株式ペアトレードの見方

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根拠となっている理論背景については後半に書いてあるのでそちらをお読みください。手っ取り早くトレードの実例を見たい方は最初からお読みください。また免責事項にある通り、管理人は、利用者の本サイトの情報の利用によって又は本サイトの情報に関連して発生するすべての損害又は損失に関して、一切の責任を負いません。自己責任で情報を閲覧し利用してください。

取引時間

まず本トレードは15:00の引け値が確定したのちに新たにパラメータを計算しなおし、売買の判断をします。翌営業日の9時の寄り付きで取引することを前提としていますが、SBI証券の夜間PTSを利用できる方はそちらで取引してもかまいません。ただPTSが閑散としていて取引できない可能性はあります。

仮に当日の夜間取引であっても参考価格(これは当日の引け値)から大きく離れている場合はトレードを見送ることが賢明です。これは翌営業日の寄り付きでも同じです。

特に推定リターンが3%なのにすでに価格が参考価格から3%も離れている場合は見送るべきです。

クローズシグナルが出たら翌営業日の寄り付きか、当日の夜間PTSでクローズします。オープンシグナルがでたら、翌営業日の寄り付きか当日の夜間PTSで買付け・空売りという流れになります。

オープンシグナルは翌営業日の朝8時までにすべて掲載する予定です。

実例

そーせいグループとコカ・コーラウエストの統計的アービトラージを見てみます。

まずタイトルに「そーせいグループ vs. コカ・コーラウエスト」とあります。これはそーせいグループとコカ・コーラウエストでペアを作り、統計的アービトラージを行うということです。

ポジションをどう組めば良いのか詳細を見ていきます。

そーせいグループ vs. コカ・コーラウエスト

ペアトレードの第一銘柄: そーせいグループ

新規オープンポジションそーせいグループの統計的アービトラージ・ペアトレードは買いです。数量数量は1株です。コード4565銘柄名そーせいグループ参考価格エントリー時の参考価格は4400円です。

まずペアとなる2つの銘柄のうち最初の銘柄についてです。

ここでは「そーせいグループ」株は買いポジションになります。その数量が重要でして、そーせいグループは100株で1単位ですから、最低でも100株買う必要があります。次にペアのもう片方の銘柄を見てみます。

ペアトレードの第二銘柄: コカ・コーラウエスト

新規オープンポジションコカ・コーラウエストの統計的アービトラージ・ペアトレードは売りです。数量数量は5.27株です。

もう片方はコカ・コーラウエストです。数量は5.27株となっていますが、こちらも1単位あたり100株からの取引ですので、とりあえず100倍して527株としてみます。

ですが端数の27株は買い付けることができません。この場合は切捨てて500株とする方法が一つです。

結局、そーせいグループを100株買い、コカ・コーラウエストを500株売りということになります。

もう一つの方法として、資金が十分にあり、そーせいグループを10,000株買えるとしましょう。

そうするとコカ・コーラウエストは52,700株となります。このようにすれば端数の切捨てを行うこと無くペアトレードができ、こちらの方がマーケットニュートラル性を維持できます。この比率をできるだけ再現することがマーケットニュートラル(相場の上下に左右されないポジション)性を高めることになります。

銘柄によっては最低買付け金額が小さいものもあれば、大きい物もあります。大きい銘柄ほど比率のコントロールが難しいので、最低買付け金額が小さいペアが現れるのを待つのも一つの方法です。

また中には空売りできないものもありますから、そういった銘柄を避けることも必要です。

そして重要なことは、資金を1つのペアにすべてつぎこまないことです。統計というのは5%の誤りを許容するかわりに95%を的中させたり、1%の誤りを認めるかわりに99%を的中させる学問です。

つまり取引したペアがたまたま的中しないものだったとすると、95%で勝ち5%で負けるといった統計の恩恵が受けづらいのです。できるだけ各ペアに分散させることで統計的アービトラージの恩恵を受けることができます。

例えば資金を10分割し、1つのペアに1/10ずつ資金を割り当てるのが一つの方法です。そしてペアがクローズして資金が開放されたら、その日にオープンしたペアに割り当てる、といったことを繰り返すわけです。その日に5ペアしかオープンしない場合に、その5ペアにすべての資金をつぎ込むことは避けるべきです。その日は資金の5/10までにしておいて、翌営業日に2ペアオープンしたらその2ペアに2/10の資金を割り当てる、といったことを行っていきます。

またすべてのペアを取引する必要はありません。このペアの銘柄はよく知らない、といったように気の進まないものは取引する必要はありません。重要なことは資金を十分に分割して、時間的に、それぞれのペアごとに十分分散させることです。

