HDDの容量増加に限界 まだ伸びしろがあるSSDに世代交代

2016年になりようやく10TBのHDDが出てきましたが2018年になってもまだまだ高価なままです。しかも2年経過しても12TBのHDDしか出ていません。

容量単価が最も安いのは2016年では3TBであり、2018年になっても容量単価が最も安い容量帯は4TBです。容量単価が最も安い容量帯がより大容量になるペースが非常に遅いと言えます。

2000年代前半頃は3~4年もすればHDD容量が10倍になっていたのに比較すると容量増加のペースは一気に落ちました。

HDDは既に7プラッタを詰め込んでいる上に、重ね書きというあまりにも無理がある技術でやっと12TB達成ですから、今後容量を伸ばすとしてもせいぜい20TB程度までとも言えます。

HDD容量の進歩が止まればファイルサイズの拡大も止まると思っていましたが、どうやらSSDは1ペタバイトの容量まで増やせるのは十分可能なようなので、まだまだストレージサイズの拡大は続くでしょう。

 

HDDは異なりSSDはまだ伸びしろがあります。半導体回路を何層構造にもする多層化を100層のようにしていけばチップあたりの容量(単位面積あたりの容量)を増やすことができます。

さらにSSDは半導体なのでさらなる微細化が可能です。CPUの14nmや10nm,7nmプロセスに比べたらまだまだ集積度が低いので集積度の向上でも容量をアップできます。

またSSDは現在2.5インチが主流で流通しています。

HDDは3.5インチと2.5インチがありますがなぜSSDは2.5インチだけかというと、SSDの価格がまだまだ高いため2.5インチ生産に特化して2.5インチのみを大量生産し、スケールメリット(規模の利益)を享受して1製品あたりの固定費を下げてることで製造原価を下げようとしているからです。

2.5インチSSDに加えて3.5インチSSDまで生産したら2.5インチと3.5インチで生産が分散してしまい両方とも価格が高止まりしてしまいます。そのため2.5インチに集中的に資本を投入していることになります。

今後2020年頃にはSSDとHDDの容量単価が逆転すると言われています。

2018年でも既に3.5インチサイズの筐体にNANDチップを詰め込むアプローチでSSDの絶対容量を増やす製品が現れました。SSDを3.5インチにすれば2.5インチよりも大量のチップを詰め込むことができ、集積度の向上や3D構造による多層化をしなくても一気に容量アップができます。

このようにSSDはまだまだ伸びしろがあり、1ペタバイトや1エクサバイトも今後50年以内で現実的な範囲内です。