)のような多スレッドが動作するベンチマークです。マルチスレッド性能に関してはRyzen 9 7950Xが有利で、1コアあたりの性能や実効性能はCore i7 13700KFが上です。

Core i7 13700KF vs. Ryzen 9 7900X

12コアのRyzen 9 7900Xと比較してみます。カタログスペック上のコア数はCore i7 13700KFの方が多いですが、Ryzen 9 7900XではP-Coreに相当するコアが12コアという意味なのでCore i7 13700KFよりも有利な前提条件です。型番からみてもRyzen 9 7900Xが一見上位に見えます。

CPUベンチマーク名 Intel Core i7 13700KF vs. AMD Ryzen 9 7900Xのベンチマーク性能比較
Userbenchmark(実効) Intel Core i7 13700KF:125+8.7%
AMD Ryzen 9 7900X:115
Userbenchmark(Normal) Intel Core i7 13700KF:250+5.5%
AMD Ryzen 9 7900X:237
Userbenchmark(Heavy) Intel Core i7 13700KF:1,273+12.1%
AMD Ryzen 9 7900X:1,136
Userbenchmark(Server) Intel Core i7 13700KF:3,089+12.0%
AMD Ryzen 9 7900X:2,757

しかし結果はRyzen 9 7900Xに対しCore i7 13700KFが+8.7%上回る結果です。Userbenchmark(Normal)で1コアあたりの性能を見てもRyzen 9 7950Xのときより大差がついているため、Ryzen 9 7900XになってCore i7 13700KFがますます有利になっています。Ryzen 9 7950Xのときは負けていたUserbenchmark(Server)でもCore i7 13700KFが今回は勝っています。

Core i7 13700KF vs. Ryzen 7 7700X

Ryzen 7 7700XはCore i7 13700KFの比較相手として妥当な相手です。P-Core×8コアに相当する汎用コアと同じコア数をRyzen 7 7700Xも有しているためです。追加でE-Coreがある分だけCore i7 13700KFには有利な条件でもあります。

CPUベンチマーク名 Intel Core i7 13700KF vs. AMD Ryzen 7 7700Xのベンチマーク性能比較
Userbenchmark(実効) Intel Core i7 13700KF:125+9.6%
AMD Ryzen 7 7700X:114
Userbenchmark(Normal) Intel Core i7 13700KF:250+6.8%
AMD Ryzen 7 7700X:234
Userbenchmark(Heavy) Intel Core i7 13700KF:1,273+20.9%
AMD Ryzen 7 7700X:1,053
Userbenchmark(Server) Intel Core i7 13700KF:3,089+65.7%
AMD Ryzen 7 7700X:1,864

このように+9.6%の性能差でRyzen 7 7700Xに対しCore i7 13700KFが勝利する性能です。特にすごいのがUserbenchmark(Server)の性能差で、Core i7 13700KFが+60%も上です。これはE-Coreの恩恵によるものです。

Core i7 13700KF vs. Ryzen 5 7600X

これはRyzen側にとって不利な条件での比較になりますがRyzen 5 7600Xとも比較してみます。Ryzen 5 7600Xは6コアプロセッサであるため、8+8コアのCore i7 13700KFよりもマルチスレッド性能が低いのは当然予想が付きますが、1コアあたりの性能なら比較対象として問題ないでしょう。

CPUベンチマーク名 Intel Core i7 13700KF vs. AMD Ryzen 5 7600Xのベンチマーク性能比較
Userbenchmark(実効) Intel Core i7 13700KF:125+12.6%
AMD Ryzen 5 7600X:111
Userbenchmark(Normal) Intel Core i7 13700KF:250+7.8%
AMD Ryzen 5 7600X:232
Userbenchmark(Heavy) Intel Core i7 13700KF:1,273+31.9%
AMD Ryzen 5 7600X:965
Userbenchmark(Server) Intel Core i7 13700KF:3,089+116.2%
AMD Ryzen 5 7600X:1,429

実効性能の結果はRyzen 5 7600Xに対しCore i7 13700KFが+12.6%上回ります。1コアあたりの性能を反映するUserbenchmark(Normal)でもCore i7 13700KFが上で、Userbenchmark(Server)に至ってはCore i7 13700KFがRyzen 5 7600Xの2倍以上の性能です。

