地頭力を鍛える


一時期流行ったフェルミ推定の本です。経営コンサルがまだ華やかだったころはこんな本が氾濫していました。


この本の考え方は、細かい数字やデータより大雑把なことを把握するということです。統計データを見れば具体的な数字が得られます。ですがフェルミ推定は、一般常識レベルのことから、他のデータを推定していくことなのです。なぜこれが持てはやされるのかと言えば、データをみるのはネットで検索できるから誰でもできる、しかし毎回ネットで情報収集してたら考えるのが遅くなるだろう、ということです。実際このフェルミ推定では面接試験でよく使われると言われてきました。面接試験のときは椅子に座って相手と向き合っているだけ、情報端末も渡されずに、この人の能力を見るにはどうしたらよいかといえば、一般常識から一見自明でないことを推定してもらう、というのは自然です。単にガチ暗記の人でもなく、考える力こそすべてと崇拝している人が当時は経営コンサルや投資銀行には多かったものですから、こういうのが流行っていたわけですが。最近はどうも、法律や会計や高度な数学などの、専門職としての高い専門性の方が重視されている気がします。景気が良いときは国家資格なんてそこまで人気ないですが、景気先行き不透明だと、うさんくさい頭の体操より詰め込みで国家資格を取る、という風潮になっている気がします。実際は具体的なデータはある程度、それこそ高校の地理で使ったようなデータブックをある程度見ておく必要があり、時事問題としてはやはり暗記が重視されている感じを受けます。なので今は面と向かって、このフェルミ推定に取り組む必要性は高くないでしょう。