統計的アービトラージとは

統計的アービトラージ(Statistical arbitrage)とは1980年~1990年頃に広まった共和分理論を根拠としたヘッジファンド戦略の一種です。

世間一般では”サヤ取り”や”NTトレード”として認識されているものを初めて学問として計量経済学の分野で確立したのが共和分理論です。

ヘッジファンド戦略は様々な切り口での分類がありますが、まず本サイトで掲載している株式統計的アービトラージは「レラティブバリュー戦略」に該当します。

レラティブバリューとは合理的な水準から低くなっている銘柄を買い、高くなっている銘柄を売ることで価格の非効率性を収益にするものです。

株式市場が完全に効率的ならば、このような収益機会は存在しません。ですが実際には投資家というのは合理的に行動せず、感情などによって高くても買ってしまったり、不当に低い価格でも売ってしまったりするものです。そこに収益機会があります。

さらに株式統計的アービトラージは「ロング・ショート戦略」でもあります。

単に相関係数やNT倍率、もっとひどいものだとボリンジャーバンドを使った”サヤ取り”を掲載しているサイトもありますが、本サイトでは非常に計算時間がかかる共和分推定・共和分検定を日本取引所に上場する4000弱のすべての銘柄を用いて、1600万通り近い組合せ(順列)をIntel Xeonマルチプロセッサ・マルチコアプロセッサ環境で計算したものを無料で掲載しています。 単にExcelで計算できる程度のものや目視で用いて行うペアトレードとは一線を画するものだと自負しています。

相関係数に優位性がない理由

よく相関係数で”サヤ取り”のシグナルを出している方がいますが、相関係数に優位性がないことが1980年台に示されています。

これはCAPMでも同様です。CAPMは回帰分析をして相関係数を導き出し、その相関係数が市場ポートフォリオ(TOPIXや日経平均など)の相関を表す感応度としてみなすものです。

ですが、株価のようにランダム性の強い系列同士(個別株と日経平均株価など)を回帰分析すると、見せかけの回帰になることが示されています。

簡単に言えば、両者には何の相関が内にもかかわらず相関係数が有意(たまたまの偶然ではなく意味のある統計量)であると判断されてしまうのです。もちろんこれは誤った判断です。

相関係数を二乗したものを「決定係数」と呼びますが、この決定係数は相関係数と本質的に同じ量です。1980年台以前はこの決定係数が大きれば統計分析は妥当、というコンセンサスがありました。2つの量(トヨタと日経平均株価など)を回帰分析して決定係数が大きければこの回帰分析は意味をなしていると判断されていたのです。

ですがそれは誤りだということを、共和分推定・共和分検定の理論が示しました。

共和分検定を行うと、さきほどのような無関係なもの同士の見せかけの回帰を見破ります。共和分検定を通過したペアのことを共和分関係があると言います。

例えば東海旅客鉄道と西日本旅客鉄道が共和分関係があると判断されたなら、それはペアトレード可能です。

一方で、相関係数は有意だが共和分検定で共和分関係無しと判断されたなら、それはペアトレード可能ではありません。つまり相関係数を計算しただけでは”サヤ取り(ペアトレード)”できないのです。

本サイトに掲載しているものは共和分推定を行った後に共和分検定を行い、検定を通過したものです。よって単なるCAPMや相関係数や決定係数などを用いている方法より優位性があります。

NT倍率に優位性がない理由

NT倍率という指標があります。日経平均株価をTOPIXで割った倍率であり、これを見ながら”サヤ取り”を行う方法が相当昔からあるようです。ですがこのNT倍率にも優位性がないことが共和分理論で示されています。

NT倍率のみならず、金を銀で割る金銀倍率、トヨタ自動車を日産自動車で割る倍率などにも同様に優位性がありません。

まず共和分回帰とはy=ax+bで単回帰するものです。ここで切片のbがないものとしたものがNT倍率です。つまりy=axで回帰するのがNT倍率ということになります。

株や為替などの価格系列においてはy=axで回帰することは統計的に有意と判断されません。つまりy=axというモデルが間違っているのです。

統計分析の検定を行えばy=axで回帰させることが誤りであると簡単にわかるのですが、単に日経平均株価をTOPIXで割っただけでは検定を行っていないので、そのような割り算を行うことに優位性がないことに気がつかないで終わってしまうのです。もちろん本サイトではNT倍率は一切使用していません。

最後に

統計的アービトラージの根拠になっているのは計量経済学であり、またそれは数学の分野の統計学がベースになっています。

統計学というのは100%的中させる”銀の弾丸”のような学問ではありません。1%のミスを許容して99%を的中させる、5%のミスを許容して95%を的中させるという学問です。

よって統計的アービトラージは負けなしの聖杯ではありません。私は聖杯という言葉やそれを追い求めている人が嫌いなのですが、統計的アービトラージ・ペアトレードは単に統計学を使って確率を引き上げてるだけであり、100%はありえません。そこをよく理解した上で本サイトの情報を参考にしてください。

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