Core i7 13700KFとRyzen5000(Zen3:Vermeer)の比較

2022年10月のCore i7 13700KF発売以降、2022年9月に発売されたRyzen7000の買い控えが終わるかと思いきやRyzen7000が売れずにRyzen5000ばかりが売れる現象が発生しました。Ryzen7000では第13世代Intelに勝てない上にAM5マザーボード価格が高すぎるため「高い金払ってRyzen7000を買ってもIntelに負けたら意味ないから安いRyzen5000でいい」と考えるAMDユーザが増えたためです。Ryzen5000にしておけば第13世代Intelと比較されることは殆どないため、ある意味敵前逃亡とも言えます。しかしその敵前逃亡を見越してあえてここではRyzen5000とも比較してみます。

Core i7 13700KF vs. Ryzen 9 5950X

Ryzen5000のフラッグシップモデルであるRyzen 9 5950Xと比較してみます。全体のコア数ではRyzen 9 5950Xが劣勢ですが、高性能コアの数ではRyzen 9 5950Xの方が上です。

CPUベンチマーク名 Intel Core i7 13700KF vs. AMD Ryzen 9 5950Xのベンチマーク性能比較
Userbenchmark(実効) Intel Core i7 13700KF:125+25.0%
AMD Ryzen 9 5950X:100
Userbenchmark(Normal) Intel Core i7 13700KF:250+33.7%
AMD Ryzen 9 5950X:187
Userbenchmark(Heavy) Intel Core i7 13700KF:1,273+40.7%
AMD Ryzen 9 5950X:905
Userbenchmark(Server) Intel Core i7 13700KF:3,089+14.1%
AMD Ryzen 9 5950X:2,707

しかし結果は+25%の大差でRyzen 9 5950Xに対しCore i7 13700KFが勝ってしまう結果です。各項目を見るとUserbenchmark(Server)では比較的Ryzen 9 5950Xが健闘していますがそれでも2桁%の差でCore i7 13700KFが勝っています。

Core i7 13700KF vs. Ryzen 9 5900X

高性能コアを12コア有するRyzen 9 5900Xと比較してみます。全体のコア数としてはCore i7 13700KFの方が多いですが、高性能コア数だけを見るとRyzen 9 5900Xが優勢です。

CPUベンチマーク名 Intel Core i7 13700KF vs. AMD Ryzen 9 5900Xのベンチマーク性能比較
Userbenchmark(実効) Intel Core i7 13700KF:125+26.6%
AMD Ryzen 9 5900X:98.7
Userbenchmark(Normal) Intel Core i7 13700KF:250+33.0%
AMD Ryzen 9 5900X:188
Userbenchmark(Heavy) Intel Core i7 13700KF:1,273+44.8%
AMD Ryzen 9 5900X:879
Userbenchmark(Server) Intel Core i7 13700KF:3,089+48.1%
AMD Ryzen 9 5900X:2,086

結果はRyzen 9 5900Xに対し+26.6%の大差でCore i7 13700KFが勝利してしまいます。しかもUserbenchmark(Server)においてはRyzen 9 5950Xよりも大差が付いてCore i7 13700KFが上です。たとえE-Coreであっても十分なマルチスレッド性能を有していることがわかります。

1位: マウスコンピューター G-Tune PP-Z 2210PP-Z790W11【GeForceRTX3070, メモリ32GB, SSD1TB, 54.0ℓ】

商品名マウスコンピューター G-Tune PP-Z 2210PP-Z790W11 (第13世代Intel)
CPUIntel Core i7 13700KF, Core i9 13900KF
GPUNVIDIA GeForce RTX 3070
メモリ32GB
SSD1TB
OSWindows 11 Home or Windows 11 Pro
サイズ54.0ℓ / 16.9kg
価格\ 363,100(税込)

グラボにGeForce RTX 3070が選ばれてることで少し価格が安くなっていますがそれでもまだ高額といった印象です。メモリ32GBを16GBにできれば良いですがそういった選択肢はありません。

2位: マウスコンピューター G-Tune XP-Z 2210XP-Z790W11 【GeForceRTX4090, メモリ64GB, SSD2TB,HDD選択必須, 54.0ℓ】

商品名マウスコンピューター G-Tune XP-Z 2210XP-Z790W11 (第13世代Intel)
CPUIntel Core i7 13700KF
GPUNVIDIA GeForce RTX 4090
メモリ64GB
SSD2TB
HDD4TB(HDD選択必須)
OSWindows 11 Home or Windows 11 Pro
サイズ54.0ℓ / 19.7kg
価格\ 683,100(税込)

HDD搭載が必須なのがデメリット。HDD非搭載にしたい人には向きません。価格が異様に高いのはGeForce RTX 4090を搭載しているためで、価格を安く抑えたい場合は他の安いグラボを選択できるPCを選んだ方がいいです。このモデルはRTX4090しか選択できません。